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28 嫡子の決意
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「感動しました!モラフ様。」
理事長室に呼ばれてしまった公爵一家とコマ。モラフの挨拶が素晴らしかったと理事長は御満悦だ。
「皆と一緒に遊びたい。もし僕を公爵家の人間だと敬遠するなら僕はグレるからな!不登校になってやる!僕は本気だからな!僕は皆と同じなんだ。家の格式で態度が変わるなら…僕は平民になりたい。そしたら君達は普通に接してくれるのだろう。だったらダンドールの名は要らない。君たちと過ごす時間の方が…僕には大事なんだから!おわり。」
クレアも嬉しそうだ。生徒達の心を掴んだ言葉に感動している。年相応の事をしてほしい。母の願いはモラフに届いたのではないだろうか?
「それでですね…クラス分けなんですが、こうなっていますので確認して下さい。」
理事長が机に出した紙を見てモラフは驚愕する。
「1年特組」
モラフ・ダンドール
コマ・カダバール
ユッカ
以上3名。 担任理事長・副担任メマニア・カラザ
教室・理事長室
「特別扱い…過ぎる!」
可怪しいと叫びながら理事長室を出ようとするモラフの前に歪んだフレームの眼鏡を掛けた女性が立ち塞がる。
(…早いのじゃ!)
「副、副担任の…メマニアです!独身の24歳です。」
自己紹介は良いから儂の前から退いてくれ!
(何だ此奴…動きが教師じゃないのじゃ!)
どれほど早く動いても必ずモラフの前に立ち塞がるメマニア先生。この動きは教師より闇に忍ぶ者に近いのだが今は正体が分かる訳が無い。
「それでは明日からは、此方の理事長室へ通う様にお願いしますね!」
何だこの学園は…僕はグレてやるからな!
帰り道の途中で広場で異様な二人を見かけたモラフ。
ゴンタとハナコ氏だ!
(何じゃ彼奴等…手など繋ぎおって!儂は最悪な学園スタートをしたんだぞ!)
どうやらゴンタとハナコ氏は…友達以上の関係にはなれた様だ。
翌朝。
学園生活二日目にして既に足取りが重いモラフ。遅刻ギリギリで教室……いや理事長室に向かう。
はあ?
昨日と室内が全然違う。理事長の机は撤去され、四角い木の机が3つ…そして不釣り合いな程、綺羅びやかな椅子が横一列に並んでいる。そして壁には座学で使う黒板…右隅には日直モラフと書かれていた。
(名前の下に極小で「様」っ書くの止めてくれないかな?)
そして…授業が始まった。
これは…退屈だ。正に退屈の言葉が似合う程の退屈だ。
6歳になるモラフ。しかし中身は博識だった爺やだ。それに屋敷の本を読み漁る程、モラフは我流で学んだのだ流石に1年生の授業は退屈でしかない。
「トラ君はランの実が5個有ります。お婆ちゃんにそのランの実を2つあげました。残りは幾つですか?」
やばい…本当に退屈だ!
「は~い!」
「はい。ユッカちゃん答えを教えて下さい。」
椅子から立ち上がり背筋を伸ばし、元気よく答えるユッカ。
「答えは…8個です!」
ぶっ!
「モラフ……様。笑ってはいけない…です!どうして8個なのですか?ユッカちゃん。」
どうして8個?
ユッカは何故そんな事を、聞いてくるのか分からなかった。簡単な問題なのに…先生って実は自分で出した問題の答えが分からないのかしら?
しょうがない。アタシが教えてやるか!
「トラ君の優しさに、お婆ちゃんが感動してトラ君に5個のランの実をあげたからです!」
発展!…勝手に発展させた。
彼女は感受性豊かなのだろう。今年で11歳になるユッカ、クラスの中でコマと一二を争う穢れなき心の持ち主だ。…まあ、全員で三人だから何とも言えない感じなのだが。
「ユッカちゃん…正解は3個です!」
この歪んだフレームの眼鏡先生は、お婆ちゃんの事を知らないんだな!アタシが教えてやる。
お婆ちゃんは、腰を痛めてるんだぞ!
何だ?この繋がらない会話は…
一旦…無視しよう。コマも歳以上に賢い感じがするのだが…
おお!やはり退屈なのだな。何を書いておるのじゃ?
モラフは、一心不乱に紙に何かを書いているコマの机を覗く。コマは定規を使い綺麗に線を引いていた。
「娼館までの我慢出来る距離。」
駄目じゃ~!このクラスは癖が強いのじゃ!!
儂が…しっかりせねば…クラス崩壊するのじゃ!
入学2日目に、モラフは自ら学級委員長に立候補した。
儂が…クラスを守るのじゃ!!
理事長室に呼ばれてしまった公爵一家とコマ。モラフの挨拶が素晴らしかったと理事長は御満悦だ。
「皆と一緒に遊びたい。もし僕を公爵家の人間だと敬遠するなら僕はグレるからな!不登校になってやる!僕は本気だからな!僕は皆と同じなんだ。家の格式で態度が変わるなら…僕は平民になりたい。そしたら君達は普通に接してくれるのだろう。だったらダンドールの名は要らない。君たちと過ごす時間の方が…僕には大事なんだから!おわり。」
クレアも嬉しそうだ。生徒達の心を掴んだ言葉に感動している。年相応の事をしてほしい。母の願いはモラフに届いたのではないだろうか?
「それでですね…クラス分けなんですが、こうなっていますので確認して下さい。」
理事長が机に出した紙を見てモラフは驚愕する。
「1年特組」
モラフ・ダンドール
コマ・カダバール
ユッカ
以上3名。 担任理事長・副担任メマニア・カラザ
教室・理事長室
「特別扱い…過ぎる!」
可怪しいと叫びながら理事長室を出ようとするモラフの前に歪んだフレームの眼鏡を掛けた女性が立ち塞がる。
(…早いのじゃ!)
「副、副担任の…メマニアです!独身の24歳です。」
自己紹介は良いから儂の前から退いてくれ!
(何だ此奴…動きが教師じゃないのじゃ!)
どれほど早く動いても必ずモラフの前に立ち塞がるメマニア先生。この動きは教師より闇に忍ぶ者に近いのだが今は正体が分かる訳が無い。
「それでは明日からは、此方の理事長室へ通う様にお願いしますね!」
何だこの学園は…僕はグレてやるからな!
帰り道の途中で広場で異様な二人を見かけたモラフ。
ゴンタとハナコ氏だ!
(何じゃ彼奴等…手など繋ぎおって!儂は最悪な学園スタートをしたんだぞ!)
どうやらゴンタとハナコ氏は…友達以上の関係にはなれた様だ。
翌朝。
学園生活二日目にして既に足取りが重いモラフ。遅刻ギリギリで教室……いや理事長室に向かう。
はあ?
昨日と室内が全然違う。理事長の机は撤去され、四角い木の机が3つ…そして不釣り合いな程、綺羅びやかな椅子が横一列に並んでいる。そして壁には座学で使う黒板…右隅には日直モラフと書かれていた。
(名前の下に極小で「様」っ書くの止めてくれないかな?)
そして…授業が始まった。
これは…退屈だ。正に退屈の言葉が似合う程の退屈だ。
6歳になるモラフ。しかし中身は博識だった爺やだ。それに屋敷の本を読み漁る程、モラフは我流で学んだのだ流石に1年生の授業は退屈でしかない。
「トラ君はランの実が5個有ります。お婆ちゃんにそのランの実を2つあげました。残りは幾つですか?」
やばい…本当に退屈だ!
「は~い!」
「はい。ユッカちゃん答えを教えて下さい。」
椅子から立ち上がり背筋を伸ばし、元気よく答えるユッカ。
「答えは…8個です!」
ぶっ!
「モラフ……様。笑ってはいけない…です!どうして8個なのですか?ユッカちゃん。」
どうして8個?
ユッカは何故そんな事を、聞いてくるのか分からなかった。簡単な問題なのに…先生って実は自分で出した問題の答えが分からないのかしら?
しょうがない。アタシが教えてやるか!
「トラ君の優しさに、お婆ちゃんが感動してトラ君に5個のランの実をあげたからです!」
発展!…勝手に発展させた。
彼女は感受性豊かなのだろう。今年で11歳になるユッカ、クラスの中でコマと一二を争う穢れなき心の持ち主だ。…まあ、全員で三人だから何とも言えない感じなのだが。
「ユッカちゃん…正解は3個です!」
この歪んだフレームの眼鏡先生は、お婆ちゃんの事を知らないんだな!アタシが教えてやる。
お婆ちゃんは、腰を痛めてるんだぞ!
何だ?この繋がらない会話は…
一旦…無視しよう。コマも歳以上に賢い感じがするのだが…
おお!やはり退屈なのだな。何を書いておるのじゃ?
モラフは、一心不乱に紙に何かを書いているコマの机を覗く。コマは定規を使い綺麗に線を引いていた。
「娼館までの我慢出来る距離。」
駄目じゃ~!このクラスは癖が強いのじゃ!!
儂が…しっかりせねば…クラス崩壊するのじゃ!
入学2日目に、モラフは自ら学級委員長に立候補した。
儂が…クラスを守るのじゃ!!
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