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30 夏休み
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「え~!姉上は戻られないのですか?」
母クレアが読んでいる、父からの手紙の内容を聞いて、残念がるモラフ。
…明日から夏休みだと言うのに姉上は帰って来ない。
何時も悪戯を僕にする姉上。いざ会えなくなると寂しくなる。学園生活も特別扱い過ぎて、友達も未だに出来ていない。ユッカとコマは良いよな!…魔法が使えるから授業も楽しいだろう。
……僕は、姉上と過ごす時間が楽しいんだ!
「全員、集合しやしたぜ!お師匠様」
何時もの屋敷の正門でモラフの前に集まる…ゴンタ軍団とコマとユッカ。
「皆!僕は夏休みを使って姉上の居る王都へ行こうと思う。誰か着いて来てくれないかな?」
嫡子の問に反応は微妙だった…
コマは侯爵領へ帰省する。マグカツ兄弟は実家の魚屋の手伝いで忙しい。マサエモンは門番だ…
「お師匠様!このゴンタがお供しやすぜ!」
一番要らないゴンタ君の頼りない親指をつきあげるポーズが妙に苛々してしまうモラフ。
「ゴンタ様…アタスを置いていぐのはやめでけれ!」
…ハナコ氏!そうだハナコ氏よ頑張ってゴンタ君を引き止めるんだ。今の君なら可能だ!
「ハナコ…お前も俺と一緒に行こうぜ!」
「んだな!アタスはゴンタ様さ着いていぐ!」
……終わった…波乱しか無い旅が今確定したんだ。
項垂れるモラフに近づいてくるユッカ。そうだ!ユッカが居れば僕はまだ冷静で入れる…ありがとうユッカ。
「お父さん…腰痛めて寝込んでいると母から手紙が来たので…アタシは実家のお手伝いします。気をつけて行って来て下さい。モラフ様…」
モラフは皆に見送られゴンタとハナコ氏の間に挟まれた形で屋敷を後にした。
断じて…この二人の子では無いのだ!
「あれ?ゴンタ先輩じゃないですか…何方へ?」
街の正門の門番がゴンタ君に話しかけてきた。知らなかった…ゴンタ君は門番生業では有名人の様だ。
ハナコ氏とは結婚前提でお付き合いを始めたらしい。ようやくゴンタ君にも責任感が芽生えるだろう。ハナコ氏を生涯守ると言う責任感が…
責任感……無し!!
街道を進む三人の前に現れた複数のガラの悪い男達。僕らに身包み置いて失せろと言って来た。外に出れば公爵家の嫡子だろうと関係ないのだろう…待てよ。もしかしたら僕が公爵家の人間だから絡んで来たのか?
撃退!
身包みを剥がされたのはガラの悪い男達の方だった。凄まじい勢いで男達を地面に投げ捨てたハナコ氏の背後から眼力満点のゴンタ君が地面に伸びた男達の服を剥ぎ取った。
「お師匠様!こいつらの荷物を次の町で売って旅の資金にしましょうぜ!」
「ゴンタ様は頭が良いだ!」
この二人が野党じゃないですか!もしこの二人を王都へ時放ったら公爵家の面子は丸潰れだ。
(良い機会じゃ…ゴンタを旅の間に更生させるのじゃ!このままではハナコ氏にも悪気が移ってしまいそうじゃからな。)
しかし、ゴンタ君の快進撃は留まることを知らない。ハナコ氏が応援する中、旅人に絡み。良くわからない理由で服を奪いとる。裸の旅人は背中を日に照らされ肌を赤くしながら泣き叫ぶ。モラフが仲裁に入るが公爵家の嫡子と分かると裸のまま土下座をしてくる。
…完全に儂まで悪党じゃないか!
そして夜になれば所構わずイチャイチャする中年カップル。見るに耐えかねんモラフは野宿だろうが同部屋だろうが、子供らしく早寝をする。王都までの景色を楽しむ事も無く一週間ゴンタ君を監視した嫡子モラフは完全にゴンタ疲れをしてしまった。
(せっかくの夏休みが既に憂鬱なのじゃ…)
母クレアが読んでいる、父からの手紙の内容を聞いて、残念がるモラフ。
…明日から夏休みだと言うのに姉上は帰って来ない。
何時も悪戯を僕にする姉上。いざ会えなくなると寂しくなる。学園生活も特別扱い過ぎて、友達も未だに出来ていない。ユッカとコマは良いよな!…魔法が使えるから授業も楽しいだろう。
……僕は、姉上と過ごす時間が楽しいんだ!
「全員、集合しやしたぜ!お師匠様」
何時もの屋敷の正門でモラフの前に集まる…ゴンタ軍団とコマとユッカ。
「皆!僕は夏休みを使って姉上の居る王都へ行こうと思う。誰か着いて来てくれないかな?」
嫡子の問に反応は微妙だった…
コマは侯爵領へ帰省する。マグカツ兄弟は実家の魚屋の手伝いで忙しい。マサエモンは門番だ…
「お師匠様!このゴンタがお供しやすぜ!」
一番要らないゴンタ君の頼りない親指をつきあげるポーズが妙に苛々してしまうモラフ。
「ゴンタ様…アタスを置いていぐのはやめでけれ!」
…ハナコ氏!そうだハナコ氏よ頑張ってゴンタ君を引き止めるんだ。今の君なら可能だ!
「ハナコ…お前も俺と一緒に行こうぜ!」
「んだな!アタスはゴンタ様さ着いていぐ!」
……終わった…波乱しか無い旅が今確定したんだ。
項垂れるモラフに近づいてくるユッカ。そうだ!ユッカが居れば僕はまだ冷静で入れる…ありがとうユッカ。
「お父さん…腰痛めて寝込んでいると母から手紙が来たので…アタシは実家のお手伝いします。気をつけて行って来て下さい。モラフ様…」
モラフは皆に見送られゴンタとハナコ氏の間に挟まれた形で屋敷を後にした。
断じて…この二人の子では無いのだ!
「あれ?ゴンタ先輩じゃないですか…何方へ?」
街の正門の門番がゴンタ君に話しかけてきた。知らなかった…ゴンタ君は門番生業では有名人の様だ。
ハナコ氏とは結婚前提でお付き合いを始めたらしい。ようやくゴンタ君にも責任感が芽生えるだろう。ハナコ氏を生涯守ると言う責任感が…
責任感……無し!!
街道を進む三人の前に現れた複数のガラの悪い男達。僕らに身包み置いて失せろと言って来た。外に出れば公爵家の嫡子だろうと関係ないのだろう…待てよ。もしかしたら僕が公爵家の人間だから絡んで来たのか?
撃退!
身包みを剥がされたのはガラの悪い男達の方だった。凄まじい勢いで男達を地面に投げ捨てたハナコ氏の背後から眼力満点のゴンタ君が地面に伸びた男達の服を剥ぎ取った。
「お師匠様!こいつらの荷物を次の町で売って旅の資金にしましょうぜ!」
「ゴンタ様は頭が良いだ!」
この二人が野党じゃないですか!もしこの二人を王都へ時放ったら公爵家の面子は丸潰れだ。
(良い機会じゃ…ゴンタを旅の間に更生させるのじゃ!このままではハナコ氏にも悪気が移ってしまいそうじゃからな。)
しかし、ゴンタ君の快進撃は留まることを知らない。ハナコ氏が応援する中、旅人に絡み。良くわからない理由で服を奪いとる。裸の旅人は背中を日に照らされ肌を赤くしながら泣き叫ぶ。モラフが仲裁に入るが公爵家の嫡子と分かると裸のまま土下座をしてくる。
…完全に儂まで悪党じゃないか!
そして夜になれば所構わずイチャイチャする中年カップル。見るに耐えかねんモラフは野宿だろうが同部屋だろうが、子供らしく早寝をする。王都までの景色を楽しむ事も無く一週間ゴンタ君を監視した嫡子モラフは完全にゴンタ疲れをしてしまった。
(せっかくの夏休みが既に憂鬱なのじゃ…)
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