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PHASE-1853【おっさんの仮説】
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『それで――元々の主から去り、そしてラダイゴロスではなく私の庇護を受けたいのはなぜかな?』
兄上ではなく呼び捨てですか。
『誰しも才覚ある御方に仕えたいと思うのが普通では?』
『ラダイゴロスには才覚がないと?』
『ないとは言いません。ですが今、私の目の前におられる御方と比べれば――』
もったいぶるように言葉をそこで止めるってのもテクニックなんだろうな。
『面白き男だな。気に入った。我が庇護の元で過ごすが良い。そして元の主に対して復讐の機会を与えてやろう』
『おおっ! おお……なんたる……。何というお心……。わ、わ゛だぐじは……これほどの気遣いを受けたのは初めてでございます』
音からだけでも伝わってくる光景。
両膝をついて体を丸めて号泣しているようだな……。
――しばらくして声を整えれば、
『必ずや暗君の首をこの手で切り落としてくれます!』
王様を見れば片方の眉根をつり上げて面白くないと周囲に顔で伝える。
さっきまで頼むぞと自分の心臓部分をトントンと拳で叩いていたバリタン伯もお怒りで、いつもの状態――茹でダコのように顔を真っ赤にしていた。
怒りのあまり今にも罵詈雑言を口から吐き出しそうになっていたが、それを見抜いたとばかりに同室であるナブル将軍と心の友が口を塞いで羽交い締め。
それを横目に見つつ通信機へと耳を傾ければ、
『しかし――なんとも妙なものですね』
と、ミルトンのおっさんが抑えた声。
これにガガドムサが何か? と、問う。
問われれば、
『私に接触してきたリザードマンとオークの騎獣隊のことです』
最初に接触してきたのはラダイゴロスの騎獣隊だった。
その動きと油断怠りなくこちらを調べる姿は見事であり、優秀という言葉が脳内を支配していた。と、ミルトンのおっさんが言えばガガドムサは不機嫌とばかりに強めの鼻息を一つ。
そんな話は聞きたくないという意思表示のようであるが、それでもミルトンのおっさんが口を閉じることはなく、騎獣隊の素晴らしさを蕩々と語ってみせた。
我慢できなくなったのか、
『なにが言いたいのかな?』
不愉快さを混じらせた声音で問えば、
『おかしいと思いませぬか?』
『何がだ?』
『牢獄に入っていたからこそでしょう。だからこそ私は両軍に対して偏った見方をせずにすんだのかもしれません』
『的を射ていない発言は不快だぞ』
『申し訳ありません。偏った見方をしないからこそ違和感を感じるのです。その違和感というのは――あまりにも嫡子殿の兵が脆弱だということです』
『それはラダイゴロスの用兵が未熟だからだろう』
十分な理由だとガガドムサ。
『ですが私に接触した騎獣隊の動きからそれは考えられませぬ』
末端の警邏の者達でも油断を感じさせなかった。
これは上の者達の指導者としての才が非常に高いということ。
――つらつらと有能だと発せば、
『聞きたくないことばかりだな!』
ここでガガドムサは不満をはっきりと声に出す。
『しかし聞く力というのはこれより先――帝王を継ぐ者には必要な才でもございます』
おっさんのこの発言は芯の通ったものであり、ガガドムサは『くっ!』と零し、
『続けることを許す。それで――何が考えられない?』
大器を見せるかのように許可する。
『脆弱なことです』
『それは聞いた』
『暗君の要塞が不落と言われるほどに強固なものというのは見て理解もしました。しかし、魔王軍の中でも圧倒的な力と兵力を有している蹂躙王様の軍が先陣を切っておきながらこれを陥落させられない。しかも寡兵を相手に。考えられないことです』
これには周囲のメンツは自分たちの事が侮辱されたとばかりにミルトンのおっさんへと怒気を言葉にして投げつけるも、
『お静かに!』
気圧されないとばかりに自身の声にて打ち消してみせる。
このおっさん、やっぱり凄いな。
声に出して褒めれば王侯貴族の皆さんが不満を抱くから今回は喉まで出ていた言葉をぐっと飲み込む。
『よいですか。これは私の仮説として耳に入れてほしいのですが――』
『もったいぶらずに簡潔に言うのだぞ』
と、釘を刺すガガドムサの言葉を聞き入れたのか、
『嫡子殿は暗君と通じておるのでは――と、考えております』
すっと口にする。
おっさんの発言に怒気を投げつけていた面々が一気にざわつき始める。
それを止めるかのように、
『世迷い言を発すな!』
ここでガガドムサの目付役でもある四天王のギギンが割って入ってくるも、
『仮説と申しております』
ドラゴニュート相手に気圧されないとばかりに強く反発する姿勢。
『仮説ですが続けても?』
『ならん!』
『構わん!』
『ガガドムサ様!?』
『自分が構わんと言っているのだ。ギギン、控えよ』
『……ハッ』
素直に下がるのは言ったところで聞き入れないと思っているのか、忠誠心が高いからか。
『あれだけ末端まで有能な兵達。如何に難攻不落であったとしても大軍勢での波状となればいずれは陥落させることも可能なはず。だというのにそれをなし得ることが出来なかったのはあまりにもおかしな事です』
『――うむ』
得心がいくとばかりの短い返事に畳みかけるように、以前の王都侵攻まで話を戻す。
自分が内通しあと一歩というところまで追い詰めていたのにそこから敗戦。現状と同様、寡兵との戦いに敗北。
それ以降の連敗の結果、大幅に後退する羽目になった。
これは明らかにおかしい。
王都から後退したあとも大軍勢で攻め込めば勝てたはずなのに常に小出しでしかない。
ガガドムサ様が前線の拠点へと到着したのところで意を決したように大軍勢を投入してもなぜか味方は恐れ戦きまともに動けなくなってしまう。
ここから察することが出来るのは――、
『繋がっているからだな。恐れていたのは小芝居か』
『そうかと』
小出しにしていたのを大軍勢による侵攻へと変更したのはガガドムサ様に怪しまれぬように本気で攻めているという体を見せたかったからだとも述べる。
『横から失礼します。繋がってなんになるのです?』
下がっていたギギンが割って入る。
繋がっているところでまともな戦力も持ち合わせていなかった連中。手を組んでも何の益もない。
有り得ないことだが万が一にもお父上であるランドグリット様に弓を引くとなっても成功など無理。干し草の中で針を探すようなもの。
ミルトンの言っていることはただの絵空事でしかない。
至極まともなことをギギンは述べる。
これにはガガドムサもその通りと考えたようで『うむ』と短く答える。
『仮説だとしても穴が多すぎる内容だなミルトンよ』
『そうでしょうね』
『なんだまた含みがあるな』
『これが領地を得られるという考えから造反を計画しているとなれば穴は多いです。そもそも嫡子なのですから領地の心配などありません。――が、別の理由があるとすれば?』
別の理由という内容に通信機の向こう側は一気に静まりかえる。
『別の理由とは?』
『ずばりガガドムサ様ですよ!』
音声のみだけどもミルトンのおっさんは今頃、ガガドムサへと力強く食指を向けているんだろうな。
声高なおっさんのずばり発言は静寂な場によく響いたことだろう。
兄上ではなく呼び捨てですか。
『誰しも才覚ある御方に仕えたいと思うのが普通では?』
『ラダイゴロスには才覚がないと?』
『ないとは言いません。ですが今、私の目の前におられる御方と比べれば――』
もったいぶるように言葉をそこで止めるってのもテクニックなんだろうな。
『面白き男だな。気に入った。我が庇護の元で過ごすが良い。そして元の主に対して復讐の機会を与えてやろう』
『おおっ! おお……なんたる……。何というお心……。わ、わ゛だぐじは……これほどの気遣いを受けたのは初めてでございます』
音からだけでも伝わってくる光景。
両膝をついて体を丸めて号泣しているようだな……。
――しばらくして声を整えれば、
『必ずや暗君の首をこの手で切り落としてくれます!』
王様を見れば片方の眉根をつり上げて面白くないと周囲に顔で伝える。
さっきまで頼むぞと自分の心臓部分をトントンと拳で叩いていたバリタン伯もお怒りで、いつもの状態――茹でダコのように顔を真っ赤にしていた。
怒りのあまり今にも罵詈雑言を口から吐き出しそうになっていたが、それを見抜いたとばかりに同室であるナブル将軍と心の友が口を塞いで羽交い締め。
それを横目に見つつ通信機へと耳を傾ければ、
『しかし――なんとも妙なものですね』
と、ミルトンのおっさんが抑えた声。
これにガガドムサが何か? と、問う。
問われれば、
『私に接触してきたリザードマンとオークの騎獣隊のことです』
最初に接触してきたのはラダイゴロスの騎獣隊だった。
その動きと油断怠りなくこちらを調べる姿は見事であり、優秀という言葉が脳内を支配していた。と、ミルトンのおっさんが言えばガガドムサは不機嫌とばかりに強めの鼻息を一つ。
そんな話は聞きたくないという意思表示のようであるが、それでもミルトンのおっさんが口を閉じることはなく、騎獣隊の素晴らしさを蕩々と語ってみせた。
我慢できなくなったのか、
『なにが言いたいのかな?』
不愉快さを混じらせた声音で問えば、
『おかしいと思いませぬか?』
『何がだ?』
『牢獄に入っていたからこそでしょう。だからこそ私は両軍に対して偏った見方をせずにすんだのかもしれません』
『的を射ていない発言は不快だぞ』
『申し訳ありません。偏った見方をしないからこそ違和感を感じるのです。その違和感というのは――あまりにも嫡子殿の兵が脆弱だということです』
『それはラダイゴロスの用兵が未熟だからだろう』
十分な理由だとガガドムサ。
『ですが私に接触した騎獣隊の動きからそれは考えられませぬ』
末端の警邏の者達でも油断を感じさせなかった。
これは上の者達の指導者としての才が非常に高いということ。
――つらつらと有能だと発せば、
『聞きたくないことばかりだな!』
ここでガガドムサは不満をはっきりと声に出す。
『しかし聞く力というのはこれより先――帝王を継ぐ者には必要な才でもございます』
おっさんのこの発言は芯の通ったものであり、ガガドムサは『くっ!』と零し、
『続けることを許す。それで――何が考えられない?』
大器を見せるかのように許可する。
『脆弱なことです』
『それは聞いた』
『暗君の要塞が不落と言われるほどに強固なものというのは見て理解もしました。しかし、魔王軍の中でも圧倒的な力と兵力を有している蹂躙王様の軍が先陣を切っておきながらこれを陥落させられない。しかも寡兵を相手に。考えられないことです』
これには周囲のメンツは自分たちの事が侮辱されたとばかりにミルトンのおっさんへと怒気を言葉にして投げつけるも、
『お静かに!』
気圧されないとばかりに自身の声にて打ち消してみせる。
このおっさん、やっぱり凄いな。
声に出して褒めれば王侯貴族の皆さんが不満を抱くから今回は喉まで出ていた言葉をぐっと飲み込む。
『よいですか。これは私の仮説として耳に入れてほしいのですが――』
『もったいぶらずに簡潔に言うのだぞ』
と、釘を刺すガガドムサの言葉を聞き入れたのか、
『嫡子殿は暗君と通じておるのでは――と、考えております』
すっと口にする。
おっさんの発言に怒気を投げつけていた面々が一気にざわつき始める。
それを止めるかのように、
『世迷い言を発すな!』
ここでガガドムサの目付役でもある四天王のギギンが割って入ってくるも、
『仮説と申しております』
ドラゴニュート相手に気圧されないとばかりに強く反発する姿勢。
『仮説ですが続けても?』
『ならん!』
『構わん!』
『ガガドムサ様!?』
『自分が構わんと言っているのだ。ギギン、控えよ』
『……ハッ』
素直に下がるのは言ったところで聞き入れないと思っているのか、忠誠心が高いからか。
『あれだけ末端まで有能な兵達。如何に難攻不落であったとしても大軍勢での波状となればいずれは陥落させることも可能なはず。だというのにそれをなし得ることが出来なかったのはあまりにもおかしな事です』
『――うむ』
得心がいくとばかりの短い返事に畳みかけるように、以前の王都侵攻まで話を戻す。
自分が内通しあと一歩というところまで追い詰めていたのにそこから敗戦。現状と同様、寡兵との戦いに敗北。
それ以降の連敗の結果、大幅に後退する羽目になった。
これは明らかにおかしい。
王都から後退したあとも大軍勢で攻め込めば勝てたはずなのに常に小出しでしかない。
ガガドムサ様が前線の拠点へと到着したのところで意を決したように大軍勢を投入してもなぜか味方は恐れ戦きまともに動けなくなってしまう。
ここから察することが出来るのは――、
『繋がっているからだな。恐れていたのは小芝居か』
『そうかと』
小出しにしていたのを大軍勢による侵攻へと変更したのはガガドムサ様に怪しまれぬように本気で攻めているという体を見せたかったからだとも述べる。
『横から失礼します。繋がってなんになるのです?』
下がっていたギギンが割って入る。
繋がっているところでまともな戦力も持ち合わせていなかった連中。手を組んでも何の益もない。
有り得ないことだが万が一にもお父上であるランドグリット様に弓を引くとなっても成功など無理。干し草の中で針を探すようなもの。
ミルトンの言っていることはただの絵空事でしかない。
至極まともなことをギギンは述べる。
これにはガガドムサもその通りと考えたようで『うむ』と短く答える。
『仮説だとしても穴が多すぎる内容だなミルトンよ』
『そうでしょうね』
『なんだまた含みがあるな』
『これが領地を得られるという考えから造反を計画しているとなれば穴は多いです。そもそも嫡子なのですから領地の心配などありません。――が、別の理由があるとすれば?』
別の理由という内容に通信機の向こう側は一気に静まりかえる。
『別の理由とは?』
『ずばりガガドムサ様ですよ!』
音声のみだけどもミルトンのおっさんは今頃、ガガドムサへと力強く食指を向けているんだろうな。
声高なおっさんのずばり発言は静寂な場によく響いたことだろう。
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