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お久しぶりの王都
PHASE-153【面接】
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「本日はお集まりいただき有り難うございます。皆さんの中から我々と、一緒に仕事をしていただきたい人材を募ります。応募要項はギルド前の掲示板に書いていたので、理解していると判断してこれより面接を始めたいと思います。我々と仕事をする。つまりは動きに無駄のない人材を欲します。ですので、先頭の方以外は、壁沿いに用意しております椅子に座ってお待ちください」
笑みを湛えて喋々と発する先生の言葉を素直に聞き入れる女性たちの動きは、迅速そのもの。
発言からのこの動き。
俺なんか眼中にないってのが、容易に理解できる……。
先生に少しでも気に入ってもらう為に、先生の発言に従順なようだ。
これだけ迅速に動けるなら、先生の指揮の下で、何でもこなせる精鋭の女給になれそうだ。
それにしても、羨ましい……。
可愛い子も多い。
先生がその気になれば、この中から好きな子を好きなだけ選んで、好きなことが出来るんですね……。
――…………イケメンが憎い!
「では、どうぞ」
俺の負の感情をよそに、面接は進行していく。
「はい! 王都在住のリリエッタと言います」
中々に可愛い栗毛のポニーテール。
王都在住だったから、色々と大変な目にもあっていると思うが、服の生地は綺麗でしっかりとしたものだ。
身なりを目にするだけでも、現在の王都は、安心して過ごせる場所になっているのが分かる。
「では、リリエッタさんはどの様なお仕事を?」
一応、俺が会頭だからね。
最初の質問は俺がする
「はい! 私は荀彧様のお役に少しでも役立てればと」
「つまりは、給仕や受付に従事してくださると?」
「いえ! 荀彧様のお役に」
あ~はん? 役に立ちたいなら、ギルド内のお仕事を頑張ってほしいんだけど。
受付は、クエスト受注や報酬の受け渡し。
荒くれ冒険者に対する応対に、クエストを受けるに足る実力があるかの適正なんかを目利きする力を要していなければいけない。
経験がないと難しいだろう。
出来るとするなら、やはり給仕の仕事しかないな。
先生の役に立ちたいと言うが、具体的な事は言ってくれない。
こっちはギルドハウスを下から支えてくれる人材を欲しているんだが。
動きに無駄のない人材をとなると、正鵠を射ない発言しかしていないリリエッタ嬢は、無駄があるよな。
「どの様にお役に立ちたいと?」
俺ばっかりの質問で申し訳ないけどね。
――……俺が喋っているのに、先生ばかりを見て返答されるとさ、俺も傷つくよ……。
メンタルは絹ごし豆腐並なんだから……。
「荀彧様のお手伝いが少しでも出来れば――――」
「私の手伝いではなく、ギルド内の仕事をこなしてくれる人材が欲しいのです。掲示板の要項にも記していたはずです」
ここで先生は、少し冷たさを語気に含めた。
「あ、すみません……」
察したようで、リリエッタ嬢は視線をおとしてしまう。
「よろしい、次の方にお話を聞きましょう」
ああ……、もう少しオブラートに包んであげてもいいのに。
にべもない。
リリエッタ嬢の落ち込みようたるや……。
肩を落として、視線下方四十五度でトボトボと壁沿いの席に戻れば、力なく座り込む。
「――では、お名前を」
「プリシラと申します。王都より北にある村、アルスより来ました。十七になります」
ほほう、今度のも可愛いじゃないか。
村出身という事もあって、垢抜けてはいないが、シンプルに可愛い子だ。
肩口まで伸びた色素の薄い金髪の女の子。スタイルもいいですな。
「ギルドではどの様な仕事に従事したいですか?」
先生の質問に対して、プリシラ嬢は、先のリリエッタ嬢と同様な内容。
なので先生は、一階にいる全員に聞こえるほどの大きなため息をつく。
――――続く人。続く人。皆が、先生の為に何かしたいと、ギルドではなく、先生個人に対してのものばかりだ。
やはり、具体的な事は発してくれない。
嘘でもいいので、給仕や受付という単語が出てほしいね。
先生、ため息の連続だけども、こっちからしたら羨ましい限りです。
俺も情熱的にアプローチされたいです……。
可愛い子たちから黄色い声を受ける人生を送ってみたい…………。
異世界なのに。勇者なのに。ギルドの会頭なのに。元いた日本と変わらないよ、その辺りは……。
ナチュラルボーンな非モテの道、未だ切り開くこと――――ならじ……。
笑みを湛えて喋々と発する先生の言葉を素直に聞き入れる女性たちの動きは、迅速そのもの。
発言からのこの動き。
俺なんか眼中にないってのが、容易に理解できる……。
先生に少しでも気に入ってもらう為に、先生の発言に従順なようだ。
これだけ迅速に動けるなら、先生の指揮の下で、何でもこなせる精鋭の女給になれそうだ。
それにしても、羨ましい……。
可愛い子も多い。
先生がその気になれば、この中から好きな子を好きなだけ選んで、好きなことが出来るんですね……。
――…………イケメンが憎い!
「では、どうぞ」
俺の負の感情をよそに、面接は進行していく。
「はい! 王都在住のリリエッタと言います」
中々に可愛い栗毛のポニーテール。
王都在住だったから、色々と大変な目にもあっていると思うが、服の生地は綺麗でしっかりとしたものだ。
身なりを目にするだけでも、現在の王都は、安心して過ごせる場所になっているのが分かる。
「では、リリエッタさんはどの様なお仕事を?」
一応、俺が会頭だからね。
最初の質問は俺がする
「はい! 私は荀彧様のお役に少しでも役立てればと」
「つまりは、給仕や受付に従事してくださると?」
「いえ! 荀彧様のお役に」
あ~はん? 役に立ちたいなら、ギルド内のお仕事を頑張ってほしいんだけど。
受付は、クエスト受注や報酬の受け渡し。
荒くれ冒険者に対する応対に、クエストを受けるに足る実力があるかの適正なんかを目利きする力を要していなければいけない。
経験がないと難しいだろう。
出来るとするなら、やはり給仕の仕事しかないな。
先生の役に立ちたいと言うが、具体的な事は言ってくれない。
こっちはギルドハウスを下から支えてくれる人材を欲しているんだが。
動きに無駄のない人材をとなると、正鵠を射ない発言しかしていないリリエッタ嬢は、無駄があるよな。
「どの様にお役に立ちたいと?」
俺ばっかりの質問で申し訳ないけどね。
――……俺が喋っているのに、先生ばかりを見て返答されるとさ、俺も傷つくよ……。
メンタルは絹ごし豆腐並なんだから……。
「荀彧様のお手伝いが少しでも出来れば――――」
「私の手伝いではなく、ギルド内の仕事をこなしてくれる人材が欲しいのです。掲示板の要項にも記していたはずです」
ここで先生は、少し冷たさを語気に含めた。
「あ、すみません……」
察したようで、リリエッタ嬢は視線をおとしてしまう。
「よろしい、次の方にお話を聞きましょう」
ああ……、もう少しオブラートに包んであげてもいいのに。
にべもない。
リリエッタ嬢の落ち込みようたるや……。
肩を落として、視線下方四十五度でトボトボと壁沿いの席に戻れば、力なく座り込む。
「――では、お名前を」
「プリシラと申します。王都より北にある村、アルスより来ました。十七になります」
ほほう、今度のも可愛いじゃないか。
村出身という事もあって、垢抜けてはいないが、シンプルに可愛い子だ。
肩口まで伸びた色素の薄い金髪の女の子。スタイルもいいですな。
「ギルドではどの様な仕事に従事したいですか?」
先生の質問に対して、プリシラ嬢は、先のリリエッタ嬢と同様な内容。
なので先生は、一階にいる全員に聞こえるほどの大きなため息をつく。
――――続く人。続く人。皆が、先生の為に何かしたいと、ギルドではなく、先生個人に対してのものばかりだ。
やはり、具体的な事は発してくれない。
嘘でもいいので、給仕や受付という単語が出てほしいね。
先生、ため息の連続だけども、こっちからしたら羨ましい限りです。
俺も情熱的にアプローチされたいです……。
可愛い子たちから黄色い声を受ける人生を送ってみたい…………。
異世界なのに。勇者なのに。ギルドの会頭なのに。元いた日本と変わらないよ、その辺りは……。
ナチュラルボーンな非モテの道、未だ切り開くこと――――ならじ……。
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