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チートがほぼ無い冒険
PHASE-227【急造パーティー、戦闘開始】
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「うへ~……」
襞が波打つ姿は、形容できない気持ち悪さ……。小さい姿なら我慢も出来るが、六、七メートルありそうな体長に、胴回りは大木サイズ。そんのが動くとなれば、不気味であり脅威だ。
目があるのかは分からないが、こちらを向き、先端がぽっかりと開く。
口だというのは直ぐに理解できた。
円形からなる口には、口内に沿うようにギザギザの弧を描いたような歯がびっしりと何列にもなって生えている。
歯舌を禍々しくしたような感じだ。
歯の先端は体内の方を向いていて、噛まれてしまえば、何列もあるギザギザの歯に捕らえられ、引き抜くことは不可能というのが分かる。あの口に捕まれば、生きたままゆっくりと丸呑みのバッドエンドルートに突入するわけだな。
「でもクラーケンと比べるとデカくはない」
「比べる相手が違いすぎます。あんな最強格のモンスターと比べる相手ではないです。ですが力はありますし、水中では我々より俊敏です」
最強格か。ベルの青い炎でえらいことになってたけどな。クラーケン。
クラックリックの言では、地の利は向こう側にある。
だがこっちは四人。クラックリックは俺へと語ると同時に、矢をウォーターサイドに向けてから、
「インクリーズ」
ほほう。当たり前のように使えるんだな……。
やはり王道漫画ですかね?
主人公が使えるようになったら、周囲も使えて当然みたいな流れですよ……。
これが俺TUEEEE作品なら、周りが出来ない事を主人公だけが平然とやってのけるんだろう。周囲はそこにシビれる憧れるゥ! な、わけだ。
俺がそんな作品の主人公になったら、強さに過信して、調子に乗って痛い目に遭うこと間違いなしだな。
なので、地道に強くなっていきます――――、
「よっと!」
なんて思いながらも、ズドン! と、マテバから一発。オーバーテクノロジーの武器に頼るスタイル。
「「「おお!」」」
と、三人が声を合わせ、
「これが勇者である会頭と、従者が使用する魔法の筒かい」
と、ギムロンが驚く二人を置いて、一人、継ぐ。
ホルスターから取り出し、しっかりと両手でグリップを固定したから見事に命中だ。余裕を持って待ち構えられたから出来たことだ。
弾丸を受けたワームの赤黒い体表からは、緑色の体液が流れ出してくる。
「キュルルルルルル――――」
甲高い鳴き声。例えるなら、車のファンベルトが劣化したような音。
ダメージは負っているみたいだけど、動きは止まらない。
纏っていた泥が周囲に飛び散り、はっきりと体表が出現する。
赤黒い巨大ミミズ。泥に隠されていたものが露わとなる。
ちょっとだけ体表を覗かせているだけでも気持ち悪かったのに、全体の襞が波打つ姿はそれ以上。総毛立ってしまう。
タチアナなんかは両手で自分の腕をさする仕草。
仕草をするためにスタッフを泥濘に突き立てる余裕はある模様。
「シッ!」
気合いと共にクラックリックが矢を放つ。
ズブリと箆が半分ほど埋没する。
水中でも速く動ける事から、全体が筋肉と考えられるけど、インクリーズを使用しての矢の威力は流石だ。深く突き刺さっている。
威力はウォーターサイドの甲高い鳴き声を聞けば分かる。
.357マグナム弾が当たった以上の鳴き声だった。
悶えるように体を震わせながらも、蛇が鎌首を上げるかのような姿勢になる。
「来るぞい。当たればただではすまんぞ」
焦りが混じるギムロンの声音。
でっかいワームが鎌首を弓なりに反らす。
明らかに口からなにかを吐き出そうとしている所作である。
はたして正にで、ぽっかりと空いた歯舌の見える口腔より、粘度の高い液体が吐き出される。
「きたね!」
足場の悪い中で何とか回避に成功。
「……げっ」
粘液が着弾したのは浮き草の一帯。
ジュュュュュュュュュュュ――っと、音を立てて煙を上げ浮き草が溶ける。
「毒か!」
「と言うより、強力な胃酸です」
クラックリックが次の矢を番えつつ教えてくれる。
「触れたり煙も吸わないように」
継いで警告。
さわりはしないが、呼吸は注意しないとな。
「ギュィィィィィィィ」
次の一手とばかりに、酸を吐き出した反動のまま上半身でこちらに体当たり。
バシャャャャャン! 大きな衝撃。
沈殿していた湿地の泥が、強大なワームが動き回ることで攪拌され、泥水となって茶色い水柱を上げる。
「くぅ……」
クラックリックが苦痛の声を上げる。
「大丈夫か!」
俺はすかさずクラックリックの前に立つ。
「ありがとうございます。衝撃を受けただけです」
衝撃だけでも歪んだ表情。直撃は当然よろしくないわけだな。
襞が波打つ姿は、形容できない気持ち悪さ……。小さい姿なら我慢も出来るが、六、七メートルありそうな体長に、胴回りは大木サイズ。そんのが動くとなれば、不気味であり脅威だ。
目があるのかは分からないが、こちらを向き、先端がぽっかりと開く。
口だというのは直ぐに理解できた。
円形からなる口には、口内に沿うようにギザギザの弧を描いたような歯がびっしりと何列にもなって生えている。
歯舌を禍々しくしたような感じだ。
歯の先端は体内の方を向いていて、噛まれてしまえば、何列もあるギザギザの歯に捕らえられ、引き抜くことは不可能というのが分かる。あの口に捕まれば、生きたままゆっくりと丸呑みのバッドエンドルートに突入するわけだな。
「でもクラーケンと比べるとデカくはない」
「比べる相手が違いすぎます。あんな最強格のモンスターと比べる相手ではないです。ですが力はありますし、水中では我々より俊敏です」
最強格か。ベルの青い炎でえらいことになってたけどな。クラーケン。
クラックリックの言では、地の利は向こう側にある。
だがこっちは四人。クラックリックは俺へと語ると同時に、矢をウォーターサイドに向けてから、
「インクリーズ」
ほほう。当たり前のように使えるんだな……。
やはり王道漫画ですかね?
主人公が使えるようになったら、周囲も使えて当然みたいな流れですよ……。
これが俺TUEEEE作品なら、周りが出来ない事を主人公だけが平然とやってのけるんだろう。周囲はそこにシビれる憧れるゥ! な、わけだ。
俺がそんな作品の主人公になったら、強さに過信して、調子に乗って痛い目に遭うこと間違いなしだな。
なので、地道に強くなっていきます――――、
「よっと!」
なんて思いながらも、ズドン! と、マテバから一発。オーバーテクノロジーの武器に頼るスタイル。
「「「おお!」」」
と、三人が声を合わせ、
「これが勇者である会頭と、従者が使用する魔法の筒かい」
と、ギムロンが驚く二人を置いて、一人、継ぐ。
ホルスターから取り出し、しっかりと両手でグリップを固定したから見事に命中だ。余裕を持って待ち構えられたから出来たことだ。
弾丸を受けたワームの赤黒い体表からは、緑色の体液が流れ出してくる。
「キュルルルルルル――――」
甲高い鳴き声。例えるなら、車のファンベルトが劣化したような音。
ダメージは負っているみたいだけど、動きは止まらない。
纏っていた泥が周囲に飛び散り、はっきりと体表が出現する。
赤黒い巨大ミミズ。泥に隠されていたものが露わとなる。
ちょっとだけ体表を覗かせているだけでも気持ち悪かったのに、全体の襞が波打つ姿はそれ以上。総毛立ってしまう。
タチアナなんかは両手で自分の腕をさする仕草。
仕草をするためにスタッフを泥濘に突き立てる余裕はある模様。
「シッ!」
気合いと共にクラックリックが矢を放つ。
ズブリと箆が半分ほど埋没する。
水中でも速く動ける事から、全体が筋肉と考えられるけど、インクリーズを使用しての矢の威力は流石だ。深く突き刺さっている。
威力はウォーターサイドの甲高い鳴き声を聞けば分かる。
.357マグナム弾が当たった以上の鳴き声だった。
悶えるように体を震わせながらも、蛇が鎌首を上げるかのような姿勢になる。
「来るぞい。当たればただではすまんぞ」
焦りが混じるギムロンの声音。
でっかいワームが鎌首を弓なりに反らす。
明らかに口からなにかを吐き出そうとしている所作である。
はたして正にで、ぽっかりと空いた歯舌の見える口腔より、粘度の高い液体が吐き出される。
「きたね!」
足場の悪い中で何とか回避に成功。
「……げっ」
粘液が着弾したのは浮き草の一帯。
ジュュュュュュュュュュュ――っと、音を立てて煙を上げ浮き草が溶ける。
「毒か!」
「と言うより、強力な胃酸です」
クラックリックが次の矢を番えつつ教えてくれる。
「触れたり煙も吸わないように」
継いで警告。
さわりはしないが、呼吸は注意しないとな。
「ギュィィィィィィィ」
次の一手とばかりに、酸を吐き出した反動のまま上半身でこちらに体当たり。
バシャャャャャン! 大きな衝撃。
沈殿していた湿地の泥が、強大なワームが動き回ることで攪拌され、泥水となって茶色い水柱を上げる。
「くぅ……」
クラックリックが苦痛の声を上げる。
「大丈夫か!」
俺はすかさずクラックリックの前に立つ。
「ありがとうございます。衝撃を受けただけです」
衝撃だけでも歪んだ表情。直撃は当然よろしくないわけだな。
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