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ダンジョン何階まで潜れる?
PHASE-638【実質二人で攻略】
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「え? 行きますよね」
「いや行かない」
なんで即答。
不満げな表情だけで返してあげれば、
「侯爵が持ってる酒が――――美味かったんだ」
「だから俺が採取に行っている間はしっかと休日を取って、酒を楽しみたいと?」
「ああ!」
何という屈託のない返事なんだろう。
美少年のそれなら女性は喜ぶだろうけど、髭のダンディズムが発せば残念な人にしか見えないですよ。
――この休日中、俺とゲッコーさん以外の女性陣だけがしっかりと頑張ってたわけだ。
で、改心した俺はゲームをやめて採取に行くのに、この人だけは酒ですか……。そうですか……。
「トールは強いじゃないか。だから大丈夫だ。なので俺を残念な人を見るような目で見ないように」
強者に強いと言われれば、認めてもらったみたいで嬉しくもあるが、それ以上に侮蔑の目を自然と向けてしまったようだ。
向けてしまう理由として――、
「昨晩も堪能したみたいですね」
「ああ!」
指呼の距離で話せば、酒気が漂っているのがわかる。ギムロンを思い出すよ。
ドワーフと一緒になって酒蔵やってる蔵元は、王都より離れた地でも酒への探究心は忘れない。
探究心というか、アルコールが欲しいだけなんだろうけど。
「ベル――は手伝いだったな。参加は無理か」
「ああ。無理だ」
モフモフ達の世話をしないといけないもんな……。
チートは揃って単独行動スキルが過ぎる……。
コクリコとシャルナとリンの四人パーティーになるのかと考えていれば、なんとシャルナもベルの手伝い。
ならばメイドさん達から協力をと思うも、侯爵と共に王都へと赴くリズベッドの準備をしないといけない。
プリシュカ姫も王都に戻るということなので、帰省の支度をととのえる手伝いもあるそうだ。
リズベッドが王都に赴くとなれば、王様と会談という流れになるだろう。
人間サイドのトップと、元が付くとはいえ慕う方々も多い魔王による会談。
リズベッドが動くのだから必然的に、ガルム氏やアルスン翁を中心とした戦闘要員の方々も準備をしないといけない。
王都へと人員が割かれる事になるから、人足の減少で集落建設に遅延が生じてしまう。
減少分を埋めるために、王都に赴く前にメイドさん達がそちらもお手伝い。
多岐にわたっての活躍である。
ベルやシャルナの参加もこれが理由のようだ。
王都へ向かう準備が整うまでは、皆で集落建設に協力するようだ。
そんな中で屈託なく酒を飲むと言えるゲッコーさんの胆力よ……。
「ふむん。てことは、俺とコクリコとリンの三人か」
「三人だけど二人で頑張って」
今回リンは道案内。
戦闘になった場合、よっぽどのことがない限りは参加はしないという事だった。
ミストドラゴンが抵抗し、苛烈な戦いになり、どちらかが瀕死になったら止めてあげると言う辺り、最終局面まで手は貸してくれなさそうだな。
リンの今回の立ち位置はパーティーメンバーとしてではなく、案内役というポジション。
極力、協力はしないスタイルのスポット参戦みたいな立ち位置。
もしかしたら俺やコクリコの実力をここでも試そうと思っているのかもしれない。
ベルやゲッコーさん、シャルナを除いた俺たちの実力。
情けない姿を見せれば、仲間になったのもご破算になるかもしれないので、そうならないためにも励まないとな。
「やばい時は回復してくれるよね?」
アンデッドなのに回復魔法が適応するし、使用出来る存在だかな。
戦闘に参加しなくてもいいから、俺たちが本当に危なくなったら最終局面じゃなくても回復をしてほしいと頼めば、危機に陥ったら回復だけはしてくれると約束はしてくれた。
「じゃあ、この三人で行ってみるか」
実質、俺とコクリコの二人パーティーってやつだな。
だが不安はあまりない。
コクリコも使用する魔法が増えてきているし、俺もピリアがアクセルまで使用出来るようになった。何より火龍装備もあるから――、
「ああそうだ。トール」
「何でしょうかゲッコーさん」
「今回の採取は訓練も兼ねているからな、火龍装備を全て外していこうか」
「……ん?」
「それは素晴らしい提案ですね」
「え、ベル!?」
ちょっと待て! なぜに苦行プレイをしないといけないんだよ。
それをやっていいのは貴方たちやチート主人公だけなんだよ。
俺みたいに必死にこの世界で頑張ってる存在に、追加で苦行プレイは駄目なやつだろ。オーバーワーク過ぎるわ!
と、言い返したいけど、言い返せないヘタレが俺です……。
「せめて残火と籠手だけでも」
「駄目だな。そもそも火龍装備は全て駄目だ」
「なぜなんですゲッコーさん」
ぶんむくれ気味み問えば、
「相手はドラゴンだろ。そんな装備で近づいたら、怯えて逃げるかもしれないぞ。出会うなんて不可能になる」
「……ああ」
納得…………。
「いや行かない」
なんで即答。
不満げな表情だけで返してあげれば、
「侯爵が持ってる酒が――――美味かったんだ」
「だから俺が採取に行っている間はしっかと休日を取って、酒を楽しみたいと?」
「ああ!」
何という屈託のない返事なんだろう。
美少年のそれなら女性は喜ぶだろうけど、髭のダンディズムが発せば残念な人にしか見えないですよ。
――この休日中、俺とゲッコーさん以外の女性陣だけがしっかりと頑張ってたわけだ。
で、改心した俺はゲームをやめて採取に行くのに、この人だけは酒ですか……。そうですか……。
「トールは強いじゃないか。だから大丈夫だ。なので俺を残念な人を見るような目で見ないように」
強者に強いと言われれば、認めてもらったみたいで嬉しくもあるが、それ以上に侮蔑の目を自然と向けてしまったようだ。
向けてしまう理由として――、
「昨晩も堪能したみたいですね」
「ああ!」
指呼の距離で話せば、酒気が漂っているのがわかる。ギムロンを思い出すよ。
ドワーフと一緒になって酒蔵やってる蔵元は、王都より離れた地でも酒への探究心は忘れない。
探究心というか、アルコールが欲しいだけなんだろうけど。
「ベル――は手伝いだったな。参加は無理か」
「ああ。無理だ」
モフモフ達の世話をしないといけないもんな……。
チートは揃って単独行動スキルが過ぎる……。
コクリコとシャルナとリンの四人パーティーになるのかと考えていれば、なんとシャルナもベルの手伝い。
ならばメイドさん達から協力をと思うも、侯爵と共に王都へと赴くリズベッドの準備をしないといけない。
プリシュカ姫も王都に戻るということなので、帰省の支度をととのえる手伝いもあるそうだ。
リズベッドが王都に赴くとなれば、王様と会談という流れになるだろう。
人間サイドのトップと、元が付くとはいえ慕う方々も多い魔王による会談。
リズベッドが動くのだから必然的に、ガルム氏やアルスン翁を中心とした戦闘要員の方々も準備をしないといけない。
王都へと人員が割かれる事になるから、人足の減少で集落建設に遅延が生じてしまう。
減少分を埋めるために、王都に赴く前にメイドさん達がそちらもお手伝い。
多岐にわたっての活躍である。
ベルやシャルナの参加もこれが理由のようだ。
王都へ向かう準備が整うまでは、皆で集落建設に協力するようだ。
そんな中で屈託なく酒を飲むと言えるゲッコーさんの胆力よ……。
「ふむん。てことは、俺とコクリコとリンの三人か」
「三人だけど二人で頑張って」
今回リンは道案内。
戦闘になった場合、よっぽどのことがない限りは参加はしないという事だった。
ミストドラゴンが抵抗し、苛烈な戦いになり、どちらかが瀕死になったら止めてあげると言う辺り、最終局面まで手は貸してくれなさそうだな。
リンの今回の立ち位置はパーティーメンバーとしてではなく、案内役というポジション。
極力、協力はしないスタイルのスポット参戦みたいな立ち位置。
もしかしたら俺やコクリコの実力をここでも試そうと思っているのかもしれない。
ベルやゲッコーさん、シャルナを除いた俺たちの実力。
情けない姿を見せれば、仲間になったのもご破算になるかもしれないので、そうならないためにも励まないとな。
「やばい時は回復してくれるよね?」
アンデッドなのに回復魔法が適応するし、使用出来る存在だかな。
戦闘に参加しなくてもいいから、俺たちが本当に危なくなったら最終局面じゃなくても回復をしてほしいと頼めば、危機に陥ったら回復だけはしてくれると約束はしてくれた。
「じゃあ、この三人で行ってみるか」
実質、俺とコクリコの二人パーティーってやつだな。
だが不安はあまりない。
コクリコも使用する魔法が増えてきているし、俺もピリアがアクセルまで使用出来るようになった。何より火龍装備もあるから――、
「ああそうだ。トール」
「何でしょうかゲッコーさん」
「今回の採取は訓練も兼ねているからな、火龍装備を全て外していこうか」
「……ん?」
「それは素晴らしい提案ですね」
「え、ベル!?」
ちょっと待て! なぜに苦行プレイをしないといけないんだよ。
それをやっていいのは貴方たちやチート主人公だけなんだよ。
俺みたいに必死にこの世界で頑張ってる存在に、追加で苦行プレイは駄目なやつだろ。オーバーワーク過ぎるわ!
と、言い返したいけど、言い返せないヘタレが俺です……。
「せめて残火と籠手だけでも」
「駄目だな。そもそも火龍装備は全て駄目だ」
「なぜなんですゲッコーさん」
ぶんむくれ気味み問えば、
「相手はドラゴンだろ。そんな装備で近づいたら、怯えて逃げるかもしれないぞ。出会うなんて不可能になる」
「……ああ」
納得…………。
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