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ダンジョン何階まで潜れる?
PHASE-666【強制転移ですよ】
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「さっさと探しますよ」
却下にふて腐れながらも隠し通路を探し始めるコクリコさん。
――……うむ。見つからない。
「こうなると、こことは別のルートが他にあったのでは?」
言われるとそう思えてくる。
この十二階は本命の階層ではなく、通ってきた通路に、十三階に続く隠し通路があったと推測してしまう。
「でも、如何にもな部屋だぞ」
「そうですけども」
玄室として石棺がいくつも並んでいる空間。
不気味さよりも厳かだ。
中身はディザスターナイトが破壊したことで無いというのは分かっている。
お宝でも眠っているのかと、いくつか石棺の中を見て回ったけども、中には何も入っていなかったのは戦闘後にしっかりと確認した。
――――!?
「何か閃きましたか。目がくわりと見開いていますよ」
「分かるかねワトスン君。ちょっとディザスターナイトとの戦いの時に気になったことがあってね。確か――」
戦いの場であった地点を見る。
俺が吹き飛ばされて背中をぶつけた時、ディザスターナイトが追撃でラピッドを使用せずに、慎重に歩くようにして俺へと接近したのを思い出す。
気になったけども戦闘中ということもあり、それ以上の詮索は意識の散漫に繋がるから考えなかったけど、今になってそれを思い出す。
「多分だけどあの辺りの石棺が怪しいと思う」
「なぜに」
問われたので、戦闘中の事を説明すれば、
「たまたま――と言うのは愚かですよね」
「少しでも可能性のあることを実行しないといけないよな」
二人してディザスターナイトと戦った付近の石棺を調べるために動く。
後ろを瞥見すれば、リンがゆっくりとした足取りで付いてくる。
案内役とはいえ、細かい攻略の手順は教えてくれない。
ただ、静かに付いてくるだけ。
――――あのどれかだな。
「確かにこの辺りだけ躱したようですね。綺麗に石棺が残っています」
「だろ」
「じゃあ調べてみましょう」
真っ先に調べるのは、吹っ飛ばされた時に目撃した避けていた石棺。
「開けばいきなり何かが! って事にはならないですよね」
「……怖いことを言うなよ」
二人して見合って小さく頷く。
俺が一人で石棺の蓋をどかし、念のためにコクリコはミスリルフライパンを構えて待機。
口だけのバケモンが出てきてバクリってのだけはやめてほしい……。
――……。
「……何も起こらないじゃないですか」
蓋をどかしたところでイベントは発生しない。
肩すかしをくらったと、上段で構えていたフライパンを下ろすコクリコ。
俺も緊張により強張った体を息を吐き出すと共に弛緩させ、ゆっくりと石棺の中を覗き込む。
うむ、やはり何も……、
「……んん? んんっ!?」
「え!? トール!? 輝いてますよ」
俺の存在感によって輝いているって事なら嬉しい限りだったんだけども……。
「んんっっ!?」
石棺の中が突如として輝き、その輝く色合いが俺と同じっていうね……。
輝く前の石棺の内部を覗き込んで目にしたのは、覗き込んだタイミングを見計らって顕現したかのような白い円形の魔法陣と、それを四方で囲みながら回転する菱形の魔法陣。
――が見えた次には、宙にふわりと浮いたような感覚に囚われ、焦燥感に染まった表情のコクリコが、俺の体を引っ張ろうとする動きが――光に包まれる最後の光景だった。
――…………。
「……おんおん?!」
俺は立っている。
先ほどまで立っていた玄室とは違う場所に立っている。
へんてこな声を上げつつ、体に異変が起きていないかを見渡しながら、全身をベタベタと触っていき――――、とりあえずは問題もなく無事だというのを確認。
却下にふて腐れながらも隠し通路を探し始めるコクリコさん。
――……うむ。見つからない。
「こうなると、こことは別のルートが他にあったのでは?」
言われるとそう思えてくる。
この十二階は本命の階層ではなく、通ってきた通路に、十三階に続く隠し通路があったと推測してしまう。
「でも、如何にもな部屋だぞ」
「そうですけども」
玄室として石棺がいくつも並んでいる空間。
不気味さよりも厳かだ。
中身はディザスターナイトが破壊したことで無いというのは分かっている。
お宝でも眠っているのかと、いくつか石棺の中を見て回ったけども、中には何も入っていなかったのは戦闘後にしっかりと確認した。
――――!?
「何か閃きましたか。目がくわりと見開いていますよ」
「分かるかねワトスン君。ちょっとディザスターナイトとの戦いの時に気になったことがあってね。確か――」
戦いの場であった地点を見る。
俺が吹き飛ばされて背中をぶつけた時、ディザスターナイトが追撃でラピッドを使用せずに、慎重に歩くようにして俺へと接近したのを思い出す。
気になったけども戦闘中ということもあり、それ以上の詮索は意識の散漫に繋がるから考えなかったけど、今になってそれを思い出す。
「多分だけどあの辺りの石棺が怪しいと思う」
「なぜに」
問われたので、戦闘中の事を説明すれば、
「たまたま――と言うのは愚かですよね」
「少しでも可能性のあることを実行しないといけないよな」
二人してディザスターナイトと戦った付近の石棺を調べるために動く。
後ろを瞥見すれば、リンがゆっくりとした足取りで付いてくる。
案内役とはいえ、細かい攻略の手順は教えてくれない。
ただ、静かに付いてくるだけ。
――――あのどれかだな。
「確かにこの辺りだけ躱したようですね。綺麗に石棺が残っています」
「だろ」
「じゃあ調べてみましょう」
真っ先に調べるのは、吹っ飛ばされた時に目撃した避けていた石棺。
「開けばいきなり何かが! って事にはならないですよね」
「……怖いことを言うなよ」
二人して見合って小さく頷く。
俺が一人で石棺の蓋をどかし、念のためにコクリコはミスリルフライパンを構えて待機。
口だけのバケモンが出てきてバクリってのだけはやめてほしい……。
――……。
「……何も起こらないじゃないですか」
蓋をどかしたところでイベントは発生しない。
肩すかしをくらったと、上段で構えていたフライパンを下ろすコクリコ。
俺も緊張により強張った体を息を吐き出すと共に弛緩させ、ゆっくりと石棺の中を覗き込む。
うむ、やはり何も……、
「……んん? んんっ!?」
「え!? トール!? 輝いてますよ」
俺の存在感によって輝いているって事なら嬉しい限りだったんだけども……。
「んんっっ!?」
石棺の中が突如として輝き、その輝く色合いが俺と同じっていうね……。
輝く前の石棺の内部を覗き込んで目にしたのは、覗き込んだタイミングを見計らって顕現したかのような白い円形の魔法陣と、それを四方で囲みながら回転する菱形の魔法陣。
――が見えた次には、宙にふわりと浮いたような感覚に囚われ、焦燥感に染まった表情のコクリコが、俺の体を引っ張ろうとする動きが――光に包まれる最後の光景だった。
――…………。
「……おんおん?!」
俺は立っている。
先ほどまで立っていた玄室とは違う場所に立っている。
へんてこな声を上げつつ、体に異変が起きていないかを見渡しながら、全身をベタベタと触っていき――――、とりあえずは問題もなく無事だというのを確認。
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