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新公爵
PHASE-932【ロマン砲】
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「さあ、やろう」
L1を押すことで大和最大の火力を有する、主砲46cm三連装砲塔が左へと向き始める。
ある程度の部分で停止しさせ、L2トリガーを押し続ければ素晴らしきオートエイムが発動。
三連装砲塔三基。九門の砲身が俺の狙いたい場所へと仰角を調整してくれる。
操作自体はゲーム内の艦船全てが共通なこともあって、ミズーリを操作している時と変わらない。
プレイギアのディスプレイでは赤色の円が絞り込まれていき、尾根へと狙いを定めていく。
次には赤い円が緑へと変わる。
撃てば必中の合図。
「準備万端」
『じゃあ、見せてやれ。そして、見せてくれ』
「了解!」
快活良くゲッコーさんに返し、その快活さを維持したままに、
「主砲一斉射っ!」
裂帛の気迫を発し、R2トリガーを押し込めば、大湖とその一帯を轟音が支配する。
今まで発していた音とは別次元の強烈な音域。
発射すれば砲身下部の水面は、衝撃によって扇状に窪んでいる事だろう。
ディスプレイを注視しているからそこの確認は出来ないけども。
『ああ、見事だ。感動的だな。伝説となった戦艦からの砲火というのは』
感嘆の声をゲッコーさんが発せば、S級さん達もそれに続いて声を漏らしていた。
『なん……という……』
反面、荀攸さんは呆気にとられた声音だった。
泰然自若をユニークスキルに所持しているとは思えないほどに、ここでは驚きに支配されている。
荀攸さんが驚いている中で、
『弾着――今』
観測もこなしてくれるゲッコーさんからの報告。
俺はディスプレイにて着弾までを確認できる砲弾追尾機能を利用。
ゲッコーさんの報告が如何に正確であるかというのが分かるというものだ。
声のタイミングとディスプレイに映る尾根への着弾がどんぴしゃり。
尾根の中央部分にしっかりと命中。
肉眼でもはっきりと視認できる光景は、雪化粧を纏った土砂が空高く舞い上がるというもの。
状況を伝える映像より遅れて着弾音がこちらまで届く。
遠雷にも似た音だった。
――――この大和の強烈な一斉射によりデモンストレーションはお開きとなる。
本当は四隻による一斉射でお開きにしたかったけど、それは出来ないのであきらめる。
ここは制約として割切るしかないか。
『流石に四隻で撃てば、自然が大いに破壊されますので』
と、荀攸さんが虚言を諸侯たちに述べていたけど、戦闘ヘリに各車両。そして戦艦へと繋がる砲火を目の当たりにすれば、荀攸さんの虚言を虚言ではなく真実として受け止めるだろう。
――。
「皆さん、いかがでしたでしょうか?」
デモンストレーションを終えて出席者たちの所へと戻り、笑顔で問うてみる。
――……返事はない。
爺様に王様達の方にも目を向けるけど、皆一様に呆気にとられて口を開いている。
「あらら、皆さん死人みたいになってるな」
ゲッコーさんは冗談のつもりで言ったようだけど、笑っているのはS級さんくらいだね。
ここまでドン引きになると俺としては申し訳ないと思ってしまう。
精神世界をオーバーキルしてしまった。
「流石にこれは追い込みすぎたようだな……」
「メチャクチャだよ。森を破壊するなんて!」
ベルは呆れ口調。シャルナはお怒り。
小動物に被害が出ないように追い立ててから木々を切り倒し、演習を行っているので問題はないとゲッコーさん。
そういう風に段取りをつけていたし、切り倒した部分はちゃんと植樹を行うとも説明していた。
それでも約二千歳エルフは唇を尖らせて不満げ。
「よもやここまでとは……」
美人二人の喋りがスイッチになったとばかりに、ようやく口を開く王様。
ここまでの大火力をカリオネルとの戦いでは見せていないからね。これまで一緒に行動していた王様も初見ということで迫力に呑まれている。
大和の46㎝砲による尾根への着弾。
シーゴーレム艦隊をミズーリ単艦で全て沈めたという話を王様は信じてはいただろうけど、心の底では本当に可能なのか? という疑念も残っていたはず。
でも今回の砲撃でその疑念も吹き飛ばされて、真実であったと理解してくれただろう。
俺としてはこっちサイドの面々はこの力強さに喜んでくれると思ったんだけども……。
王様を始め爺様、家臣団を見渡せば…………まさかのドン引き。
L1を押すことで大和最大の火力を有する、主砲46cm三連装砲塔が左へと向き始める。
ある程度の部分で停止しさせ、L2トリガーを押し続ければ素晴らしきオートエイムが発動。
三連装砲塔三基。九門の砲身が俺の狙いたい場所へと仰角を調整してくれる。
操作自体はゲーム内の艦船全てが共通なこともあって、ミズーリを操作している時と変わらない。
プレイギアのディスプレイでは赤色の円が絞り込まれていき、尾根へと狙いを定めていく。
次には赤い円が緑へと変わる。
撃てば必中の合図。
「準備万端」
『じゃあ、見せてやれ。そして、見せてくれ』
「了解!」
快活良くゲッコーさんに返し、その快活さを維持したままに、
「主砲一斉射っ!」
裂帛の気迫を発し、R2トリガーを押し込めば、大湖とその一帯を轟音が支配する。
今まで発していた音とは別次元の強烈な音域。
発射すれば砲身下部の水面は、衝撃によって扇状に窪んでいる事だろう。
ディスプレイを注視しているからそこの確認は出来ないけども。
『ああ、見事だ。感動的だな。伝説となった戦艦からの砲火というのは』
感嘆の声をゲッコーさんが発せば、S級さん達もそれに続いて声を漏らしていた。
『なん……という……』
反面、荀攸さんは呆気にとられた声音だった。
泰然自若をユニークスキルに所持しているとは思えないほどに、ここでは驚きに支配されている。
荀攸さんが驚いている中で、
『弾着――今』
観測もこなしてくれるゲッコーさんからの報告。
俺はディスプレイにて着弾までを確認できる砲弾追尾機能を利用。
ゲッコーさんの報告が如何に正確であるかというのが分かるというものだ。
声のタイミングとディスプレイに映る尾根への着弾がどんぴしゃり。
尾根の中央部分にしっかりと命中。
肉眼でもはっきりと視認できる光景は、雪化粧を纏った土砂が空高く舞い上がるというもの。
状況を伝える映像より遅れて着弾音がこちらまで届く。
遠雷にも似た音だった。
――――この大和の強烈な一斉射によりデモンストレーションはお開きとなる。
本当は四隻による一斉射でお開きにしたかったけど、それは出来ないのであきらめる。
ここは制約として割切るしかないか。
『流石に四隻で撃てば、自然が大いに破壊されますので』
と、荀攸さんが虚言を諸侯たちに述べていたけど、戦闘ヘリに各車両。そして戦艦へと繋がる砲火を目の当たりにすれば、荀攸さんの虚言を虚言ではなく真実として受け止めるだろう。
――。
「皆さん、いかがでしたでしょうか?」
デモンストレーションを終えて出席者たちの所へと戻り、笑顔で問うてみる。
――……返事はない。
爺様に王様達の方にも目を向けるけど、皆一様に呆気にとられて口を開いている。
「あらら、皆さん死人みたいになってるな」
ゲッコーさんは冗談のつもりで言ったようだけど、笑っているのはS級さんくらいだね。
ここまでドン引きになると俺としては申し訳ないと思ってしまう。
精神世界をオーバーキルしてしまった。
「流石にこれは追い込みすぎたようだな……」
「メチャクチャだよ。森を破壊するなんて!」
ベルは呆れ口調。シャルナはお怒り。
小動物に被害が出ないように追い立ててから木々を切り倒し、演習を行っているので問題はないとゲッコーさん。
そういう風に段取りをつけていたし、切り倒した部分はちゃんと植樹を行うとも説明していた。
それでも約二千歳エルフは唇を尖らせて不満げ。
「よもやここまでとは……」
美人二人の喋りがスイッチになったとばかりに、ようやく口を開く王様。
ここまでの大火力をカリオネルとの戦いでは見せていないからね。これまで一緒に行動していた王様も初見ということで迫力に呑まれている。
大和の46㎝砲による尾根への着弾。
シーゴーレム艦隊をミズーリ単艦で全て沈めたという話を王様は信じてはいただろうけど、心の底では本当に可能なのか? という疑念も残っていたはず。
でも今回の砲撃でその疑念も吹き飛ばされて、真実であったと理解してくれただろう。
俺としてはこっちサイドの面々はこの力強さに喜んでくれると思ったんだけども……。
王様を始め爺様、家臣団を見渡せば…………まさかのドン引き。
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