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ミルド領
PHASE-975【言葉のキャッチボール】
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でも鉄仮面キャラって、俺とは対極のポジションでもあるんだよな。
ああいったのは基本、仮面の下はイケメンって相場が決まってるからね。
俺のようなノーマルフェイスとは違い、イケてるグループに所属しているタイプだ。
相容れないタイプなんだろうが――、
「おい団長。言葉のキャッチボールやろうぜ」
フレンドリーに対応。
磯野さんとこのご長男のご学友のノリで発してみても――――、鉄仮面からは返事はない。
「そっちのトップはどういった教育を受けてきたんだ? 無断で人様の土地に入って、しかもその土地の主が話しかけてんのに口も開けないとは失礼にも程があるぞ」
「団長が貴様程度と言葉を交わすわけがないだろう」
「程度とは、このミルド領の領主に言ってんのか?」
「他に誰がいる。そもそも公爵だから何だというのだ? 我々の頂点は団長だけだ。団長の前では公爵など無価値!」
体躯に似合った剛胆な言い様だな。
「そんな無価値な公爵よりも更に無価値な暫定公爵にはへいこらしてたみたいだけどな。あれか? もしかして暫定公爵でも救いに来たのか? だとすると見上げた忠義だな」
本当はあんなんを助けるとか。って、馬鹿にした発言を付け足したかったけど、爺様がいるのでそこは忖度。
愚息でも実子は実子だからな。
「あのような凡愚に興味などない。都合よく我々を取り立てていたから平身低頭の姿となって利用していただけだ」
カイメラといいコイツ等といい、結局は利用だけが目的か。
まあ、おべっかするだけでその土地の権力者の力を簡単に得られるなら誰でもやるわな。
「だが、増長によって我々の団員から規則を無視する者たちが多く出たのは問題だった」
問題ばかりを起こす者たちが出たことで、無駄に敵をつくりすぎたというのは分かっていたようだ。
俺が公爵になってからは傭兵団への取り締まりが各地で強くなったし、無茶苦茶していた連中に協力をする者達は当然すくなく、ここぞとばかりの意趣返しを行う領民達から追われる状態にまでなった。と、いう経緯を語ってくれた。
「自業自得だな」
「うちの団は来る者は拒まずの精神だからな。厳選しなかった事がソレを招いたのならば、貴様の発言は正しいだろう」
「こっちの発言を受け入れるとは殊勝なことだ。で、団員数が五百と少なくなったのは、去る者は追わずの精神からか?」
「弱者はただ置き去りにしただけだよ。強者となって追いついてくると期待はしているがね。それに――うちは来る者は拒まず、去る者は逃がさずの精神なのだよ」
「おお怖い」
必壊のガラドスクからの返しではなく、鉄仮面の隣から一歩前に出てきた金髪の長髪が得意げに言ってきたので、両腕をさすりつつ小馬鹿に返してやった。
返した相手は周囲の屈強な者達と比べれば頼りない体躯。
貧相な体に沿った毛皮はマントではなくローブだった。
膝まで伸びた髪によって顔が隠れていて、それだけだと性別は特定できないが、声で男だと分かる。
酒焼けしたようなかすれた声だった。
コイツは得物を布で巻くことはせず、しっかりと手に持っている。
一本角が生えた金色の蛇が巻き付いたデザインからなる黒いスタッフ。
「今度は魔術師か。お名前は?」
「団長補佐であるシェザール・ステップラー。二つ名は極界のシェザール」
長い金髪を左手でかき分けて顔を見せてくる。
落ちくぼんだ目に、目立つ頬骨。
一つのことに傾倒した結果、痩せ細ったんだな。と、推理。
痩せ細ってはいるけども、ガラドスクと共に団長補佐って事だから間違いなく強者なんだろうね。
見た目からして魔法をガンガン使用してくるタイプだろう。
「ところで、副団長と団長補佐ってどっちが強いんだ」
ここは知っておきたいので質問。
「我々の方が強い――と言いたいが、互角と言ったところだ」
やっぱそうか。
自信を持って互角と言い切るから、ガラドスクの言は真実だろう。
単純にガリオンが二人いるってことね。
ベルやゲッコーさん、S級さん達ならまったくもって大した存在ではないけども、俺が相手をするとなれば、かなりの手練れ。
となると――だ。
「お前たち傭兵団は力が全てって事だからな。団長の強さってのは――」
「「無論、我らなど太刀打ち出来ん!!」」
さいですか……。
揃って即答で返してくる声音は高揚感のあるもの。
団長の強さに心酔しているからこそなんだろう。
「これは良い相手ではないかトール」
――……でたよ……。
背後からのベルの声はご機嫌だ。
俺を強くする事を目標の一つにしているのか、俺の成長にとって素晴らしい相手が目の前いる事が嬉しいご様子。
「周囲の相手は対処してやるから頑張ってこい」
もう一人のスパルタであるゲッコーさんも何とも嬉しげだ。
ああいったのは基本、仮面の下はイケメンって相場が決まってるからね。
俺のようなノーマルフェイスとは違い、イケてるグループに所属しているタイプだ。
相容れないタイプなんだろうが――、
「おい団長。言葉のキャッチボールやろうぜ」
フレンドリーに対応。
磯野さんとこのご長男のご学友のノリで発してみても――――、鉄仮面からは返事はない。
「そっちのトップはどういった教育を受けてきたんだ? 無断で人様の土地に入って、しかもその土地の主が話しかけてんのに口も開けないとは失礼にも程があるぞ」
「団長が貴様程度と言葉を交わすわけがないだろう」
「程度とは、このミルド領の領主に言ってんのか?」
「他に誰がいる。そもそも公爵だから何だというのだ? 我々の頂点は団長だけだ。団長の前では公爵など無価値!」
体躯に似合った剛胆な言い様だな。
「そんな無価値な公爵よりも更に無価値な暫定公爵にはへいこらしてたみたいだけどな。あれか? もしかして暫定公爵でも救いに来たのか? だとすると見上げた忠義だな」
本当はあんなんを助けるとか。って、馬鹿にした発言を付け足したかったけど、爺様がいるのでそこは忖度。
愚息でも実子は実子だからな。
「あのような凡愚に興味などない。都合よく我々を取り立てていたから平身低頭の姿となって利用していただけだ」
カイメラといいコイツ等といい、結局は利用だけが目的か。
まあ、おべっかするだけでその土地の権力者の力を簡単に得られるなら誰でもやるわな。
「だが、増長によって我々の団員から規則を無視する者たちが多く出たのは問題だった」
問題ばかりを起こす者たちが出たことで、無駄に敵をつくりすぎたというのは分かっていたようだ。
俺が公爵になってからは傭兵団への取り締まりが各地で強くなったし、無茶苦茶していた連中に協力をする者達は当然すくなく、ここぞとばかりの意趣返しを行う領民達から追われる状態にまでなった。と、いう経緯を語ってくれた。
「自業自得だな」
「うちの団は来る者は拒まずの精神だからな。厳選しなかった事がソレを招いたのならば、貴様の発言は正しいだろう」
「こっちの発言を受け入れるとは殊勝なことだ。で、団員数が五百と少なくなったのは、去る者は追わずの精神からか?」
「弱者はただ置き去りにしただけだよ。強者となって追いついてくると期待はしているがね。それに――うちは来る者は拒まず、去る者は逃がさずの精神なのだよ」
「おお怖い」
必壊のガラドスクからの返しではなく、鉄仮面の隣から一歩前に出てきた金髪の長髪が得意げに言ってきたので、両腕をさすりつつ小馬鹿に返してやった。
返した相手は周囲の屈強な者達と比べれば頼りない体躯。
貧相な体に沿った毛皮はマントではなくローブだった。
膝まで伸びた髪によって顔が隠れていて、それだけだと性別は特定できないが、声で男だと分かる。
酒焼けしたようなかすれた声だった。
コイツは得物を布で巻くことはせず、しっかりと手に持っている。
一本角が生えた金色の蛇が巻き付いたデザインからなる黒いスタッフ。
「今度は魔術師か。お名前は?」
「団長補佐であるシェザール・ステップラー。二つ名は極界のシェザール」
長い金髪を左手でかき分けて顔を見せてくる。
落ちくぼんだ目に、目立つ頬骨。
一つのことに傾倒した結果、痩せ細ったんだな。と、推理。
痩せ細ってはいるけども、ガラドスクと共に団長補佐って事だから間違いなく強者なんだろうね。
見た目からして魔法をガンガン使用してくるタイプだろう。
「ところで、副団長と団長補佐ってどっちが強いんだ」
ここは知っておきたいので質問。
「我々の方が強い――と言いたいが、互角と言ったところだ」
やっぱそうか。
自信を持って互角と言い切るから、ガラドスクの言は真実だろう。
単純にガリオンが二人いるってことね。
ベルやゲッコーさん、S級さん達ならまったくもって大した存在ではないけども、俺が相手をするとなれば、かなりの手練れ。
となると――だ。
「お前たち傭兵団は力が全てって事だからな。団長の強さってのは――」
「「無論、我らなど太刀打ち出来ん!!」」
さいですか……。
揃って即答で返してくる声音は高揚感のあるもの。
団長の強さに心酔しているからこそなんだろう。
「これは良い相手ではないかトール」
――……でたよ……。
背後からのベルの声はご機嫌だ。
俺を強くする事を目標の一つにしているのか、俺の成長にとって素晴らしい相手が目の前いる事が嬉しいご様子。
「周囲の相手は対処してやるから頑張ってこい」
もう一人のスパルタであるゲッコーさんも何とも嬉しげだ。
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