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トール師になる
PHASE-1174【竜人】
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「ところでカルナックってどんな奴なんだ?」
「なに? お前は味方に前魔王やその側仕えがいるというのに話をしていないの?」
「……ああ、はい……」
「お前の周囲の知者は苦労しているようね」
「でしょうね……」
俺がその辺がしっかり出来ていない分、先生にはいろんな負担をかけているということを敵に教えられる……。
だからこそ荀攸さんを召喚しておいて本当に良かった。
公爵領の方を荀攸さんと爺様に任せているから、先生の負担が減ることになったからね。
それが分かっているなら俺自身も負担をかけるような事をするなと心の中でツッコんでおきます。
前線で頑張っているからそんな余裕がないんだ。――などという弁解は罪悪だからな。
「それで教えてもらえるか?」
「ヤツはドラゴニュート」
ファンタジーではド定番の強者ポジだな。
ドラゴニュート――つまりは竜人か。
堅牢な鱗に守られ、且つ強靱な肉体からなる体は物理だけでなく魔法にも耐性を持つ。
全てを切り裂き砕く強靱な爪と牙。
それらに合わせて最上の武具で身を固めているという。
強者が強力な装備ってのはそれだけで大問題だな。
加えて三百万以上の兵から選りすぐられた、千のオーガロードからなる巧鬼と呼ばれる親衛隊。
その親衛隊を指揮する同種族のドラゴニュートからなる四天王。
また親衛隊とは別に自身の周囲を常に警護させるために、四天王同様、同種族のドラゴニュートより選抜された百の近衛隊――デイライトも有しているという。
「やべえな……」
「近衛、親衛の連中は個の武で町一つを陥落させる事も可能でしょうね」
「そんなのが千以上いるのか……」
圧倒的な力を有している連中はしっかりと温存しているわけだな。
後に自分が魔王となるために、必要となる戦力は北伐では絶対に動かす事はないだろうとデミタスは言う。
それを聞けばこちらも有り難くはあるが、いずれはそいつ等と戦わないといけないんだよな……。
三百万以上って兵数だけでもこっちは心が折れそうだってのに……。
「巧みな鬼さんにデイライトね。なんだよデイライトって? 日光とか夜明けってことか?」
「その通り。自身の栄光へと続く道と、足跡を燦然と照らす為の者達といったところから命名したそうよ。何とも気持ち悪いセンスよね」
悪態に加えてここでは怒りを滲ませるデミタス。
「なんか魔王軍からかけ離れているようなネーミングだよな」
怒りを感知したので、デミタスに調子を合わせるように言葉を続ける俺の称号は勇者……。
「それは我々、魔王軍全体が陰険で陰湿な存在だと思っているということ?」
おっと言葉のチョイスを失敗してしまった……。
蹂躙王の軍勢だけに限定するべきだったな。
魔王=闇ってのはファンタジーの常識だから一括りにしてしまったな。
これは失言と口を噤んで言い訳を考えていると、俺の考えよりも早く、
「だとすると、お前は前魔王も同じように見ているのね」
「ぐぬぅ……」
この追撃はクリティカルだったよ。
リズベッドは尊い可愛さですよ。闇からはかけ離れた清らかな存在ですよ。
「狭い視野だったよ」
「反省は早いようね」
「どうも」
直ぐに反省できてしまうのは、調子に乗ると外側広筋や尻に蹴りを見舞ってくる存在の教育的指導による賜物だとは、口にはすまいよ。
「殊勝さは成長に繋がる。せいぜい私のために役に立ってもらいましょう」
いやだから……。言ってる事が完全に後で仲間になるパターンなんですけど……。
やはりそれを言ってしまうと殺されるかもしれないので、口には出さない俺の称号は勇者……。
「何か言いたそうね。他に聞きたいことがあるのかしら?」
「ああっと……そうだな。俺以上の仇みたいだけど、カルナックとの因縁ってのは……」
誤魔化すように聞いてみる。
――……聞かない方がよかったのかもしれない……。
伏せた顔。俺は巨木の幹に体を預けて座っているので、見上げれば表情を窺い知る事が可能な位置ではあるんだけども、あえて覗き込もうとはしない。
発言が一々、後から仲間になるパターンなんですけど。っておちゃらけて言った方がまだよかったかもしれないな……。
「なに? お前は味方に前魔王やその側仕えがいるというのに話をしていないの?」
「……ああ、はい……」
「お前の周囲の知者は苦労しているようね」
「でしょうね……」
俺がその辺がしっかり出来ていない分、先生にはいろんな負担をかけているということを敵に教えられる……。
だからこそ荀攸さんを召喚しておいて本当に良かった。
公爵領の方を荀攸さんと爺様に任せているから、先生の負担が減ることになったからね。
それが分かっているなら俺自身も負担をかけるような事をするなと心の中でツッコんでおきます。
前線で頑張っているからそんな余裕がないんだ。――などという弁解は罪悪だからな。
「それで教えてもらえるか?」
「ヤツはドラゴニュート」
ファンタジーではド定番の強者ポジだな。
ドラゴニュート――つまりは竜人か。
堅牢な鱗に守られ、且つ強靱な肉体からなる体は物理だけでなく魔法にも耐性を持つ。
全てを切り裂き砕く強靱な爪と牙。
それらに合わせて最上の武具で身を固めているという。
強者が強力な装備ってのはそれだけで大問題だな。
加えて三百万以上の兵から選りすぐられた、千のオーガロードからなる巧鬼と呼ばれる親衛隊。
その親衛隊を指揮する同種族のドラゴニュートからなる四天王。
また親衛隊とは別に自身の周囲を常に警護させるために、四天王同様、同種族のドラゴニュートより選抜された百の近衛隊――デイライトも有しているという。
「やべえな……」
「近衛、親衛の連中は個の武で町一つを陥落させる事も可能でしょうね」
「そんなのが千以上いるのか……」
圧倒的な力を有している連中はしっかりと温存しているわけだな。
後に自分が魔王となるために、必要となる戦力は北伐では絶対に動かす事はないだろうとデミタスは言う。
それを聞けばこちらも有り難くはあるが、いずれはそいつ等と戦わないといけないんだよな……。
三百万以上って兵数だけでもこっちは心が折れそうだってのに……。
「巧みな鬼さんにデイライトね。なんだよデイライトって? 日光とか夜明けってことか?」
「その通り。自身の栄光へと続く道と、足跡を燦然と照らす為の者達といったところから命名したそうよ。何とも気持ち悪いセンスよね」
悪態に加えてここでは怒りを滲ませるデミタス。
「なんか魔王軍からかけ離れているようなネーミングだよな」
怒りを感知したので、デミタスに調子を合わせるように言葉を続ける俺の称号は勇者……。
「それは我々、魔王軍全体が陰険で陰湿な存在だと思っているということ?」
おっと言葉のチョイスを失敗してしまった……。
蹂躙王の軍勢だけに限定するべきだったな。
魔王=闇ってのはファンタジーの常識だから一括りにしてしまったな。
これは失言と口を噤んで言い訳を考えていると、俺の考えよりも早く、
「だとすると、お前は前魔王も同じように見ているのね」
「ぐぬぅ……」
この追撃はクリティカルだったよ。
リズベッドは尊い可愛さですよ。闇からはかけ離れた清らかな存在ですよ。
「狭い視野だったよ」
「反省は早いようね」
「どうも」
直ぐに反省できてしまうのは、調子に乗ると外側広筋や尻に蹴りを見舞ってくる存在の教育的指導による賜物だとは、口にはすまいよ。
「殊勝さは成長に繋がる。せいぜい私のために役に立ってもらいましょう」
いやだから……。言ってる事が完全に後で仲間になるパターンなんですけど……。
やはりそれを言ってしまうと殺されるかもしれないので、口には出さない俺の称号は勇者……。
「何か言いたそうね。他に聞きたいことがあるのかしら?」
「ああっと……そうだな。俺以上の仇みたいだけど、カルナックとの因縁ってのは……」
誤魔化すように聞いてみる。
――……聞かない方がよかったのかもしれない……。
伏せた顔。俺は巨木の幹に体を預けて座っているので、見上げれば表情を窺い知る事が可能な位置ではあるんだけども、あえて覗き込もうとはしない。
発言が一々、後から仲間になるパターンなんですけど。っておちゃらけて言った方がまだよかったかもしれないな……。
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