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矮人と巨人
PHASE-1333【背景担当】
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動きがないのはこちらの動きを陽動と判断し、警戒をしているという可能性も考えられるな。
それとも別の思惑があるのか――。
これだけ押されているのに出てこないのはやはり不気味さがあるな。
ミノタウロスの強さをヤヤラッタが理解しているなら、俺達に向かわせてもあまり意味はないと理解しているだろうから、もっと兵力を投入してきてもいいはずなんだけど。
見た感じ、ここに展開しているのは百程度だからな。
まだ余力は十分あるとこっちは考えているから、連中はここの守りよりも別の事に重点を置いていると見るべきか。
ここの味方が全滅してもいいほどに重要なことでもあるのかな?
まあ――、
「全滅させるにしてもまだまだ多いけどな」
「ですが烏合です」
と、パロンズ氏がちょっと離れた位置から返してくれる。
コクリコの打ち漏らしを確実に仕留めていく姿は十分にやり手である。
「オークはともかくとして、カクエン達は既に戦意が低下していますな。これも会頭がミノタウロスを容易く倒した事によるもので――しょう!」
「わお」
手にする手斧で兜ごとカクエンの頭部を叩き割るという光景。
頭に詰まった内容物が兜の中から勢いよく飛び出してくるのは中々にくるものがある……。
「ぬ?」
手斧が頭部から抜けないようだけども、慌てることなく左腕に括り付けたバックラーによるシールドバッシュを既に事切れたカクエンに見舞い、その衝撃を利用して手斧を引き抜く。
「よし次だ」
「……」
「どうされました?」
「いや~逞しくて何よりです」
漲る自信。
冒険を積み重ねて徐々にというのが普通なんだろうけども、急成長とばかりに胆力が身についておられる。
接近は自衛程度ということだったけども、漲る自信からくる覇気のある攻撃を繰り出せば、カクエン達は気圧されてしまう。
パロンズ氏もそれが分かっているから強気に足を進めていく。
まだまだだ。と、自己評価をしながら。
頭部に打ち込む際、躊躇が生まれたことで手斧が頭部に埋まってしまったそうだ。
躊躇なく振り抜く思い切りのよさがなければ、相手を苦しめることにも繋がる。
たとえ相手が下卑なカクエンであっても躊躇なくかち割って絶命させるのがせめてもの慈悲と述べ、弱腰になったカクエン達の中に突撃していき、一方的な攻撃を行っていた。
立派なヒゲや装備に返り血やら内容物を付着させて大立ち回りする姿。
カクエン達は自分よりも身長の低い存在であるパロンズ氏をまるで巨大な怪物を見るかのように恐れている。
俺から見ても今のパロンズ氏の姿は鬼のようだからな。
そんな鬼を思わせるパロンズ氏が一歩足を踏み出せば、それ以上の歩数で後退するカクエン達。
「なるほど。これが強者の見る世界なのかもしれないな」
おっと?
「勘違いも甚だしい!」
「あだぁ!?」
些か調子に乗ったパロンズ氏の発言には俺も眉間に皺を寄せそうになったけども、口よりも行動の方が早いコクリコが、サムソンをパロンズ氏の頭部にぶつけて修正。
「何が強者なのか。パロンズはその域に足を踏み入れてもいませんよ。恐れ戦く弱者を倒して調子に乗れば手痛い目に遭いますよ。貴男だけでなく我々もね! 次になめた発言をしたら蹴り飛ばしますからね!」
「は、はい!」
わあ、蹴り飛ばすとかベルみたいな修正方法だな。
この場に最強さんがいないからって、自分がその役をやらなくてもいいのに。
まあ、修正してくれるのはありがたいけどな。
本当に、俺とちがって即行動で対応してくれるのはありがたいし、羨ましい。
論理より直感。
姐御モードのそういうところは尊敬する。
「そもそも強者はこの場において私のみ! だから強者とか思わないように!」
――……尊敬した途端にこの発言……。
「いや、お前も強さに酔いしれて調子に乗るなよ!」
釘を刺せば、
「油断はしてませんよ」
言うだけあって、自分の強さに酔いしれながらも蹴散らしていくところは大したものではある。
この場に最強さんがいたら、パロンズ氏ではなくコクリコが説教を受けるんだろうけども。
「ハッハ――!」
追撃のファイヤーボール三連弾。
大いに爆ぜてオーク達は大混乱。
「くそ! 強い! 強すぎる!」
――……そんなことを言うなよ……。
「もっと私に恐怖を抱きなさい。 貴方方の前にいるのは破壊神そのものです! いまなら入信を許可してやりましょう」
相手が恐れれば恐れるだけコクリコのテンションは上がり、発言も大風呂敷を広げる始末……。
なんだよ破壊神って……。バーサーカーの上を行くんじゃないよ……。
コイツを油断させるには、褒めちぎるのがいいかもしれん。
そこに隙が生まれて、突破口を見つけることが出来るかもしれない。
まあ、ここの連中は突破口を見つける前に蹴散らされるだろうけど。
それくらいにオークの集団とコクリコには明確な実力差があるからな。
一年ほど森の中に籠もって訓練しているのと、各地を転々として激戦を戦い抜いてきた者では成長速度にも差があるってもんだよな。
「遠距離だ! 矢と魔法を放て!」
ミノタウロスが倒されても数人の十体長による指示のもと耐えるオーク達。
「コイツ等だけでなくてよかったな」
ヘタレたカクエン達が集団の中に混ざっているせいで、矢を番える動きがぎこちなくなっているのがこちらから見ても窺える。
怯えるカクエンがその場で硬直して動かないことで、側で矢を番えるオークは動きが制限されて苛立っているようで、隣に建つカクエンに肘打ちをしてどかすという無駄なモーションも入っていた。
その部分を見逃さないコクリコがファイヤーボールで先制して吹き飛ばす。
「常に先手を取らせてもらいます」
前線で言いつつも、
「放て!」
当然ながら大多数に対して全てを対処するって事は出来ない。
「おのれい!」
無双状態の中での先手発言を速攻で打ち壊されて悔しそうな自称・破壊神のコクリコ。
ペースを乱されると途端に回避一辺倒となってしまった。
一辺倒とはいえ、大量の遠距離攻撃を地面を滑空するように駆けて回避していく姿は凄いけども。
俺が側にいればイグニースやウォーターカーテンでガードするんだけども……。いかんせん俺から離れすぎているんだよな……。
よくよく考えると、コクリコは障壁魔法は未習得。
攻撃重視のただ前進あるのみ! の精神だからな。
習得しようとは毛ほども考えていないだろう。
そんなコクリコの悔しそうな声を耳にしたオーク達は、
「先手を取らせるな! 遠距離であの小娘を仕留めろ!」
「生意気な事を言ってくれますね」
カクエンの混ざる陣形でありながらも、コクリコに反撃の機会を与えないぞ! という勢いによる波状攻撃。
これに呼応するようにカクエン達も動き出す。
周囲が強気になると途端に思考を切り替えることが出来るカクエン達も動きがよくなり、コクリコを狙い始める。
「よし! いいぞ!」
と、十体長の一人が喜ぶ。
攻略の端緒を開いたとばかりに、嬉々とした声色が兜の奥から伝わってくるんだけども……。
「あいつ等どんだけコクリコに必死になっているんだろうか……」
「初手の防御壁破壊からの突入。そして挑発。これらに対する意趣返しという思いでコクリコ殿をどうしても仕留めたいというところなんでしょうね」
「戦術に固執して、戦略にまったく目を向けることが出来ない残念軍略家みたいですね」
「まったくです」
「俺達に向ける目の数が少ないこって……」
「まったくです」
「さながら俺達、背景ですよ」
「まったくです」
と、パロンズ氏と余裕のやり取り。
俺達が慌てることなく談笑が出来るくらい、眼界のコクリコは余裕そのもの。
余裕もあるけど言ってて悲しくもなってくる。
勇者史上もっとも影の薄い存在は、俺かもしれない……。
それとも別の思惑があるのか――。
これだけ押されているのに出てこないのはやはり不気味さがあるな。
ミノタウロスの強さをヤヤラッタが理解しているなら、俺達に向かわせてもあまり意味はないと理解しているだろうから、もっと兵力を投入してきてもいいはずなんだけど。
見た感じ、ここに展開しているのは百程度だからな。
まだ余力は十分あるとこっちは考えているから、連中はここの守りよりも別の事に重点を置いていると見るべきか。
ここの味方が全滅してもいいほどに重要なことでもあるのかな?
まあ――、
「全滅させるにしてもまだまだ多いけどな」
「ですが烏合です」
と、パロンズ氏がちょっと離れた位置から返してくれる。
コクリコの打ち漏らしを確実に仕留めていく姿は十分にやり手である。
「オークはともかくとして、カクエン達は既に戦意が低下していますな。これも会頭がミノタウロスを容易く倒した事によるもので――しょう!」
「わお」
手にする手斧で兜ごとカクエンの頭部を叩き割るという光景。
頭に詰まった内容物が兜の中から勢いよく飛び出してくるのは中々にくるものがある……。
「ぬ?」
手斧が頭部から抜けないようだけども、慌てることなく左腕に括り付けたバックラーによるシールドバッシュを既に事切れたカクエンに見舞い、その衝撃を利用して手斧を引き抜く。
「よし次だ」
「……」
「どうされました?」
「いや~逞しくて何よりです」
漲る自信。
冒険を積み重ねて徐々にというのが普通なんだろうけども、急成長とばかりに胆力が身についておられる。
接近は自衛程度ということだったけども、漲る自信からくる覇気のある攻撃を繰り出せば、カクエン達は気圧されてしまう。
パロンズ氏もそれが分かっているから強気に足を進めていく。
まだまだだ。と、自己評価をしながら。
頭部に打ち込む際、躊躇が生まれたことで手斧が頭部に埋まってしまったそうだ。
躊躇なく振り抜く思い切りのよさがなければ、相手を苦しめることにも繋がる。
たとえ相手が下卑なカクエンであっても躊躇なくかち割って絶命させるのがせめてもの慈悲と述べ、弱腰になったカクエン達の中に突撃していき、一方的な攻撃を行っていた。
立派なヒゲや装備に返り血やら内容物を付着させて大立ち回りする姿。
カクエン達は自分よりも身長の低い存在であるパロンズ氏をまるで巨大な怪物を見るかのように恐れている。
俺から見ても今のパロンズ氏の姿は鬼のようだからな。
そんな鬼を思わせるパロンズ氏が一歩足を踏み出せば、それ以上の歩数で後退するカクエン達。
「なるほど。これが強者の見る世界なのかもしれないな」
おっと?
「勘違いも甚だしい!」
「あだぁ!?」
些か調子に乗ったパロンズ氏の発言には俺も眉間に皺を寄せそうになったけども、口よりも行動の方が早いコクリコが、サムソンをパロンズ氏の頭部にぶつけて修正。
「何が強者なのか。パロンズはその域に足を踏み入れてもいませんよ。恐れ戦く弱者を倒して調子に乗れば手痛い目に遭いますよ。貴男だけでなく我々もね! 次になめた発言をしたら蹴り飛ばしますからね!」
「は、はい!」
わあ、蹴り飛ばすとかベルみたいな修正方法だな。
この場に最強さんがいないからって、自分がその役をやらなくてもいいのに。
まあ、修正してくれるのはありがたいけどな。
本当に、俺とちがって即行動で対応してくれるのはありがたいし、羨ましい。
論理より直感。
姐御モードのそういうところは尊敬する。
「そもそも強者はこの場において私のみ! だから強者とか思わないように!」
――……尊敬した途端にこの発言……。
「いや、お前も強さに酔いしれて調子に乗るなよ!」
釘を刺せば、
「油断はしてませんよ」
言うだけあって、自分の強さに酔いしれながらも蹴散らしていくところは大したものではある。
この場に最強さんがいたら、パロンズ氏ではなくコクリコが説教を受けるんだろうけども。
「ハッハ――!」
追撃のファイヤーボール三連弾。
大いに爆ぜてオーク達は大混乱。
「くそ! 強い! 強すぎる!」
――……そんなことを言うなよ……。
「もっと私に恐怖を抱きなさい。 貴方方の前にいるのは破壊神そのものです! いまなら入信を許可してやりましょう」
相手が恐れれば恐れるだけコクリコのテンションは上がり、発言も大風呂敷を広げる始末……。
なんだよ破壊神って……。バーサーカーの上を行くんじゃないよ……。
コイツを油断させるには、褒めちぎるのがいいかもしれん。
そこに隙が生まれて、突破口を見つけることが出来るかもしれない。
まあ、ここの連中は突破口を見つける前に蹴散らされるだろうけど。
それくらいにオークの集団とコクリコには明確な実力差があるからな。
一年ほど森の中に籠もって訓練しているのと、各地を転々として激戦を戦い抜いてきた者では成長速度にも差があるってもんだよな。
「遠距離だ! 矢と魔法を放て!」
ミノタウロスが倒されても数人の十体長による指示のもと耐えるオーク達。
「コイツ等だけでなくてよかったな」
ヘタレたカクエン達が集団の中に混ざっているせいで、矢を番える動きがぎこちなくなっているのがこちらから見ても窺える。
怯えるカクエンがその場で硬直して動かないことで、側で矢を番えるオークは動きが制限されて苛立っているようで、隣に建つカクエンに肘打ちをしてどかすという無駄なモーションも入っていた。
その部分を見逃さないコクリコがファイヤーボールで先制して吹き飛ばす。
「常に先手を取らせてもらいます」
前線で言いつつも、
「放て!」
当然ながら大多数に対して全てを対処するって事は出来ない。
「おのれい!」
無双状態の中での先手発言を速攻で打ち壊されて悔しそうな自称・破壊神のコクリコ。
ペースを乱されると途端に回避一辺倒となってしまった。
一辺倒とはいえ、大量の遠距離攻撃を地面を滑空するように駆けて回避していく姿は凄いけども。
俺が側にいればイグニースやウォーターカーテンでガードするんだけども……。いかんせん俺から離れすぎているんだよな……。
よくよく考えると、コクリコは障壁魔法は未習得。
攻撃重視のただ前進あるのみ! の精神だからな。
習得しようとは毛ほども考えていないだろう。
そんなコクリコの悔しそうな声を耳にしたオーク達は、
「先手を取らせるな! 遠距離であの小娘を仕留めろ!」
「生意気な事を言ってくれますね」
カクエンの混ざる陣形でありながらも、コクリコに反撃の機会を与えないぞ! という勢いによる波状攻撃。
これに呼応するようにカクエン達も動き出す。
周囲が強気になると途端に思考を切り替えることが出来るカクエン達も動きがよくなり、コクリコを狙い始める。
「よし! いいぞ!」
と、十体長の一人が喜ぶ。
攻略の端緒を開いたとばかりに、嬉々とした声色が兜の奥から伝わってくるんだけども……。
「あいつ等どんだけコクリコに必死になっているんだろうか……」
「初手の防御壁破壊からの突入。そして挑発。これらに対する意趣返しという思いでコクリコ殿をどうしても仕留めたいというところなんでしょうね」
「戦術に固執して、戦略にまったく目を向けることが出来ない残念軍略家みたいですね」
「まったくです」
「俺達に向ける目の数が少ないこって……」
「まったくです」
「さながら俺達、背景ですよ」
「まったくです」
と、パロンズ氏と余裕のやり取り。
俺達が慌てることなく談笑が出来るくらい、眼界のコクリコは余裕そのもの。
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勇者史上もっとも影の薄い存在は、俺かもしれない……。
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