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天空要塞
PHASE-1454【焦ると外れないよね……】
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「可能であれば、そちらのトップである翼幻王――ええっと――ベスティリス・バルフレア・エアリアス殿と面会させていただきたいのですが。敵対ばかりの選択はしたくないので」
「馬鹿らしい! なぜ貴様等と話し合いをせねばならん! 世迷い言はあの世で言え!」
「世迷い言かどうかは責任ある人物に相談してからの方がいいと思いますよ。じゃないと叱られますからね。ホウレンソウは大事です。なあベル」
「ああ。そうだな……」
以前ホウレンソウを行わず、モフモフと楽しんでいたベルに対してもという意味合いで発せば、理解したようで返す言葉は弱々しかった。
「是非とも挨拶をさせてもいらたく」
「馬鹿馬鹿しい!」
おん?
「ライトニングボア」
「おん、おん!?」
下方からの怒号と、迫る電撃の大蛇。
「キュゥゥゥゥン」
を――喜びつつツッカーヴァッテが触角から吸収。
複眼だから目の形は変わらないけど、恍惚としているというのは分かる。
「なんだと!?」
「なんだと!? じゃないですよ。いきなり仕掛けてくるとは礼を欠いていますよ。こちらは対話を求めているのに」
返す言葉には怒気は纏わせないし飛ばさない。
いきなりの攻撃であっても、こちらはアルカイックスマイルを顔に貼り付けて対応させてもらう。
で、放ってきたのはデーモン系か。
飛翔能力を持ってるんだから、当然、翼幻王の配下にもいるわな。
ヤヤラッタのような体躯ではなく俺に近い身長だから、レッサーデーモンとみていいだろう。
上位魔法のライトニングボアを使用できるあたり、かなりのやり手であることは間違いない。
「俺の魔法を吸収するとは……なんだその巨大な蛾は……」
よりにもよって、使用したのがツッカーヴァッテの大好物である雷系だからな。
「無益なことは止めてまずは話し合いを」
「ぬかせ!」
と、腰に佩く利器を抜剣。
「良い拵えのようで」
「口の減らんガキだ!」
高速飛行で上がってくれば、瞬時にして俺の頭上を取ってくる、
「はぁ!」
気迫と共に振り下ろしてくるショートソード。
「ちょっと!?」
まだこっちはハーネスを外してないから、動きに制限がかかってんだよ!
などと思いつつも籠手で払い、
「まあ、落ち着いて」
アルカイックスマイルは崩さずに話し合いを提案するも、
「不快な笑みだ!」
山羊のような顔からなるレッサーデーモンが歯を軋らせて二撃目。
これも身動きが難しい中で対処。
上位魔法を使用してきたけども、この状態でもあしらえる程度なら、戦闘になっても難しい相手にはならないな。
「ええい!」
あ!?
埒が明かないからと、切っ先を向ける目標を俺から変更。
「馬鹿! よせ!」
貼り付けていた笑みから緊迫の表情に変わる俺。
あろう事か俺達が騎乗するツッカーヴァッテを突き刺そうとしてくる。
「キュゥゥン!」
触角にバリバリと電撃を纏わせる。
愛らしくなってもそこは戦略生物として生み出された存在。
攻撃を仕掛けてくるなら、手加減なしの電撃を放つつもりだ。
――……まあ今回はそんな事になる前に、
「何をするのだ! この愚か者!」
「がぎゃ!?」
――……言わんこっちゃない……。
ベルの怒りの蹴りが炸裂。
美脚からの蹴り一閃が山羊の頭に直撃。
命を失うことはなかったようだけども――、
「部隊長!」
と、タンガタ・マヌにそう呼ばれるレッサーデーモンは、蹴りで意識が完全に飛んでしまっており、力なく落下していく。
この高度からの落下。外殻に落ちれば雷雲で死ぬし、運良く要塞部分に落ちても死ぬね……。
「急いで救助」
俺がそう言えば、はたとなって五人の内、三人のタンガタ・マヌが救出に向かい――無事救助。
「良かった」
「何が良かっただ! 貴様等!」
「怒りをぶつけないでいただきたいですね。先に仕掛けたのはそちらでしょう」
ライトニングボアに触発されたのか、自分もとばかりに雷系中位のライトニングスネークを撃ちたいようで、ワンドの貴石を黄色に輝かせるコクリコ。
「無断でルドルクナスへと侵入、突破しておいてなにを抜かすか小娘!」
「ほう――この私とやろうとでも?」
「やらいでか!」
激オコ梟頭のタンガタ・マヌ。
「ちょっと落ち着いて。アイムフレンドリー」
小競り合いになるにしても、せめて俺がハーネスを外すまで待って……。
「死ねぃ!」
「ちょっと!?」
アイムフレンドリーって言ってますやん!
「ライトニングスネーク!」
「ほわお!?」
ハーネスを外すのに必死になっている俺の頬近くを電撃の蛇が通過する。
「なんの!」
「ほわお!?」
梟頭。コクリコのライトニングスネークを手にしたヒーターシールドで受け止めた。
電撃がシールドから体全体に伝播するという事はなく、見事に防ぎきった。
「その程度の魔法が通じるかよ!」
「トールの手前、手心を加えてやれば調子に乗った言い様ですね」
実際、今のコクリコならオスカーとミッターによる装身具で攻撃力を向上させることが可能。
でも、俺の横を通過したのは通常の火力だった。
発言どおり手心は加えているようだな。
手心もあるだろうけど、電撃が体中に伝播しなかったことからして、シールド自体にも対魔法の付与が施されていると考えていいだろう。
一般兵士が対魔法付与の装備で整えているとなると、全体の装備の質は高いな。
流石は翼幻王のお膝元。
「今度はこちらからだ!」
「待ってってば!」
ハーネスが外れないんだよ!
装備を考察している間に外せていない俺も俺だけど……。
「馬鹿らしい! なぜ貴様等と話し合いをせねばならん! 世迷い言はあの世で言え!」
「世迷い言かどうかは責任ある人物に相談してからの方がいいと思いますよ。じゃないと叱られますからね。ホウレンソウは大事です。なあベル」
「ああ。そうだな……」
以前ホウレンソウを行わず、モフモフと楽しんでいたベルに対してもという意味合いで発せば、理解したようで返す言葉は弱々しかった。
「是非とも挨拶をさせてもいらたく」
「馬鹿馬鹿しい!」
おん?
「ライトニングボア」
「おん、おん!?」
下方からの怒号と、迫る電撃の大蛇。
「キュゥゥゥゥン」
を――喜びつつツッカーヴァッテが触角から吸収。
複眼だから目の形は変わらないけど、恍惚としているというのは分かる。
「なんだと!?」
「なんだと!? じゃないですよ。いきなり仕掛けてくるとは礼を欠いていますよ。こちらは対話を求めているのに」
返す言葉には怒気は纏わせないし飛ばさない。
いきなりの攻撃であっても、こちらはアルカイックスマイルを顔に貼り付けて対応させてもらう。
で、放ってきたのはデーモン系か。
飛翔能力を持ってるんだから、当然、翼幻王の配下にもいるわな。
ヤヤラッタのような体躯ではなく俺に近い身長だから、レッサーデーモンとみていいだろう。
上位魔法のライトニングボアを使用できるあたり、かなりのやり手であることは間違いない。
「俺の魔法を吸収するとは……なんだその巨大な蛾は……」
よりにもよって、使用したのがツッカーヴァッテの大好物である雷系だからな。
「無益なことは止めてまずは話し合いを」
「ぬかせ!」
と、腰に佩く利器を抜剣。
「良い拵えのようで」
「口の減らんガキだ!」
高速飛行で上がってくれば、瞬時にして俺の頭上を取ってくる、
「はぁ!」
気迫と共に振り下ろしてくるショートソード。
「ちょっと!?」
まだこっちはハーネスを外してないから、動きに制限がかかってんだよ!
などと思いつつも籠手で払い、
「まあ、落ち着いて」
アルカイックスマイルは崩さずに話し合いを提案するも、
「不快な笑みだ!」
山羊のような顔からなるレッサーデーモンが歯を軋らせて二撃目。
これも身動きが難しい中で対処。
上位魔法を使用してきたけども、この状態でもあしらえる程度なら、戦闘になっても難しい相手にはならないな。
「ええい!」
あ!?
埒が明かないからと、切っ先を向ける目標を俺から変更。
「馬鹿! よせ!」
貼り付けていた笑みから緊迫の表情に変わる俺。
あろう事か俺達が騎乗するツッカーヴァッテを突き刺そうとしてくる。
「キュゥゥン!」
触角にバリバリと電撃を纏わせる。
愛らしくなってもそこは戦略生物として生み出された存在。
攻撃を仕掛けてくるなら、手加減なしの電撃を放つつもりだ。
――……まあ今回はそんな事になる前に、
「何をするのだ! この愚か者!」
「がぎゃ!?」
――……言わんこっちゃない……。
ベルの怒りの蹴りが炸裂。
美脚からの蹴り一閃が山羊の頭に直撃。
命を失うことはなかったようだけども――、
「部隊長!」
と、タンガタ・マヌにそう呼ばれるレッサーデーモンは、蹴りで意識が完全に飛んでしまっており、力なく落下していく。
この高度からの落下。外殻に落ちれば雷雲で死ぬし、運良く要塞部分に落ちても死ぬね……。
「急いで救助」
俺がそう言えば、はたとなって五人の内、三人のタンガタ・マヌが救出に向かい――無事救助。
「良かった」
「何が良かっただ! 貴様等!」
「怒りをぶつけないでいただきたいですね。先に仕掛けたのはそちらでしょう」
ライトニングボアに触発されたのか、自分もとばかりに雷系中位のライトニングスネークを撃ちたいようで、ワンドの貴石を黄色に輝かせるコクリコ。
「無断でルドルクナスへと侵入、突破しておいてなにを抜かすか小娘!」
「ほう――この私とやろうとでも?」
「やらいでか!」
激オコ梟頭のタンガタ・マヌ。
「ちょっと落ち着いて。アイムフレンドリー」
小競り合いになるにしても、せめて俺がハーネスを外すまで待って……。
「死ねぃ!」
「ちょっと!?」
アイムフレンドリーって言ってますやん!
「ライトニングスネーク!」
「ほわお!?」
ハーネスを外すのに必死になっている俺の頬近くを電撃の蛇が通過する。
「なんの!」
「ほわお!?」
梟頭。コクリコのライトニングスネークを手にしたヒーターシールドで受け止めた。
電撃がシールドから体全体に伝播するという事はなく、見事に防ぎきった。
「その程度の魔法が通じるかよ!」
「トールの手前、手心を加えてやれば調子に乗った言い様ですね」
実際、今のコクリコならオスカーとミッターによる装身具で攻撃力を向上させることが可能。
でも、俺の横を通過したのは通常の火力だった。
発言どおり手心は加えているようだな。
手心もあるだろうけど、電撃が体中に伝播しなかったことからして、シールド自体にも対魔法の付与が施されていると考えていいだろう。
一般兵士が対魔法付与の装備で整えているとなると、全体の装備の質は高いな。
流石は翼幻王のお膝元。
「今度はこちらからだ!」
「待ってってば!」
ハーネスが外れないんだよ!
装備を考察している間に外せていない俺も俺だけど……。
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