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十話 至高への一歩
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白鐸がいなくなり、俺の隣に華侯焔が座る。そして俺の背後に才明と英正が座り、半ば囲われた形になる。
やけに華侯焔がニヤけている。こういう時は嫌な予感しかしない。
俺が身構えていると、華侯焔が才明と英正に目配せし、短く頷き合ってから口を開いた。
「今回の戦、俺たち三人はよく戦っていたと思う。それは認めるな?」
「あ、ああ。三人がいなかったら、太史翔に迫ることすらできなかった。本当に感謝している」
「それで褒美なんだが――」
恐らく先ほど三人が固まって話していたのは、俺を抱く順番を決めていたのだろう。どれだけ抱き潰されることになるのだろうかと、心の中で遠い目になってしまうが、褒美は与えなければいけない。
これは避けられないことだと腹を括っていると、華侯焔はもったいぶらずにさらりと言った。
「三人同時にもらいたい」
……同時? 三人?
すぐに理解できず俺は首を傾げてしまう。
そして一呼吸置いて理解した瞬間、身を引いていた。
「ま、待て、それは、いくらなんでも……っ」
「ちゃんと話し合って、全員納得済みだ。なあ、二人とも」
話を振られて才明と英正が各々に頷く。
才明は糸目に緩やかな弧を作って苦笑を浮かべる。
「ええ。誰も抜け駆けせず、誠人様に奉仕しようという話になりまして」
こちらは楽しげというより、しょうがないと諦め半分な色が見える。きっと華侯焔に押されたのだろう。
それに対して、英正は何かを覚悟したような顔つきで俺を見つめてくる。
「一人を相手にするよりも負担になることは分かっています。ですが、誠人様をもっと知りたくて……」
何を知りたいと言うんだ? まさか、華侯焔たちにどう抱かれているのかを見たいというのか?
才明はともかく、真面目な英正がそんなことを了承するとは思いもせず、俺は軽い目眩を覚える。
この三人の意見が揃ってしまうと手強い。だが、そう簡単には受け入れられない。
俺が頷けずにいると、華侯焔が顔を近づけ、耳元で囁いた。
「早く知りたいことがあるんじゃないか?」
ドクン、と俺の鼓動が跳ねる。
この世界で何日も過ごしても、セーブして現実に戻れば数秒しか経っていない。
分かっている。それでも早く現実に戻って確かめたいことがある。
華侯焔は俺のことをよく分かっている。それが嬉しくて、怖くもあった。
ただの戯れではない。
そう気づいた途端、俺は鈍い動きながら頷いていた。
「……分かった。三人がそれで構わないなら」
俺の返答を聞いて、三人三様に頷く。
同じことをしようと自分たちで決めたはずなのに、彼らの目はお互いを牽制するように向き、妙な火花を散らしていた。
やけに華侯焔がニヤけている。こういう時は嫌な予感しかしない。
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何を知りたいと言うんだ? まさか、華侯焔たちにどう抱かれているのかを見たいというのか?
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