ご主人ハジメの観察日記

はなを

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9月の出来事

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ある日、僕とハジメがお店に帰ってくると、ご主人がポーションを卸しているオースティンさんが居たんだ。いつも真面目そうな顔しているのに、今日はもっと怖い顔になってたよ。僕とハジメは何かあったのかなぁって思っていたんだ。

「どうかしたんですか?すごく難しい顔をしていますが・・・」

ってハジメが聞いたら、

「あぁ、ハジメさんお帰りなさい。すみません、待たせていただいていました。申し訳ありませんが、一緒にもう少し待ってもらえませんか?もう一人来るのです」

と言うからハジメは着替えをしに部屋に戻ってから僕にフルーツと牛乳を出してくれたんだ。僕とハジメは魔力でつながっているから話は筒抜けだし、店と部屋の距離なら魔法も使えるし問題ないから僕は最近ハマっているフルーツに牛乳を掛けて潰して食べ始めたんだ。これはハジメは小さいころイチゴに牛乳かけてフォークで潰して食べてたんだって。それを聞いて僕もしたらすごいハマっちゃったんだよ。

ハジメが下に降りてしばらくしたら商人ギルドってところのハーフエルフの偉い人が来たみたい。

「実はハジメさんのポーションが問題となっているのです。ご存知かと思いますがポーションの効果が高いのです」

ってオジさんが言った。そんなのは分かり切っていることなんだけどねー。ハジメは気づいてないみたいだけど、そりゃぁ、ほぼ超体力ポーションハイポーションのモノを同じ価格で売ったら同職種からひがまれるよね。この世界の神様が高レベルなポーションが出まわったら、戦争で亡くなる人を減らせて、戦争する意味をなくすんじゃないかっていう作戦もあったみたいだけど、それは上手くいかないよね。だって死ななかったらどんどん戦えるし、重傷でも治るなら、一撃で死亡する魔法や道具が研究されるに決まってるもん。

人の歴史は戦争の歴史と同じってアマテラス様も言ってたしね。

「それにより、他の調剤師の収入が減っていることが問題となっているのです。私からすれば、努力が足りないと思うのですが、そう思わない者が多いのです。研究・研鑽をしてこなかった怠惰なやからが作成方法を開示しろと言っているのです。本当に恥知らずな要求です。頭に来ます」

ハーフエルフのギルドの偉い人のエヴァさんが最もなこと言ったけどは、自分がそれなりに儲けることが出来てある程度満足していた人は向上心を持ち続けるのは難しいだろうなぁって思うけど、ハジメのポーションが出まわったことでもう一度取り戻すかと思ったんだけど無理だったみたい。

まぁこの2人が来たのはハジメのポーションの価格を上げろってことみたい。そこまで分かれば後は聞き流しで十分と思って、おやつに集中したんだよ。

『まぁ少々値上げしたところで買いたい人は減らないだろうなぁ。・・・それにしても、牛乳とイチゴは当然だけど、案外ブドウもおいしいなぁ・・・・』


その後、なんやかんやあってご主人は自分の店の裏にあった土地を買ったんだけど、その売った人の田舎で米がとれることが分かったの。タイ米なのかうるち米なのかはわからないけど、うまくいったらご飯と日本酒が手に入るかもって僕は期待しちゃった。こう見えてアルコールは大好きなんだよね。そうハジメに言ったら

「お酒は造りません」

って言われちゃった。まぁハジメはアルコールアレルギー持ちだったから飲む習慣がないから仕方ないんだろうけど、しょぼんとなっちゃった。あぁ、お米は愛して止まないらしいよ。小一時間かけてお米とそれを使った料理の素晴らしさとか聞かされたから・・・。

そんなウキウキの数日を過ごした頃、僕が大っ嫌いになったエルフがハジメの所に来たんだよ。アランさん、いやもうあの存在はアランでいいや。まぁそいつは僕のご主人であるハジメに会った途端、

「ふん。お前がハジメか。リオン様が気に掛けるほどの人間と思えないがな。まぁ、いい。こんな人間臭いところは早く辞したいからな。リオン様からの辞令を言い渡す。『ハジメ、お前をエルフ国に帰属とする』。私は人間なんぞ帰属させる必要はないと思うのだが、そういう命令である。ついては私と一緒にエルフの国に来てもらおう」

って言いやがったんだよ。もうね、温厚な僕だけど流石にムカッとしても仕方ないよね。アランが無理やり契約している水の精霊はもう半透明になっていて、ゴースト状態になっていたんだ。あと数年、もってあと10年で消えてしまいそうな感じ。その後もエヴァさんとか町長のウォールさんとかと話している内容を聞いても怒りしか感じなかったよ。

ハジメが「嫌です」って言おうとしたら、エヴァさんが速攻拒否してたのは面白かったよ。それでもアランは諦めなかったみたいで、

「さて、1晩経ってエルフの国に来る準備はできたのかね」

と言いながら次の日ハジメの店に来たんだ。その時はちょうどハジメの護衛役としてアベルさんが居たんだけど、すごく冷めた口調で

「断ったはずだが」

って言ったら、

「私もあそこまで人間如きに虚仮こけにされてそのままと言う訳にはいかないしな。さぁ、準備は出来ているんだろ。直ぐに出発するぞ。こんな人間臭いところからは早く出て行きたいんだ」

と言い返してきたんだ。それにハジメの部下(奴隷っていうとハジメが怒るの)のリナリーが

「アベルさんも言いまし、ウォールさんも言ったと思いますが、あなたの国に利益をもたらすためにご主人様は行きませんよ。どうせそんな態度だから、クリスとトラブルを起こして魔力ポーションを作ることを拒否されるんです。さっさと帰ってください」

エルフの男に言ったら

「なっ、何を言っているのだ。さっさと貴様らは帰属すればいいのだ」

と怒りながらハジメの襟首をつかんだんだよ。僕が魔法を撃とうとしたら、アベルさんの剣がアランの首筋にあたってたの。ちょっとだけ悔しかった。

「何度も言うがこの事については断ったはずだ。これ以上絡むなら街を通してクレームを入れることになる。そうなれば断交だな」

とアベルさんがそのままの状態で言った。ちょっと格好良かったよ。僕はハジメ以外には基本的に見えないけど、憧れちゃった。

「まずは一度帰ってリオン国王に相談してみてはどうですか?このようなかなり大きな事態を招くことになってますし、貴方はリオン国王の決定を代行できる立場にないようですし」

と平穏主義者のハジメが言ったら

「うるさい。人間如きは我々エルフの言うことを聞いて居ればいいのだっ」

と叫んで、すごく煩かった。状況を判断できないなんて致命的だよね。

「何事ですか・・・。おやアランさんではないですか。外まで全部聞こえていますよ」

扉が開いて穏やかな口調で冒険者ギルドのセバスチャンさんと雑貨屋のオースティンさんが入ってきた。

「おやおや、ではこのイブの街と事を構えるということですね。分かりました。冒険者ギルドはエルフの国にいる職員及び冒険者を引き上げる事にしますね」

「商人ギルドも恐らくエルフの国から手を引くでしょう。幸いこの街にポーションを専門とする調剤師も増えてきていますし、特にエルフの国から輸入する必要性もないでしょうし。ギルド長のエヴァにはそう上申じょうしんしましょう」

と笑顔で話したらアランは帰っていこうとしたんだけど、あいつの後ろにいた精霊が苦しそうな目で助けを求めるように手を伸ばして何かに頼ろうとして、掴みかけたんだけど、いきなり消えたんだ。

わぉ、太陽神が来ちゃったよ。

「いや、もう次はないんだよ」
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