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第2章 ポーショントラブル
40.リナリーが過去を話すみたいです
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精霊と契約した次の日の朝一番、エヴァがハジメの店にやってきた。エヴァによるとエルフの国に対して様々な契約を停止する旨の文章を送ったとのことであった。冒険者ギルドもスタッフの引き上げを指示したのことで、イブの街としても冒険者としてのエルフなどの一般人は受け入れるがそれ以外の受け入れは拒否する声明を出したと話し、ギルドへ帰って行った。
その後ハジメは3人と1匹で朝ごはんを食べながら昨日聞き忘れたことをリナリーに聞いてみた。
「リナリー、クリスさんて誰?」
「以前お話したように、私は親の仇がエルフの国に潜んでいると言う情報を得てエルフの国に潜入したことがあるのです・・・」
とリナリー過去を話し始めた。ハジメは静かに彼女の告白を聞いた。
両親と妹が殺されたのはリナリーの成人の日の直前だった。リナリーはその日成人が近い友人たちと友人の1人の家で成人の前祝いをしていた。彼女は夕方になり楽しい気持ちで家に帰る。しかし家が見えるはずの所まで来ると人だかりが自分の家の前に出来ていることに気づく。嫌な予感がした彼女が家に急ぐと両親、妹は殺され、店のものは何もかもなくなっていた。既に遺体は衛兵所へと運ばれた後であった。
彼女が誰も居ない店の中で激しく慟哭し泣き崩れ、表情を失うには充分な出来事であった。近所の人もなんと声を掛けたらいいか分からず遠巻きに眺める事しかできなかった。その後リナリーは家族の通夜を恙無く終わらせ、1週間ほど経つと流していた涙も枯れ、遺品の整理を始めた。タンスの中からリナリーに宛てた愛しているという手紙とお姉ちゃん大好きと書かれた妹からの手紙と共に指輪が出て来た。それを読み、手にした時彼女は復讐を誓ったのだった。彼女の友人たちもあまりの出来事にリナリーに声を掛けることが出来なかった。この時声を誰かが掛けていたらまた違った人生になったのだろうが・・・。
その後すぐにリナリーは冒険者ギルドに登録をし短剣の技術を磨き、同時に犯罪者を狩る賞金稼ぎとしてもその腕を磨いていった。もともと戦うスキルは持っていなかったが、その執念からか暗殺に特化したスキルを次々に習得していった。それは血の滲むような時間を過ごしていたのだろう。その間も情報は収集していたが、復讐相手である盗賊の情報は1年経ったところで組織名が『オオカミの右手』ということ以外入ってこない。業を煮やしたリナリーは同じ賞金稼ぎの一人に相談する。彼女は裏ギルドから情報を買ってみてはどうかと提案された。
裏ギルド・・・非合法なギルド。暗殺など表には出てはいけない仕事を請け負うギルドで、その存在は噂されていたが、実際に摘発されたことはない、幻のギルドである。彼女の口利きでリナリーは裏ギルドに伝手を持った。料金はとてつもない金額であったため、より一層賞金稼ぎとして働いた。3年ほど全く休みなく、朝も夜も働き、ようやくその金額を稼いだのだ。「初めての利用だろ。サービスだ。お前が一人殺れば一人情報をやろう。こちらもあいつらには煮え湯を飲まされたことが多いんでな」と言われる。確かにその情報は迅速かつ正確であった。リナリーは一人ずつ特定していき息の根を止めていった。
さらに2年経った頃、彼女が復讐すべき者がエルフの国に潜入している情報を得た。リナリーは冒険者ギルドでエルフ国の依頼を受けエルフ国へと入国した。排他的なエルフの国では歓迎はされなかったが、彼女にとってそんなことはどうでも良かった。潜入している盗賊団の情報はそこでぷつりと途切れてしまった。噂ではどこかの森に潜んでいると言われていたり、王宮の中にこっそり紛れ込んでいるなど真実性はなかった。エルフ至上主義のため王宮に居るという噂は信じていなかったが情報が錯綜していた。暫くこの街から出ないと決めたリナリーは冒険者ギルドで依頼を受けつつ毎日を過ごし、怒りを募らせていた。その中で唯一街のレストランで仲良くなった同い年くらいの見た目のクリスだけがリナリーが話す相手になっていた。
「ねぇ、リナリー。私の依頼受けてくれないかしら」
とある日話してきたため、奴らの情報がないリナリーはいいよと答えた。彼女の依頼は少し離れた森に魔素草を採取に行きたいから護衛してほしいとのことであった。2日後2人は早朝から目的地へ向かって歩き始めた。
森へ着くとクリスは採取を始め、リナリーは周囲の警戒にあたった。襲ってくるのは狼や熊であったが特に苦労するわけでもなく倒していた。クリスはそれを見て安心したのか、奥へと向かって進んでいった。昼を回ったとき、目の前が開け1軒の小屋が2人の前に現れた。
「こんなところに小屋?」
とクリスが立ち上がると、短剣が彼女の心臓目掛け飛んできた。リナリーはクリスの前に移動しそれを短剣で叩き落す。飛んできた方向を見るとリナリーの探し求めていた男が一人立っていた。瞬間感情が消失し動きに迷いが無くった。投げナイフが叩き落された男が慌てる。彼女はその男の背後に回り込み、首を切った。立ち上がる血に濡れながらリナリーは笑みを浮かべ、男の体を話すとゆっくりと前のめりに倒れていくのを見ていた。
「リナリー!」
と叫びながらクリスが近づいてくる。
「汚れちゃうよ」
とリナリーはクリスがそれ以上近づくことを完全に拒否した。
「大丈夫よ。ありがとう。リナリーこそ大丈夫なの?」
しかしクリスはリナリーを抱きしめた。しかしクリスと突き飛ばし距離を空けると姿を消した。姿が見えなくなってもリナリーはクリスを無事に街に返さなければいけない。クリスが街に着くまでこっそりと見守っていたが、彼女が街に入るのを見届けると闇へと消えていった。
風の噂でただの調剤師だったクリスはエルフ国のトップクラスの調剤師になっていると聞いた。
そこまで話すとお茶を1口のみふーっと息をついた。ハジメはリナリーの頭を撫でつつ、
「そっか。大切な友達なんだね」
と言い、優しく笑った。その時コウが裏庭へ続く扉を開け
「なんじゃー、こりゃーーー」
と叫んでいた。
その後ハジメは3人と1匹で朝ごはんを食べながら昨日聞き忘れたことをリナリーに聞いてみた。
「リナリー、クリスさんて誰?」
「以前お話したように、私は親の仇がエルフの国に潜んでいると言う情報を得てエルフの国に潜入したことがあるのです・・・」
とリナリー過去を話し始めた。ハジメは静かに彼女の告白を聞いた。
両親と妹が殺されたのはリナリーの成人の日の直前だった。リナリーはその日成人が近い友人たちと友人の1人の家で成人の前祝いをしていた。彼女は夕方になり楽しい気持ちで家に帰る。しかし家が見えるはずの所まで来ると人だかりが自分の家の前に出来ていることに気づく。嫌な予感がした彼女が家に急ぐと両親、妹は殺され、店のものは何もかもなくなっていた。既に遺体は衛兵所へと運ばれた後であった。
彼女が誰も居ない店の中で激しく慟哭し泣き崩れ、表情を失うには充分な出来事であった。近所の人もなんと声を掛けたらいいか分からず遠巻きに眺める事しかできなかった。その後リナリーは家族の通夜を恙無く終わらせ、1週間ほど経つと流していた涙も枯れ、遺品の整理を始めた。タンスの中からリナリーに宛てた愛しているという手紙とお姉ちゃん大好きと書かれた妹からの手紙と共に指輪が出て来た。それを読み、手にした時彼女は復讐を誓ったのだった。彼女の友人たちもあまりの出来事にリナリーに声を掛けることが出来なかった。この時声を誰かが掛けていたらまた違った人生になったのだろうが・・・。
その後すぐにリナリーは冒険者ギルドに登録をし短剣の技術を磨き、同時に犯罪者を狩る賞金稼ぎとしてもその腕を磨いていった。もともと戦うスキルは持っていなかったが、その執念からか暗殺に特化したスキルを次々に習得していった。それは血の滲むような時間を過ごしていたのだろう。その間も情報は収集していたが、復讐相手である盗賊の情報は1年経ったところで組織名が『オオカミの右手』ということ以外入ってこない。業を煮やしたリナリーは同じ賞金稼ぎの一人に相談する。彼女は裏ギルドから情報を買ってみてはどうかと提案された。
裏ギルド・・・非合法なギルド。暗殺など表には出てはいけない仕事を請け負うギルドで、その存在は噂されていたが、実際に摘発されたことはない、幻のギルドである。彼女の口利きでリナリーは裏ギルドに伝手を持った。料金はとてつもない金額であったため、より一層賞金稼ぎとして働いた。3年ほど全く休みなく、朝も夜も働き、ようやくその金額を稼いだのだ。「初めての利用だろ。サービスだ。お前が一人殺れば一人情報をやろう。こちらもあいつらには煮え湯を飲まされたことが多いんでな」と言われる。確かにその情報は迅速かつ正確であった。リナリーは一人ずつ特定していき息の根を止めていった。
さらに2年経った頃、彼女が復讐すべき者がエルフの国に潜入している情報を得た。リナリーは冒険者ギルドでエルフ国の依頼を受けエルフ国へと入国した。排他的なエルフの国では歓迎はされなかったが、彼女にとってそんなことはどうでも良かった。潜入している盗賊団の情報はそこでぷつりと途切れてしまった。噂ではどこかの森に潜んでいると言われていたり、王宮の中にこっそり紛れ込んでいるなど真実性はなかった。エルフ至上主義のため王宮に居るという噂は信じていなかったが情報が錯綜していた。暫くこの街から出ないと決めたリナリーは冒険者ギルドで依頼を受けつつ毎日を過ごし、怒りを募らせていた。その中で唯一街のレストランで仲良くなった同い年くらいの見た目のクリスだけがリナリーが話す相手になっていた。
「ねぇ、リナリー。私の依頼受けてくれないかしら」
とある日話してきたため、奴らの情報がないリナリーはいいよと答えた。彼女の依頼は少し離れた森に魔素草を採取に行きたいから護衛してほしいとのことであった。2日後2人は早朝から目的地へ向かって歩き始めた。
森へ着くとクリスは採取を始め、リナリーは周囲の警戒にあたった。襲ってくるのは狼や熊であったが特に苦労するわけでもなく倒していた。クリスはそれを見て安心したのか、奥へと向かって進んでいった。昼を回ったとき、目の前が開け1軒の小屋が2人の前に現れた。
「こんなところに小屋?」
とクリスが立ち上がると、短剣が彼女の心臓目掛け飛んできた。リナリーはクリスの前に移動しそれを短剣で叩き落す。飛んできた方向を見るとリナリーの探し求めていた男が一人立っていた。瞬間感情が消失し動きに迷いが無くった。投げナイフが叩き落された男が慌てる。彼女はその男の背後に回り込み、首を切った。立ち上がる血に濡れながらリナリーは笑みを浮かべ、男の体を話すとゆっくりと前のめりに倒れていくのを見ていた。
「リナリー!」
と叫びながらクリスが近づいてくる。
「汚れちゃうよ」
とリナリーはクリスがそれ以上近づくことを完全に拒否した。
「大丈夫よ。ありがとう。リナリーこそ大丈夫なの?」
しかしクリスはリナリーを抱きしめた。しかしクリスと突き飛ばし距離を空けると姿を消した。姿が見えなくなってもリナリーはクリスを無事に街に返さなければいけない。クリスが街に着くまでこっそりと見守っていたが、彼女が街に入るのを見届けると闇へと消えていった。
風の噂でただの調剤師だったクリスはエルフ国のトップクラスの調剤師になっていると聞いた。
そこまで話すとお茶を1口のみふーっと息をついた。ハジメはリナリーの頭を撫でつつ、
「そっか。大切な友達なんだね」
と言い、優しく笑った。その時コウが裏庭へ続く扉を開け
「なんじゃー、こりゃーーー」
と叫んでいた。
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【作者から】
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