神々の依頼、面倒なんですけどっ!

はなを

文字の大きさ
43 / 173
第2章 ポーショントラブル

39.精霊と出会うようです

しおりを挟む
かなり大きくなった畑をみて2人は驚いている。

「な、な、なんなんですか、この大きな畑!!!」

リナリーが詰め寄ってくる。緑色の子どもと茶色の子どもに視線を合わせながら

「ちょっとね。とある人がお礼にって広げてくれたんだ・・・。あんまり詳しくは話せないけど」

と言う。コウは目をぱちくりさせて家の中へ入り階段を昇って行きすぐに戻ってきた。

「ご主人様2階からみたら前のままの庭だったんですがっ」

とハジメに興奮した口調で問う。

「あぁ、そうみたいだね。そういう風になるようにしてもらったんだよ」

とハジメは苦笑いで答える。ハジメも朝食に降りるとき廊下の窓から裏庭を見たのだ。そしてそこには昨日までと変わらない裏庭であったことを見ていた。

「そういう訳で庭が広くなりました。薬草とかは植え替えるからそこも使って我が家で使う分の野菜育てていいからね。コウも何か育てたくなったら育てていいからね。ただしこの庭に来れるのは僕たちだけ。他の人は今まで通りの庭にしか行けないからね。さて、俺はもう少しここの利用計画を少し考えたいから、お店の準備終わらせてくれるかな?」

何か言いたそうにしていたが話を終わらせると2人は「はい」と言い家の中に消えていった。

「・・・これじゃ、誤魔化すとかできないしなぁ・・・・。さて、それで君たちは?」

と色のついた子達にしゃがんで目線を合わせ出来るだけ優しい声を掛ける。小児看護で学んだ子どもとの関わり方である。こうすることで子どもの警戒心がやや薄くなるのだ。リナリーとコウは2人(?)に気づいていなかった。ということはハジメにだけ見えているということになる。ただの子ども達ではないのは明白だった。緑色の子は小さな女の子で髪の毛を後ろで2本の三つ編みにしている。頭には麦わら帽子をかぶり、薄い緑のワンピースに白のエプロンをしていた。茶色の子は緑の女子よりも低い身長で坊主頭で日焼けの為か顔はやや黒い。白のタンクトップに茶色の短パン、足には草履を履いている。虫取り網を持たせたら昭和初期の小学生と言った感じだろうか。

緑の子はしゃがんでも高かったハジメの目線に合わせるように

「・・・王様がね、もう好きに暮らしていいんだって言うの。でも私たち好きに暮らすってよく分からなくて・・・」

と涙を浮かべながら答える。それに続いて

「・・・それまで一緒にいた人に色々聞いてみたんだけど、僕たちに気づいてくれなくて・・・。それで・・・。それで僕たち、知ってる人の所にきたんだ。お兄さん僕たち見えてるでしょ?建物で目が合ったからもしかしたらって思って・・・」

と同じく涙を堪えたような表情で男の子が答える。ハジメはギルドでエルフたちの後ろに居た子達なのではないかと思い当たる。ハジメは2人の頭を優しく撫でながら

「そっかー。王様ってユドルさんのこと?」

と聞くと涙を拭いて2人は頷いた。ユドルは精霊王、ということはこの2人は精霊ということか。

「・・・なるほど・・・拘束状態から自由に急に自由になった弊害か・・・」

「君たちは君たちがしたいことをすればいいんだよ。それが見つかるまで一緒に居るかい?」

と優しく声を掛けると2人は目を見開いて

「「いいの?一緒に居て」」

と答えた。ハジメは

「ユドルさん、ということになったのですがいいですか?」

と空に向かって話す。すると2人の精霊の後ろにユドルが現れる。

「すまんの、また迷惑を掛けてしまったのじゃ」

と謝る。

「「王様っ!!」」

と2人はユドルの足元に抱きつく。王はゆっくりと2人の頭を撫で優しい目で見ている。

「ハジメどの、迷惑をまた掛けるが良いかの?」

ハジメがユドルの言葉に頷くと2人は破顔させてハジメを見た。

「じゃぁ、一緒に居ようか。なんて呼べばいい?」

と2人に聞くと2人とも名前がないという。

「じゃぁ・・・」

とハジメが呟くとユドルは慌てた様子で何かを話そうとするが

「緑の子はまいで茶の子はわたるって呼ぼうかな」

とハジメが先に言った。その瞬間2人の体がそれぞれの色に強く輝いた。園児から小学校低学年まで成長した姿になった。それを見て

「・・・・ハジメ殿・・・・。昨日精霊は人の認識で存在すると言ったはずだが」

とやや呆れて言う。

「この2人はハジメ殿に名付けられたことによってその存在を世界に固定されたのじゃ。そしてハジメどのとの間につながりが出来てしまった・・・」

確かにそういわれると2人との間になんとなく繋がっている、自分と同一のものであるようなそんな感覚が生まれている。

「2人はハジメどのともう離れられない存在となったのじゃ。2人はハジメどの魔力を貰い、ハジメどのの為に動く。契約が成立してしまった。エルフ以外で初めて契約を交わした者になったのじゃ。これからは不用意に名を付けぬように気を付けるのじゃぞ」

ハジメの体に舞と航が抱きつき頬をすりすりしている。ハジメは顔を蒼くしながら呆けている。

「まぁ、お互いが良いならいいじゃろ。この2人がいればこの畑も管理しやすくなるじゃろうしな」

と笑顔でもう一度風と大地の頭を撫でウインク一つ残して消えていった。ハジメは自分の迂闊うかつさを嘆いた。

十数分後、色々と諦めたハジメは2人にこれからよろしくと伝え、どんなことが出来るのか尋ねる。舞は風関係はだいたい出来る答え、同じく航は土関連なら大丈夫とのこと。ハジメは舞に空に連れて行ってもらい、この畑の全容を見ようとすると、舞は自分の視界をハジメに送れるという。お願いしてみると本当に膨大な土地がそこに存在していることが分かった。ハジメはこの土地の中央に向かおうと歩き始めると航が

「ハジメーどこに行くの?」

と聞いて来るので、この土地の真ん中だよと伝えると

「じゃぁ僕が連れていくよ」

と言い、右手でハジメの足元の地面に触れると地面が動き始める。まるで空港などにある動く歩道の全力ダッシュ版である。数十秒後にはハジメはこの土地の中央に着いていた。

「ここでなにするの?」

と舞が聞くので

「ユドルさんに貰った枝をここに挿そうかと思ってね。なんとなくここの方がいい気がするんだよ。あ、ありゃ、枝を部屋に忘れちゃった・・・・。仕方ない取りに戻るか・・・」

と言うと舞が「取ってくるー」と言って空に舞い上がり楽しそうにくるくる回りながらハジメの家がある方向へ飛んでいく。航も「じゃぁここ耕しておくね」と言い一瞬で畑へと変えていた。そして数秒後舞が「はい」と言って枝を持ってきたので2人の頭を撫でて「2人ともありがとう」とお礼を伝え、畑の中央へ挿した

「ユドルさんは挿しとけって言ってたけど、これでいいのかなぁ」

と言いつつ、家の裏口へ戻った。目の前に広がっている小さな畑たちを見た航は

「これくらいの大きさの畑をいっぱい作ってもいい?」

と笑顔で聞いてきたので、お願いすることを伝えると「うん」と言う。舞も「私も手伝うー」と意気込んでいる。ハジメが二人の頭を撫でると2人は目を細めて喜んでいた。

ハンドブック 9項目目

9-6.精霊と契約しよう!:Clear!
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【短編】子猫をもふもふしませんか?〜転生したら、子猫でした。私が国を救う!

碧井 汐桜香
ファンタジー
子猫の私は、おかあさんと兄弟たちと“かいぬし”に怯えながら、過ごしている。ところが、「柄が悪い」という理由で捨てられ、絶体絶命の大ピンチ。そんなときに、陛下と呼ばれる人間たちに助けられた。連れていかれた先は、王城だった!? 「伝わって! よく見てこれ! 後ろから攻められたら終わるでしょ!?」前世の知識を使って、私は国を救う。 そんなとき、“かいぬし”が猫グッズを売りにきた。絶対に許さないにゃ! 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜

上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】  普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。 (しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます) 【キャラクター】 マヤ ・主人公(元は如月真也という名前の男) ・銀髪翠眼の少女 ・魔物使い マッシュ ・しゃべるうさぎ ・もふもふ ・高位の魔物らしい オリガ ・ダークエルフ ・黒髪金眼で褐色肌 ・魔力と魔法がすごい 【作者から】 毎日投稿を目指してがんばります。 わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも? それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。

処理中です...