魔術の歴史

エリファス1810

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第4巻 第2章 女性の影響

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第4巻 第2章 女性の影響

 神意は、母性という厳しいが優しくもある義務を女性に負わせて、男性からの保護と敬意を得る権利を女性に与えた。
 自然は、女性を愛という影響に従わせる。
 愛は女性の命である。
 女性は、女性の主である男性を愛がもたらす鎖によって誘導する。
 女性が、女性の名誉を形成する法に従うほど、女性の名誉を守る法に従うほど、家庭という聖所において、女性の影響力は大きく成るし、女性性への敬意は深く成る。
 女性にとって、従わない事、反抗する事は、女性という地位を放棄する事である。
 母性以外の偽の解放によって女性を誘惑する事は、不妊、不毛と侮辱が事前に運命づけられた離婚を女性にすすめる事である。
 キリスト教だけが、処女性と献身の栄光を女性に求めて、女性を解放する力を持っている。
 ローマの第2の王ヌマ ポンピリウスは、ウェスタの処女、ウェスタの巫女という制度を定めた時、女性解放のための神秘を予見していた。
 ドルイドは、処女の霊感に耳を傾けて、ほとんど神に対しての様な敬意をサン島の処女の巫女セーヌまたはガリセナエに払って、キリスト教を先取りしていた。
 女性は、媚や悪徳によってではなく、助言によってガリアを統治していた。
 ガリアでは、女性の協力無しでは、平和も戦いも成されなかった。
 ガリアでは、助言や協力によって、母達は家庭への関心を懇願した。
 母性愛的な愛国心が愛国心的な自尊心を調節した時、愛国心的な自尊心は正しさという光の中で輝けた。
 フランソワ ルネ ド シャトーブリアンは、「殉教者」でドルイドの巫女ヴェレダがウドールからの愛に負けたという誤った作り話を記して、巫女ヴェレダを誹謗中傷している。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、処女のまま生きて死んだ。
 古代ローマ人がガリアを侵略した時、巫女ヴェレダはすでに高齢であった。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、一種の古代ギリシャのデルポイのアポロン神殿の巫女の様な者であった。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、大いに荘厳な儀式の中で予言した。
 ドルイドの巫女ヴェレダの神託は、畏敬して保存された。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、袖が無い、長い黒い外衣をまとっていた。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、頭から足まで、白いヴェールで覆っていた。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、バーベインの王冠をかぶっていた。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、鎌を帯につけていた。
 ドルイドの巫女ヴェレダの王笏は、糸巻き棒の形をしていた。
 ドルイドの巫女ヴェレダは、右足にサンダルを履き、左足に一種の爪先が尖って反り返った靴を履いていた。
 後に、ヴェレダの像は、「大足のベルト」、「ピピン3世の王妃ベルトラード ド ラン」の像であると誤解された。
 ドルイドの女性の大祭司ヴェレダは、女性の祭司ドルイドの守護神ヘルタの印を持っていた。
 大地の女神ヘルタ(またはネルトゥス)は、若いガリアのイシス、天の女王、神の子イエスを産む処女である。
 女神ヘルタは、一方の足を地上に、他方の足を水上に置いた姿で描かれている。
 なぜなら、女神ヘルタは、秘伝伝授の女王であり、普遍の知の主である。
 通例、女神ヘルタが水上に置いている足は、船によって支えられている。
 女神ヘルタの水上の足下の船は、古代エジプトの女神イシスの帆船、または、ほら貝を類推させる。
 女神ヘルタの王笏である運命の三女神の糸巻き棒は、黒い部分と白い部分がある糸を巻き取っている。
 なぜなら、女神ヘルタは、全ての形と象徴の主であり、概念の外衣(である形)を織る。
 女神ヘルタは、上半身が人の女性で下半身が魚である、古代ギリシャの女神セイレーンの象徴的な姿で描かれている場合もある。
 または、女神ヘルタは、上半身が美しい人の少女で両脚が2頭の蛇である姿で描かれている場合もある。
 女神ヘルタの姿のうちの1つである両脚の2頭の蛇は、ものの流れ、物の電磁気の束、物事の変化を表す。
 また、女神ヘルタの姿のうちの1つである両脚の2頭の蛇は、自然の隠された2つの力の表れである2つの正反対のものの類推可能性による結合を表す。
 上半身が美しい人の少女で両脚が2頭の蛇である姿で描かれている女神ヘルタは、メリュジーヌという名前を持っている。
 メリュジーヌは、女性の音楽家であり、歌姫であり、調和を明かす古代ギリシャの女神セイレーンと言える。
 女神ヘルタが、女王ベルタや妖精メリュジーヌについての伝説の起源である。
 (妖精は神の聖霊に近い四大元素の霊である。)
 妖精メリュジーヌは、11世紀にリュジニャンの領主の所に来た、と言われている。
 リュジニャンの領主は、メリュジーヌに恋した。
 メリュジーヌの正体の謎を探らない、という条件で、リュジニャンの領主とメリュジーヌは結婚した。
 リュジニャンの領主は、メリュジーヌの正体を探らないと約束したが、やきもちが好奇心をもたらして、約束を破ってしまった。
 リュジニャンの領主は、メリュジーヌを探って、メリュジーヌが変身する現場を見てしまった。
 なぜなら、週に1日だけ、妖精メリュジーヌは、両脚が2頭の蛇である姿に戻ってしまう。
 リュジニャンの領主は、絶望と恐怖の叫び声をあげてしまった。
 メリュジーヌは、より大きな絶望と恐怖の叫び声で応える事に成ってしまった。
 メリュジーヌは、姿を消した。
 しかし、メリュジーヌは、リュジニャン家の誰かが死ぬ直前に成ると、悲しんで、リュジニャン城に未だに戻る、と言う。
 メリュジーヌの伝説は、プシュケの例え話の模倣である。
 プシュケの例え話の様に、メリュジーヌの例え話は、秘伝伝授が冒涜される危険性、または、宗教や愛の神秘が冒涜される危険性を表している。
 メリュジーヌの例え話は、古代の吟遊詩人バードの口伝を取り入れた物である。
 そして、どうやら、メリュジーヌの例え話、吟遊詩人バードの口伝は、ドルイドの学の有る団体から得た物である。
 メリュジーヌの例え話は、11世紀の話とされて有名に成ったが、遥かな過去から存在する話なのである。
 特に、フランスでは霊感は女性の物である。
 女性の妖精エルフと妖精フェアリーは聖女を先導した。
 ほとんど常に、何かしら、フランスの聖女の伝説には妖精の性質がある。
 フランク王クロヴィス1世の王妃である聖女クロティルダは、西ヨーロッパの人々をキリスト教徒にした。
 パリの守護聖人である聖女ジュヌビエーブは、徳と信心の力によって、(フン族の侵略を預言して、)フン族の王アッティラの脅威的な侵略をしりぞけて、フランスを守った。
 ジャンヌ ダルクは、聖女の位階の女性というよりは妖精族の女性である。
 ジャンヌ ダルクは、ヒュパティアの様に、不思議な自然の天才による犠牲として、寛大な性格による殉教者として、死んだ。
 ジャンヌ ダルクについて後で話すつもりである。
 フランスのレ ザンドリ地方で聖女クロティルダは未だに奇跡を起こしている。
 フランスのレ ザンドリ地方で巡礼者の群れが聖女クロティルダの像を毎年沈めている水浴池に群がるのを見た事がある。
 民間信仰によると、聖女クロティルダの像を毎年沈めている水浴池に最初に入った病人はすぐに治る、と言われている。
 聖女クロティルダは、行動の人であった。
 (聖女クロティルダは救貧院といった慈善事業に力を尽くした。)
 聖女クロティルダは、大いなる女王であった。
 しかし、聖女クロティルダは、多数の悲しみを経験した。
 聖女クロティルダの長男は洗礼後に死んでしまった。
 聖女クロティルダの長男の死は呪われたせいであった。
 聖女クロティルダの次男は病気に成って死にかけた。
 しかし、聖女クロティルダの忍耐は不屈であった。
 そのため、ある日、シカンブリ人系フランク人クロヴィス1世は、超人的な勇気が必要と成った時に、妻である聖女クロティルダの神、カトリックの神を思い出し(て、カトリックに改宗し)た。
 (「クロヴィス1世の洗礼」の時にクロヴィス1世はシカンブリ人と呼ばれたという口伝が残っている。)
 聖女クロティルダは、フランク王国をカトリックに改宗させて、大いなる王国キリスト教国を現実に建てた後で、未亡人と成った。
 また、聖女クロティルダは、実際に目の前で、長男クロドミルの2人の子、2人の孫が殺されるのを見る事に成ってしまった。
 子を失う悲しみは地上の女王を天の女王に似た者にしていった。
 子を失う悲しみは地上の女王クロティルダを天の女王である聖母マリアに似た者にしていった。
 聖女クロティルダという大いなる輝く象徴的な人の後で、歴史に現れたのは聖女を相殺する憎むべき魔女フレデグンドという悪意に満ちた有害な人間であった。
 フレデグンドの視線は呪いであった。
 魔女フレデグンドは王家の男子たちを殺した。
 フレデグンドは競争相手たちを魔女などであるとして非難して拷問したが、フレデグンドだけが魔女であった。
 フレデグンドの夫キルペリク1世には、最初の妻アウドヴェラの間に、クロヴィスという名前の息子の王子がいた。
 王子クロヴィスは、Klodswintheという娘を愛していた。
 Klodswintheの母が魔女であるという嘘をある俗人がフレデグンドに話した。
 KlodswintheとKlodswintheの母は、媚薬で王子クロヴィスの理性を狂わせ、呪文でフレデグンドの2人の子を殺した、という2つの嘘の罪で訴えられた。
 不運なKlodswintheとKlodswintheの母は捕まえられた。
 Klodswintheは、鞭で打たれた。
 Klodswintheは、美しい髪を切られた。
 フレデグンドは、Klodswintheの髪を王子クロヴィスの部屋のドアに吊るした。
 Klodswintheは、刑のために出頭させられた。
 Klodswintheのしっかりとした簡潔な答えは裁判官たちを驚かせた。
 年代記によると、Klodswintheは、熱湯による試練を受けさせられた。
 清めた指輪が、強烈な火の上に置かれた桶の中に入れられた。
 Klodswintheは、白い服を着せられて、信仰告白と聖体拝領の儀式をさせられた後に、手を熱湯が入った桶の中に入れさせられ、指輪を探させられた。
 Klodswintheは、顔つきを変えなかったので、裁判官と観衆は奇跡が起きたと叫んだ。
 しかし、不運な子Klodswintheが恐ろしく焼けただれた腕を引き出して見せると、裁判官と観衆はKlodswintheを非難して恐ろしく叫んだ。
 すると、Klodswintheは、話す許可を求めてから、後記の様に、裁判官と観衆に話した。

「あなたたちは、私が自分の無実を確証するのに、神からの奇跡を求めました。
しかし、神を試してはいけません。
また、人の気まぐれに応えて、神が自然の法を中止させる事はありません。
しかし、神は、強さ、力を神を信じる者である私に与えてくれました。
神は、神があなたたちに拒んだ奇跡より、大いなる奇跡を私のために起こしてくれました。
熱湯は私を焼きました。
けれども、私は、腕を全て熱湯の中に入れて指輪を探し当てました。
私は、恐ろしい苦痛の中でも、叫ばず、顔色を白くせず、震えませんでした。
仮に、あなたたちが言う様に、私が魔女であるならば、熱湯で焼けただれない様に魔術に頼ったでしょう。
しかし、実際は、私はキリスト教徒です。
(私は魔女ではありません。)
神は、殉教者達の不変性の徳という力によって私がキリスト教徒である事を証明する神の恵みを私に与えてくれました」

 前記の、Klodswintheの論理は、未開の粗野な学の無い時代の大衆が理解できる類の物ではなかった。
 Klodswintheは、牢獄に送り戻されて、死刑を待つ事に成ってしまった。
 しかし、神はKlodswintheを思いやり、Klodswintheは神に召された、とエリファス レヴィが引用している年代記には記されている。
 もしKlodswintheの話が作り話に過ぎないとしても、Klodswintheの話は美しく、記憶に留める価値が有る、と認めなければいけない。

 以下略
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