魔術の歴史

エリファス1810

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第5巻 第2章 放浪の民ロマの出現

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第5巻 第2章 放浪の民ロマの出現

 前略

 ロマは、占いで、象徴に意味が有る、数の力にかかっている、不思議な一連の象徴タロットを用いた。

 中略

 ロマが遭遇した弾圧は、ロマが運命を調べたり神託を得たりするために応用した不思議な書タロットにも降り注いだ。
 理解し難い象徴を持つ色のついたタロット カードは、疑い無く、全ての古代の啓示の記念碑的な要約である。
 タロットは、エジプトの象徴の鍵である。
 タロットは、ソロモンの鍵である。
 タロットは、ヘルメスであるエノクによる古代の書である。
 エリファス レヴィが参照している、ロマについての本の著者ヴァイラントは、タロットを未だ完全に理解していないが深く研究した人の様にタロットについて話して、自身の非凡な聡明さを証明している。
 後記は、ヴァイラントによるタロットについての話である。

「特にタロットに描かれている象徴は時間の経過と共に大きく変えられているが、石板タロットの象徴、象徴の配置、順序には明らかに意味が有る。
タロットの象徴は、古代の大衆への教え、古代の哲学の考え、古代の宗教の教えと密接に対応している。
タロットは、古代人の宗教の総合である、と考えざるをえない。
すでに明らかにした様に、タロットは、エノクの星の光の書から導かれた物である。
タロットは、エジプトの愛と美と幸運の女神ハトホルの星の光の車輪を基にして形成されている。
ハトホルは、アスタロトである。
北斗七星である大熊座、または、北半球の春を代表する星アークトゥルスである、
インドのOt-taraの様に、タロットは、世界の堅固さと地上の星空を支える、大いなる乾かす力である。
結果、太陽の戦車、ダビデの戦車、アーサー王の戦車と考えられる、北斗七星である大熊座の様に、タロットは、ギリシャ人のくじ、中国人のくじ、エジプト人の占いくじ、ロマのくじである。
タロットという北斗七星である大熊座のまわりを絶え間無く回転して、星の光という星々は、吉凶、運命を地に注ぐ。
タロットによって、星の光は、光と影を地に注ぐ。
タロットによって、星の光は、冷たさと熱さを地に注ぐ。
タロットによって、星の光から、善と悪が流れる。
タロットによって、星の光から、愛と憎しみが流れる。
愛憎は、人の幸せを作り上げる。
どこで、いつ発明されたか誰も知らないほど、もし書物タロットの起源が闇の中に失われても、全てのものが(ロマの)タロットはインドからタタールが起源であると信じる様に導く。
また、各国の教えと各国の賢者の特徴に段階的に応じて、古代の諸国がタロットを多様に変化させていても、タロットは、隠された知の書の1つである。
多分、タロットは、シビュラの書の1つですらある。
ヴァイラントは、タロットが現代人にまで到達した経路を十分に示せた。
ヴァイラントは、ローマ人がタロットを知っていた、と見ている。
ヴァイラントは、東のインド出身の無数のよそ者ロマの仲介によって、ローマの帝政の最初の時代からだけではなく、共和政の最初の時代から、ローマ人はタロットを知っていた、と見ている。
ロマは、酒神バッカスと女神イシスの神秘に入門している。
そして、ロマは、ロマの知をローマの第2の王ヌマ ポンピリウスの知の後継者にもたらした」

 ヴァイラントは、ホメロスが、棒、杯、剣、フランスのコインのドゥニエまたは黄金の輪というタロットの4つの象徴をアキレスの盾の紋章として描いている、とは話さなかった。
 しかし、後記の様に、ヴァイラントは、話している。

「タロットの杯は、時の円弧または時のアーチ、天の器または天の船である。
タロットのフランスのコインのドゥニエは、星座、恒星、惑星である。
タロットの剣は、火、光線である。
タロットの棒は、影、石、木、植物である。
杯の1は、宇宙の器、天の真理のアーチ、世界の原理である。
フランスのコインのドゥニエの1は、太陽、世界の大いなる目、命の食べ物と命の元素である。
剣の1は、戦神マルスの槍である。
戦神マルスの槍から、戦い、逆境、勝利へ至る。
棒の1は、蛇の目、羊飼いの杖、牛飼いの突き棒、ヘラクレスの棍棒、農耕の象徴である。
杯の2は、牛に変えられたイオまたは女神イシス、オシリスの牛アピスまたはエジプトの牛の神ムネヴィスである。
杯の3は、イシス、月、夜の女性の主である女王である。
フランスのコインのドゥニエの3は、オシリス、太陽、昼の主である王である。
フランスのコインのドゥニエの9は、神の使者メルクリウスまたは天使ガブリエルである。
杯の9は、幸運の妊娠である。
幸運の妊娠から、幸せに成る」

 後記の様に、ヴァイラント氏は話している。

「中国に、タロット カードと正に同じ数である、小さな仕切りを含んでいる、長方形の大きな仕切りによる、図表が存在する。
タロットに似ている中国の図表では、大きな仕切りは、垂直に6つ並んでいる。
タロットに似ている中国の図表では、最初の5つの大きな仕切りは各々14の小さな仕切りを含んでいて、最初の5つの大きな仕切りは全部で70の小さな仕切りを含んでいる。
一方、タロットに似ている中国の図表では、最後の第6の大きな仕切りは、7つの小さな仕切りしか含まない。
したがって、タロットに似ている中国の図表は、数7の組み合わせによって形成されている。
なぜなら、タロットに似ている中国の図表では、最初の5つの大きな仕切りは各々7の2倍である14の小さな仕切りを含んでいて、最後の第6の大きな仕切りは7つの小さな仕切りを含んでいる。
タロットに大いに似ている中国の図表では、最初の4つの大きな仕切りは、全部で56の小さな仕切りを含んでいて、棒、杯、剣、輪という4つの象徴による56枚のタロットの小アルカナに相当する。
タロットに似ている中国の図表では、最後の2つの大きな仕切りは、合わせて21の小さな仕切りを含んでいて、タロットの大アルカナの(22枚のうち21番目の『愚者』以外の)21枚に相当する。
タロットに似ている中国の図表の6つの大きな仕切りは、創世記の7日間のうち創世の6日間を表している。
タロットに似ている中国の図表は、中国人によると、神による大洪水の水が乾いた中国の最初の時代にまで遡る。
そのため、タロットに似ている中国の図表はタロットの原本か写本である、と結論できる。
また、いずれにしても、後記の様に結論できる。
タロットは、モーセより古い。
タロットは、最初の時代の物、または、黄道12星座が考案された時代の物である。
また、タロットは6千6百年前の物である、と結論できる。
前記が、ロマのタロットである。
タロットという名前から、文字の位置の置き換えによって、ヘブライ人はトーラーという言葉を作った。
トーラーは、ヤハウェの律法を意味する。
現在の様に遊戯の道具ではなく、タロットは、本、真剣な内容の本、象徴の本、星々と人の類推可能性の本であった。
タロットは、占いの本である。
タロットの助けによって、悪人の霊の魔術師は、運命の神秘のヴェールの奥を推測した。
当然、キリスト教徒は、タロットの象徴、名前、数やタロットによる神託を、悪魔のわざの道具、魔術の実践と見なした。
Sagiであるロマが軽率にも軽信し易い大衆を濫りに信頼してタロットをキリスト教徒に教えた時に、どの様な厳しさでキリスト教徒がタロットを禁止したか理解できるであろう。
そのため、タロットの神託への信頼が失われて、タロットは遊戯の道具に成ってしまった。
諸国の様式や幾世紀も連続した雰囲気に応じてタロットの絵は変えられてしまった。
近代のトランプはタロットを浅はかに変えてしまった物である。
チェスと比較したチェッカーの様に、タロットの組み合わせと比較したトランプの組み合わせは、劣っている。
そのため、タロット カードの起源はシャルル6世のタロットであると考えるのは誤っている。
なぜなら、アルフォンソ11世が1332年より前に設立したベルトの騎士団に入門した人が(タロット )カードで遊ばないと誓っている。
『Le Sage』、『ル サージュ』、『賢明王』と呼ばれているシャルル5世は、シャルル5世の時代にシエーナの聖ベルナルディーノが(タロット )カードを禁止して燃やした、と話している。
また、シャルル5世の時代に、タロットの1つに描かれている勝利したオシリスまたはアフラ マズダーをたたえる勝利の遊戯としてタロットは遊ばれていたのでタロットは『勝利』という名前で呼ばれていた。
さらに、シャルル5世は1369年に(タロット )カードを禁止した。
また、シャルル5世は、little Jean de Saintréが(タロット )カード遊びをしなかったという理由から、little Jean de Saintréを気に入ってたたえた。
当時、タロット カードは、スペインではNaipesと呼ばれ、イタリアではNaibiと呼ばれていた。
Naibiは、女の小悪魔、シビュラ、デルポイのアポロン神殿の巫女である」

 前記で、引用してきた本の著者ヴァイラント氏は、タロットはロマのタロットが変えられた物である、と考えている。
 中国の特徴を持つ一部のドイツのタロットは、ロマのタロットが変えられた物である。
 しかし、細部だけが変化して来たイタリアのタロットや、古代エジプトのタロットの名残にまで遡れるフランスのブザンソンのタロットは、ロマのタロットが起源ではない。
 「高等魔術の教理と祭儀」でタロットについてのエッティラまたはアリエットの労作が何て見苦しいか話した。
 光に照らされた理髪師エッティラは、30年間の研究の後に、偽の粗悪なタロットをもたらすだけに終わった。
 エッティラは誤ってタロットの順序を入れ換えてしまった。
 そのため、エッティラのタロットでは数と絵がもはや対応していない。
 要するに、エッティラのタロットはエッティラの偉大ではない程度の知性に合った代物であった。
 エリファス レヴィは、ロマが秘伝伝授への鍵タロットの正統な所有者であると話しているヴァイラント氏に同意しない。
 疑い無く、あるヘブライ人のカバリストの背信行為または軽率な行為のおかげでロマはタロットを所有できた。
 ロマの出身はインドである。
 ロマについての歴史家は、ロマの出身がインドである、という説が有力である事を示している。
 現存しているロマのタロットは、ヘブライ人経由のタロットである。
 事実、ロマのタロットは、ヘブライ文字と対応している。
 ロマのタロットは、いくつかの象徴がヘブライ文字の形にすら成っている。
 ロマとは何者か?
 ある詩人が「ロマは古代世界の堕落の残存者である」と話している様に、ロマはインドのグノーシス主義の異端者である。

 以下略
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