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第一章 雪の中で出会った温もり
4話 初めての朝の光
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朝、目が覚めたとき、最初に感じたのは温かさだった。体全体を包む、柔らかくて優しい温かさがあった。まだぼんやりとした意識の中で、私はゆっくり目を開けた。
白雪様が、ぎゅっと抱きついたまま寝ていた。銀色の髪が私の頰や首にかかって、くすぐったい。小さな体がぴったりと寄り添って、腕が私の腰に回されている。寝息が静かで、規則正しくて、耳元で聞こえる。
こんな朝、久しぶりだった。家族がいなくなってから、毎朝目覚めるときはいつも、胸が重かった。
ベッドが広すぎて、冷たくて、誰もいない部屋の静けさが怖かった。
でも今は違う。隣に、白雪様がいる。その事実だけで、心がふわっと軽くなった。
私はそっと、体を動かさないように白雪様の寝顔を覗き込んだ。金色のまつ毛が長くて、唇が少し開いていて、頰がほんのりピンク色。本当に、きれい。神様であり仏様だから人間じゃないのは知ってるけど。
こういう場合って神様になるのかな?仏様なのかな?呼ぶ名称に困っちゃうよねってふと思ってしまった。
「……可愛い」
そんなことを考えて白雪様を見てると、思わず小さく呟いてしまった。すると、白雪様が寝ぼけながら目を細めて、「……ん……綾……?」寝言みたいな声で、私の首にさらに腕を回してきた。
「もっと……くっついて……」その声が甘くて、私は顔が熱くなった。
純粋な気持ちだというのはわかってるんだけど、その言葉に反応しちゃってる。
「白雪様……もう朝だよ?」
小声で言うと、白雪様はゆっくり目を開けた。金色の瞳が、朝の光に輝いて、私をまっすぐ見つめてくる。
「おはよう……綾」
にこっと笑って、朝一番の笑顔。その笑顔があまりにまぶしくて、私は目を逸らしてしまった。
「お、おはよう……」
白雪様はくすくす笑いながら、体を起こした。パジャマが少しずれていて、銀色の髪が乱れてるのが、本当に可愛い。
「綾と一緒に寝るの、気持ちよかった……夢の中で、ずっと綾のこと考えてたよ」
「え……どんな夢?」
「ふふ、秘密」
白雪様は指を口に当てて、いたずらっぽく微笑んだ。
どんな夢かすごく気になって何度も聞いたけど、教えてくれなかった。残念。
狐の耳がぴょこっと出てきて、すぐに隠した。私はもう、朝から胸がどきどきしてしまった。ベッドから起き上がって、カーテンを開ける。冬の朝の光が部屋に差し込んで、すべてを優しく照らす。
「今日は……学校、行かなきゃいけないんだけど」
私は少し申し訳なさそうに言った。高校一年生だし、休みすぎるとまた問題になる。白雪様は少し寂しそうに目を伏せたけど、すぐに笑顔に戻った。
「うん、行っておいで。私、待ってるから」
「待ってる? 家で?」
「うん! 綾が帰ってくるまで、いい子でお留守番する」
まるで逆みたい。私が留守番してるみたいに言ってる。でも、その言葉が嬉しくて、私は頷いた。
「じゃあ、朝ごはん作るね」
キッチンに行って、冷蔵庫を開ける。残ってる材料で簡単な朝ごはん。トーストと卵焼き、ヨーグルトにフルーツ。
白雪様はテーブルの椅子に座って、私の動きをじっと見てる。
「綾、料理上手だね」
「簡単なものだけだけど……」
フライパンで卵を焼いていると、白雪様が後ろからまた抱きついてきた。
「温かくて、いい匂い……」
「危ないよ、熱いから」
私は笑いながら、白雪様の頭を軽く叩いた。でも、離れてくれなくて、結局一緒に卵焼きを巻くことになった。
白雪様の手が私の手に重なって、ふたりでフライパンを振る。
「こう?」
「うん、上手!」私は自然と笑顔で答えた。
その仕草が、なんだかすごく懐かしくて。妹に教えてあげた時を思い出して、胸がきゅっと締めつけられた。あの頃も、こんなふうに手を取って「こうだよ」って笑い合ってたっけ。
完成した朝ごはんをテーブルに並べて、ふたりで向かい合って座る。
白雪様はトーストにかじりついて、目を輝かせた。
「美味しい!! 綾の作ったご飯、朝から幸せ!」
「昨日もカレー食べたばっかりなのに……」
「毎日食べたい!」
そのストレートな言葉に、私は照れながらも嬉しくなった。
ふと、お母さんが言っていた言葉を思い出した。
「おいしく食べてくれるのが、料理を作った時の一番のうれしさだよね」って。
今、白雪様が目をキラキラさせて食べてくれるのを見て、その言葉が、胸の奥で静かに温かくなった。
白雪様は気づかずに、卵焼きをぱくぱく食べながら、
「綾のご飯、ほんとに大好き!」
ヨーグルトをスプーンで食べながら、白雪様が突然言った。
「綾、学校で寂しくなったら、私のこと思い出して?私、ずっと綾のこと考えてるから」
「……うん」
私は頷いて、フルーツを口に運んだ。甘くて、朝の光の中で、白雪様の笑顔が輝いてる。学校に行く準備をしていると、白雪様が玄関まで見送りに来た。制服に着替えた私を見て、
「綾、かわいい……学校の子たち、みんな羨ましがるよ」
「そんなことないよ……」
白雪様は私の頬に軽くキスをしてきた。
「行ってらっしゃい。早く帰ってきてね」
「……行ってきます」
ドアを開けて、外に出る。冬の冷たい空気が頰を刺すけど、心は温かかった。振り返ると、白雪様が窓から手を振ってる。私も手を振り返した。
この家に帰るのが、楽しみだ。白雪様が待ってる家に。
学校に行っても、きっと今日はずっと笑顔でいられる。そんな予感がした。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
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白雪様が、ぎゅっと抱きついたまま寝ていた。銀色の髪が私の頰や首にかかって、くすぐったい。小さな体がぴったりと寄り添って、腕が私の腰に回されている。寝息が静かで、規則正しくて、耳元で聞こえる。
こんな朝、久しぶりだった。家族がいなくなってから、毎朝目覚めるときはいつも、胸が重かった。
ベッドが広すぎて、冷たくて、誰もいない部屋の静けさが怖かった。
でも今は違う。隣に、白雪様がいる。その事実だけで、心がふわっと軽くなった。
私はそっと、体を動かさないように白雪様の寝顔を覗き込んだ。金色のまつ毛が長くて、唇が少し開いていて、頰がほんのりピンク色。本当に、きれい。神様であり仏様だから人間じゃないのは知ってるけど。
こういう場合って神様になるのかな?仏様なのかな?呼ぶ名称に困っちゃうよねってふと思ってしまった。
「……可愛い」
そんなことを考えて白雪様を見てると、思わず小さく呟いてしまった。すると、白雪様が寝ぼけながら目を細めて、「……ん……綾……?」寝言みたいな声で、私の首にさらに腕を回してきた。
「もっと……くっついて……」その声が甘くて、私は顔が熱くなった。
純粋な気持ちだというのはわかってるんだけど、その言葉に反応しちゃってる。
「白雪様……もう朝だよ?」
小声で言うと、白雪様はゆっくり目を開けた。金色の瞳が、朝の光に輝いて、私をまっすぐ見つめてくる。
「おはよう……綾」
にこっと笑って、朝一番の笑顔。その笑顔があまりにまぶしくて、私は目を逸らしてしまった。
「お、おはよう……」
白雪様はくすくす笑いながら、体を起こした。パジャマが少しずれていて、銀色の髪が乱れてるのが、本当に可愛い。
「綾と一緒に寝るの、気持ちよかった……夢の中で、ずっと綾のこと考えてたよ」
「え……どんな夢?」
「ふふ、秘密」
白雪様は指を口に当てて、いたずらっぽく微笑んだ。
どんな夢かすごく気になって何度も聞いたけど、教えてくれなかった。残念。
狐の耳がぴょこっと出てきて、すぐに隠した。私はもう、朝から胸がどきどきしてしまった。ベッドから起き上がって、カーテンを開ける。冬の朝の光が部屋に差し込んで、すべてを優しく照らす。
「今日は……学校、行かなきゃいけないんだけど」
私は少し申し訳なさそうに言った。高校一年生だし、休みすぎるとまた問題になる。白雪様は少し寂しそうに目を伏せたけど、すぐに笑顔に戻った。
「うん、行っておいで。私、待ってるから」
「待ってる? 家で?」
「うん! 綾が帰ってくるまで、いい子でお留守番する」
まるで逆みたい。私が留守番してるみたいに言ってる。でも、その言葉が嬉しくて、私は頷いた。
「じゃあ、朝ごはん作るね」
キッチンに行って、冷蔵庫を開ける。残ってる材料で簡単な朝ごはん。トーストと卵焼き、ヨーグルトにフルーツ。
白雪様はテーブルの椅子に座って、私の動きをじっと見てる。
「綾、料理上手だね」
「簡単なものだけだけど……」
フライパンで卵を焼いていると、白雪様が後ろからまた抱きついてきた。
「温かくて、いい匂い……」
「危ないよ、熱いから」
私は笑いながら、白雪様の頭を軽く叩いた。でも、離れてくれなくて、結局一緒に卵焼きを巻くことになった。
白雪様の手が私の手に重なって、ふたりでフライパンを振る。
「こう?」
「うん、上手!」私は自然と笑顔で答えた。
その仕草が、なんだかすごく懐かしくて。妹に教えてあげた時を思い出して、胸がきゅっと締めつけられた。あの頃も、こんなふうに手を取って「こうだよ」って笑い合ってたっけ。
完成した朝ごはんをテーブルに並べて、ふたりで向かい合って座る。
白雪様はトーストにかじりついて、目を輝かせた。
「美味しい!! 綾の作ったご飯、朝から幸せ!」
「昨日もカレー食べたばっかりなのに……」
「毎日食べたい!」
そのストレートな言葉に、私は照れながらも嬉しくなった。
ふと、お母さんが言っていた言葉を思い出した。
「おいしく食べてくれるのが、料理を作った時の一番のうれしさだよね」って。
今、白雪様が目をキラキラさせて食べてくれるのを見て、その言葉が、胸の奥で静かに温かくなった。
白雪様は気づかずに、卵焼きをぱくぱく食べながら、
「綾のご飯、ほんとに大好き!」
ヨーグルトをスプーンで食べながら、白雪様が突然言った。
「綾、学校で寂しくなったら、私のこと思い出して?私、ずっと綾のこと考えてるから」
「……うん」
私は頷いて、フルーツを口に運んだ。甘くて、朝の光の中で、白雪様の笑顔が輝いてる。学校に行く準備をしていると、白雪様が玄関まで見送りに来た。制服に着替えた私を見て、
「綾、かわいい……学校の子たち、みんな羨ましがるよ」
「そんなことないよ……」
白雪様は私の頬に軽くキスをしてきた。
「行ってらっしゃい。早く帰ってきてね」
「……行ってきます」
ドアを開けて、外に出る。冬の冷たい空気が頰を刺すけど、心は温かかった。振り返ると、白雪様が窓から手を振ってる。私も手を振り返した。
この家に帰るのが、楽しみだ。白雪様が待ってる家に。
学校に行っても、きっと今日はずっと笑顔でいられる。そんな予感がした。
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