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本編
-7- 神殿にて
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通された神殿は、案内がなければ確実に迷うほど広かった。
馬車は神殿の入り口すぐでとめられたから、どこまで広がっているのかはいまいちわからない。
だが、ちらりと見えた外観と中と…本当に、一致してるか?と疑いたくなるくらいには広かった。
案内されて歩く俺たちに向かい、皆が立ち止まり、顔の前で手を重ねて肘をはり、頭を下げてくる。
マジで気色悪い、どっかの新興宗教みたいなキモさがある。
服も趣味が悪かった。
胸の中央に大きな十字架の刺繍、白地に金糸の刺繍の入った長ったらしい布を肩にかけている。
白地と水色となんとも主張の激しいロングコートで、金縁で覆われている。
神官なんだろうが派手すぎだろ。
さすが異世界。
にしたって、服くらいよこせって感じだ。
俺と蓮君はいいとして、渚はパジャマ、愛斗は上半身裸な上にローブを羽織っているだけだぞ?
馬車に乗る前に服を貰おうとすると、神殿で用意するから、と断られたんだ。
まさか、こんな趣味の悪い服を渡されるわけじゃないだろうな?
全員着替えろって言われたって絶対に遠慮したい。
渚も愛斗も裸足のままだ。
靴くらいよこせ、と思ったが、2人に言わせると床は温かいから問題ないらしい。
床は真っ白で、いくつもの青い大きなの花のような模様が描かれていた。
出迎えと案内には、白く長い髭と長い眉した大司教だった。
髭と眉毛の境がわからないが、眉毛ってそんなに伸びるものなのだろうか?
大司教ってことは結構な偉い神官だ。
銀髪野郎…ルーカスが大司教様、と呼んでいて、大司教も閣下、と互いに敬語だ。
立場的には同等くらいなのか?
大司教も、この国の宰相が自ら俺らを運んでくるとは思っていなかっただろうな。
もっさりした眉毛の下から驚いた瞳が一瞬だけ見えた。
通された部屋は、壁や天井が真っ白な部屋だった。
さっきのロビーらしきところからしたら殺風景だが、紺色の絨毯には大輪の花のような模様が描かれていて、白いゆったりとしたソファに、テーブルがあった。
どちらも高そうだ。ロビーもだが、ここも、いくらかけてんのかって思う。
お布施という名の資金は、たくさんありそうだ。
12、3帖の部屋に、俺たち4人だけが通された。
ポットと4人分のカップを手に、若い神官らしき男がやってきてた。
紅茶の良い香りが広がる。
銀髪野郎…、宰相のルーカスは、部屋に入ることはなかった。
扉の外で何度か大司教とこそこそと話をして、一緒にいた従者らしき野郎に指示を出し、新たな神官に促されてその場を後にする。
俺たちに一言もない。
つくづく気配りのない野郎だ。
蓮君の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
それを目にした大司教が、若い神官に声をかけた。
「サミュエル、新器様方にこの国とお役目についてご説明を。私は閣下と少し話がある。後ほど聖玉の間にて魔力判定を行うから、ペリエの果実もお出ししなさい」
「畏まりました」
サミュエルと呼ばれた神官が俺らに仰々しく頭を垂れてくる。
大司教のときと同じように、顔の前で手を重ねて肘をはる。
服装も礼の仕方も、なんともまあご大層なこった。
「新器の皆さま、初めてお目にかかります。私はこのアリアナ教の司祭を務めます、サミュエルと申します」
「あの」
俺らの中で最初に口を開いたのは渚だった。
「はい、なんでございましょうか?」
「あの、僕たち、何の説明もなくいきなりここに連れてこられたんです。ここはどこなんですか?」
「この国は、クライス帝国といいます」
「くらいすてい国」
「はい、帝国の中では3番目の広さを持ちますが、もっとも技術が発達している国でございます。南は海に面し、北には山に囲まれ、資源も豊富でございます――――ああ、順に説明いたしますね、さめないうちにどうぞ」
紅茶に手を付けると、それを満足げに見回しながら、サミュエルはゆっくりと語りだした。
馬車は神殿の入り口すぐでとめられたから、どこまで広がっているのかはいまいちわからない。
だが、ちらりと見えた外観と中と…本当に、一致してるか?と疑いたくなるくらいには広かった。
案内されて歩く俺たちに向かい、皆が立ち止まり、顔の前で手を重ねて肘をはり、頭を下げてくる。
マジで気色悪い、どっかの新興宗教みたいなキモさがある。
服も趣味が悪かった。
胸の中央に大きな十字架の刺繍、白地に金糸の刺繍の入った長ったらしい布を肩にかけている。
白地と水色となんとも主張の激しいロングコートで、金縁で覆われている。
神官なんだろうが派手すぎだろ。
さすが異世界。
にしたって、服くらいよこせって感じだ。
俺と蓮君はいいとして、渚はパジャマ、愛斗は上半身裸な上にローブを羽織っているだけだぞ?
馬車に乗る前に服を貰おうとすると、神殿で用意するから、と断られたんだ。
まさか、こんな趣味の悪い服を渡されるわけじゃないだろうな?
全員着替えろって言われたって絶対に遠慮したい。
渚も愛斗も裸足のままだ。
靴くらいよこせ、と思ったが、2人に言わせると床は温かいから問題ないらしい。
床は真っ白で、いくつもの青い大きなの花のような模様が描かれていた。
出迎えと案内には、白く長い髭と長い眉した大司教だった。
髭と眉毛の境がわからないが、眉毛ってそんなに伸びるものなのだろうか?
大司教ってことは結構な偉い神官だ。
銀髪野郎…ルーカスが大司教様、と呼んでいて、大司教も閣下、と互いに敬語だ。
立場的には同等くらいなのか?
大司教も、この国の宰相が自ら俺らを運んでくるとは思っていなかっただろうな。
もっさりした眉毛の下から驚いた瞳が一瞬だけ見えた。
通された部屋は、壁や天井が真っ白な部屋だった。
さっきのロビーらしきところからしたら殺風景だが、紺色の絨毯には大輪の花のような模様が描かれていて、白いゆったりとしたソファに、テーブルがあった。
どちらも高そうだ。ロビーもだが、ここも、いくらかけてんのかって思う。
お布施という名の資金は、たくさんありそうだ。
12、3帖の部屋に、俺たち4人だけが通された。
ポットと4人分のカップを手に、若い神官らしき男がやってきてた。
紅茶の良い香りが広がる。
銀髪野郎…、宰相のルーカスは、部屋に入ることはなかった。
扉の外で何度か大司教とこそこそと話をして、一緒にいた従者らしき野郎に指示を出し、新たな神官に促されてその場を後にする。
俺たちに一言もない。
つくづく気配りのない野郎だ。
蓮君の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
それを目にした大司教が、若い神官に声をかけた。
「サミュエル、新器様方にこの国とお役目についてご説明を。私は閣下と少し話がある。後ほど聖玉の間にて魔力判定を行うから、ペリエの果実もお出ししなさい」
「畏まりました」
サミュエルと呼ばれた神官が俺らに仰々しく頭を垂れてくる。
大司教のときと同じように、顔の前で手を重ねて肘をはる。
服装も礼の仕方も、なんともまあご大層なこった。
「新器の皆さま、初めてお目にかかります。私はこのアリアナ教の司祭を務めます、サミュエルと申します」
「あの」
俺らの中で最初に口を開いたのは渚だった。
「はい、なんでございましょうか?」
「あの、僕たち、何の説明もなくいきなりここに連れてこられたんです。ここはどこなんですか?」
「この国は、クライス帝国といいます」
「くらいすてい国」
「はい、帝国の中では3番目の広さを持ちますが、もっとも技術が発達している国でございます。南は海に面し、北には山に囲まれ、資源も豊富でございます――――ああ、順に説明いたしますね、さめないうちにどうぞ」
紅茶に手を付けると、それを満足げに見回しながら、サミュエルはゆっくりと語りだした。
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