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本編
-9- 神殿にて
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「この実を食ったら、腹に赤ん坊ができるのか?」
何度見ても、どう見ても、安っぽいいちご大福にしか見えない。
これを食ったら、妊娠するだ?
どうなって?何ができる?こっわ、無理だろ、ぜってー食いたくない。
「いいえ、そうではありません。魔力の高い男性との交わりにより生命を宿すことができます」
「………」
セックスはするのか。
男とのセックスは、こっちじゃ普通にあるらしいからな。
そりゃそうか、男しかいないなら、男同士で精力を発散するしかない。
まあ、この実を食っただけでは妊娠しないのは分かった。
セックスしたら子供ができるっていう理屈も分かった。
だが、この実を食ったら、妊娠する身体になるっていうのは理解に苦しむ。
「魔力が低いと無理なんですか?」
渚が不思議そうに問う。
たしかに子供が欲しかったら、一般の女とすればいいだけだ。
出が貴族じゃなくたって、そんなん養子にしたり色々やり方はある。
魔力が高いのが望ましいのは理解したが、生まれる子供の魔力が高いならそれでいいだろ。
なにも異世界から拉致して、好き好んで男まで腹ませるようなことしなくたっていいはずだ。
「魔力が低いと、そもそも高い者を受け入れることができません。無理に受け入れるととても危険で母子ともに命にかかわります。無事に生まれることは極稀でございますから、行為自体が、危険行為と認識されています。
また、属性によりその合性もございますので、後ほど魔力鑑定をしたのち、適切な人物をご紹介させていただきますのでご安心ください」
だから、はやく食べてろ、ってか。
まてまて、そんな単純な話じゃないだろ?
「俺ら、顔も知らないどっかのお貴族様と結婚するってことですか?」
愛斗が心底いやそうに訊ねる。
そうだ、それだ。
嫌だぜ、どっかのおっさんに無理やり組み敷かれるなんて御免だ。
「いいえ、そうではありません。女性は少なくなっていますが、まったくいないわけではありません。
市井には男女の比率はそこまで差がないのです。市井でも男性同士の結婚は認められています。ですが、魔力が低い者同士、男女間の結婚が多いですね。
貴族の場合は、貴族同士のお付き合いもございますから、大抵の貴族の御当主、次期当主となられる方は、貴族の男性同士、まれに女性とご結婚されます。
神器様は、異世界からこちらにお越しになられたため、ご契約されますとその契約者様の所有となります。
お子を産まれますと、そのお子様は御当主と奥様のお子として大切に育てられます。
平均して、3人から5人ほど産む方が多いかと思われます。
我が国では、第三夫人までもつことがゆるされていますし、ご結婚は属性を合わせてされる方が多いのです。
契約者様のご夫人との間にもお子を授かるのが認められております」
は?ってことは、貴族の家に買われて、そこで1人どころか、公認の4Pかよ!
セックス三昧な上に、産んだ子供はとりあげられるのか?
「僕らが産んでも、僕らの子供ってことにはならないってことですか?」
「神器様という存在は、産みの親ではないのです。神の器、生命を授かることのできる聖なる存在なのです」
「それじゃ、子供を産んでも、子育てはしないの?顔を見ることは?」
「今まで、神の器とご結婚された方は、3名いらっしゃるにはいらっしゃいましたが、お相手は聖女様であられました。ですが、…そうですね、あまり良い話ではありませんよ」
サミュエルが非難するように話すが、何言ってんだ。
あまりいい話じゃない?さっき言ってたほうが外道な話だろうが。
「その、子供を産んだあとは、どうなるんですか?住民票ってあるのかな、えーと、住居権みたいなものは?」
「市井に降りることは、過去にございませんよ。住居権、というのもございませんが、万が一契約者様とのご契約が切れたならば、新たなご契約を結ばれます。ご契約者様が事故で亡くなったことも過去にございますから」
「えーと、たとえば、僕が子供を5人産んで、もういらないって言われたら、別の人を探すってこと?」
「えぇ、その時は、私たちアリアナ教の神官が尽力をつくしますのでご安心ください。ですが、いらないといわれることは、滅多にございませんよ。万が一にでもなったとして、貴族のご契約者様が見つからなくても、きちんと教会のものが契約いたします。過去、漏れた方はおりません」
マジか。しわくちゃになって何の価値があるんだ?
「じーさんになって、子供が産めなくなっても、そんな好き好んで面倒見る奴がいるのか?」
「神器様の魔力はとても大きいものです。年を重ねたくらいでは、それほど魔力を落とすこともありません。属性の合性さえあえば、ご契約者さまの魔力を助けていくには十分です。たとえお子を産まずとも、貴重な存在です、大切にされますよ」
なんだそれ。
「魔力目的ってことっすか?この国では、俺らに人権ってないんですか?」
愛斗が怒りを露わにする。
「人権といいますか…神器様は、神の器、特別な存在なのです」
「納得できません!無理やりここにつれてこられて、そんな非人道的な扱いを受け入れろっていわれても無理です」
蓮君の言葉に、サミュエルが驚いたように目を見張った。
何度見ても、どう見ても、安っぽいいちご大福にしか見えない。
これを食ったら、妊娠するだ?
どうなって?何ができる?こっわ、無理だろ、ぜってー食いたくない。
「いいえ、そうではありません。魔力の高い男性との交わりにより生命を宿すことができます」
「………」
セックスはするのか。
男とのセックスは、こっちじゃ普通にあるらしいからな。
そりゃそうか、男しかいないなら、男同士で精力を発散するしかない。
まあ、この実を食っただけでは妊娠しないのは分かった。
セックスしたら子供ができるっていう理屈も分かった。
だが、この実を食ったら、妊娠する身体になるっていうのは理解に苦しむ。
「魔力が低いと無理なんですか?」
渚が不思議そうに問う。
たしかに子供が欲しかったら、一般の女とすればいいだけだ。
出が貴族じゃなくたって、そんなん養子にしたり色々やり方はある。
魔力が高いのが望ましいのは理解したが、生まれる子供の魔力が高いならそれでいいだろ。
なにも異世界から拉致して、好き好んで男まで腹ませるようなことしなくたっていいはずだ。
「魔力が低いと、そもそも高い者を受け入れることができません。無理に受け入れるととても危険で母子ともに命にかかわります。無事に生まれることは極稀でございますから、行為自体が、危険行為と認識されています。
また、属性によりその合性もございますので、後ほど魔力鑑定をしたのち、適切な人物をご紹介させていただきますのでご安心ください」
だから、はやく食べてろ、ってか。
まてまて、そんな単純な話じゃないだろ?
「俺ら、顔も知らないどっかのお貴族様と結婚するってことですか?」
愛斗が心底いやそうに訊ねる。
そうだ、それだ。
嫌だぜ、どっかのおっさんに無理やり組み敷かれるなんて御免だ。
「いいえ、そうではありません。女性は少なくなっていますが、まったくいないわけではありません。
市井には男女の比率はそこまで差がないのです。市井でも男性同士の結婚は認められています。ですが、魔力が低い者同士、男女間の結婚が多いですね。
貴族の場合は、貴族同士のお付き合いもございますから、大抵の貴族の御当主、次期当主となられる方は、貴族の男性同士、まれに女性とご結婚されます。
神器様は、異世界からこちらにお越しになられたため、ご契約されますとその契約者様の所有となります。
お子を産まれますと、そのお子様は御当主と奥様のお子として大切に育てられます。
平均して、3人から5人ほど産む方が多いかと思われます。
我が国では、第三夫人までもつことがゆるされていますし、ご結婚は属性を合わせてされる方が多いのです。
契約者様のご夫人との間にもお子を授かるのが認められております」
は?ってことは、貴族の家に買われて、そこで1人どころか、公認の4Pかよ!
セックス三昧な上に、産んだ子供はとりあげられるのか?
「僕らが産んでも、僕らの子供ってことにはならないってことですか?」
「神器様という存在は、産みの親ではないのです。神の器、生命を授かることのできる聖なる存在なのです」
「それじゃ、子供を産んでも、子育てはしないの?顔を見ることは?」
「今まで、神の器とご結婚された方は、3名いらっしゃるにはいらっしゃいましたが、お相手は聖女様であられました。ですが、…そうですね、あまり良い話ではありませんよ」
サミュエルが非難するように話すが、何言ってんだ。
あまりいい話じゃない?さっき言ってたほうが外道な話だろうが。
「その、子供を産んだあとは、どうなるんですか?住民票ってあるのかな、えーと、住居権みたいなものは?」
「市井に降りることは、過去にございませんよ。住居権、というのもございませんが、万が一契約者様とのご契約が切れたならば、新たなご契約を結ばれます。ご契約者様が事故で亡くなったことも過去にございますから」
「えーと、たとえば、僕が子供を5人産んで、もういらないって言われたら、別の人を探すってこと?」
「えぇ、その時は、私たちアリアナ教の神官が尽力をつくしますのでご安心ください。ですが、いらないといわれることは、滅多にございませんよ。万が一にでもなったとして、貴族のご契約者様が見つからなくても、きちんと教会のものが契約いたします。過去、漏れた方はおりません」
マジか。しわくちゃになって何の価値があるんだ?
「じーさんになって、子供が産めなくなっても、そんな好き好んで面倒見る奴がいるのか?」
「神器様の魔力はとても大きいものです。年を重ねたくらいでは、それほど魔力を落とすこともありません。属性の合性さえあえば、ご契約者さまの魔力を助けていくには十分です。たとえお子を産まずとも、貴重な存在です、大切にされますよ」
なんだそれ。
「魔力目的ってことっすか?この国では、俺らに人権ってないんですか?」
愛斗が怒りを露わにする。
「人権といいますか…神器様は、神の器、特別な存在なのです」
「納得できません!無理やりここにつれてこられて、そんな非人道的な扱いを受け入れろっていわれても無理です」
蓮君の言葉に、サミュエルが驚いたように目を見張った。
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