異世界極悪令嬢と同じクラスになってしまった!

蛇崩 通

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<第二章 第3話>

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  <第二章 第3話>
 しばらくの間、追跡を続けた。空中を飛行して。
 生き残りの襲撃犯たちは、ある屋敷に逃げ込んだ。
 やはり、予想は的中した。
 極悪伯爵令嬢グレースの屋敷だ。
 襲撃犯の一人が、正門の前で、怒鳴った。
 「隊長に報告がある。入れてくれ」
 スライド式の青銅製門扉が、開いた。
 四名の襲撃犯が、中に入った。
 走り続けたため、四名とも呼吸が乱れている。肩でゼイゼイと息をしている。
 門番の警備兵が、声をかけた。
 「早いな。伝令か?」
 「違う。全滅した」
 「全滅?」
 「弓兵に待ち伏せされた。暗くてよく見えなかったが、屋敷から、大量の矢が放たれた。弓兵の数は、五名か、六名か。早く、警備隊長を呼んでくれ」
 警備隊長が、警備兵宿舎から、出てきた。
 寝ていたためか、甲冑は着けていない。
 「どうした? 伝令か? 作戦に何か支障か?」
 「隊長……」
 その瞬間だった。
 襲撃犯の左胸から、長剣の切っ先が現れた。
 その襲撃犯は、口から血を吐き出し、絶命した。
 クマートが刺したのだ。後ろから。透明化したままで。
 警備隊長が、怒鳴った。顔面蒼白となって。
 「刺したヤツは、どこだ!」
 警備兵の一人が、答えた。
 「暗くてわかりません!」
 警備隊長が大声で命じた。
 「敵が、敷地内に侵入している! 全員、出動せよ! 厳戒態勢だ!」
 襲撃犯たちが、次々に絶命した。背後から心臓を刺されて。
 警備兵宿舎から、警備兵が次々に現れた。がたなで。甲冑も身につけずに。
 副隊長らしき人物が、警備隊長に声をかけた。
 「隊長、敵はどこです?」
 「暗闇に潜んで、攻撃してくる!」
 「屋敷にも連絡したほうが良いのでは?」
 警備隊長が、警備兵二名に命じた。
 二名の警備兵が、屋敷の玄関に向かって走り出した。
 次の瞬間だった。
 その警備兵二名の頭部が、空中に跳んだ。
 首から、噴水のように、鮮血がほとばしった。
 クマートが、首を切り落としたのだ。同時に、警備兵二名の首を。
 普通の長剣では、そんなことは、できない。
 魔法の長剣を使用したのだ。
 究極魔法具の一つである魔法の長剣は、二つ目のダンジョンで、入手した。
 魔法の長剣は、加減が難しい。
 うまく使えるようになるまで、かなりの練習をした。奥深い森の中で。大木を相手に。
 魔法の長剣は、一振ひとふりすると、魔法の力で、圧縮空気のやいばを飛ばすことができる。
 森の中での練習では、一振りで、千メートル先まで、木々が切り倒された。
 水平に振るうと、二振りで、半径千メートル先まで、円形状に、根こそぎ森林が破壊された。
 もちろん、剣を振った高さにいた動物は、皆、切り裂かれた。
 当初は、威力が強すぎて、対人戦に使用できない、とも思った。
 だが、練習しているうちに、威力を数メートル以内に抑えることができるようになった。
 魔法の長剣の欠点は、水の中では、使用できないという点だ。この剣の魔法では、空気しか圧縮できない。そのため、空気のないところでは、使用できないのだ。
 警備隊長が怒鳴った。
 「全員、ここに集合せよ! 円陣隊形だ! 敵は背後から襲ってくるぞ!」
 二十名の将兵が円陣を組んだ。自分の背中を、内側に向けて。
 この隊形ならば、敵に背後から襲われる心配はない。
 だがクマートにとっては、好都合だ。
 一振りした。魔法の長剣を。
 首が飛んだ。いっせいに。
 切り口から、鮮血がほとばしった。
 兵士十八名は、首を切り落とされた。
 隊長と副隊長は貴族のため、平民の兵士よりも、一回り体格が大きかった。
 そのため、ちょうど胸の辺りで、真っ二つになった。
 左手の手のひらを向けた。「収納」と念じた。
 二十名の将兵の死体を、魔法の小箱に収納した。
 ほかの兵士や襲撃犯の死体も、収納した。
 屋敷の様子をうかがった。
 屋敷は、静まりかえっている。あかりもともっていない。
 クマートの襲撃に、気づいていないようだ。
 一計を、思いついた。
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