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<第五章 第3話:地位も名誉もカネもいらない。愛さえあれば>
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<第五章 第3話:地位も名誉もカネもいらない。愛さえあれば>
「セーラー服って、知ってる?」
アメリアが自慢げに、マリアンヌに話し始めた。
やめてくれ。その話は。
クマートは、心の中で、頭を抱えた。
「知らないわ。そんな服」
マリアンヌの回答は、素っ気なかった。
だがアメリアは、嬉々として話し始めた。
「クマート様の作ってくださる服は、どれも斬新なデザインなのよ。セーラー服も、そう。海辺の国のファッションだって聞いたけれど、ノルドハーフェン準男爵領の人たちは、着ていなかったわね」
思わず、言い訳した。クマートが。
「本で読んだだけだから。別の海辺の国のファッションだったのかもね」
アメリアが、話を続けた。
「そのセーラー服は、布地面積が少なくて、夏用には、ピッタリなのよ。作ってくれたのは、南部にある第二ダンジョンの攻略から帰還する船上だった。猛烈な湿度と暑さで、たいへんだったときよ」
恥ずかしすぎる。
そのセーラー服は、普通のセーラー服ではない。
ネット通販などで販売されているような露出度の高いセーラー服だ。袖なし、ヘソ出し、ミニスカだ。
「そのセーラー服を着ると、クマート様から、溺愛されるのよ」
アメリアがデレながら、さらに言葉を続けようとしたときだった。
マリアンヌが、尋ねた。
「クマート様と、アメリア様は、どのような関係なのですか?」
即座に答えた。クマートが。
「秘密の恋人です。ですから、他人には、言わないでくださいね」
マリアンヌが、笑みを浮かべた。悪そうな笑みを。
「婚約者のサーニャさんに知られたら、たいへんですね」
そう言って、ククッと笑った。
いや、笑いをかみ殺したのだ。マリアンヌは。
クマートの弱みを、握ったと思ったからだ。
魔法の王冠のテレパシー能力は、オンにしたままだった。そのため、マリアンヌの頭の中の言葉が、クマートの脳内に入ってきた。
これは、カネになる。強請れば、大金を引き出せる。
マリアンヌは、そう考えた。
間髪入れずに、クマートが答えた。彼女の悪い考えを、防ぐために。
「サーニャさんには、最初に話しました。すると彼女は、愛人の一人や二人、かまやへんで、と言ってくれました」
数秒間、沈黙した。マリアンヌが。
マリアンヌは、驚いたようだった。平然と愛人を認めるサーニャに。
彼女は、知らないのだろう。上級貴族の結婚は、政略結婚であることに。
そのため、上級貴族の男には、正妻以外に愛人がいても、不思議なことではない。
上級貴族の女性の中にも、愛人をつくる者がいる。もっとも、跡継ぎの男児を産んだあとでないと、愛人づくりは黙認されないが。
マリアンヌが、アメリアに尋ねた。
「あなたは、愛人で、いいの?」
「あたしは、地位も名誉もいらない。正妻になれば、領主夫人となり、地位も名誉も権力もお金も、手にすることができるわ。だけど、あたしは、なにもいらない。地位も名誉も権力もお金も。ただ、愛さえ、あればいい。クマート様の愛があれば」
マリアンヌが、押し黙った。
アメリアが、言葉を続けた。
「あたしは、クマート様から、愛されている。溺愛されている。あと、欲しいものは、愛の結晶。クマート様の子どもを産むこと。だけど、それは今、禁止されているの。本当は今すぐにでも、産みたいのに」
「なぜ、禁止されているの?」
そのマリアンヌの問いに、アメリアが即答した。
「学園を、一緒に卒業したいから。これから三年間、毎日、学園で一緒に過ごしたいから。教室で、毎日一緒に過ごしたいから。妊娠したら、退学しなければならない。毎日学園で一緒に過ごすためには、卒業するまで、妊娠させることはできない。子どもを産むのは、卒業してからだ。そう言うのよ。クマート様は」
デレ顔で、アメリアが言った。嬉々として。
「これって、すごい溺愛でしょ。夜も昼も、家でも学校でも、一日中一緒に、いたいだなんて!」
「セーラー服って、知ってる?」
アメリアが自慢げに、マリアンヌに話し始めた。
やめてくれ。その話は。
クマートは、心の中で、頭を抱えた。
「知らないわ。そんな服」
マリアンヌの回答は、素っ気なかった。
だがアメリアは、嬉々として話し始めた。
「クマート様の作ってくださる服は、どれも斬新なデザインなのよ。セーラー服も、そう。海辺の国のファッションだって聞いたけれど、ノルドハーフェン準男爵領の人たちは、着ていなかったわね」
思わず、言い訳した。クマートが。
「本で読んだだけだから。別の海辺の国のファッションだったのかもね」
アメリアが、話を続けた。
「そのセーラー服は、布地面積が少なくて、夏用には、ピッタリなのよ。作ってくれたのは、南部にある第二ダンジョンの攻略から帰還する船上だった。猛烈な湿度と暑さで、たいへんだったときよ」
恥ずかしすぎる。
そのセーラー服は、普通のセーラー服ではない。
ネット通販などで販売されているような露出度の高いセーラー服だ。袖なし、ヘソ出し、ミニスカだ。
「そのセーラー服を着ると、クマート様から、溺愛されるのよ」
アメリアがデレながら、さらに言葉を続けようとしたときだった。
マリアンヌが、尋ねた。
「クマート様と、アメリア様は、どのような関係なのですか?」
即座に答えた。クマートが。
「秘密の恋人です。ですから、他人には、言わないでくださいね」
マリアンヌが、笑みを浮かべた。悪そうな笑みを。
「婚約者のサーニャさんに知られたら、たいへんですね」
そう言って、ククッと笑った。
いや、笑いをかみ殺したのだ。マリアンヌは。
クマートの弱みを、握ったと思ったからだ。
魔法の王冠のテレパシー能力は、オンにしたままだった。そのため、マリアンヌの頭の中の言葉が、クマートの脳内に入ってきた。
これは、カネになる。強請れば、大金を引き出せる。
マリアンヌは、そう考えた。
間髪入れずに、クマートが答えた。彼女の悪い考えを、防ぐために。
「サーニャさんには、最初に話しました。すると彼女は、愛人の一人や二人、かまやへんで、と言ってくれました」
数秒間、沈黙した。マリアンヌが。
マリアンヌは、驚いたようだった。平然と愛人を認めるサーニャに。
彼女は、知らないのだろう。上級貴族の結婚は、政略結婚であることに。
そのため、上級貴族の男には、正妻以外に愛人がいても、不思議なことではない。
上級貴族の女性の中にも、愛人をつくる者がいる。もっとも、跡継ぎの男児を産んだあとでないと、愛人づくりは黙認されないが。
マリアンヌが、アメリアに尋ねた。
「あなたは、愛人で、いいの?」
「あたしは、地位も名誉もいらない。正妻になれば、領主夫人となり、地位も名誉も権力もお金も、手にすることができるわ。だけど、あたしは、なにもいらない。地位も名誉も権力もお金も。ただ、愛さえ、あればいい。クマート様の愛があれば」
マリアンヌが、押し黙った。
アメリアが、言葉を続けた。
「あたしは、クマート様から、愛されている。溺愛されている。あと、欲しいものは、愛の結晶。クマート様の子どもを産むこと。だけど、それは今、禁止されているの。本当は今すぐにでも、産みたいのに」
「なぜ、禁止されているの?」
そのマリアンヌの問いに、アメリアが即答した。
「学園を、一緒に卒業したいから。これから三年間、毎日、学園で一緒に過ごしたいから。教室で、毎日一緒に過ごしたいから。妊娠したら、退学しなければならない。毎日学園で一緒に過ごすためには、卒業するまで、妊娠させることはできない。子どもを産むのは、卒業してからだ。そう言うのよ。クマート様は」
デレ顔で、アメリアが言った。嬉々として。
「これって、すごい溺愛でしょ。夜も昼も、家でも学校でも、一日中一緒に、いたいだなんて!」
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