異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

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第3章第十七話 人間の勝利?

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  第3章第十七話 人間の勝利?
 切りいた。炎龍王女が放った巨大火球を。トッキロが。エア・ソードで。
 消滅した。その巨大火球は。切り裂かれたのと同時に。
 怒鳴り散らした。炎龍王女が。
 「おのれ! 黒髪の人間め!」
 連発した。炎龍王女が。巨大火球を。次々に、はなった。
 切り裂いた。すべての巨大火球を。エア・ソードで。トッキロが。木製のつえを剣のように振りながら。すさまじい速度で。
 上空の魔族たちが、火球を放った。次々に。トッキロに対して。
 すべて切り裂いた。エア・ソードで。杖の先に、二メートルから三メートルほどの長さのエア・ソードを出現させて。
 もちろんエア・ソードは、目に見えないが。
 雨がんだため、もう誰の目にも、エア・ソードを視認できない。
 つぶやいた。炎姫が。
 「南校のトッキロ。本物の達人だな。剣術の」
 その瞬間だった。
 さけんだ。氷姫が。氷結魔法剣を左右にきながら。
 「アイス・ブレード!」
 飛翔した。一メートルの長さの氷のやいばが。
 ザックリと裂けた。炎龍王女の腹が。
 飛び出た小腸を両手で腹の中に戻しながら、炎龍王女はヨロヨロと後退した。
 「今が好機だ!」
 そう叫んだ。炎姫が。
 振り抜いた。火炎魔法剣を。叫びながら。
 「火炎剣!」
 燃えあがった。炎龍王女の全身が。
 絶叫した。炎龍王女が。ヨロヨロと、後退しながら。
 叫んだ。炎姫が。トッキロに。
 「今だ! とどめをせ! 魔王の娘に!」
 だが次の瞬間、立ちふさがった。上空の魔族たちが、炎龍王女の前に着地して。次から次ぎに。
 切り裂いた。ウオーター・カッターで。次々に。
 一度に、十名ずつ。
 立ちふさがった魔族たちを。
 背を向けて、逃げた。炎龍王女が。砦の南側へ。
 砦屋上の水面は、もう、トッキロの足首の高さだ。
 もう、時間が無い。
 あと数十秒で、できなくなる。ウオーター・カッターの連発は。
 青銅貨を、見つけた。足下に。南に向かって前進しているときに。
 水位が、下がったおかげだ。
 青銅貨をひろった。左手で。
 手首のスナップをきかせて、投げつけた。炎龍王女の背中に向かって。
 より正確には、心臓の背後に向かって。
 風魔法による圧縮空気を使って、飛ばした。投げた青銅貨を。すさまじい速度で。
 めり込んだ。青銅貨が。炎龍王女の背中の左側に。
 突入した。心臓の中心に。たぶん。
 よろめいた。炎龍王女が。
 だが彼女は、倒れなかった。走り続けた。砦の南側に向かって。
 傷口からの出血は、すぐに止まった。
 傷口自体も、数秒で完治した。
 到達した。炎龍王女が、砦南端の高さ一メートルほどの石塀に。
 雷姫が叫んだ。
 「逃げられるぞ!」
 「ウオーター・カッター」
 そう、つぶやいた。トッキロが。
 切り落とした。炎龍王女の右足を。太ももの真ん中あたりで。
 だが、倒れなかった。炎龍王女は。
 倒れかかったが、しがみついた。砦南端の石塀に。
 その直後だった。
 両腕の力を使って、乗り越えた。石塀を。炎龍王女が。
 転落した。炎龍王女が。南城壁の外、堀の上に。
 「逃げられた!」
 そう叫んで、ぎしりした。雷姫が。
 落ち着いた声で話した。トッキロが。
 「こちらには、交渉材料があります。交渉によって、魔王軍の撤退を求めることが、できるはずです」
 「交渉材料って、なにがあるんだよ!」
 その雷姫の言葉に、トッキロが静かに答えた。
 「炎龍王女の二本の角と、右足です」
 「腐るだろ。魔族の足なんて、すぐに。この暑さ、なんだから」
 「氷姫様、炎龍王女の右足を、氷漬けにしてください」
 「なるほどな」
 そう、つぶやいた。炎姫が。
 そのとき、気づいた。雨があがった青空に、虹が架かっていたことに。
 上空に残っていた魔族は、すでに退却していた。
 炎龍王女が、南城壁から転落した直後に。風魔法による上昇気流を止めて。
 地上に戻ったのだ。城壁の外の地上に。魔族たちは。
 数秒遅れで、毒薔薇姫が叫んだ。涙を流しながら。
 「勝利よ! わたくしたちの!」
 炎姫も叫んだ。
 「そうだ! 我々、人間の勝利だ!」
 歓声をあげた。女生徒たちと兵士たちが。
 とりあえず、終わった。今回の戦いは。
 とはいえ、王都に侵攻した魔王軍は、まだ王都近郊に陣を張っている。撤退したわけでは、ない。
 これからも、攻撃を続けてくるはずだ。王都に。
 まだ、終わらない。この戦いは。魔王軍の完全撤退まで。
 気を、引き締めた。トッキロは。
 歓喜にく女生徒たちや兵士たちを、眺めながら。

       第3章終わり 
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