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63. 夏の終わり。新たな始まり。
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63. 夏の終わり。新たな始まり。
夏休み最終日。無事に白石の宿題も終わり、明日の準備を済ませて寝る準備をしているとオレのスマホが鳴る。画面を見ると白石からだった。
「もしもし?どうした?」
《あっ先輩まだ起きてましたね?良かった。ちょっとベランダに出れますか?》
「ベランダ?」
オレはそのままベランダに出ると、隣のベランダには白石がいた。
「こんばんは先輩」
「おう……それでどうかしたのか?」
「見てください!今日は星が綺麗なんですよ!ふと外を見たらすごく綺麗だから先輩と見たくなっちゃって!」
白石は無邪気に笑いながらそう言う。確かに今日の夜空はとても綺麗で、思わず吸い込まれそうになるほどだ。
「あぁ本当だ。とても綺麗だな……最近星とか見てなかったな」
「ですよね!私もこの前テレビで見たんですけど、夏の終わりになると流れ星がよく見えるらしいです!」
「へぇーそうなんだ」
そんな他愛もない話をしてると、突然白石が真剣な表情になる。
「ねぇ先輩……少しお話があるんですけど……」
「なんだよ……」
「その……ありがとうございます」
「え?」
「私が先輩と初めて会ってからもう4ヶ月が立ちます。最初はただの先輩としてしか思ってませんでした。でも一緒にいるうちに私にとって先輩は大切な人だってことに気づいたんです。だから本当に感謝しています。こんなに楽しい日々を過ごすことができて」
「白石……」
「だから、これからもいっぱいワガママを言ってしまうかもしれませんがよろしくお願いしますね!」
満面の笑みを浮かべる白石。そしてオレはその笑顔を見て心の底から嬉しかった。きっとこの感情を人は幸せと呼ぶのだろう。だからこそオレはこの気持ちを忘れないようにしようと思った。
「ああ。もうお前のワガママやウザさに慣れてきたしな」
「ひどいですね先輩は?それなら私のワガママ聞いてくださいよ!」
「なんだ?変なのは聞かんからな?」
「……。」
「なんで黙るんだよ!?」
「冗談ですよ。その……やっぱり私のこと名前で呼んでほしいなって。ダメですか?」
そうオレに告げる白石。正直恥ずかしさはある。それでもオレも変わっていかなくちゃいけない。
「……そんなんでいいのかよ?」
「はい。それが1番嬉しいです」
「これからもよろしくな夏帆」
「っ!!はい!先輩!もう一回!もう一回呼んでください!」
「うるせぇ!……まったく本当にウザいなお前?」
「ウザくて結構です!私は絶対先輩から離れませんから!」
……それからしばらく2人で夜空を見上げていた。まるでお互いの距離感を確かめるかのように、ゆっくりと時間が流れるような感覚があった。こうしてオレ達の今までとは違う、新しい生活が始まるのだった。
夏休み最終日。無事に白石の宿題も終わり、明日の準備を済ませて寝る準備をしているとオレのスマホが鳴る。画面を見ると白石からだった。
「もしもし?どうした?」
《あっ先輩まだ起きてましたね?良かった。ちょっとベランダに出れますか?》
「ベランダ?」
オレはそのままベランダに出ると、隣のベランダには白石がいた。
「こんばんは先輩」
「おう……それでどうかしたのか?」
「見てください!今日は星が綺麗なんですよ!ふと外を見たらすごく綺麗だから先輩と見たくなっちゃって!」
白石は無邪気に笑いながらそう言う。確かに今日の夜空はとても綺麗で、思わず吸い込まれそうになるほどだ。
「あぁ本当だ。とても綺麗だな……最近星とか見てなかったな」
「ですよね!私もこの前テレビで見たんですけど、夏の終わりになると流れ星がよく見えるらしいです!」
「へぇーそうなんだ」
そんな他愛もない話をしてると、突然白石が真剣な表情になる。
「ねぇ先輩……少しお話があるんですけど……」
「なんだよ……」
「その……ありがとうございます」
「え?」
「私が先輩と初めて会ってからもう4ヶ月が立ちます。最初はただの先輩としてしか思ってませんでした。でも一緒にいるうちに私にとって先輩は大切な人だってことに気づいたんです。だから本当に感謝しています。こんなに楽しい日々を過ごすことができて」
「白石……」
「だから、これからもいっぱいワガママを言ってしまうかもしれませんがよろしくお願いしますね!」
満面の笑みを浮かべる白石。そしてオレはその笑顔を見て心の底から嬉しかった。きっとこの感情を人は幸せと呼ぶのだろう。だからこそオレはこの気持ちを忘れないようにしようと思った。
「ああ。もうお前のワガママやウザさに慣れてきたしな」
「ひどいですね先輩は?それなら私のワガママ聞いてくださいよ!」
「なんだ?変なのは聞かんからな?」
「……。」
「なんで黙るんだよ!?」
「冗談ですよ。その……やっぱり私のこと名前で呼んでほしいなって。ダメですか?」
そうオレに告げる白石。正直恥ずかしさはある。それでもオレも変わっていかなくちゃいけない。
「……そんなんでいいのかよ?」
「はい。それが1番嬉しいです」
「これからもよろしくな夏帆」
「っ!!はい!先輩!もう一回!もう一回呼んでください!」
「うるせぇ!……まったく本当にウザいなお前?」
「ウザくて結構です!私は絶対先輩から離れませんから!」
……それからしばらく2人で夜空を見上げていた。まるでお互いの距離感を確かめるかのように、ゆっくりと時間が流れるような感覚があった。こうしてオレ達の今までとは違う、新しい生活が始まるのだった。
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