【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと~後輩はガチで陰キャでコミュ障。。。『ましのん』コンビでトップVtuberを目指します!

夕姫

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864. 『ひなた組55』~オフパート コミュ障陰キャ女おつ再びの再び~

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864. 『ひなた組55』~オフパート コミュ障陰キャ女おつ再びの再び~



 グランメゾン・リリィの配信中、事務所で長門さんと桃瀬さんの動画を撮り終えたオレは、一息つく間もなく次の仕事へと移動した。長門さんと帆夏ちゃん、そして小早川さんと共に、別のスタジオの控え室でライバーを待っている。

 次に待っているのは、この配信が終わった後の企画を仕切る彩芽ちゃんだ。そして、もう一人、衣音ちゃんも来る予定だ。二人の登場を待つ間、オレの目の前では、CGSの3人が明らかに落ち着かない様子でソワソワしている。

「すごい緊張がヤバい!みーたん、ほのっち、私が失礼な事言わないように見張っててね!?」

 そう言って身振り手振りで焦りを表現している小早川さん。

「なら……喋らなければいいと思う」

 長門さんがいつもの様子でそう返すと、小早川さんはさらに慌てたように言った。

「みーたん!それは出来ない相談だよ!あ。ほのっちがさ、リーダーとして、挨拶して続けばいいよね?」

「うん。それがいいと思う」

「え。私が最初に挨拶するの!?」

 と、彼女たちはあれこれと話している。CGSの3人が、彩芽ちゃんと衣音ちゃんにここまで緊張するなんて、2人も先輩になったものだなと感慨深くなった。

 まぁCGSからしたら3つ上の期、つまり4期生から見れば1期生のようなものか。そりゃ緊張もするか。オレは、彼女たちの初々しい反応を温かい目で見守っていた。するとしばらくして、控え室の扉が開く。

「お疲れ様です。あ。初めまして海原あるとです」

「あ。その、ふっ……双葉……かのんです……」

 緊張で顔を真っ赤にしながら、口ごもるように自己紹介をする。手持ち無沙汰に、両手を体の前でぎゅっと握りしめている姿が、まるでこれから大事な発表をする小学生のようで、見ているこちらまで胸が締め付けられる。

 ……出た。コミュ障陰キャ女おつ。彩芽ちゃん。それはさすがに緊張しすぎだぞ。

「あっあの初めまして、紫雨レイリです!よろしくお願いいたします!」

「雪平セレナです。よろしくお願いします」

「猫丸マオです!よろしくお願いします!」

「元気だね。彩芽ちゃん大丈夫?」

「うっうん……あの……がっ……頑張ってね」

「緊張しすぎじゃない彩芽ちゃん?みんなごめんね、彩芽ちゃんは初対面の人と話すの苦手だからさw」

 そんな感じで挨拶が終わり、打ち合わせを始める。

 ちなみに、Fmすたーらいぶのライバー……七海と長門さんと小早川さん以外には、七海と帆夏ちゃんが『実の姉妹』だと通達されている。もちろんその事実はまだ内緒にするようにと『機密事項』として、伝えられている。その理由はあとで分かるんだけど。

  控え室の空気は、打ち合わせが終わってもまだ緊張感に満ちていた。CGSの3人は、先輩ライバーである彩芽ちゃんと衣音ちゃんを前にして、どこか落ち着かない様子で固まっている。

 一方の彩芽ちゃんと衣音ちゃんも、それぞれ別の作業に没頭している。オレは、せっかくだからもっと話してほしいと思いながらも、この二人があまり社交的なタイプではないことを知っているから、口出しを躊躇していた。

  そんな中、沈黙を破ったのは長門さんだった。いつもは寡黙な彼女が、意を決したように立ち上がり、彩芽ちゃんの元へ向かっていく。その姿に、オレは驚きを隠せない。長門さんは、まるで勇気を振り絞るように、震える声で彩芽ちゃんに話しかけた。

 「あの、あっ……彩芽先輩……」

  長門さんの声に、彩芽ちゃんは作業の手を止め、顔を上げた。彼女の目は少し泳いでいる。

 「え。あっ。はっ……はい」

  長門さんは、握りしめた拳をそっと体の後ろに隠し、視線をわずかにそらしながら言葉を続けた。

 「えっと……その……いつも観てます」

  その言葉は、まるで告白のようだった。長門さんから出るにしては珍しい、心からの言葉。彼女の表情には、尊敬と緊張が入り混じっていた。

 「え?あっ……ありがとう……ございます……」

  彩芽ちゃんは、予想外の言葉にさらに顔を赤くして、戸惑ったように答える。二人の間に、再び気まずい沈黙が流れた。

  しかし、その沈黙を打ち破ったのは、次に口を開いた長門さんだった。

 「あの……その……最近の配信……すごく……元気をもらいました……」

  その言葉を聞いた彩芽ちゃんの顔が、少しだけ緩んだ。彼女は、少しだけ俯きながら、小さく微笑んだ。

 「そっか……良かった……その……ありがとう……」

  それは、彼女なりの精一杯の感謝だったのだろう。その瞬間、二人の間に流れていた張り詰めた空気が、少しだけ柔らかくなったように感じた。

「あれ?かのセレてぇてぇじゃんw」

「てぇてぇ……」

「え。衣音ちゃん。これてぇてぇ……なの?あっあの……えっと……その、颯太さんごめんなさい……」

「え?」

……なんでオレに謝るんだ彩芽ちゃん。変に疑われるだろ。それに今は『姫宮ましろ』じゃないぞオレ。

「あはは。神崎マネージャー。美冬さんとられちゃいましたねw」

「とられた?いや。仲が良いことは、いいことだからw」

 衣音ちゃんナイスフォローだぞこれ。まったく、本当にいつまで経っても彩芽ちゃんは彩芽ちゃんだよな。
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