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218. 後輩ちゃんは『甘えたい』ようです
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218. 後輩ちゃんは『甘えたい』ようです
そして翌日。今日は『ましのん』の企画配信日。オレは今、彩芽ちゃんの様子を確認しようと部屋の前にいる。ちなみに……もうすでにこうして数十分。
「いや……別に何かしようとしているわけじゃない。彩芽ちゃんの体調が心配なんだ。これは仲間として、マネージャーとして、彼氏として当たり前のことだろ……うん。」
「……何してるのあんた?」
と、1人で自問自答しているとそこに呆れた顔をした桃姉さんがやって来る。
「これは違うんだ!オレは彩芽ちゃんが心配で!」
「うるさい。彩芽ちゃんが寝てたらどうするのよ」
「うっ……」
まぁ正論なので何も言えない。しかし彩芽ちゃんのことが心配なのは事実だ。
「颯太。『ましのん』配信は休ませなさい。無理して配信させるわけにはいかないから。あんた1人でやりなさい」
「え?でも今日の企画は彩芽ちゃんの初企画で……」
「……だとしてもよ。配信を告知している以上、穴はあけられないし、今回の企画は内容を変更するわけにもいかないでしょ?事務所スタッフだって、参加するライバーさんだってスケジュールがある。これは仕事なの。彩芽ちゃんには申し訳ないけど理解して」
理解はしている。それにオレだって体調不良の彩芽ちゃんを配信には出させたくない。一生懸命準備していたのにな……
「彩芽ちゃんにはあんたがきちんと説明しなさい。今日の配信は21時から。14時には公式から『双葉かのん』の体調不良による配信欠席のお知らせをする。そのあとはSNSで『姫宮ましろ』からもお知らせしなさい」
「……分かった」
「颯太。あんたはライバーでもあり『双葉かのん』のマネージャー。気持ちは私にも分かるわ。でもねスケジュール以外にも体調、メンタルの管理。これもマネージャーの仕事よ?」
「ああ」
桃姉さんに言われてオレは自分の無力さを痛感した。体調を崩している彩芽ちゃんに無理をさせないこと、これ以上悪化させないことがマネージャーとして出来ることなのにな……
桃姉はそんなオレを見かねてか、「まぁそんなに落ち込むんじゃないわよ」と言ってオレの背中を叩く。とりあえず彩芽ちゃんに伝えないとな……
オレはそのまま彩芽ちゃんの部屋に入るとベッドで眠る彩芽ちゃんがいた。その寝顔はどこかまだ辛そうで、思わずオレは彩芽ちゃんの頭を撫でてしまう。
すると彩芽ちゃんはゆっくりと目を開け、そしてオレを見ると嬉しそうに微笑んだ。しかしすぐに辛そうな表情に戻り、オレに謝るように呟く。
「迷惑かけてすみません……」
「ううん。オレの方こそ、体調が悪いのを気づいてあげられなくてごめん」
「颯太さんは……悪く……ありません。だから……気にしないでください」
「ありがとう……あの彩芽ちゃん?今日の『ましのん』なんだけど……配信は休みにしよう。彩芽ちゃんの体調の方が大事だから」
「え……」
自分が考えた初企画。辛いしショックだろうな……そんな彩芽ちゃんにオレそのまま話す。
「無理をして配信してもリスナーさんや他のライバーさんに迷惑がかかるだけだ。今回はちゃんと休むこと、そしてまた元気な姿でリスナーさんたちの前にいることが1番大事なことなんだ」
「……」
何も答えない彩芽ちゃん。だけど彩芽ちゃんのためにも、そしてリスナーさんやライバーさんの期待を裏切らせないためにも休むことが必要だから
「初企画なのにゴメン」
「……いいえ。分かりました……あの……配信頑張ってください」
「うん。彩芽ちゃんが企画した配信だから、頑張るよ」
「あの……私……お休みなんですよね?」
「そうだよ。今日で体調治すようにゆっくり休んで」
「なら……颯太さんに甘えたいなぁ……とか……思ったり……して?」
彩芽ちゃんは熱のせいなのか恥ずかしいのか顔を赤くしながら、チラッとオレを見つめながらとんでもないことを言い出した。
「あの……彩芽ちゃん?」
「ダメですか……?」
「いや全然そんなことないけど……」
「じゃあ……看病して……ほしいです」
めっちゃ可愛い……。オレは配信準備まで色々と彩芽ちゃんの看病をすることにした。マネージャーとしてのオレの仕事も重要だが、何よりオレは彩芽ちゃんを1人の女の子として支えてあげたいと決めたから……彼氏だしな。
そして翌日。今日は『ましのん』の企画配信日。オレは今、彩芽ちゃんの様子を確認しようと部屋の前にいる。ちなみに……もうすでにこうして数十分。
「いや……別に何かしようとしているわけじゃない。彩芽ちゃんの体調が心配なんだ。これは仲間として、マネージャーとして、彼氏として当たり前のことだろ……うん。」
「……何してるのあんた?」
と、1人で自問自答しているとそこに呆れた顔をした桃姉さんがやって来る。
「これは違うんだ!オレは彩芽ちゃんが心配で!」
「うるさい。彩芽ちゃんが寝てたらどうするのよ」
「うっ……」
まぁ正論なので何も言えない。しかし彩芽ちゃんのことが心配なのは事実だ。
「颯太。『ましのん』配信は休ませなさい。無理して配信させるわけにはいかないから。あんた1人でやりなさい」
「え?でも今日の企画は彩芽ちゃんの初企画で……」
「……だとしてもよ。配信を告知している以上、穴はあけられないし、今回の企画は内容を変更するわけにもいかないでしょ?事務所スタッフだって、参加するライバーさんだってスケジュールがある。これは仕事なの。彩芽ちゃんには申し訳ないけど理解して」
理解はしている。それにオレだって体調不良の彩芽ちゃんを配信には出させたくない。一生懸命準備していたのにな……
「彩芽ちゃんにはあんたがきちんと説明しなさい。今日の配信は21時から。14時には公式から『双葉かのん』の体調不良による配信欠席のお知らせをする。そのあとはSNSで『姫宮ましろ』からもお知らせしなさい」
「……分かった」
「颯太。あんたはライバーでもあり『双葉かのん』のマネージャー。気持ちは私にも分かるわ。でもねスケジュール以外にも体調、メンタルの管理。これもマネージャーの仕事よ?」
「ああ」
桃姉さんに言われてオレは自分の無力さを痛感した。体調を崩している彩芽ちゃんに無理をさせないこと、これ以上悪化させないことがマネージャーとして出来ることなのにな……
桃姉はそんなオレを見かねてか、「まぁそんなに落ち込むんじゃないわよ」と言ってオレの背中を叩く。とりあえず彩芽ちゃんに伝えないとな……
オレはそのまま彩芽ちゃんの部屋に入るとベッドで眠る彩芽ちゃんがいた。その寝顔はどこかまだ辛そうで、思わずオレは彩芽ちゃんの頭を撫でてしまう。
すると彩芽ちゃんはゆっくりと目を開け、そしてオレを見ると嬉しそうに微笑んだ。しかしすぐに辛そうな表情に戻り、オレに謝るように呟く。
「迷惑かけてすみません……」
「ううん。オレの方こそ、体調が悪いのを気づいてあげられなくてごめん」
「颯太さんは……悪く……ありません。だから……気にしないでください」
「ありがとう……あの彩芽ちゃん?今日の『ましのん』なんだけど……配信は休みにしよう。彩芽ちゃんの体調の方が大事だから」
「え……」
自分が考えた初企画。辛いしショックだろうな……そんな彩芽ちゃんにオレそのまま話す。
「無理をして配信してもリスナーさんや他のライバーさんに迷惑がかかるだけだ。今回はちゃんと休むこと、そしてまた元気な姿でリスナーさんたちの前にいることが1番大事なことなんだ」
「……」
何も答えない彩芽ちゃん。だけど彩芽ちゃんのためにも、そしてリスナーさんやライバーさんの期待を裏切らせないためにも休むことが必要だから
「初企画なのにゴメン」
「……いいえ。分かりました……あの……配信頑張ってください」
「うん。彩芽ちゃんが企画した配信だから、頑張るよ」
「あの……私……お休みなんですよね?」
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「なら……颯太さんに甘えたいなぁ……とか……思ったり……して?」
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「あの……彩芽ちゃん?」
「ダメですか……?」
「いや全然そんなことないけど……」
「じゃあ……看病して……ほしいです」
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