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71. サキちゃんの悩み
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71. サキちゃんの悩み
午前中の授業が終わり、あたしはいつものメンバーで学食へ向かう。あ~お腹空いたな。何食べようかな?ここは定番のカレーライスにしよう!
「いただきます!うん美味しい!」
「凛花ちゃんはいつも美味しいそうに食べるね?」
「えっそうかな?」
だって本当に美味しいんだもん。特にこのカレーライスは絶品だよ!あたしがふと目の前にいるサキちゃんを見ると、全然箸が進んでいない。それどころか何かあったのか、ため息をつく。
「はぁ……。」
「どうかしたのサキちゃん?ため息なんかついて?それにそんなに暗い顔して?」
「あっごめんね。ちょっと色々あってさ。」
「色々って?」
「実はね、昨日私が所属しているバスケットボール部の男子の先輩からデートに誘われたんだ……。」
それを聞いた春菜ちゃんは驚きの声を上げる。デート!? それはまた急展開だね。もしかしてその先輩がサキちゃんのことを好きになったとか? でも、それがどうして落ち込んでいる理由になるんだろうか? すると今度は衣吹ちゃんが話し始める。
「麻宮さんはあまり乗り気じゃなさそうだね?」
「まぁね……」
「なんで悩んでいるの?」
「いや、確かに誘われたこと自体は嬉しいんだけど、私には好きな人がいるからどうしたらいいのかなって思って……。」
サキちゃんは本当に恋愛に関しては真面目だ。というかサキちゃん好きな人いるんだぁ……あまり恋愛の話しとかはしないから初めて聞いたかも。
「それならそのサキちゃんの好きな人に告白すれば良いじゃん!そして彼氏いるからゴメンって言えば?」
「簡単に言わないでよ春菜!私にとっては結構大事なことなんだから!それにそんな勇気ないよ……。」
「私は断ったほうがいいと思うよ。相手の先輩に気を持たせちゃうのは悪いし。どっちつかずで中途半端な対応が一番相手を傷つけちゃうよ?そう思わない?ねっ凛花ちゃん?」
「えっ!?あっうん……あたしもそう思う……」
なぜか衣吹ちゃんはあたしをチラ見しながらサキちゃんに言う。絶対あたしの事言っているよ衣吹ちゃんは……。確かにその通りだけどさ……。
「うん。そうしようかな……ありがとうみんな。」
サキちゃんは少し笑顔になった。良かった。やっぱり元気がないとこっちまで気分が落ち込むもんね。
放課後になり、あたしは小説演劇同好会の部室に向かう。扉を開けると中には結愛先パイがいた。
「結愛先パイ。」
「来たわね凛花。待ってたわよ。」
「待ってた?何かやるんですか?」
「あなたに会いたかっただけ。」
そう言って笑顔になる結愛先パイ。その顔を見るとあたしも恥ずかしくなる。あたしも会いたいし。そして今日のお昼にあった事を結愛先パイに話す。
「麻宮さんがねぇ……。まぁ私も不服だけど水瀬さんの意見に賛成かしら?」
「そうですよね……なんかごめんなさい。」
「なんであなたが謝るの?」
結愛先パイは首を傾げる。あたしは自分の事を改めて反省する。
「それにしてもデートのお誘いか……その人は勇気を出して誘ったと思うわよ?」
「ですよね。結愛先パイはあまり勇気とか出さずに誘えそうですけどね?」
「あのさ凛花。私は普通の人の何倍も緊張して誘うのよ?女の子が好きなんだから。相手は女の子が好きかも分からないし、結構気を使ってるのよ。これでも。」
「それってあたしの事ですか?」
結愛先パイは頬を赤く染めながらそっぽ向く。可愛いなぁ。でも確かに結愛先パイの言う通りかもしれない。あたしも最初は本当に不安だったし。それからしばらく沈黙が続く。結愛先パイが口を開く。
「ねぇ凛花。私と付き合って良かった?」
「はい。なんでですか?あたしと同じく不安になりました?あたしは結愛先パイの好きなところいっぱい言えますよ?」
あたしが即答で言うと、結愛先パイの顔はさらに赤くなった。えっ?もしかして照れてる? こんな表情初めて見た。そんな事を考えると、さらに結愛先パイが可愛くて仕方なくなる。
「そうだ!今週末に結愛先パイの家に行ってもいいですか?」
「別に構わないわよ。」
「あたし、プリン作れるようになったんですよ!まだレシピ見ながらだけど……。結愛先パイの好きなプリン作りたい!」
「ふーん。楽しみにしてる。」
結愛先パイはあたしの言葉を聞いて、微笑んでくれた。
そして次の日の放課後。今日は部活がないのであたしは本屋によることにする。昨日のサキちゃんの話を聞いて無性に恋愛小説が読みたくなったからだ。そしてあたしは小説のコーナーに行くと、見覚えのある人影が見えた。あれ?サキちゃん?
「サキちゃん。」
「凛花?凛花も小説買いに来たの?」
「うん。サキちゃんも?」
「なんかさ……私さ昨日あのあと先輩からのデートの誘いを断ったんだよね。それで色々考えちゃってさ……。」
やっぱり落ち込んでいる。サキちゃんは優しいからな。別にサキちゃんが悪い訳じゃないのに……。
「だから恋愛小説読んで少し気分転換しようと思って……。」
「そっか。それなら一緒に探そうか!あたしがサキちゃんにおすすめのやつ選んであげる。」
「ありがとう凛花。」
サキちゃんは嬉しそうに恋愛小説を探し始める。サキちゃんの気持ちは凄く分かる。あたしも衣吹ちゃんに同じような事をしちゃったから……。
あたし達は恋愛小説を探す。すると、あるタイトルの本が目に入る。
「これなんか良さそう。【初恋ダイアリー】。どうサキちゃん?」
「これ百合小説だよ?最近凛花そういうのばかり読んでない?」
「これは昔に映画化もされたいい作品だから読んでみて!感動するよ。私も流行ってたから買ったんだよね昔に」
あたしはそう言ってその本をサキちゃんに渡すとサキちゃんはそのままお会計をする。確か【初恋ダイアリー】なら昔買った気がするから、あたしも家に帰って読んで見ようっと!
午前中の授業が終わり、あたしはいつものメンバーで学食へ向かう。あ~お腹空いたな。何食べようかな?ここは定番のカレーライスにしよう!
「いただきます!うん美味しい!」
「凛花ちゃんはいつも美味しいそうに食べるね?」
「えっそうかな?」
だって本当に美味しいんだもん。特にこのカレーライスは絶品だよ!あたしがふと目の前にいるサキちゃんを見ると、全然箸が進んでいない。それどころか何かあったのか、ため息をつく。
「はぁ……。」
「どうかしたのサキちゃん?ため息なんかついて?それにそんなに暗い顔して?」
「あっごめんね。ちょっと色々あってさ。」
「色々って?」
「実はね、昨日私が所属しているバスケットボール部の男子の先輩からデートに誘われたんだ……。」
それを聞いた春菜ちゃんは驚きの声を上げる。デート!? それはまた急展開だね。もしかしてその先輩がサキちゃんのことを好きになったとか? でも、それがどうして落ち込んでいる理由になるんだろうか? すると今度は衣吹ちゃんが話し始める。
「麻宮さんはあまり乗り気じゃなさそうだね?」
「まぁね……」
「なんで悩んでいるの?」
「いや、確かに誘われたこと自体は嬉しいんだけど、私には好きな人がいるからどうしたらいいのかなって思って……。」
サキちゃんは本当に恋愛に関しては真面目だ。というかサキちゃん好きな人いるんだぁ……あまり恋愛の話しとかはしないから初めて聞いたかも。
「それならそのサキちゃんの好きな人に告白すれば良いじゃん!そして彼氏いるからゴメンって言えば?」
「簡単に言わないでよ春菜!私にとっては結構大事なことなんだから!それにそんな勇気ないよ……。」
「私は断ったほうがいいと思うよ。相手の先輩に気を持たせちゃうのは悪いし。どっちつかずで中途半端な対応が一番相手を傷つけちゃうよ?そう思わない?ねっ凛花ちゃん?」
「えっ!?あっうん……あたしもそう思う……」
なぜか衣吹ちゃんはあたしをチラ見しながらサキちゃんに言う。絶対あたしの事言っているよ衣吹ちゃんは……。確かにその通りだけどさ……。
「うん。そうしようかな……ありがとうみんな。」
サキちゃんは少し笑顔になった。良かった。やっぱり元気がないとこっちまで気分が落ち込むもんね。
放課後になり、あたしは小説演劇同好会の部室に向かう。扉を開けると中には結愛先パイがいた。
「結愛先パイ。」
「来たわね凛花。待ってたわよ。」
「待ってた?何かやるんですか?」
「あなたに会いたかっただけ。」
そう言って笑顔になる結愛先パイ。その顔を見るとあたしも恥ずかしくなる。あたしも会いたいし。そして今日のお昼にあった事を結愛先パイに話す。
「麻宮さんがねぇ……。まぁ私も不服だけど水瀬さんの意見に賛成かしら?」
「そうですよね……なんかごめんなさい。」
「なんであなたが謝るの?」
結愛先パイは首を傾げる。あたしは自分の事を改めて反省する。
「それにしてもデートのお誘いか……その人は勇気を出して誘ったと思うわよ?」
「ですよね。結愛先パイはあまり勇気とか出さずに誘えそうですけどね?」
「あのさ凛花。私は普通の人の何倍も緊張して誘うのよ?女の子が好きなんだから。相手は女の子が好きかも分からないし、結構気を使ってるのよ。これでも。」
「それってあたしの事ですか?」
結愛先パイは頬を赤く染めながらそっぽ向く。可愛いなぁ。でも確かに結愛先パイの言う通りかもしれない。あたしも最初は本当に不安だったし。それからしばらく沈黙が続く。結愛先パイが口を開く。
「ねぇ凛花。私と付き合って良かった?」
「はい。なんでですか?あたしと同じく不安になりました?あたしは結愛先パイの好きなところいっぱい言えますよ?」
あたしが即答で言うと、結愛先パイの顔はさらに赤くなった。えっ?もしかして照れてる? こんな表情初めて見た。そんな事を考えると、さらに結愛先パイが可愛くて仕方なくなる。
「そうだ!今週末に結愛先パイの家に行ってもいいですか?」
「別に構わないわよ。」
「あたし、プリン作れるようになったんですよ!まだレシピ見ながらだけど……。結愛先パイの好きなプリン作りたい!」
「ふーん。楽しみにしてる。」
結愛先パイはあたしの言葉を聞いて、微笑んでくれた。
そして次の日の放課後。今日は部活がないのであたしは本屋によることにする。昨日のサキちゃんの話を聞いて無性に恋愛小説が読みたくなったからだ。そしてあたしは小説のコーナーに行くと、見覚えのある人影が見えた。あれ?サキちゃん?
「サキちゃん。」
「凛花?凛花も小説買いに来たの?」
「うん。サキちゃんも?」
「なんかさ……私さ昨日あのあと先輩からのデートの誘いを断ったんだよね。それで色々考えちゃってさ……。」
やっぱり落ち込んでいる。サキちゃんは優しいからな。別にサキちゃんが悪い訳じゃないのに……。
「だから恋愛小説読んで少し気分転換しようと思って……。」
「そっか。それなら一緒に探そうか!あたしがサキちゃんにおすすめのやつ選んであげる。」
「ありがとう凛花。」
サキちゃんは嬉しそうに恋愛小説を探し始める。サキちゃんの気持ちは凄く分かる。あたしも衣吹ちゃんに同じような事をしちゃったから……。
あたし達は恋愛小説を探す。すると、あるタイトルの本が目に入る。
「これなんか良さそう。【初恋ダイアリー】。どうサキちゃん?」
「これ百合小説だよ?最近凛花そういうのばかり読んでない?」
「これは昔に映画化もされたいい作品だから読んでみて!感動するよ。私も流行ってたから買ったんだよね昔に」
あたしはそう言ってその本をサキちゃんに渡すとサキちゃんはそのままお会計をする。確か【初恋ダイアリー】なら昔買った気がするから、あたしも家に帰って読んで見ようっと!
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