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81. 知っている
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81. 知っている
文化祭が終わり、またいつもの日常に戻る。あたしは今教室で、授業を受けている最中だ。そう言えば、次は秋のスポーツ大会だな。うわぁ~、めんどくさっ! あたしは机に突っ伏しながら、窓の外を眺める。外を見ると、校庭では女子たちが楽しげに話している声が聞こえてきた。
あー、みんな青春してんなー……って何言ってんだろ、あたし。花咲学園は体育祭の代わりに秋のスポーツ大会がある。クラスの中で3つほど出たい競技に参加するというもの。つまりクラス対抗。まあ、クラスの結束を深めるためとかそういう理由らしいけど……正直、あたしにはよく分からない。
だってあたしは運動苦手だし。それに、あたしにとって体育祭もスポーツ大会も同じようなものだしさ。ただ単に面倒くさいだけなんだよね。
授業が終わり休み時間。隣の席の衣吹ちゃんが話しかけてくる。
「凛花ちゃん。次のスポーツ大会の種目決めた?」
「ううん。女子はバレーかバスケットかソフトボールでしょ?どれも苦手……。そういえばサキちゃんはバスケット部なのにソフトボールに出るって言ってたな。なんで?」
「凛花ちゃん。それは、その部活の人はその競技出れないことになってるからだよ?一応全員がスポーツ大会楽しめるようにって。少しは興味もとうね。」
え!?そうなの!?それなら最初から教えておいてよ!!バスケ部なのになんでソフトボールに出るのかと疑問だったんだよなー。
まぁそれを知って何かになるわけじゃないけどさ……。とりあえずサキちゃんが出るならあたしもソフトボールにしようかな……。自信ないけど。
そして放課後。あたしは部室に急いでいく。特に急ぐ理由はないけど、結愛先パイに早く会いたいし!
あたしはドアを開ける。そこにはもうすでに結愛先パイがいた。結愛先パイは椅子に座って本を読んているようだ。
「あら?走ってきたの?」
「少しでも早く結愛先パイに会いたくて。」
「ここ学校よ?もしかして我慢できないの?」
「違いますよ!そういう意味じゃないですよ!もう……。」
あたしは少し膨れてみる。でもすぐに笑顔に戻った。結愛先パイは優しい目をしながらこっちを見てくれてる。なんか嬉しいかも……。
「そういえば結愛先パイはスポーツ大会何の競技に出るんですか?」
「私?出ないけど。」
……そうだよね。聞いたあたしが悪い。結愛先パイは学校の催しとかに参加する人じゃないか。この前はあたしが……。ん?それならあたしがお願いすれば参加するのでは?……よし!ここは一つ頼んでみよう! あたしは勢い良く立ち上がる。
すると結愛先パイはびっくりした表情をしていた。どうやらいきなり立ち上がったことに驚いているようだ。そんなことは気にしないで続ける。まず深呼吸をして落ち着く。
「あの結愛先パ……」
「今回は出ないわよ。あなたに頼まれてもね?」
「いや、まだ何も言ってませんけど……。」
あたしが言い終わる前に断られた。まぁ、分かっていたことだけれど。それにしてもなぜ分かったんだろう……?
「あなたの考えてることなんてすぐ分かるもの。」
「そ、そうですか……。」
「それに私は球技とか苦手だから。そもそもスポーツとかあまり好きではないの。」
そう言うと、結愛先パイはまた本を読み始めた。どうせ、得意でも出ないでしょ。
「そういう凛花は何に出るの?」
「あたしは一応ソフトボールにしようかなと思ってます。」
「あなた。ボール打てるの?この前の体育のテニスの時、派手に空振りしてたけど?」
「なんで知ってるんですか!?」
「さぁ?なんでかしらね?」
もしかして結愛先パイ、あたしの体育の授業を教室から見てるの?うぅ……恥ずかしい……。授業に集中してほしいんですけど……。まあ、ソフトボールならなんとかなるだろう。うん。きっと大丈夫だ。……多分。
「まあ頑張ってね。」
「はい!」
あたしが返事をすると、結愛先パイは小さく笑った。その顔が可愛くて、つい見惚れてしまう。本当に綺麗な顔をしていると思う。そして長い黒髪がよく似合っている。
「凛花。ここ学校よ?そんなに求められてもここでは何もできないわ。」
「そんなことを考えてませんよ!結愛先パイじゃあるまいし!」
「ふーん。本当かしら?私よりあなたのほうが興味ありそうだけど?」
そう言って結愛先パイはあたしに詰め寄る。その手には乗らない。あたしだって成長してるんだから!あたしは立ち上がり逆に結愛先パイを壁に追い詰めた。
結愛先パイの顔は赤く染まっている。その表情はとても色っぽくてドキッとした。そして、結愛先パイはあたしのほうを見て微笑む。その笑顔がとても可愛い。
「その手にはのりません。結愛先パイの考えてることくらい分かります。」
「ふふっ。さすがね凛花。でもそれ……後ろの人に説明できる?」
「どういう意味ですか……?」
あたしが振り向くとそこには天道生徒会長がいた。なんでここにいるの!?というかいつからそこに!?全然気づかなかったんだけど……。
「何してるんですか小鳥遊さん。新堂さん……?」
「見て分かるでしょ?学校内で襲われてるのよ。」
「ちが…違いますよ!天道生徒会長!」
あたしは必死に弁明する。なんてタイミングが悪いんだ……。
「仲がいいのはいいのですが、風紀を乱すのは関心しませんね?他の生徒が見たらどうするんですか?」
「そんなに怒るんじゃないわよ天道真白。凛花は人より性欲が強いのよ。我慢できないことだってあるじゃない。恥ずかしいんだから言わせるんじゃないわよ」
「ややこしくなるから結愛先パイはもう黙っててください!」
お互いを知りすぎてるのも良くないな……。こうしてあたしと結愛先パイは天道生徒会長のお説教を受けるのでした。
文化祭が終わり、またいつもの日常に戻る。あたしは今教室で、授業を受けている最中だ。そう言えば、次は秋のスポーツ大会だな。うわぁ~、めんどくさっ! あたしは机に突っ伏しながら、窓の外を眺める。外を見ると、校庭では女子たちが楽しげに話している声が聞こえてきた。
あー、みんな青春してんなー……って何言ってんだろ、あたし。花咲学園は体育祭の代わりに秋のスポーツ大会がある。クラスの中で3つほど出たい競技に参加するというもの。つまりクラス対抗。まあ、クラスの結束を深めるためとかそういう理由らしいけど……正直、あたしにはよく分からない。
だってあたしは運動苦手だし。それに、あたしにとって体育祭もスポーツ大会も同じようなものだしさ。ただ単に面倒くさいだけなんだよね。
授業が終わり休み時間。隣の席の衣吹ちゃんが話しかけてくる。
「凛花ちゃん。次のスポーツ大会の種目決めた?」
「ううん。女子はバレーかバスケットかソフトボールでしょ?どれも苦手……。そういえばサキちゃんはバスケット部なのにソフトボールに出るって言ってたな。なんで?」
「凛花ちゃん。それは、その部活の人はその競技出れないことになってるからだよ?一応全員がスポーツ大会楽しめるようにって。少しは興味もとうね。」
え!?そうなの!?それなら最初から教えておいてよ!!バスケ部なのになんでソフトボールに出るのかと疑問だったんだよなー。
まぁそれを知って何かになるわけじゃないけどさ……。とりあえずサキちゃんが出るならあたしもソフトボールにしようかな……。自信ないけど。
そして放課後。あたしは部室に急いでいく。特に急ぐ理由はないけど、結愛先パイに早く会いたいし!
あたしはドアを開ける。そこにはもうすでに結愛先パイがいた。結愛先パイは椅子に座って本を読んているようだ。
「あら?走ってきたの?」
「少しでも早く結愛先パイに会いたくて。」
「ここ学校よ?もしかして我慢できないの?」
「違いますよ!そういう意味じゃないですよ!もう……。」
あたしは少し膨れてみる。でもすぐに笑顔に戻った。結愛先パイは優しい目をしながらこっちを見てくれてる。なんか嬉しいかも……。
「そういえば結愛先パイはスポーツ大会何の競技に出るんですか?」
「私?出ないけど。」
……そうだよね。聞いたあたしが悪い。結愛先パイは学校の催しとかに参加する人じゃないか。この前はあたしが……。ん?それならあたしがお願いすれば参加するのでは?……よし!ここは一つ頼んでみよう! あたしは勢い良く立ち上がる。
すると結愛先パイはびっくりした表情をしていた。どうやらいきなり立ち上がったことに驚いているようだ。そんなことは気にしないで続ける。まず深呼吸をして落ち着く。
「あの結愛先パ……」
「今回は出ないわよ。あなたに頼まれてもね?」
「いや、まだ何も言ってませんけど……。」
あたしが言い終わる前に断られた。まぁ、分かっていたことだけれど。それにしてもなぜ分かったんだろう……?
「あなたの考えてることなんてすぐ分かるもの。」
「そ、そうですか……。」
「それに私は球技とか苦手だから。そもそもスポーツとかあまり好きではないの。」
そう言うと、結愛先パイはまた本を読み始めた。どうせ、得意でも出ないでしょ。
「そういう凛花は何に出るの?」
「あたしは一応ソフトボールにしようかなと思ってます。」
「あなた。ボール打てるの?この前の体育のテニスの時、派手に空振りしてたけど?」
「なんで知ってるんですか!?」
「さぁ?なんでかしらね?」
もしかして結愛先パイ、あたしの体育の授業を教室から見てるの?うぅ……恥ずかしい……。授業に集中してほしいんですけど……。まあ、ソフトボールならなんとかなるだろう。うん。きっと大丈夫だ。……多分。
「まあ頑張ってね。」
「はい!」
あたしが返事をすると、結愛先パイは小さく笑った。その顔が可愛くて、つい見惚れてしまう。本当に綺麗な顔をしていると思う。そして長い黒髪がよく似合っている。
「凛花。ここ学校よ?そんなに求められてもここでは何もできないわ。」
「そんなことを考えてませんよ!結愛先パイじゃあるまいし!」
「ふーん。本当かしら?私よりあなたのほうが興味ありそうだけど?」
そう言って結愛先パイはあたしに詰め寄る。その手には乗らない。あたしだって成長してるんだから!あたしは立ち上がり逆に結愛先パイを壁に追い詰めた。
結愛先パイの顔は赤く染まっている。その表情はとても色っぽくてドキッとした。そして、結愛先パイはあたしのほうを見て微笑む。その笑顔がとても可愛い。
「その手にはのりません。結愛先パイの考えてることくらい分かります。」
「ふふっ。さすがね凛花。でもそれ……後ろの人に説明できる?」
「どういう意味ですか……?」
あたしが振り向くとそこには天道生徒会長がいた。なんでここにいるの!?というかいつからそこに!?全然気づかなかったんだけど……。
「何してるんですか小鳥遊さん。新堂さん……?」
「見て分かるでしょ?学校内で襲われてるのよ。」
「ちが…違いますよ!天道生徒会長!」
あたしは必死に弁明する。なんてタイミングが悪いんだ……。
「仲がいいのはいいのですが、風紀を乱すのは関心しませんね?他の生徒が見たらどうするんですか?」
「そんなに怒るんじゃないわよ天道真白。凛花は人より性欲が強いのよ。我慢できないことだってあるじゃない。恥ずかしいんだから言わせるんじゃないわよ」
「ややこしくなるから結愛先パイはもう黙っててください!」
お互いを知りすぎてるのも良くないな……。こうしてあたしと結愛先パイは天道生徒会長のお説教を受けるのでした。
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