小説女優《ノベルアクトレス》～あたしは小説を演じて、小悪魔先パイに分からされちゃう？？？～

あとがき

ここまでお読みいただきありがとうございました。

最後は凛花ちゃんも結愛先パイも自分なりの『幸せ』に向かって二人だけの物語を演じていく。ハッピーエンドで良かったですね。

この物語はあっという間に書き終えた印象でした。初めて筆がすごく進みました。大体2週間くらいでしたかね。せっかくなので多少のネタバレを含みますが思い出を語りたいと思います(。・_・。)ノ

《キャラクター》
【新堂凛花について】
凛花ちゃんは思春期女子高生の悩みをありのまま体現している女の子ですね。勉強も運動も苦手で、胸の大きさとかおしゃれとかも友達と比べたりもします。そして結愛先パイに分からせられたあとは自分がエッチなのかもと悩んだりしますね。押しに弱くて恋に悩んで少しメンヘラで色々な表情を見せてくれます。本当にこの20万文字を書き終えられたのは凛花ちゃんのおかげですかね。

【小鳥遊結愛について】
結愛先パイは美人で綺麗でお金持ち。そして凛花のことを手のひらで転がすようにからかう小悪魔先パイです。でもそんな結愛先パイは『女の子が好き』といういわゆるLGBTの『L』で、その事実があって中学生のときは不登校になります。結愛先パイの両親はそんな結愛先パイを認めず、高校卒業まで離れて暮らし卒業後は決めた相手と結婚させようとしてます。だからこそ両親とは仲が悪いです。作中のキャラクターで一番繊細でメンタルが弱いのも結愛先パイです。ただ最後は凛花ちゃんや衣吹ちゃんのおかげで前を向いて歩くことができましたね。凛花ちゃんとの対比が取れた素晴らしい先パイとして描けていたら嬉しいですね。

【水瀬衣吹について】
言わずもながこの物語のキーキャラクターですね。衣吹ちゃんは凛花ちゃんと違って勉強も運動もできて、可愛いし色々な人から告白もされるくらいの完璧超人です。そして結愛先パイと同じ、凛花ちゃんのことを好きになる人物で、理由は違いますが中学生のときイジメられて不登校になります。そんな結愛先パイと共通点が多い衣吹ちゃんは初めから凛花ちゃんの気持ちが自分に向いていないのを理解しています。でも高校生なので好きな気持ちは抑えられない時もあって、色々凛花ちゃんを惑わせてしまいますね。それでも凛花ちゃんの幸せを願って一歩引いて結愛先パイを叱咤激励する重要なポジションとして描いています。本当に損な役回りで可哀想な思いばかりさせてしまいましたけど、いつかは衣吹ちゃんも幸せになる物語を描きたいですね。

【日下部春菜について】
春菜ちゃんは仲良しグループの中でも一番流行に敏感な今どきのJKです。人の色恋話やおしゃれが大好き。でも勉強は苦手です。文化祭のメイド服試着でピッタリと本人が言ってるのでスタイルは凛花ちゃんよりも良いです。そして大体みんなが集まって何かをするのは春菜ちゃんの一言から始まります。お泊まり勉強会や部活動密着、海のプチ旅行、ハロウィンパーティーも春菜ちゃん発信ですね。そんな春菜ちゃんはすごいポジティブでアグレッシブ。思い立ったら即行動する友達思いの女の子です。文化祭で結愛先パイと一緒に回りたかった凛花ちゃんのために、予備のメイド服を持ってきて真白先パイに当番を手伝ってもらうことを提案したり、結愛先パイと離れてしまった凛花ちゃんに『結愛先パイと付き合ってるの』と聞くのも春菜ちゃんです。本人は彼氏が欲しそうなのに唯一誰にも告白やデートに誘われない残念女子になっちゃいました。ごめんね春菜ちゃん。

【麻宮サキについて】
サキちゃんは春菜ちゃんとは真逆でいつも落ち着いていて、物事を俯瞰で見ている女の子です。勉強は普通で、バスケットボール部なので運動は得意。性格はクールというよりは物静かで真面目。部活の先輩からデートに誘われて悩んだりもします。意外にも可愛いものが好きで私服も可愛らしい格好をしています。そしてサキちゃんは凛花ちゃんが結愛先パイのことが好きなのを早めの段階で気づいています。最初の方は凛花ちゃんを心配していますが途中からは何も言わなくなります。気づいた方がいるかは分かりませんが、大体物語の中で凛花ちゃんが新しい小説を買うときにはサキちゃんがいます。夏のプチ旅行に結愛先パイが来れなくなって落ち込んでた時に水着を一緒に買いに誘ってくれたり、凛花ちゃんが結愛先パイと離れて落ち込んでいた時に誘ってくれるのもサキちゃんで、『たまには私とも遊んでよ』と凛花ちゃんが来やすいように言ってくれるのも優しいですよね。何となく気づいているけど、本人が言うまで待っている。でも困っている時は助ける姉御肌で優しい友達です。惚れちゃいますよね。

【天道真白について】
真白先パイは生徒会長で結愛先パイのクラスメートで担任の先生から結愛先パイの中学生の時の話を聞いている人物です。自分なりに結愛先パイと仲良くしようとしていますが、結愛先パイはああいう面倒な性格なので上手くいっていませんでした。でも凛花ちゃんと出会ってからの結愛先パイの変化に気づいていて2人を応援してくれる人物ですね。出番は少なかったですけど要所で活躍してもらいました。ありがとう真白先パイ。

《物語に出てくる小説と意味》
この物語は『小説』を演じながら恋をしていくというメインのパートと女子高校生の日常を描いたパートがあります。その中の『小説』には凛花ちゃんと結愛先パイ、そして衣吹ちゃんの関係性や意味があります。

ここだけの話ですが、出てくる『小説』のあらすじを考えるのが一番大変だったかも……

Story.1　～【日向に咲き誇る】
テーマは《百合の芽生え》です。凛花ちゃんが初めて演じた小説ですね。演じたのは同名の日咲凛花。ここでは凛花ちゃんのファーストキスが行われます。結愛先パイは『部活動の一環だけどあなたの気持ちまで強制するつもりはないわ』と言います。これは自分は女の子が好き。でも凛花ちゃんは分からない。ここまで凛花ちゃんを振り回してきたのに、結愛先パイの臆病な部分が出てます。結局凛花ちゃんは『今は日咲凛花になっている』と言って実演します。小説のセリフに『いつもはしっかり者で、クールな表情をしていることが多い彼女がこんなにも無防備な姿を見せてくれることが嬉しいから。』感情移入している凛花ちゃんが結愛先パイのそういう姿が見たかったというのも理由かもしれませんね

Story.2　～【青い春の風】
テーマは《恋について》です。先輩後輩の文芸部のお話で凛花ちゃんと結愛先パイの境遇に似ている小説です。そして小説の中の恋愛だと思っていた女の子同士の恋愛が身近にあることを知るお話で、ここで『小鳥遊先パイ』から『結愛先パイ』と名前で呼び仲が少し深まります。ネットで調べる凛花ちゃんは思春期の女の子が女性同士の経験も有り、という考えを８割程が持っていると知ったり、実際に女の子に告白される衣吹ちゃんに相談され『百合』を身近に感じてしまいます。そしてそんな不安定な感情から結愛先パイにキスしようとしてしまい悩みます。自分の気持ちが分からないまま小説を実演し、その実演中の結愛先パイの顔を見て気づきます。自分は結愛先パイが好きなんだと。

Story.3　～【恋花クローバー】
テーマは《自分の気持ち》です。先輩後輩の2人だけの園芸部のお話でこれも凛花ちゃんと結愛先パイの境遇に似ている小説です。ここでは凛花ちゃんが結愛先パイが自分をどう思っているか知ったり、そして衣吹ちゃんの凛花ちゃんへの気持ちが描かれます。凛花ちゃんは結愛先パイへの気持ちは恋愛感情ではないと決めつけますが、衣吹ちゃんと買ったマグカップを渡せなかったり、しばらく結愛先パイと会えないことを知って寂しくなります。そして衣吹ちゃんと放課後デート中に、可愛くて我慢出来なくなって抱きついたりしてしまいます。もしかしたら結愛先パイも？そう思って2週間ぶりに会った結愛先パイを積極的に攻めます。無事にマグカップも渡せてそしてやっぱり結愛先パイが好きなんだと自覚します。

Anotherstory.1　～【雪月花】
テーマは《共通の恋敵》です。春菜ちゃんの部活動密着で結愛先パイが用意したお話で不登校の女の子がクラスメートの女の子を好きになる。でも最後は相手を思って告白しないで終わる結愛先パイの体験談の小説。ここでは初めて結愛先パイの視点が描かれます。この小説に感情移入する衣吹ちゃんが凛花ちゃんのことを好きなのを見抜きます。だからこそ凛花ちゃんを渡したくない。そして自分に似ていることも認識します。

Anotherstory.2　～【月明かりの秘密の魔法】
テーマは《初めての迷い》です。恋が実るように月に願いを込める切ない女の子のお話で衣吹ちゃんと共にテスト勉強をした時に衣吹ちゃんの部屋で見つけた小説です。ここでは衣吹ちゃんの気持ちが溢れて、凛花ちゃんは衣吹ちゃんともキスをします。衣吹ちゃんは凛花ちゃんの温もりと好きな気持ちを抑えられずに恥ずかしさもありながら凛花ちゃんの横で自慰をします。そしてその衣吹ちゃんを思いながら凛花ちゃんは『みんなしてるんだもんね』と言い訳しながら我慢出来ずに初めて自慰をします。

Story.4　～【あなたへの詩】
テーマは《相手の気持ち》です。曲を作るのが趣味の女の子と男性恐怖症の女の子の恋愛を描いた小説です。ここでは凛花ちゃんが結愛先パイの『好き』という気持ちと小説を演じていない時どう思っているの？と不安になる少しメンヘラの部分が出るお話です。結愛先パイとご両親の関係も少し出てきますね。凛花ちゃんと結愛先パイはお互いに俳句で想いを伝えたり良好な関係になっていきます。そして凛花ちゃんは結愛先パイにきちんと思いを伝えたことなかったことに気づき、結愛先パイに聞いてみると『好き』と言われますが、その『好き』がどのくらいかと不安になって確かめようと結愛先パイを攻めます。結局少し無理やりだったので結愛先パイには怒られますが気持ちを確認することができ、ずっと一緒にいたいと思います。

Anotherstory.3　～【線香花火】
テーマは《叶わぬ恋》です。花火職人の家の高校生の女の子とこの町に引っ越してきたばかりの女の子のひと夏の恋を描いたお話で、プチ旅行で衣吹ちゃんが持ってきた小説です。ここでは叶わないと知っていても後悔はしたくないと衣吹ちゃんは凛花ちゃんに想いを告げます。結愛先パイは高校卒業したら親が決めた相手と結婚するようにと言われ最後まで凛花ちゃんと共にいると決意します。この小説を読んだ凛花ちゃんは衣吹ちゃんに恋愛小説が好きと言われ、自分も変わったと認識します。そしてこの話のメインキャラクターの衣吹ちゃんは、凛花ちゃんの気持ちが自分に向いていないのを理解しています。それでも線香花火のように最初はゆっくり火花を散らして、最後は自分の存在を示すかのように鮮やかに輝き続けて散ります。でも凛花ちゃんはずっと親友でいると約束してくれます。

Anotherstory.4　～【雪月花と線香花火。そして花芽吹く時】
テーマは《初めての告白》です。タイトルの意味は雪月花=結愛先パイ、線香花火=衣吹ちゃん、花芽吹く時=凛花ちゃんを比喩表現であらわしています。ここでは、衣吹ちゃんとラブホテルに行ってしまった気持ちの不安定な大好きな凛花ちゃんの為に衣吹ちゃんが奮闘します。そして過去の出来事から都合良く凛花ちゃんと一緒にいた結愛先パイは心に抱えた恐怖を払拭して、初めて勇気を持って『付き合って』と告白をします。結愛先パイの心の氷を衣吹ちゃんが熱い言葉でとかし、それは凛花ちゃんへと流れていきます。

Story.5　～【Pastelを描いて】
テーマは《2人だけの特別な場所》です。主人公の女の子と双子の姉妹が本当の恋愛の意味について考えるお話で凛花ちゃんが参加するスピーチ大会の課題となる小説です。ここでは衣吹ちゃんのおかげもあって本当の意味で恋人同士になった凛花ちゃんと結愛先パイが2人だけの場所、小説演劇同好会の存続をかけてスピーチ大会に参加します。いつも周りばかり気にしている凛花ちゃんに自信をつけさせる為に結愛先パイは凛花ちゃんに参加させます。天道真白先輩もここで登場しますね。スピーチ大会の結果は結局ダメでしたが、生徒会長の天道真白先輩に認められて2人だけの場所を守ることができます。スピーチ大会の練習の時に、この前ラムネ菓子で騙された凛花ちゃんが結愛先パイのお茶に精力剤を入れてお返しするシーンも描かれますね。

Anotherstory.5　～【隣で輝き咲く一輪花】
テーマは《あなたの一番になりたい》です。星のようにいつも輝くあなたを守りたい私があなたと過ごす日々の中で見つけた"愛しい"という感情のお話で、春菜ちゃんと放課後デート中に凛花ちゃんがおすすめした小説です。ここでは結愛先パイの小説【雪月花】に出てくるヒロインのモデルの中学校のクラスメートの塚原紗奈さんが登場します。凛花ちゃんはそんな紗奈さんと自分を比べて自信を失くして飛び出していきます。そして結愛先パイは凛花ちゃんへの配慮が足りなかったことを謝罪して、初めて凛花ちゃんの両親に挨拶をして家に泊まります。そのあとは改めて結愛先パイの言葉で紗奈さんに凛花ちゃんを彼女と紹介してくれます。そして2人の想いは1つになります。

Story.6　～【初恋ダイアリー】
テーマは《自分たちなりの恋》です。ある日机の中に見つけた一冊の日記に従って恋を実らせようとする切ないお話で、昔に映画化もされた有名な百合小説です。ここでは決められた未来ではなく、自分たちの未来に向かって今一緒にいる大切な時間を歩んでいこうという凛花ちゃんと結愛先パイの決意が描かれます。大好きな結愛先パイの大好物のプリンを作ったり、先の未来の結愛先パイの予定を予約する凛花ちゃんが可愛らしいですよね。そして2人は貴族令嬢とメイドというコスプレのプレイで愛を確かめ合うのもまた今までと違う変化ですね。

Story.7　～【流星群に願いを】
テーマは《相手の幸せを願う》です。雨の中出会った女の子が余命が短くてそれでも一生懸命自分なりに生きていくという切ない百合小説です。ここでは凛花ちゃんと結愛先パイはこの幸せが長く続かないことを薄々感じています。そして何百年に一度の流星群の奇跡にあるお願いをするシーンが描かれます。それは『一緒にいたい』ではなく『幸せになってほしい』というお互いの気持ちが切なく描かれます。それでも結愛先パイは『私たちはこれからよね』と言ってくれる。その気持ちが更に切なさを増していきますね。イチャイチャするシーンは良くありがちな展開ですね。体調が悪くても相手と愛を確かめたいというお決まりのあれです。

Story.8　～【年下彼女】
テーマは《覚悟》です。年下の女の子がアグレッシブに迫って主人公の女の子が振り回される百合小説です。ここでは結愛先パイとの誕生日温泉旅行を終えた凛花ちゃんと結愛先パイが真剣に女性同士の体位、簡単にイかないように特訓します。結局凛花ちゃんは分からせられてしまいますが、今回も反撃に転じますね。オモチャを使ったプレイは必見だったのでは？最後はやっぱりお互いの好きが溢れて終わります。

The last story　～【小説女優】
テーマは《本物の恋愛》です。長く続かないことを薄々感じていた凛花ちゃんと結愛先パイに突然別れがやってきます。ここでは今まで隠していた結愛先パイとのお付き合いをお友達の春菜ちゃんとサキちゃんに打ち明けます。でも2人は親友。凛花ちゃんを協力してくれると言ってくれます。衣吹ちゃんもですが、本当に凛花ちゃんは良いお友達を持ちましたよね。凛花ちゃんはみんなに支えられて結愛先パイを迎えに、結愛先パイは衣吹ちゃんのおかげでまた前を向くことができます。ここでの衣吹ちゃんは格好良くて痺れますよね。無事にまた再会できた凛花ちゃんと結愛先パイはそこに愛があるだけの生活を手に入れます。

月日は流れて結愛先パイの卒業前日。2人は約束の始まりの場所にいき、あの時と同じ会話をします。凛花ちゃんの答えは同じだけど、そこには確かに本物の恋愛があった。そして2人はこれからまだ描かれていない小説を演じるように生きてくことを誓ってこの物語は終わりを迎えます。

クリスマスやバレンタイン、2年生編だったり、色々考えましたが2人のハッピーエンドはこれだと思っているのでここで完結にしました。最後までお読みいただき本当にありがとうございました。機会があれば春菜ちゃんやサキちゃん、もちろん衣吹ちゃんの恋愛模様も書きたいとは思っていますのでそのときはまた後愛読宜しくお願いします。

そして最後に凛花ちゃんと結愛先パイ。ここまで一緒に頑張ってくれてありがとう。幸せになってね。

夕姫