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第4章 使用人とメイドさんと天才魔法士令嬢(後編)
39. 使用人とお付き
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39. 使用人とお付き
そして次の日。いつもの朝なのに大広間までの足取りは重い。今日が最後の使用人としての仕事になるのかな……。女神のようなマリアさんの笑顔は今日で見納めなのか。
「おはようございます」
メイド長のメリッサさんがやってきて、朝礼が始まる。オレは横を見るといつものようにマリアさんがいる。可愛いな。いや違う違う。
「では本日の業務連絡です。本日は掃除と洗濯を注力してお願いしますね。お昼休憩の後、午後からは庭師見習いの方達のお手伝いもよろしくお願いしますね。それではみなさん頑張ってください」
はぁ。頑張れない。もう二度とマリアさんに会えないなんて……。そんなことを考えているとメリッサさんがオレとマリアさんに話す。
「あっそうでした。カイル=オーランド、あとマリア。あなたたちはエルナリア様がお呼びです。朝礼のあと部屋に来るようにとのことですよ。頼みたい仕事があるらしいです」
ん?あれ?今オレの名前を呼んだような……聞き間違いか?
「え?私とカイル君ですか?」
マリアさんも驚いている。やっぱり聞き間違えじゃなかったのか。
「はい。なので2人ともすぐにエルナリア様のところへ行ってくださいね」
そう言ってメリッサさんは他の使用人の方達にも指示を出していく。オレ達は言われた通り、そのまま大広間を後にする。廊下を歩きながら隣にいるマリアさんに話しかける。
「あのー。なんで呼ばれたんでしょうね?」
「うーん……何だろうね?」
エルナリア様の部屋にたどり着き、扉をノックする。
コンコンッ!
「どうぞ」
「「失礼致します」」
ガチャリとドアを開けるとそこにはエルナリア様が座っていた。オレ達が中に入ると立ち上がりこちらへと歩いてくる。
「ごめんなさいね。急に呼び出してしまって」
なんだろ?どんな内容だろうか?まさかやっぱりクビとかじゃないよな!?
「お仕事って一体なんでしょうか?」
マリアさんが聞くとエルナリア様はニッコリ笑って答えてくれた。
「その前に一緒に朝食をとりません?マリア準備してくれる?もちろんあなたたちの分も」
「……はい。かしこまりました」
エルナリア様がそう言うとマリアさんは部屋を出て、すぐに調理場に動き出した。待って!マリアさん!オレをエルナリア様と2人きりにしないでください!あぁダメだ。こうなったらもう逃げることは出来ない。覚悟を決めるしかないようだ。
「いつまでも立ってないで座ったらどう?」
「はい……」
オレは促されるまま、エルナリア様が座る席の前に座らされる。早く戻ってきてくださいマリアさん!
「カイル。だったわね?あなた私と同い年なのね」
「え?あっはい。」
「マリアも同い年ね。ふーん……」
エルナリア様はオレとマリアさんの履歴書らしきものを見て話す。もしかして……面談ですか?まさか、連帯責任でマリアさんもクビに!?いやいやそれはオレが許さない!
「あのエルナリア様!昨日の件はマリアさんは関係ありません!クビするのはオレだけにしてください!お願いします!マリアさんはこのリンスレット家に必要なメイドですから!」
「は?クビ?あなた何かやらかしたんでしたっけ?」
「え?あれ違うの?」
「……まぁ。あなたがマリアに好意を抱いているのは理解したわ。」
怒ってない?目付きの悪い銀髪ツインテールって言ったこと怒ってないの?オレが不思議そうな顔をしているとタイミングよくマリアさんが戻ってきて料理が準備され、謎の食事会が始まる。
「単刀直入に言うわ。あなたたちには私が学園に戻るまでの1ヶ月の間、私の身の回りのお世話をしてもらおうと思うのだけど。もちろんイライザお姉様には許可をとっているわ」
「お付きと言うことですか?」
「ええ。マリアはメイドとして優秀だと聞いてるし、カイル、あなたの仕事はその補佐という形になるけどいいわよね?」
え?それじゃ……やったぜ!クビは免れたぞ!でも……あれ?ということはオレとマリアさんはこれから毎日同じ仕事ができるのか?マジか……なんか嬉しいかも……。エルナリア様……あなたは神様ですよ!
「あっありがとうございます!すごく光栄です!」
「私もです。一生懸命頑張りますのでよろしくお願い致します」
オレがマリアさんを見ると可愛くウインクしながら『良かったね』と言ってくれた。なんか知らないけどクビも間逃れて、マリアさんと1ヶ月も一緒に同じ仕事ができるなんて幸せを通り越して幸せだぞ!
こうしてオレとマリアさんは1ヶ月という期限付きだが、天才魔法士令嬢ことリンスレット家次女のエルナリア=フォン=リンスレット様のお付きの使用人とメイドになることになったのだった。
そして次の日。いつもの朝なのに大広間までの足取りは重い。今日が最後の使用人としての仕事になるのかな……。女神のようなマリアさんの笑顔は今日で見納めなのか。
「おはようございます」
メイド長のメリッサさんがやってきて、朝礼が始まる。オレは横を見るといつものようにマリアさんがいる。可愛いな。いや違う違う。
「では本日の業務連絡です。本日は掃除と洗濯を注力してお願いしますね。お昼休憩の後、午後からは庭師見習いの方達のお手伝いもよろしくお願いしますね。それではみなさん頑張ってください」
はぁ。頑張れない。もう二度とマリアさんに会えないなんて……。そんなことを考えているとメリッサさんがオレとマリアさんに話す。
「あっそうでした。カイル=オーランド、あとマリア。あなたたちはエルナリア様がお呼びです。朝礼のあと部屋に来るようにとのことですよ。頼みたい仕事があるらしいです」
ん?あれ?今オレの名前を呼んだような……聞き間違いか?
「え?私とカイル君ですか?」
マリアさんも驚いている。やっぱり聞き間違えじゃなかったのか。
「はい。なので2人ともすぐにエルナリア様のところへ行ってくださいね」
そう言ってメリッサさんは他の使用人の方達にも指示を出していく。オレ達は言われた通り、そのまま大広間を後にする。廊下を歩きながら隣にいるマリアさんに話しかける。
「あのー。なんで呼ばれたんでしょうね?」
「うーん……何だろうね?」
エルナリア様の部屋にたどり着き、扉をノックする。
コンコンッ!
「どうぞ」
「「失礼致します」」
ガチャリとドアを開けるとそこにはエルナリア様が座っていた。オレ達が中に入ると立ち上がりこちらへと歩いてくる。
「ごめんなさいね。急に呼び出してしまって」
なんだろ?どんな内容だろうか?まさかやっぱりクビとかじゃないよな!?
「お仕事って一体なんでしょうか?」
マリアさんが聞くとエルナリア様はニッコリ笑って答えてくれた。
「その前に一緒に朝食をとりません?マリア準備してくれる?もちろんあなたたちの分も」
「……はい。かしこまりました」
エルナリア様がそう言うとマリアさんは部屋を出て、すぐに調理場に動き出した。待って!マリアさん!オレをエルナリア様と2人きりにしないでください!あぁダメだ。こうなったらもう逃げることは出来ない。覚悟を決めるしかないようだ。
「いつまでも立ってないで座ったらどう?」
「はい……」
オレは促されるまま、エルナリア様が座る席の前に座らされる。早く戻ってきてくださいマリアさん!
「カイル。だったわね?あなた私と同い年なのね」
「え?あっはい。」
「マリアも同い年ね。ふーん……」
エルナリア様はオレとマリアさんの履歴書らしきものを見て話す。もしかして……面談ですか?まさか、連帯責任でマリアさんもクビに!?いやいやそれはオレが許さない!
「あのエルナリア様!昨日の件はマリアさんは関係ありません!クビするのはオレだけにしてください!お願いします!マリアさんはこのリンスレット家に必要なメイドですから!」
「は?クビ?あなた何かやらかしたんでしたっけ?」
「え?あれ違うの?」
「……まぁ。あなたがマリアに好意を抱いているのは理解したわ。」
怒ってない?目付きの悪い銀髪ツインテールって言ったこと怒ってないの?オレが不思議そうな顔をしているとタイミングよくマリアさんが戻ってきて料理が準備され、謎の食事会が始まる。
「単刀直入に言うわ。あなたたちには私が学園に戻るまでの1ヶ月の間、私の身の回りのお世話をしてもらおうと思うのだけど。もちろんイライザお姉様には許可をとっているわ」
「お付きと言うことですか?」
「ええ。マリアはメイドとして優秀だと聞いてるし、カイル、あなたの仕事はその補佐という形になるけどいいわよね?」
え?それじゃ……やったぜ!クビは免れたぞ!でも……あれ?ということはオレとマリアさんはこれから毎日同じ仕事ができるのか?マジか……なんか嬉しいかも……。エルナリア様……あなたは神様ですよ!
「あっありがとうございます!すごく光栄です!」
「私もです。一生懸命頑張りますのでよろしくお願い致します」
オレがマリアさんを見ると可愛くウインクしながら『良かったね』と言ってくれた。なんか知らないけどクビも間逃れて、マリアさんと1ヶ月も一緒に同じ仕事ができるなんて幸せを通り越して幸せだぞ!
こうしてオレとマリアさんは1ヶ月という期限付きだが、天才魔法士令嬢ことリンスレット家次女のエルナリア=フォン=リンスレット様のお付きの使用人とメイドになることになったのだった。
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