【完結】君とカラフル〜推しとクラスメイトになったと思ったらスキンシップ過多でドキドキします〜

星寝むぎ

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秘密をあげる

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 桃真は脱力して、オレの肩にぽすんと頭を乗せた。額を擦りつけてくるのが愛しくて、胸がきゅうと苦しくなる。繋いだままの手は、ゆっくりと指同士が絡んでいく。たまらなくて零れた息が、どことなく熱い。

「なんか、さ」
「んー?」
「桃真とはさ、前からその、手繋いだりとか、くっついたりとかしてたじゃん?」
「ん、そうだな」
「いつもドキドキしてたけど、今はもっとその、すごい」
「ん、分かる。希色のこと好きすぎて、触れてたくてああしてたんだけど」
「っ、そうだったんだ」
「はは、そう。子どもみたいな独占欲だよなあ。でもさ、両想いだって思ったら、全然違う感覚する」
「……うん」

 好きすぎてとか、触れていたくてとか。ひとつひとつの言葉が倒れそうなくらい衝撃的だ。でもそれ以上に、今同じ気持ちなのだと分かったことが嬉しい。触れる意味が、拒まないでいる意味が、変わったんだ。友だちの関係に隠れてそうしていた行為が、恋人としてのものになった。 

「希色、キャップ取ってもいい?」
「うん」

 ゆっくりと顔を上げた桃真の手に、キャップが脱がされる。髪を丁寧に整えてくれて、額同士がコツンと合わさる。

「今日、顔出して来てくれたの嬉しかった」
「そ、っか」
「学校での希色も好きだけどな。どっちもっていうか、どんな希色も好きだから。でも店以外で、こうして顔出して会うの初めてじゃん? だから、ずっとドキドキしてた」
「……ん、オレも」
「希色……」

 桃真の顔がもっと近づいてきて、頬と頬が重なった。すりすりと擦り合わせられるのが、恥ずかしいのに気持ちいい。

「あー……あんまくっついてるとやばいな」
「やばい?」
「……キス、したくなる」
「っ、キス……」

 桃真のその言葉に、体中を血液が一気に駆け巡る感覚がした。そうか、恋人ってそういうことか。桃真を好きな気持ちでいっぱいいっぱいで、考えたこともなかったかもしれない。桃真とそういうことができたらきっと、いや絶対に幸せだ。

「はは、急に変なこと言ってごめんな」
「え、っと……しない、の?」 

 ドキドキしながらそう聞いてみたら、桃真は大きく目を見開いた。

「いや、したい! したいけど……希色のこと大事にしたいから、今日は、しない」
「そ、っか。でも、いつも大事にしてもらってるから、オレはいつでも……待ってます」
「っ、希色~……かわいすぎるって。勘弁してください」

 桃真はそう言って、頭を抱えてしまった。手の隙間から、染まった頬が見える。ああ、桃真への想いで胸が弾けそうだ。

「桃真もかわいいよ」
「いや、俺はかわいくないだろ」
「ううん、かわいい。あと、かっこいい。すごく」
「も、マジキャパオーバーだから……」
「ははっ」

 かわいいという言葉を仕事以外で素直に受け入れられるのは、初めてな気がする。オレ自身も桃真をかわいいと感じているからだろう。このかわいいは、愛しいだ。それがよく分かる。桃真もそう感じてくれているのだと思うと、ただただ嬉しい。

「希色、好きだよ。すげー好き」

 気持ちが落ち着いたのか、桃真が顔を上げてそう言った。

「っ、オレも大好き」

 必死にオレもそう返す。ああ、いよいよ泣きそうだ。幸福が胸いっぱいで溢れたら、涙になるのか。初めての感覚に鼻をすすったら、オレの頬を両手で包んで桃真も同じように鼻をすすった。
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