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第17話 権利と主張の在り処
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どよめく人の波を掻き分けるようにして、ミラは廊下を駆けていく。
途中で幾つもの分岐点に出たが、行く先を選びもしない。ただ何となく目が向いた方へととにかく進んで行った。
背後からは、まるで喧嘩している小鳥のような甲高い声が幾つも聞こえてくる。
レオノーラがその中にいるのかどうかは分からないが、少なくとも彼女の取り巻きたちは未だにミラを捕まえることを諦めてはいないらしい。
ミラを捕まえて、床に押さえつけて無理矢理頭を下げさせるつもりなのだろう。
確かに、勢いでやってしまったこととはいえ、相手の手を思い切りひっぱたいてしまったのは悪かったかもしれない。
しかし、幾ら世間の一般常識としては正しいことであったとしても、大切な宝物を乱暴に扱われたことだけは、我慢がならなかった。
言いがかりを付けられて庶民風情がと難癖を言われることは、構わない。それは事実だし、ミラにとっては自分のことはどう悪く言われようが構わなかったから。
だが、この指輪だけは──セトから貰った初めての『思い出の品』だけは、例え誰が相手であろうとそう気安く触れさせたくはなかったのだ。
これが、セトからの求婚の証であるから、ではない。純粋に、初めて特別な想いを抱いた相手から贈られた『想い』を汚されたくはなかったから、である。
何処をどう進めば何処に出るかなんて、分からない。だがとにかく前に進める道がある限り、彼女は走り続けた。
やがて、廊下が途切れて屋外へと繋がっている場所に出た。学び舎の外──ではあるが、校庭ではない。美しく剪定された樹木や丁寧に手入れをされていることが一目で分かる花々が咲き誇る花壇が並んだ、四方を壁に囲まれた広々とした空間である。
生徒たちの憩いの場としても利用されている中庭だ。
灰色の煉瓦で構成された石畳の道に沿って進んでいき、曲がり角を曲がり──
ごすっ、がちゃん!
「きゃっ!」
「うわっ!?」
唐突に目の前に現れた何かに正面から激突して、ミラはその場で尻餅をついてしまった。
硬い地面にぶつけた尻を撫でながら、視線を持ち上げると──自分と同じように尻餅をついている黒髪の若者と目が合った。
黒い瞳に、黄色系の肌。ミラと同じ色彩の特徴を持つこの男は、人間だろう。身丈は人間として考えるならば平均的で、顔立ちは大人しさをそのまま形にしたかのような、やや可愛らしい目鼻立ちをしている。セトやシュイのような男らしい美形とはまたタイプが異なるが、年頃の娘たちには人気があるだろう、そんな容姿だ。
身に着けているのは、ベージュのシャツに焦げ茶のベストとズボンという、動きやすさを重視した仕立ての装束だ。宝飾の類は身に着けてはおらず、頭の上に植木鉢を逆さに被っている。中の土が零れて細い針のような黄緑の葉がぺろんと垂れ下がっている様は、何とも間の抜けた光景だった。
若者の周囲には、彼が被っている植木鉢と同じものが幾つも散乱しており、小さな麻袋もある。ひとつは口を閉じていた紐が緩んでいて、中から何かの植物の球根らしきものがころころと飛び出していた。
ミラは、自分が彼と激突したせいで彼が抱えていた荷物を辺りにぶちまけてしまったことを瞬時に理解して、慌てて立ち上がると若者の傍へと近付いた。
「ご、ごめんなさいっ! 私がちゃんと前を見ていなかったせいで……!」
「あ……ううん、大丈夫。僕の方も、考え事をしてて周りを気にしてなかったから……ごめんね。怪我、してない?」
「私は大丈夫ですから! 本当に、ごめんなさい!」
若者に手を差し伸べて相手を立ち上がらせて、周囲に散乱したものを必死に拾い集め始めるミラ。
そんな彼女の様子を、若者は半ば不思議そうな面持ちで見つめている。
「……ねえ、君って……」
「……見つけたわよ、この泥棒猫……!」
「……うん?」
ミラを追ってきた女生徒たちの存在に気付いて、若者はそちらの方へと顔を向けた。
居並ぶ顔ぶれを順番に確認して、首をことりと傾けながら、問いかける。
「君たちって、レオノーラさんといつも一緒にいる人たちだっけ? 僕に何か用?」
「あんたなんかに用はないわよ、リゼル! 私たちが用事があるのは、あんたの後ろにいるその生意気な小娘よ!」
女生徒たちとリゼルと呼ばれた若者の目が、一斉にミラの方を向く。
自分が粗相をしてしまったということで頭の中が一杯になってしまい、自分が彼女たちから逃げていたことをすっかり忘れてしまっていたミラは、注目されたことでそのことを瞬時に思い出し、硬直した。
折角拾い集めた麻袋が、抱えている腕の中からとさとさと零れ落ちる。
リゼルは目を瞬かせながら、ミラへと問いかけた。
「君、この人たちに何かしたの?」
「……わ、私は……」
ミラは言葉を詰まらせる。
咄嗟に何もしていないと反論しかけたものの、レオノーラの手をひっぱたいてしまったことは事実のため、胸を張って自分は無実であると主張できなかったのだ。
「……つい、手を叩いちゃったのは、確かですけど……それは、あの人が、指輪を乱暴に扱おうとしたからで……」
「そいつはレオノーラ様と契りをお交わしになられるはずだったル・セト様を誑かして横から強奪していった罪人なのよ。そればかりか、そのことを指摘されたら事もあろうにレオノーラ様にまで手を上げて……レオノーラ様はお優しく寛大な御方だから、御自身が殴られたことに関してはお許しになられるかもしれないけれど、ル・セト様を誑かした罪だけは決して許されるものじゃないわ」
「誑かしたとか盗んだとか、言いがかりです! 私、そんなことなんてしてません!」
「口では何とでも言えるわね。でも今更謝罪して許しを乞おうとかしても無駄よ。公の場で粛清して晒し者にして、二度と表を歩けないようにしてあげるから覚悟しなさい」
「だから、私は!」
必死に反論するミラに大股で詰め寄ってその肩を引っ掴もうとした女生徒の腕を、横から伸びてきた手が掴んで止めた。
手を伸ばした人物──リゼルが、両者を交互に見比べながら口を開く。
「ねえ、ちょっといいかな」
彼はミラを庇うようにして両者の間へと割り入りながら、困ったような顔をした。
「何だか、話を聞いた限りだと、君たちの方がこの子に一方的に難癖をつけているだけって感じがしたんだけれど……レオノーラさんって、本当にル・セト様と契りを結ぶ約束をしていたの? 誓約書とか、そういう物的な証明物でもあるのかい? どうも、君たちが勝手にそう騒いでるだけ……っていう風に僕には聞こえたんだけれどな」
「……そ、それは……少し考えれば、誰だって分かることでしょう! レオノーラ様ほど優れた『素質』をお持ちであれだけの美貌を備えた御方を、次期王たるル・セト様が捨て置くことなんてありえないんだから!」
「それを実際に決めるのはル・セト様であって、君たちじゃないんじゃないかな。やっぱり、君たちの一方的な言いがかりじゃないか」
「お黙り! 名声もない下級貴族家の使用人の分際でっ!」
リゼルの主張に憤慨した女生徒が、彼を乱暴に突き飛ばした。
リゼルは胸の中心を押されて、よろけてその場に尻餅をついた。被っていた植木鉢が衝撃で転がり落ちて、石畳にぶつかり硬い音を立てて二つに割れた。
「痛っ」
「さあ、あんたはこっちに来なさい、ミラ・ユッタ! 逃げようなんて考えるんじゃないわよ!」
「や、嫌、離して……!」
腕を掴まれ引っ張られ、ミラはよろけてたたらを踏む。
その彼女を、背後からそっと両肩を掴んで支えた手の存在があった。
「大丈夫? ミラちゃん」
聞き覚えのある声に優しく呼びかけられ、ミラははたと声がした方へと振り返る。
視線を向けた先には──見慣れている、ナギの人懐っこい笑顔があった。
途中で幾つもの分岐点に出たが、行く先を選びもしない。ただ何となく目が向いた方へととにかく進んで行った。
背後からは、まるで喧嘩している小鳥のような甲高い声が幾つも聞こえてくる。
レオノーラがその中にいるのかどうかは分からないが、少なくとも彼女の取り巻きたちは未だにミラを捕まえることを諦めてはいないらしい。
ミラを捕まえて、床に押さえつけて無理矢理頭を下げさせるつもりなのだろう。
確かに、勢いでやってしまったこととはいえ、相手の手を思い切りひっぱたいてしまったのは悪かったかもしれない。
しかし、幾ら世間の一般常識としては正しいことであったとしても、大切な宝物を乱暴に扱われたことだけは、我慢がならなかった。
言いがかりを付けられて庶民風情がと難癖を言われることは、構わない。それは事実だし、ミラにとっては自分のことはどう悪く言われようが構わなかったから。
だが、この指輪だけは──セトから貰った初めての『思い出の品』だけは、例え誰が相手であろうとそう気安く触れさせたくはなかったのだ。
これが、セトからの求婚の証であるから、ではない。純粋に、初めて特別な想いを抱いた相手から贈られた『想い』を汚されたくはなかったから、である。
何処をどう進めば何処に出るかなんて、分からない。だがとにかく前に進める道がある限り、彼女は走り続けた。
やがて、廊下が途切れて屋外へと繋がっている場所に出た。学び舎の外──ではあるが、校庭ではない。美しく剪定された樹木や丁寧に手入れをされていることが一目で分かる花々が咲き誇る花壇が並んだ、四方を壁に囲まれた広々とした空間である。
生徒たちの憩いの場としても利用されている中庭だ。
灰色の煉瓦で構成された石畳の道に沿って進んでいき、曲がり角を曲がり──
ごすっ、がちゃん!
「きゃっ!」
「うわっ!?」
唐突に目の前に現れた何かに正面から激突して、ミラはその場で尻餅をついてしまった。
硬い地面にぶつけた尻を撫でながら、視線を持ち上げると──自分と同じように尻餅をついている黒髪の若者と目が合った。
黒い瞳に、黄色系の肌。ミラと同じ色彩の特徴を持つこの男は、人間だろう。身丈は人間として考えるならば平均的で、顔立ちは大人しさをそのまま形にしたかのような、やや可愛らしい目鼻立ちをしている。セトやシュイのような男らしい美形とはまたタイプが異なるが、年頃の娘たちには人気があるだろう、そんな容姿だ。
身に着けているのは、ベージュのシャツに焦げ茶のベストとズボンという、動きやすさを重視した仕立ての装束だ。宝飾の類は身に着けてはおらず、頭の上に植木鉢を逆さに被っている。中の土が零れて細い針のような黄緑の葉がぺろんと垂れ下がっている様は、何とも間の抜けた光景だった。
若者の周囲には、彼が被っている植木鉢と同じものが幾つも散乱しており、小さな麻袋もある。ひとつは口を閉じていた紐が緩んでいて、中から何かの植物の球根らしきものがころころと飛び出していた。
ミラは、自分が彼と激突したせいで彼が抱えていた荷物を辺りにぶちまけてしまったことを瞬時に理解して、慌てて立ち上がると若者の傍へと近付いた。
「ご、ごめんなさいっ! 私がちゃんと前を見ていなかったせいで……!」
「あ……ううん、大丈夫。僕の方も、考え事をしてて周りを気にしてなかったから……ごめんね。怪我、してない?」
「私は大丈夫ですから! 本当に、ごめんなさい!」
若者に手を差し伸べて相手を立ち上がらせて、周囲に散乱したものを必死に拾い集め始めるミラ。
そんな彼女の様子を、若者は半ば不思議そうな面持ちで見つめている。
「……ねえ、君って……」
「……見つけたわよ、この泥棒猫……!」
「……うん?」
ミラを追ってきた女生徒たちの存在に気付いて、若者はそちらの方へと顔を向けた。
居並ぶ顔ぶれを順番に確認して、首をことりと傾けながら、問いかける。
「君たちって、レオノーラさんといつも一緒にいる人たちだっけ? 僕に何か用?」
「あんたなんかに用はないわよ、リゼル! 私たちが用事があるのは、あんたの後ろにいるその生意気な小娘よ!」
女生徒たちとリゼルと呼ばれた若者の目が、一斉にミラの方を向く。
自分が粗相をしてしまったということで頭の中が一杯になってしまい、自分が彼女たちから逃げていたことをすっかり忘れてしまっていたミラは、注目されたことでそのことを瞬時に思い出し、硬直した。
折角拾い集めた麻袋が、抱えている腕の中からとさとさと零れ落ちる。
リゼルは目を瞬かせながら、ミラへと問いかけた。
「君、この人たちに何かしたの?」
「……わ、私は……」
ミラは言葉を詰まらせる。
咄嗟に何もしていないと反論しかけたものの、レオノーラの手をひっぱたいてしまったことは事実のため、胸を張って自分は無実であると主張できなかったのだ。
「……つい、手を叩いちゃったのは、確かですけど……それは、あの人が、指輪を乱暴に扱おうとしたからで……」
「そいつはレオノーラ様と契りをお交わしになられるはずだったル・セト様を誑かして横から強奪していった罪人なのよ。そればかりか、そのことを指摘されたら事もあろうにレオノーラ様にまで手を上げて……レオノーラ様はお優しく寛大な御方だから、御自身が殴られたことに関してはお許しになられるかもしれないけれど、ル・セト様を誑かした罪だけは決して許されるものじゃないわ」
「誑かしたとか盗んだとか、言いがかりです! 私、そんなことなんてしてません!」
「口では何とでも言えるわね。でも今更謝罪して許しを乞おうとかしても無駄よ。公の場で粛清して晒し者にして、二度と表を歩けないようにしてあげるから覚悟しなさい」
「だから、私は!」
必死に反論するミラに大股で詰め寄ってその肩を引っ掴もうとした女生徒の腕を、横から伸びてきた手が掴んで止めた。
手を伸ばした人物──リゼルが、両者を交互に見比べながら口を開く。
「ねえ、ちょっといいかな」
彼はミラを庇うようにして両者の間へと割り入りながら、困ったような顔をした。
「何だか、話を聞いた限りだと、君たちの方がこの子に一方的に難癖をつけているだけって感じがしたんだけれど……レオノーラさんって、本当にル・セト様と契りを結ぶ約束をしていたの? 誓約書とか、そういう物的な証明物でもあるのかい? どうも、君たちが勝手にそう騒いでるだけ……っていう風に僕には聞こえたんだけれどな」
「……そ、それは……少し考えれば、誰だって分かることでしょう! レオノーラ様ほど優れた『素質』をお持ちであれだけの美貌を備えた御方を、次期王たるル・セト様が捨て置くことなんてありえないんだから!」
「それを実際に決めるのはル・セト様であって、君たちじゃないんじゃないかな。やっぱり、君たちの一方的な言いがかりじゃないか」
「お黙り! 名声もない下級貴族家の使用人の分際でっ!」
リゼルの主張に憤慨した女生徒が、彼を乱暴に突き飛ばした。
リゼルは胸の中心を押されて、よろけてその場に尻餅をついた。被っていた植木鉢が衝撃で転がり落ちて、石畳にぶつかり硬い音を立てて二つに割れた。
「痛っ」
「さあ、あんたはこっちに来なさい、ミラ・ユッタ! 逃げようなんて考えるんじゃないわよ!」
「や、嫌、離して……!」
腕を掴まれ引っ張られ、ミラはよろけてたたらを踏む。
その彼女を、背後からそっと両肩を掴んで支えた手の存在があった。
「大丈夫? ミラちゃん」
聞き覚えのある声に優しく呼びかけられ、ミラははたと声がした方へと振り返る。
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