三十路の魔法使い

高柳神羅

文字の大きさ
113 / 164

第107話 更に神が増えた

しおりを挟む
 最近何かを忘れているなとうっすら懸念してはいたのだが、ようやく思い出した。
 あの酒飲み女神の存在を、忘れていたのだ。
 無視するのは容易いが、そんなことをすればあいつは俺が相手をするまで延々と騒ぎ続けるだろう。
 流石にあのくそやかましい声を長時間にも渡って聞かされ続けるのは御免である。
 俺は周囲には分からない程度に小さく溜め息をついて、さり気なく店内の隅の方にあるテーブル席へと移動した。
 そこにある椅子のひとつに腰を下ろし、頭の中で返事を返す。
『聞こえてるぞ。……何だよ、ビールの催促か? それならみんなが寝静まるまで待ってくれ。俺の方も、神様と頻繁に接触してるってあまり人に知られたくないんだよ』
 俺はアルカディアたちに献上するビールを調達するためにフォルテに頼んで日本からわざわざビールを召喚してもらっているのだが、表向きは俺が飲みたいからってことにしているのだ。
 召喚を頼む度にフォルテからは「そんなに飲むの?」的なニュアンスを含んだ目で見られているが……俺が神たちと頻繁に遣り取りしていると知られて無用な騒ぎを引き起こすよりは、俺が大酒飲みだと思われていた方が何倍もマシなのである。
 俺の考えていることが筒抜けになっているなら、俺がそう思っていることも分かっているはずなのだが、アルカディアだからな……
 アルカディアの反応を待っていると、彼女は普段と異なる何処となく歯切れの悪い言葉を返してきた。
『そうね。貴方の言いたいことは分かるわよ。私たちにしても、下界で貴方が神の能力を持っているって知れ渡って大騒ぎになって大主神様に感付かれるよりかは内緒にしてもらってた方が都合がいいし……分かってるのよ。分かってるんだけどね。今回は……その、貴方にお願いしたいことがあるっていうか』
『……何だよ』
 神の頼みなんてろくなものじゃないからな。今回は何を頼んでくる気なんだか。
 憮然と俺が問いかけると、アルカディアのものとは異なる、女の声が聞こえてきた。
『おお、ようやく話せるのか。そち、ただ話の席を設けるだけだというのにどん臭いのう。まあ、そちはポンコツじゃからな、仕方なきことか』
 随分と幼い声だ。少女……と言うよりか、幼女だな。これは。
 喋り方はかなり独特だ。イメージとしては平安時代くらいの日本にいる上流階級の姫って感じがする。
 しかし、アルカディアを容赦なくポンコツ呼ばわりするとは……言動のイメージが上流階級の姫ってだけで、性格はあまりおしとやかではなさそうだな。
『おっさんよ。妾はスーウールと申す者。この神界一やんごとなき雅で可愛き女神じゃ。今日はそちに願い事がある故、アルカディアに話の席を設けてもらった次第じゃ』
 ……こいつも俺をおっさん呼ばわりするのか。アルカディアが俺のことを名前じゃなくおっさんって呼んでるから、ひょっとしたらそれを名前だと勘違いしているのかもしれないが……
 同じ名前じゃない呼び方でも、ソルレオンの『異世界人』の方がまだ礼儀がなっていると思う。
 ……そういえば、先程からソルレオンの声は全く聞こえないが、今回は彼はこの場にはいないのだろうか?
 そう俺が訝っていると、男の声が聞こえてきた。しかしソルレオンの声ではない。
『はぁい、異世界人ちゃん。初めまして。あたしはシュナウス、此処にいるスーウールとは兄妹の関係にある男神よ。神界では武神って呼ばれてるの。宜しくね』
 地鳴りのように低い声だが、喋り方はまるで女である。
 一瞬髭の濃い強面のオネエがウインクしている光景が脳裏に浮かび、俺は思わず鳥肌が立った腕を軽く擦った。
『実はね……異世界人ちゃん。あたしたち、聞いちゃったの。アルカディアちゃんとソルレオンちゃんが、貴方から美味しいお酒を貰ってるって話』
 挨拶もそこそこに、シュナウスが本題を切り出してくる。
 彼は穏やかに──これ以上にないってくらいに不気味なオーラ全開の女言葉で──言った。
『突然こんなお願いをするのは不躾だと思うんだけど……あたしたちにも、アルカディアちゃんたちと同じように異世界の美味しいお酒を貰えないかしら? もちろん、ただでなんて厚かましいことは言わないわ。お酒をくれた御礼に、あたしたちしか使えない神の能力をひとつ、授けてあげるから』
『妾は酒などという不味いものに興味はないでの。それよりも妾は異世界の美味しい馳走が味わいたいぞ。先程、そちは何か作っていたであろう? あれでも構わぬが……妾としては、やはり甘味が欲しいのう。この世界よりも美味しいものがたんと存在するそちの世界ならば、きっと甘味も素晴らしきものが揃っているであろうからな!』
『……どういうことだ、アルカディア』
 半眼になって呻く俺に、アルカディアが慌てて弁解を始めた。
『私は秘密にしてたのよ! この二人が此処に来ちゃったのは、ソルレオンが軽々しくビールの話をシュナウスにしちゃったからでっ……ちょっとソルレオン、何自分は被害者だみたいな顔してるのよ! 逃げようったってそうはいかないからねっ!』
『……あー、うっかり口を滑らせたってのは認めるよ。けどそれに関してはもう謝っただろ。詫びにビールを一本分けてやるって言ったじゃないか』
 ぼそっと呟くように聞こえてくるソルレオンの声。
 いたのか、ソルレオン。普段と違って静かだからいるのが分からなかったよ。
 まあ、今日は献上日だからアルカディアがいてソルレオンがいないなんてことがあるはずないしな。
 それにしても、神が二人追加か……何かアルカディア以上に癖がありそうだし、無下に扱ったら後が怖そうだな。
 俺としては神の能力なんていらないからこれ以上関わらないでほっといてほしいというのが本音だが、相手は神だし、それを馬鹿正直に言ったところで追い払えるとは到底思えない。
 ここは要求を飲んで、相手が欲しがっているものを献上して能力を授けてもらってさっさと帰ってもらおう。
 もう、二人も神を相手にしているのだ。それが今更四人に増えたところで大差はない。
『そういうわけだ、オレからも頼む。シュナウスたちにもビールを献上してやってくれ。……ああ、シュナウスは酒精が強い酒の方が好みだから、もしビール以上に強い酒があるなら、そっちをやった方が喜ぶかもしれないな。オレもビール以外の酒に興味があるし、お前次第ではあるんだが、今回はビール以外の酒を献上してくれると嬉しい』
 ソルレオンが一歩引いた感じで言ってくる。この状況を生んだ原因が自分にあるという自覚があるからなのか、随分と大人しめだ。
 酒精の強い酒……っていうと、ウイスキーとか、ウォッカとかか?
 俺もそこまで酒の種類に詳しいわけじゃないし、所持金との兼ね合いもあるから、選択肢は限られてくるだろうが……試しに当たり障りのないところを選んでやるとするか。
 後は……甘味か。酒を不味いと称するってことは、スーウールは大人が好むような癖や苦味のある食べ物が苦手な子供寄りの味覚の持ち主なのだろう。
 子供が好きな甘味──といえば、菓子だ。それも和菓子よりは多分洋菓子の方が好みに合うはずである。例えばケーキとか、シュークリームとか……生クリーム系がふんだんに使われている菓子なんか、ぴったりなんじゃないか? その辺から適当に見繕ってやることにしよう。
 俺は料理の話で皆と盛り上がっているフォルテをこっそり傍に呼んで、日本から物を召喚してくれとお願いした。
 今回俺が献上用に選んだのは、ビールに並んで多くの人に嗜まれている昔ながらの酒、ウイスキーだ。
 ウイスキーには主に大麦麦芽から作るモルトウイスキーと穀物から作るグレーンウイスキーの二つのタイプがある。更にその二つを組み合わせたものはブレンデッドウイスキーと呼ばれており、それぞれに異なった味わいがあるという。
 ウイスキーの種類には幾つかあり、有名なのが世界の五大ウイスキーと呼ばれているものだろう。
 ひとつ目がスコッチウイスキー。スコットランドで製造されているウイスキーで、ピートと呼ばれる麦芽を乾燥させる時に用いる泥炭から発生するスモーキーな燻し香が特徴のウイスキーだ。
 二つ目がアメリカンウイスキー。これに属するウイスキーで最も知名度が高いのがバーボンだろう。とうもろこしから作り、内側を焼いたホワイトオーク材の樽で熟成させたバーボンは、甘く香ばしい芳香が特徴だという。
 三つ目がカナディアンウイスキー。五大ウイスキーの中では最も癖がなく、飲みやすいのが特徴だと言われている。
 四つ目がアイリッシュウイスキー。アイルランドで製造されているウイスキーで、スコッチウイスキーとは異なり大麦の乾燥に石炭を使うので、スモーキーフレーバーがない。まろやかで軽く穏やかな風味がするウイスキーだ。
 五つ目がジャパニーズウイスキー。その名の通り日本で製造されている。熟成香や味わいがソフトなのが特徴で、他国産のウイスキーにはない日本特有の繊細さや上品さがある、日本人の好みに合わせて造られたウイスキーだ。
 ウイスキーって聞くと馬鹿高い高級志向の酒ってイメージを持たれがちだが、実は安価なものになると一リットル当たり千円程度の価格で気軽に買うことができる。高価なやつと比較すると確かに風味は薄いが、ストレートではなく何かで割ってしまえば薄さは気にならなくなる。ものによってはアイスに掛けたりコーヒーに入れたりしても美味いらしい。その辺りは色々と試してみて、自分の好みに合った一本を見つけてほしい。
 今回は、安価ではあるが飲んでも飽きの来ないすっきりとした味わいが評判となっている庶民に人気の一本を選ばせてもらった。俺も興味本位で飲んだことがあるが、確かに安い割に美味い酒だと思う。
 大瓶だし、五日分ならこいつ一本もあれば十分だろう。ソルレオンは一気に飲み散らかしたりしないし、シュナウスも雰囲気的にそこまで節操なしって感じはしなかったからな。
 アルカディアには、普段通り缶ビールを。でも今回はソルレオンにはウイスキーを献上するので、少しだけ趣向を変えて今までよりもちょっとだけプレミアムな種類のやつにしてやった。最初は瓶に入ってるやつにしてやろうかと思ったのだが、あの酒飲み女神は節操なく飲みまくるからな……見た目的に一本しかないよりはたくさんあるように見える缶入りの方がいいだろうと思って、敢えて缶のままにした。
 最後に、スーウールに献上する甘味だが……俺は普段菓子なんてあまり食べないしケーキ屋に行ったこともほぼないので、ケーキにどんな種類があるのかもよく分からない。なので、コンビニとかでも普通に売っているカップアイスの中から定番どころを幾つか見繕ってやった。そこそこいい値段がする高級なやつにしても良かったのだが、この世界にはそもそもアイスなんて存在しないから、肝心のスーウールが気に入るかどうかが分からないからな……まずは安価なロングセラー商品で様子を見ることにする。
 これらのアイテムを、名前や特徴をなるべく細かく正確にフォルテに伝えて日本から召喚してもらう。召喚主であるフォルテ自身は召喚するもののことを全く知らないというのに、俺から伝えた知識だけでよくここまで正確に狙ったものを召喚できるもんだ。これはもはや天才とも言える才能なんじゃないか? フォルテはもう少し自分の召喚の才能に自信を持っていいと思う。
 召喚してもらった物を、テーブルの上に並べる。フォルテは再びシキたちとの会話の輪に入っていった──当分はこちらの様子を怪訝に思われることはないだろう。
『それじゃあ……神様たち、約束の献上品だ。受け取ってくれ』
 俺が神界に呼びかけると、目の前に並んだ酒やアイスが光に包まれて消えていく。
 一瞬遅れて、わっと沸き上がる歓声が頭の中にこだました。
『やったわ、ビール、ビールよっ! うぅぅ、遂に待ちに待った命の水が……この時をどんなに待っていたことか……』
『いつもありがとな、異世界人。ほう……今回はビールとは違う酒なんだな。オレのお願いを聞いてくれて感謝するよ。帰ったら早速味わわせてもらうからな』
『あら、前にソルレオンちゃんに見せてもらったお酒とは違うのね。綺麗な瓶に入ってて、素敵じゃないの』
『それは、ウイスキーっていう酒だ。ビールと比べると独特の味で酒精もきついから、そのまま飲めなかったら水で割るとかして工夫してくれ』
 日本だったら炭酸とかで割ってハイボールにするんだが、流石にこの世界には炭酸なんてないだろうしな。
 俺はウイスキーを渡した二人に、この世界でも簡単にできそうなウイスキーの飲み方をレクチャーしてやった。まあ、俺が教えた飲み方が絶対に正しいって言うつもりもないから、後は勝手に自分たちで楽しんでくれって感じだが。
 一方スーウールはというと、やたらと興奮した声を上げていた。
『こっ……これは一体何なのじゃ!? おっさんよ! この氷のように冷たき物体は! 入れ物も色鮮やかで、まるで妾の服のようじゃぞ!』
『それは、アイスっていう牛乳……ミルクを材料にして作られた甘味だ。触って分かると思うが、熱に物凄く弱いから、もしもすぐに食べずに保存したい時は氷と一緒に入れておくとかして必ず凍らせた状態を保ってくれ』
『ほう、乳で作られた甘味とな……このような冷たき甘味は初めてじゃ。どれ、味の方はどうなのかの……』
 ぺりぺりとカップアイスの蓋を剥がす音が聞こえてくる。
 どうやらスーウールは我慢できずにその場で食べることにしたようである。
『……ふぉおおおおおっ! こっ、これはっ!』
 奇妙な叫び声を発する彼女。
『口の中であっという間にとろけていきおる! 上品な甘さがくどくない! そしてこの乳の甘い香り! これは今までに食してきたどんな甘味よりも美味じゃ! 異世界には、このような甘味が山のように存在しておるのか……やはり、そちに異世界の甘味を献上させた妾の判断は正しかったのう! おっさんよ、褒めてつかわすぞ!』
 その後もスーウールは始終ハイテンションな謎の叫びを発しながら、じっくりとカップアイスを堪能したようだった。
 しかしこいつ……アルカディアに匹敵するやかましさだな。この世界の女神って全員こんな感じなのだろうか?
 今回献上したアイスはバニラだけじゃなくてチョコとか苺とか味が被らないようにしてあるから、彼女も途中で飽きたとは言わないだろう。
 とりあえず無事に献上が終わったことに、俺はほっと安堵の息をつく。
『それじゃあ……ウルちゃん。今度はあたしたちが約束を守る番よ。いいわね?』
 アイスを完食したスーウールが大人しくなった頃を見計らって、シュナウスが口を開く。
 うむ、とそれに応えるスーウール。
『もちろんじゃ。やんごとなき雅な女神である妾は、約束は決して違えぬ。おっさんよ、素晴らしき異世界の甘味を献上した礼として、妾たちから素晴らしき贈り物を授けてしんぜる。心して受け取るが良いぞ』
 さて……一体どんな能力を授けてくれることやら。
 できればこれから先魔帝と真っ向から戦うことになった時に役立つ能力だと有難い。そんなことを密かに期待しながら、俺は二人の言葉の続きを静かに待ったのだった。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

処理中です...