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第59話 乱闘
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男が吠え声を上げながら、手にした斧を振り上げる!
アレクはそれに真っ向から突っ込み、右の拳を男の顔面めがけて打ち込んだ。
男が仰け反り、振り下ろされた斧がアレクのすぐ左脇を掠めていく。
その斧を掴んで、引き寄せるアレク。
腕に絶妙な狙いで蹴りを叩き込み、斧を奪い取った。
そのまま奥へと深く踏み込み、別の男の下へと向かう。
敵視を定められた男は、アレクが斧を奪ったことに怯みながらも棍棒を振りかぶった。
「優男なんぞに負けてたまるかよ!」
アレクは斧を顔の前で構えた。
斧の刃に棍棒が当たり、食い込む。
動きを止められて男が一瞬つんのめる。
その一瞬の間に、アレクは男の股間を蹴り上げていた。
男は悶絶してその場に蹲った。
そこに左右から繰り出される尖った角材。
角材を繰り出した男たちは、笑いながら言った。
「一人を倒したくらいでいい気になるなよ? こっちはまだまだ人数がいるんだぜ!」
「潰れちまいな、兄ちゃん!」
アレクから距離を置き、男たちは角材を思い切り振り抜いた。
左右から挟み込む形で繰り出された一撃が、アレクの両腕を打ち据える!
アレクは衝撃で斧を手離してしまった。
そこに、背後から迫る別の影が。
犬の顔をした男が、棍棒をアレクの頭めがけて真横に振るった。
後頭部に衝撃を食らったアレクの頭が、吹っ飛ぶ。教壇の側面に激突し、ごろごろと床を転がって椅子の下へと潜り込んでいった。
「!」
アレクは上体を捻りながら背後の男に裏拳を叩き込んだ。
顔の中心に拳を食らった男がぎゃっと悲鳴を上げる。
更に片足を軸にその場を回転し、回し蹴りを男の顔めがけて繰り出す。
頬に蹴りを食らった男は吹っ飛んで、並んでいる椅子に背中から突っ込み、椅子を薙ぎ倒した。
アレクは椅子の方へと駆けた。
落ちていた自分の頭を拾い、小脇に抱えたまま椅子の背凭れに片足を掛ける。
男たちが迫ってくる。それめがけて椅子を思い切り蹴り飛ばす!
「うおぉ!?」
飛んできた椅子を避けられず、足を取られた男たちが次々と床に転ぶ。
その上を踏み越えて、アレクは舞を舞うような飛び蹴りを放った。
「がっ!」
飛び蹴りを食らった男の手からナイフが落ちる。
それを掴み取り、アレクは奥にいる男を狙って左腕を振るった。
彼の手を離れて弾丸のように飛んでいったナイフは、男の脇腹に突き刺さった。
男が悲鳴を上げ、膝をつく。
周囲の男たちが激昂し、各々の得物を振り上げた。
「この野郎!」
アレクは抱えていた頭を真上に放り投げた。
そして身を低くして右足を高く振り上げ、回し蹴りを放つ!
「わっ!」
「ぐぇっ!」
蹴りを食らった男たちが次々と倒れていく。
落ちてきた頭をキャッチし、首の上に戻して、周囲を見るアレク。
この場に立っている無傷の男は残り六人にまで数を減らしていた。
しかし、所詮は素手での攻撃だ。倒れている男たちも時間が経てば復活するだろう。
何とか、相手が行動不能になるような一撃を叩き込まなければ──
アレクの胸中に僅かに焦りが生じた、その時。
奥の扉が開き、男が一人、姿を現した。
黒い毛並みの狼の顔をした背の高い男だ。柄物のシャツを着て首からドッグタグを下げ、手には小さな拳銃を持っている。
「こんな大勢でかかってもまだ始末できないのかよ。この男がよっぽどデキるのか、それともお前らが役立たずなのか、どっちなんだ?」
「フリーさん!」
「ボス!」
男たちが慌てた声を上げた。
「すみません! 今すぐ片付けます!」
「もういい。お前らは引っ込んでろ」
フリー、と呼ばれた男は手下たちをじろりと一瞥し、面倒臭そうに溜め息をついて、アレクの方に目を向けた。
「……そういうわけだ。俺が直々に相手をしてやる。あんた、そこそこデキるようだから楽しませてくれるんだろうな?」
「……お前に勝てたら、ミカさんを返してもらえるのか」
アレクの問いにフリーは笑いながら答えた。
「ああ、俺の用事はとっくに済んだからな。好きに連れて行くがいいさ」
拳銃の銃口をアレクへと向け、長い舌を出して口をべろりと舐めた。
アレクは足下に落ちていたナイフを拾い、胸の前で構えた。
「さて……久々の宴だ。せいぜい踊ってくれよ、お客さんよ!」
アレクはそれに真っ向から突っ込み、右の拳を男の顔面めがけて打ち込んだ。
男が仰け反り、振り下ろされた斧がアレクのすぐ左脇を掠めていく。
その斧を掴んで、引き寄せるアレク。
腕に絶妙な狙いで蹴りを叩き込み、斧を奪い取った。
そのまま奥へと深く踏み込み、別の男の下へと向かう。
敵視を定められた男は、アレクが斧を奪ったことに怯みながらも棍棒を振りかぶった。
「優男なんぞに負けてたまるかよ!」
アレクは斧を顔の前で構えた。
斧の刃に棍棒が当たり、食い込む。
動きを止められて男が一瞬つんのめる。
その一瞬の間に、アレクは男の股間を蹴り上げていた。
男は悶絶してその場に蹲った。
そこに左右から繰り出される尖った角材。
角材を繰り出した男たちは、笑いながら言った。
「一人を倒したくらいでいい気になるなよ? こっちはまだまだ人数がいるんだぜ!」
「潰れちまいな、兄ちゃん!」
アレクから距離を置き、男たちは角材を思い切り振り抜いた。
左右から挟み込む形で繰り出された一撃が、アレクの両腕を打ち据える!
アレクは衝撃で斧を手離してしまった。
そこに、背後から迫る別の影が。
犬の顔をした男が、棍棒をアレクの頭めがけて真横に振るった。
後頭部に衝撃を食らったアレクの頭が、吹っ飛ぶ。教壇の側面に激突し、ごろごろと床を転がって椅子の下へと潜り込んでいった。
「!」
アレクは上体を捻りながら背後の男に裏拳を叩き込んだ。
顔の中心に拳を食らった男がぎゃっと悲鳴を上げる。
更に片足を軸にその場を回転し、回し蹴りを男の顔めがけて繰り出す。
頬に蹴りを食らった男は吹っ飛んで、並んでいる椅子に背中から突っ込み、椅子を薙ぎ倒した。
アレクは椅子の方へと駆けた。
落ちていた自分の頭を拾い、小脇に抱えたまま椅子の背凭れに片足を掛ける。
男たちが迫ってくる。それめがけて椅子を思い切り蹴り飛ばす!
「うおぉ!?」
飛んできた椅子を避けられず、足を取られた男たちが次々と床に転ぶ。
その上を踏み越えて、アレクは舞を舞うような飛び蹴りを放った。
「がっ!」
飛び蹴りを食らった男の手からナイフが落ちる。
それを掴み取り、アレクは奥にいる男を狙って左腕を振るった。
彼の手を離れて弾丸のように飛んでいったナイフは、男の脇腹に突き刺さった。
男が悲鳴を上げ、膝をつく。
周囲の男たちが激昂し、各々の得物を振り上げた。
「この野郎!」
アレクは抱えていた頭を真上に放り投げた。
そして身を低くして右足を高く振り上げ、回し蹴りを放つ!
「わっ!」
「ぐぇっ!」
蹴りを食らった男たちが次々と倒れていく。
落ちてきた頭をキャッチし、首の上に戻して、周囲を見るアレク。
この場に立っている無傷の男は残り六人にまで数を減らしていた。
しかし、所詮は素手での攻撃だ。倒れている男たちも時間が経てば復活するだろう。
何とか、相手が行動不能になるような一撃を叩き込まなければ──
アレクの胸中に僅かに焦りが生じた、その時。
奥の扉が開き、男が一人、姿を現した。
黒い毛並みの狼の顔をした背の高い男だ。柄物のシャツを着て首からドッグタグを下げ、手には小さな拳銃を持っている。
「こんな大勢でかかってもまだ始末できないのかよ。この男がよっぽどデキるのか、それともお前らが役立たずなのか、どっちなんだ?」
「フリーさん!」
「ボス!」
男たちが慌てた声を上げた。
「すみません! 今すぐ片付けます!」
「もういい。お前らは引っ込んでろ」
フリー、と呼ばれた男は手下たちをじろりと一瞥し、面倒臭そうに溜め息をついて、アレクの方に目を向けた。
「……そういうわけだ。俺が直々に相手をしてやる。あんた、そこそこデキるようだから楽しませてくれるんだろうな?」
「……お前に勝てたら、ミカさんを返してもらえるのか」
アレクの問いにフリーは笑いながら答えた。
「ああ、俺の用事はとっくに済んだからな。好きに連れて行くがいいさ」
拳銃の銃口をアレクへと向け、長い舌を出して口をべろりと舐めた。
アレクは足下に落ちていたナイフを拾い、胸の前で構えた。
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