空白の叙事録〜誰が忘れた罪禍の記憶〜

羽月明香

文字の大きさ
19 / 41
【第一鐘〜夜の少年と真白き少女〜】

18 望みの果て

しおりを挟む


 光が色を失い、凪いで行く空気の動きに、あれほどの念波パルスの奔流は、何事もなかったかのように収束して行った。

 叫ぶようにトゥリアが呼んだ筈の名前。そこにあった青い水晶の結界障壁がなくなり、支えを失ってしまったかのようにスフィルの身体がトゥリアの方へと倒れ込んで来る。

 何かを思う余裕はなかった。
 トゥリアは自分もまたふらつきかける身体を、叱咤する勢いにまかせて動かし、スフィルのその身体を、自身の血のまみれた手でしっかりと受け止めて支える。

 そんなトゥリアの視界、白いスフィルの肌と服に、鮮烈な赤い色彩が散る光景。


ーヨゴシテシマッター

 
 必死な行動とは裏腹な茫然とした意識の奥底。赤い色彩の残光が滲む、暗い澱みのような場所で、トゥリアはそんな“聲”を聞いたような気がした。

 トゥリアの瞬かせる双眸。
 トゥリアがどうにかしようとして吹っ飛ばされ、黒い子犬が命懸けで壊そうとして出来なかった結界の消失は、あまりにも呆気なかった。
 スフィルが起こしたであろう、結界が砕け散ってしまう程の強大過ぎる力の奔流を目の当たりにして、けれどトゥリアの表情にスフィルの力に対する恐れはない。

 トゥリアの視界を淡い光が彩っていた。
 トゥリアとトゥリアが抱くスフィルの身体。そこにいる二人の上へと等しく降り注ぐ、燐光のように仄かな青色の光は、砕けた結界障壁の欠片カケラだろうか。
 光は瞬き、繊細に煌めいていて、それは余りにも幻想的で神秘的な光景だった。

 けれど、トゥリアはその光景を美しいとは思わなかった。
 自分の腕の中にいるスフィルの存在に対する安堵も、歓喜もなかった。
 取り返しのつかないものを目の当たりにした時に受ける衝撃と、止めなければならなかった行動を止められなかった事への後悔が、トゥリアの表情から感情と言うものを奪い去ってしまっていた。

 だって、そうではないかと、考えたくないと思うのにトゥリアは考えてしまう。
 スフィルの力が砕いた青色の水晶障壁。けれど、同時に、スフィルを捕らえておける程のものをスフィル自身が壊したと言う事実に、トゥリアは全身が冷たくなる程の悪寒を覚えずにはいられなかった。

 トゥリアはスフィルの方も無事に済む筈がないとそう予感せずにはいられなかったのだ。

「ねぇ、どうして・・・」

 掠れる声で、唇は茫然と音を紡ぐが、その先を続ける事がトゥリア自身にも出来なかった。
 せっかくスフィルの顔を間近に見る事が出来たと言うのに、浮かべる事の出来ない微笑み。くしゃりと泣き出す直前のような悔恨の表情が、ただトゥリアの顔を歪ませる。


ー・・・・・・暖かいー

 沈黙を厭う、囁きよりもひそやかな聲をトゥリアは聞いた。
 綺麗で切ない聲で、誰もが心に持つ琴線を振るわせる、そんな何処か懐かしい調べをトゥリアは思った。
 そして、支えられて、間近でトゥリアを見るスフィルの表情は何故か酷く安らいで見えた。

「どうして・・・?」

 トゥリアはただそう繰り返すが、スフィルの行動の理由が知りたかった訳ではない。
 けれど、何がどうしてなのか、トゥリアは自分自身にも、本当は自分が何を聞きたかったのかが分からなかった。
 突然の事に、混乱しているのも確かにそうだ。けれど、それ以上にトゥリアは、自分がそれ以上を考えないようにしているのだと、心の何処かで理解していた。

 トゥリアが受け止めたスフィルの身体には確かな実態があり、ちゃんと“ここにいる”と実感出来る。トゥリアが知る、物理的な身体を持たない精霊と言う存在とは違う、人間と変わらないと感じる存在感がそこにはあった。
 けれど、その身体は今、本当に精霊であるかのように、徐々に透き通り始めている。
 スフィルの身体が解けるようにして、砕けた水晶の障壁のものとは異なる、無数の仄かな光の粒は舞い上がって行く。幻想的なこの光景こそが、どうしようもなくスフィルの存在を希薄なものへと変えていってしまっているのだ。

ー私の存在、魔粒子マナパーティクルの剥離。・・・乖離を始めてる。ここでの在り方を失うだけ。これは・・・望みの、代償ー

 カイの言葉もそうだったが、トゥリアにはスフィルの言っている事の意味が殆ど分からなかった。
 ただ、何が起きているのかは分かっている。そしてトゥリアは自分が分かる部分だけでも受け止めるしかないのだ。

 スフィルは今、何かを望み、そして、その結果として“こんなこと”になっているのだから。

「・・・代償?せっかく出られたのに、”消えてしまったら”、意味なんて・・・・・・」

 受け止めると思いながらも、言葉は零れ、自分が発した筈のそんな言葉すらも、つかえて上手く出てこない。

 倒れて来たスフィルを受け止めて、けれど、その身体に重さは殆どなかった。そして今、光の拡散と共にスフィルの存在が薄く、曖昧なものになって行ってしまっている事に、気付いていた。
 見えなくなるだけで、そこにいると言う通常の精霊の状態とは何処か違う。
 “消えてしまう”とそう言葉にしたトゥリアは、自分の感情が分からないまま、けれど、スフィルの身体を受け止めた時から、現在進行形で何も出来ない自分は、何かを思う資格すらないのだと思った。

ー・・・聞いていてー
「え?」
ー私は、この力で誰かを傷付けるだけの存在ではなく、あなたや、あの子のように・・・そばにいて、支えてあげられる、そういう存在でいたかった・・・ー

 その表情だけでなく、言葉を綴るスフィルの聲はどこまでも穏やかだった。
 微笑みがある訳でも、声音が優しい訳でもなかったが、トゥリアは確かにスフィルの雰囲気に今までにない、もの柔らかさを感じていた。

 そして、その穏やかさこそが、トゥリアは怖かった。

 そんな、トゥリアの感じている恐怖を知ってか知らずにか、スフィルは、伸ばす手にトゥリアの頬へと触れて来た。
 真っ直ぐ瞳を覗き込むようにして見詰められて、夜空を映す藍色の瞳がトゥリアの眼差しを惹き付ける。

 視界の端で青白い光の粒が舞い上がって行く。
 トゥリアの頬を撫でるように、触れられていると言う感覚は、スフィルの全身から乖離して行く仄かな光の粒子と共に薄れ、消えて行ってしまう。
 そして、不意にその光が糸を引き流れが歪んだ。

ー泣かないで・・・ー
「・・・・・・なく?ちがう、よ・・・泣いていたの、は・・・?」

 戸惑いがトゥリアの虚を突く。けれど、光を歪ませる濡れた視界が、トゥリアに泣いているのは自分だと気付かせた。

ー精霊としての、“私”はこれで、消えてしまうけれど、想う心は自由・・・・・・世界の境界さかいを超えて、彼方をも逝く魔粒子マナパーティクルのひとかけら、そうして、私はいつか・・・・・・ー
「あ・・・」

 存在の乖離。
 先程のスフィル自身の言葉が、唐突に胃の腑辺りへと落ち込んで来た。
 人が肉体を維持するように、スフィルが精霊だと言うなら、精霊としての身体を維持し、構成するものがある筈なのだ。
 その何かがこの光。光が解けて行くように、スフィルの身体が、命そのものが失われて行っている。

 そしてトゥリアにはそれを止める術がない。それこそが、トゥリアの恐怖の正体なのだ。

「だめだ」

 否定、そして拒絶。けれど、そんな言葉に意味はなかった。
 言葉が無力だとは思わない。けれど、それでも、トゥリアは今この瞬間、自身の無力を噛み締める事しか出来なかった。
 いや、この事態のそもそもの原因であるトゥリア自身には、その資格すら、やはりないのだろう。

ーわた・・・は、そう、セイリ・・・ス。もう、スフィル、の名・・・ちが、・・・ぼえて、て、いつか・・・ー

 上手く聞き取る事の出来ない言葉を、それでもトゥリアは遮る事なく聞いていた。
 トゥリアへと預けられていた、一人分の体重としては軽過ぎる重さすらも今はもう不確かな感覚だった。そして、そんな言葉を最期に、スフィルの輪郭すらも薄れ、そして最後の光の一欠片ひとかけらが空へと舞う。

 淡く、清廉な、スフィルそのものを思わせる光の一欠片ひとかけら。その光もまた、更に微細な、蝶の鱗粉よりも細やかな残滓の瞬きへと転じ、煌めき、仄かな光だったものが、虚空の彼方に在る透明な闇へと飲み込まれるようにして・・・

・・・そしてスフィルは消えてしまった。


「あ・・・」

 意味を持たない言葉の欠片。何かを言いかけた訳でもなかったように思うが、そんな自分の事すら今のトゥリアには分からなかった。
 分からない事だらけの自分自身がそこにはいた。
 彼女の存在を、未だ抱き続けているかのように、下ろす事の出来ない腕。
 トゥリアはただ、拒んでいた。
 見ていたもの、聞いていた聲。想う事、考え、全ての時を進める事すらも拒絶する。

 けれど、直ぐにそんな事は不可能なのだと思い知らされる。

「あの子が、自分からあの封魔の水晶柱から出る事を選んだのか。たった三夜の邂逅でそうさせる何かが、君にはあったと言う事なんだろうな」

 淡白な声には、微かな笑みの響きを感じた。
 聞きたくないと思いながらも、その柔らかな響きは、トゥリアの停止させようとしていた意識へと少しずつ浸透して来る。

 何かに促されるようにして、ぎこちなくもゆっくりと動かす首に、やがて、トゥリアの視界が、夜闇に在る森の木々を背景に、白いフードと長衣ローブに身を包んだ、あの男性とも女性ともつかない、カイと名乗った人物がそこに佇む姿を捉えた。

 何時からそこにいたのか、そんな驚きはあった筈だが、トゥリアの表情は動かない。
 トゥリアはスフィルの身体を抱き、抱えていた手を表情なく見下ろした。

「・・・・・・」
「あの子は、こうなると知っていた」
「・・・・・・」
「あそこから出るという事が、自分が消えてしまうことだって分かっていて、それでも選び取った想いがあったから、そう、あの子自身が望んだ自由な心を手に入れたんだ」
「想う、自由な、心?でも・・・」

 消えてしまったのだと言う実感。
 もうトゥリアがスフィルの声を聞く事も、姿を見る事もないのだと言う理解。
 トゥリアは緩やかに、持ち上げたままだった手を下ろした。
 自身の思いと共に見失ってしまった言葉の先で、トゥリアは今、酷く静かに混乱していた。そして、始末が悪い事に、混乱を収束させる為に思考する事を、何よりもトゥリア自身が拒んでいた。

 いや、とそれは自らへと対する否定の意思。
 理解に基づいた実感はあったのだ。だから考えてはいる筈で、なのにトゥリアは、それ以上動く事も、声を発する事も出来なかった。
 そして、ようやくトゥリアは始めからそこにあった答えへと目を向ける事になる。
 一度は下ろした手を持ち上げ、触れる先は自分自身の顔。
 濡れた指の感触に、トゥリアは声もなく泣いていた。
 身を引き裂く程の痛み。奥歯を噛み締めた悔しさ。嗚咽すらも自らには許さず、けれど、そう、トゥリアはただ悲しんでいたのだ。

「探してあげればいい」
「・・・?」

 言われた言葉の意味が分からず、それでも考えようとする意思に、トゥリアは佇むカイへと目を向ける。
 視界の中で緩やかに波打ち、揺れる白色がトゥリアの意識を掠う。
 痛みも苦しみも、大切だと思ったものですら、等しく染め上げてしまう白月の色。そして、次の瞬間、トゥリアはその沁み入る月白色の中に咲く、紫苑の色彩に満たされた瞳の色合いを見た。

「君は、ああ・・・そう言うことなのかな」

 呟くようなその言葉にあるのは、ようやくと言った理解だろうか。
 胸もとの方へ、白地の長衣ローブの上を流麗な流れを描いて零れる淡い金色の髪。顔の鼻付近までを覆っていたフードは外され、背中側へと落とされていた。
 今、露わにされている顔に、トゥリアを見る紫苑の双方が宿す硬質的な輝きは感情を映さず、けれどその表情には紛れも無い微笑みが形作られている。
 髪の色合いや、女性的な線の細さを思わせる印象の為か、白の長衣ローブを纏ったカイのその容貌はどこかスフィルに似ているような気がして、トゥリアの口もとには自然と切ない微笑みが浮かんでいた。

「あるべき時から外れ、君は誰の意思でここにいる?」

 そう尋ねられるが、それは答えられない問いだった。
 トゥリア自身が持っていない答えに繋がる疑問。それどころか、トゥリアには問われている事の本質が見えなかった。
 確かにスフィルのもとへと急いだのはトゥリア自身の意思だ。
 だが、最初にトゥリアをスフィルのもとへと導いた黒い子犬の存在がいて、もっと言えば、この場所へと誘われる結果になったのは、イージスの森で崖下に落とされたからなのだ。

 走馬灯のような瞬間的な記憶を辿り、その最中、唐突にトゥリアは行き当たる。問い掛けの響きを思わせる言葉に、“君”と言うトゥリアを指すのであろう単語。なのに、問われているのは自分ではないとトゥリアは直感する。
 感情を悟らせる事のない紫水晶の瞳と、微笑みの表情。どちらが目の前の人物の本質を写しているのかトゥリアには判断がつかない。
 目は嘘をつかないと良く聞くが、微笑みが持つ雰囲気の柔らかさもまた嘘ではないと、そう思えるのだ。
 そして、トゥリアが直感の意味を答えにする事なく、見詰め返した眼差しに、そこまでになってしまった。

 彼とも彼女ともつかない人物の綺麗な微笑み。見詰めた瞳はスフィルとは異なる黄昏れ時を思わせる紫灰色の彼方、トゥリアはその瞳を微かに過ぎった感情を見た気がした。
 けれど、その感情が何だったのかを考えるより前に、トゥリアの視界と意識が陰り、そのまま暗転する。

 何か酷く疲れていた。
 そしてトゥリアは、闇へと落ちて行こうとする感覚に、抗おうとする考えすら浮かばず身を任せてしまう。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

処理中です...