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リョウの意地
しおりを挟む身体のあちこちが痛い。
騒がしい斎の声に驚いて逃げて行く鳥の声を聞きながら、終わったのだとようやく実感がわいた。
宗二の先祖達といい、あの女といい、とんだ墓参りだと悪態つく。
あの時、霊体になって初めて感じる痛みに身体がすくんだ。それでも、笑ったのは意地だった。
不敵に。
それでいて挑発するように。
ありったけの思いと力を込めた。
認めてやる。
僕は宗二が好きだ。
こんな変態女になんて死んでも取られたくない。
絶対に連れて逝かせはしない。
宗二には、これからがあるんだ。
…僕らとは違う。
だから、あんたはここで僕が倒す。
この魂を賭けてでも…。
そう決めて…。
「リョウ、さっき言ったことって…」
「なにも言ってないよ」
「え…?」
「寝ぼけてたんじゃない?」
ふいっとそっぽを向いて、痛む身体で立ち上がる。
まだ一緒にいられるのに、認めるわけがない。だって僕らは相容れない存在なんだから。
認めてしまえば、キミはいつまでも僕を思い出す。けれど、叶わなかった恋なんて次に好きな人が出来たらすぐに忘れられるでしょ?
僕が消えた後、幸せになってもらわなきゃ困るのだ。僕の分まで幸せになってもらわなきゃ…。
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