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第ニ章 運命との戦い
第二十六話 運命との戦い 序
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~アミアン北西部にて~
黒き獣たちが隊を組んでアミアンに向かっている。
その異常なほどの統率力の高さには理由があった・・・
「ククク・・・ あれがアミアンっていう街ですか。随分と武装が整っていますねえ」
黒き獣たちにまみれて、ローブをかぶった魔術師風の男はそう言った。
「キャキャキャ・・・ あんな脆いもの、一突きすれば壊れてしまうさね」
男の隣にいた剣士風の女が言う。
彼らはこの魔獣たちを率いていた。2人とも肌が真っ黒に染まり、不気味な印象を醸し出す。
「まあまあ・・・ そう急ぐのは禁物ですよ、ダリラ。いくら相手が"欠陥種族”といえど、何でしたっけね・・・ あ、そうそう。リヨンを守るだけの戦闘力はあるみたいですから」
「それはあんたがあの死に損ないを街に放り込んだだけだろう? あんなのじゃどうしようもならないね」
「何を・・・ あれも大事な被検体だったんですよ。まさか見つかるとは思いもしなかったですしねえ」
男はそう言って、不敵な笑みを浮かべながらアミアンの街を再び見る。
「ケッ、何を楽しんでるんだい。あんたの考えは読めないよ」
「ククク・・・ 貴方からそんなことを言われる日が来るとは・・・ まあいいでしょう。予定通り、伏兵の方は貴方に任せましょう。それでは、頼みましたよ?」
「・・・分かったよ。あんたこそ、ヘマをするんじゃないよ」
そう言って、ダリラはどこかへと消えてしまった。
「ククク・・・ ヘマ、ですか・・・ 私はいつも真面目ですよ さあ、少しでも楽しめればいいですねえ」
男は再び、不敵な笑みを浮かべた。
~同刻、アミアン内部にて~
ラジは街を囲む壁のそばで指揮を執っていた。戦士たちの勇ましい声が良く聞こえる。
「ラジ様! 奴らが目視できる範囲まで来ました!」
見張りの兵士がそう報告してきた。
「偵察ご苦労だった。君も持ち場へ帰るんだ」
「はっ!」
そうして、見張りの兵士が出て行った。
「さて・・・ そろそろ開戦の時間なようだ・・・ ソニアよ、準備は出来ているか?」
ラジは、傍にいるソニアに目を向ける。
「ええ、あなた。どれだけの死地をあなたと乗り越えてきたと思うの?」
ソニアはいつもの笑みを浮かべながら、ただし真剣な眼差しで立っていた。
「ふっ、それもそうだな。よし! 上空を哨戒している魔術師たちに伝えよ! 魔法による攻撃と、それに加えて大砲による攻撃も開始するんだ!」
「はっ!」
側近の兵士もこれで出て行ってしまった。この辺りにはラジとソニアしかいない。
二人は歩み寄る。
「レイド君・・・ 頼んだぞ・・・」
「・・・大丈夫よ~ きっと彼らも勝つわ」
ラジとソニアは、互いに手を取り合った。
それから数刻後、魔獣たちとの本格的な戦闘が開始された。
「Γιγαντιαία θερμότητα που θα σβήσει τον τόπο ... μαζευτείτε μαζί μου!」
「砲兵総員、構え! 撃てぇ!」
いたるところから轟音が鳴り響く。空を魔術師たちによる攻撃や、砲撃が雨のように黒き獣たちに降り注ぐ。
「ガァアア・・・」
魔獣たちはある程度ひるんではいるようだ。
「よし! このまま攻撃を続けるんだ!」
「「「おう!」」」
ラジ率いる部隊は士気もまだまだ高い。そのまま順調に戦いを進めていけると思われていた・・・
「なかなか厄介ですねえ・・・」
男は未だに不敵な笑みを浮かべながら、空を飛んでいる魔術師をじーっと見つめている。
「あの小鳥たちが我々にちょっかいをかけているようです。ワイバーンよ、食べてしまいなさい・・・!」
「ガァァ!」
上空に黒く染まったワイバーンたちが一斉に飛び立つ。
「な、なんだ! こいつらは! は、速い!」
魔術師たちは突如の攻撃で大パニックだ。
「やめろお! グわああぁ・・・!」
「ああ、足があ、足がああぁ!」
魔術師たちは次々と黒化ワイバーンの餌となってしまった。制空権は彼らに握られてしまう・・・
「な、何事だ!」
異常を察知したラジは、即座に状況を確認する。
「わ、ワイバーンが、こちらに・・・!」
かろうじて生き残った魔導士たちは、ラジに悲惨な状態を伝える。
「な、なんてことだ・・・ 不味いぞ! ワイバーンがこちらに近づいてくる! あいつらを打ち落とすんだ!」
「ガァァ!」
黒化ワイバーンは地上にいる人間を食べようと、こちらに襲ってきた。
「・・・! させんぞ! どりゃああ!」
ラジは戦斧を黒化ワイバーンに目掛けて投げた。
風のような速さで飛んで行った戦斧は、黒化ワイバーンを真っ二つにする。
「恐れるな! 戦士たちよ! 空からの脅威を排除するんだ!」
その言葉を聞き、戦士たちの士気が再び戻る。
「うおおおおお! やってやれ!」
「俺らも戦うぞ!」
激しい戦闘は、しばらく続くこととなる・・・
黒き獣たちが隊を組んでアミアンに向かっている。
その異常なほどの統率力の高さには理由があった・・・
「ククク・・・ あれがアミアンっていう街ですか。随分と武装が整っていますねえ」
黒き獣たちにまみれて、ローブをかぶった魔術師風の男はそう言った。
「キャキャキャ・・・ あんな脆いもの、一突きすれば壊れてしまうさね」
男の隣にいた剣士風の女が言う。
彼らはこの魔獣たちを率いていた。2人とも肌が真っ黒に染まり、不気味な印象を醸し出す。
「まあまあ・・・ そう急ぐのは禁物ですよ、ダリラ。いくら相手が"欠陥種族”といえど、何でしたっけね・・・ あ、そうそう。リヨンを守るだけの戦闘力はあるみたいですから」
「それはあんたがあの死に損ないを街に放り込んだだけだろう? あんなのじゃどうしようもならないね」
「何を・・・ あれも大事な被検体だったんですよ。まさか見つかるとは思いもしなかったですしねえ」
男はそう言って、不敵な笑みを浮かべながらアミアンの街を再び見る。
「ケッ、何を楽しんでるんだい。あんたの考えは読めないよ」
「ククク・・・ 貴方からそんなことを言われる日が来るとは・・・ まあいいでしょう。予定通り、伏兵の方は貴方に任せましょう。それでは、頼みましたよ?」
「・・・分かったよ。あんたこそ、ヘマをするんじゃないよ」
そう言って、ダリラはどこかへと消えてしまった。
「ククク・・・ ヘマ、ですか・・・ 私はいつも真面目ですよ さあ、少しでも楽しめればいいですねえ」
男は再び、不敵な笑みを浮かべた。
~同刻、アミアン内部にて~
ラジは街を囲む壁のそばで指揮を執っていた。戦士たちの勇ましい声が良く聞こえる。
「ラジ様! 奴らが目視できる範囲まで来ました!」
見張りの兵士がそう報告してきた。
「偵察ご苦労だった。君も持ち場へ帰るんだ」
「はっ!」
そうして、見張りの兵士が出て行った。
「さて・・・ そろそろ開戦の時間なようだ・・・ ソニアよ、準備は出来ているか?」
ラジは、傍にいるソニアに目を向ける。
「ええ、あなた。どれだけの死地をあなたと乗り越えてきたと思うの?」
ソニアはいつもの笑みを浮かべながら、ただし真剣な眼差しで立っていた。
「ふっ、それもそうだな。よし! 上空を哨戒している魔術師たちに伝えよ! 魔法による攻撃と、それに加えて大砲による攻撃も開始するんだ!」
「はっ!」
側近の兵士もこれで出て行ってしまった。この辺りにはラジとソニアしかいない。
二人は歩み寄る。
「レイド君・・・ 頼んだぞ・・・」
「・・・大丈夫よ~ きっと彼らも勝つわ」
ラジとソニアは、互いに手を取り合った。
それから数刻後、魔獣たちとの本格的な戦闘が開始された。
「Γιγαντιαία θερμότητα που θα σβήσει τον τόπο ... μαζευτείτε μαζί μου!」
「砲兵総員、構え! 撃てぇ!」
いたるところから轟音が鳴り響く。空を魔術師たちによる攻撃や、砲撃が雨のように黒き獣たちに降り注ぐ。
「ガァアア・・・」
魔獣たちはある程度ひるんではいるようだ。
「よし! このまま攻撃を続けるんだ!」
「「「おう!」」」
ラジ率いる部隊は士気もまだまだ高い。そのまま順調に戦いを進めていけると思われていた・・・
「なかなか厄介ですねえ・・・」
男は未だに不敵な笑みを浮かべながら、空を飛んでいる魔術師をじーっと見つめている。
「あの小鳥たちが我々にちょっかいをかけているようです。ワイバーンよ、食べてしまいなさい・・・!」
「ガァァ!」
上空に黒く染まったワイバーンたちが一斉に飛び立つ。
「な、なんだ! こいつらは! は、速い!」
魔術師たちは突如の攻撃で大パニックだ。
「やめろお! グわああぁ・・・!」
「ああ、足があ、足がああぁ!」
魔術師たちは次々と黒化ワイバーンの餌となってしまった。制空権は彼らに握られてしまう・・・
「な、何事だ!」
異常を察知したラジは、即座に状況を確認する。
「わ、ワイバーンが、こちらに・・・!」
かろうじて生き残った魔導士たちは、ラジに悲惨な状態を伝える。
「な、なんてことだ・・・ 不味いぞ! ワイバーンがこちらに近づいてくる! あいつらを打ち落とすんだ!」
「ガァァ!」
黒化ワイバーンは地上にいる人間を食べようと、こちらに襲ってきた。
「・・・! させんぞ! どりゃああ!」
ラジは戦斧を黒化ワイバーンに目掛けて投げた。
風のような速さで飛んで行った戦斧は、黒化ワイバーンを真っ二つにする。
「恐れるな! 戦士たちよ! 空からの脅威を排除するんだ!」
その言葉を聞き、戦士たちの士気が再び戻る。
「うおおおおお! やってやれ!」
「俺らも戦うぞ!」
激しい戦闘は、しばらく続くこととなる・・・
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