魔力無し、チート婚約者ができる ~インテグリー=フェイス 婚約者は裏ボスだった!? 死の運命を変え、ゲーム本編をぶっ壊す!~

アイスクリーム仕立て

文字の大きさ
37 / 89
第三章 学園入学編 ~崩壊した本編~

第三十七話 エレーヌの不安

しおりを挟む
 ロイクとマリーは互いに向かい合う。
 ロイクはあまり興味が無いような感じだが、マリーはおびえている。

「ロイクさん、覚えていますか? この人はマリーです。俺が貴方と初めて会ったとき、護衛に付いていた人ですよ」
「フーン・・・」

 ロイクは心がともっていない返事をする。
「まあ、久しぶり。感動の再開ということか。握手をしようじゃないか」
「・・・! その腕は・・・!」

「ああ、ちょっとしくじってしまってね・・・」 
「そんなことが・・・」

「それでも! 妹の思う気持ちは変わらない!! 例えストーカー行為に走ったとしても!」
(おい、エレーヌがドン引きしているぞ!)
 
「はぁ・・・ 君たちも大変そうだな・・・」

 マリーはそう言いながら意味ありげにレシティアの方をちらっと見た。
「ちょっと・・・! 私が問題児とでも言うわけ!?」

(((そうですよー・・・)))
 皆が一斉に顔を背けた。

「キィ・・・! 見てなさいよ! 学園の試験で主席合格してやるんですから!」
「はいはい。レシティア様はそろそろ学園へ向かう準備をしないといけないですよね?」
「あ、そうだった! マリー! 今すぐに屋敷に帰るわよ!」

 レシティアはそう言うと爆速で帰る準備を始める。

「よいこと? 明日の朝! コレル邸に集合よ! 忘れたら承知しないんだから!」
「ああ! 待ってください! ・・・レイド、いろいろとすまなかったな。それでは!」
 マリーも後を追いに走り去っていった。

 返事も聞かないでどっかに行ってしまったぞ。

「うーん・・・ なんかよく分からないけど、とりあえず帰ろうか~」
「そうですね・・・ 余計に疲れが溜まりました・・・」
「ちぇ! もうちょっと遊べると思ったのによお」
 仕方なく、レイドたちも立ち上がる。

 そうして、店から出るのだった・・・


「着いたよ~ ここが今日の止まる場所だ」
 ロイクに連れられて来たのは、閑静な住宅街にあるちょっと大きな家。
 内装はまあバイセン家らしいというか、質素だな。

「さて、困ったことにここには部屋が二部屋しかない。しかも、どちらも二人部屋だ」
「普通にロイクの兄貴と俺、そしてレイドとエレーヌでいいんじゃないか?」

「それは断じて認められないぃぃぃぃっ! 婚前の男女二人が一緒の部屋など!」
「少なくとも兄さんと一緒になるよりかはマシだと思います」
(おいおい、火力が高すぎるんじゃないか?)

「・・・っ! え、そうなのか?」
 ロイクは言いたかったことを先に封じられ、少し萎えている。

「だったら俺たちが三人で使えば・・・」
「それでは私が得するだけでは無いですか、レイドに申し訳ないです」

「いいや! レイドとエレーヌは分かれるべきだ!」
「・・・そこまで言うなら兄さんは馬小屋にでも行ったらどうですか?」
(さっきから火力が高いぞ!)

「ぐ・・・ それは・・・」
「だったらレイドはこっちの部屋です。いいですね? 別に寝る時だけですから」

 ロイクはついに降参したようだ。どっかへ行ってしまった・・・

「結局俺は一人で寝れるのか?」
「カイン! 止めろ、これ以上何も言うな!」


 
 てなわけで、今は一緒の部屋で寝ている。

 最近は、”あの夢”を見なくなった。俺はおそらくアミアンの戦いで死ぬ運命だったのだろう。
 ”既定路線”を変えてしまったからなのだろうか。夢に出てくる声の正体も結局分からずじまいだ。

「レイド・・・ まだ起きているのですか?」
「ああ、眠れなくてな・・・」

 エレーヌがこちらに顔を向けてきた。大丈夫。少し離れている。
 そうでもしないと理性を保てない。

「・・・最近、私も眠れなくてですね。うとうとしてばかりいるんですよ」
(だから馬車で寝ていたり、ロイクにあたりが強かったのか? いや、ロイクは違うかな・・・)

「何か、最近は悪寒がするのです。私は生きてはいけなかったような・・・ おかしいような・・・」
「・・・!」
(やっぱりそうだ。エレーヌも同じ感覚になっている・・・)

「大丈夫だ。エレーヌを守るために俺は前衛を志願したんだ。誰にも殺させやしない」
「守る・・・ ふふふ、まず自分の身の安全を気にしたらどうですか?」

 ん? もしかしたら、今俺はとてもイタイことを言ったか?

「レイドがその様子で安心しました。これからも私のことを守ってくださいね?」
「なっ・・・!」
「それでは、お休みなさい」


 ・・・やっちまった。
 


 翌朝、レイドたちはコレル邸まで来ていた。一緒に学園まで向かうためだ。

「ふふーん! 待たしたわね!」
「おはよう、レイド」
 レシティア、マリーが各々用意を済ませてきたようだ。

「レシティアよ~ 頑張るんだぞ~!」
「父上!?」

 おお、コレル子爵ではないか。久しぶりに見るな。

「はぁ、はぁ。レイド君がこっちに来ていると聞いて駆けつけてきたぞ!」
「バーンさん。お久しぶりです」
「娘のことを・・・ よろしく頼んだぞ?」

 バーンは意味ありげにそう話す。

「レイド、一体何の話をしているんですか?」
「エレーヌ・・・」
 ちょっと気まずい・・・
 
「エレーヌ? そうか、あれがレイド君の・・・」
 バーンは何やら考え始めた。

「うーん、二人目は・・・ いや、本人たちの意見を尊重して・・・
(おい! 何の話だよ!)

「・・・全員そろったようだし、そろそろ出発するか~」
「ええ! 私あっちの馬車に乗りたい~!」
「レシティア様・・・ 後で話しておきますから・・・!」

 そうして、レイドたちの旅路はもっとにぎやかになるのだった・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...