魔力無し、チート婚約者ができる ~インテグリー=フェイス 婚約者は裏ボスだった!? 死の運命を変え、ゲーム本編をぶっ壊す!~

アイスクリーム仕立て

文字の大きさ
72 / 89
第五章 覚醒

第七十二話 シャロン城下町にて

しおりを挟む
「着きました。私がいつも行く店です」
「はぁ・・・ はぁ・・・ もうちょっとゆっくり走ってくれ・・・」

 王都でもガラの悪いところに立地しているこの店が、エレーヌがよく行くところらしい。
 どう見ても大丈夫じゃない雰囲気が漂っている・・・

「さっそく入りましょう。 ・・・こんにちは~ 空いてますか?」
「お、おい・・・」

「・・・嬢ちゃんか、座っていきな」

 店? の中に入ると、強面の男が一人、キッチン? に待ち構えていた。
 客は・・・ いるようだな。

「さあ、座りましょう」
「おい、その連れ・・・ まさか・・・」

「え? 俺?」
「そうよ、お前さんのことだ!」

「ああ、回復したんです。つい今日」
「「「おおおおおお!!!」」」

 店内にいた全員から喝采が巻き起こる。

「よお、俺はここの店をやってる、ガーナーってもんだ。よろしくな、レイド」
「よ、よろしく・・・ 何故俺の名を?」

「それはよぉ、嬢ちゃんがいつもお前さんの事しか話さねえからだよ。つい先週だって・・・」
「!! 止めて! 止めてください!」

「へへっ、何だ~? 俺はただこいつに真実を伝えてやろうと・・・」
「それでも、話したらいけないこともあるでしょう!」

「ったく、つまらねえな。まあ、嬢ちゃんに逆らったら何されるか分からねえし・・・」

 ガーナ―は不満そうな顔をしながら、キッチンでの作業を再開した。

「まあいいや、今日は何をお望みで?」
「・・・じゃあいつもので、今日は2人前でよろしくお願いします」

「俺の分も頼んでくれたのか?」
「いや、違いますよ。あくまで私の分です」

「こいつ、凄い大食いだぜ? いつもより少ないくらいさ」
「・・・いつもは?」

「・・・嬢ちゃんの目線が痛いから止めとくぜ。それより、お前さんは?」

「じゃあ、そのいつものを、一人前で」
「おいおい? 彼女に負けてるぞ? いいのかよ~? ガハハ!」

 周りからヤジが飛んでくる。
 どうやらエレーヌは、かなり有名になっているようだ。

「さあ、待ちますか・・・」
「なあ、いつものやつってなんだ?」

「・・・まあ来たら分かりますよ」

 そうして少し経った後・・・

「へい、ジャイアントベアーのステーキだ!」
「ジャイアントベアー、か」

 ガーナ―から出された料理は、皿いっぱいに積まれたジャイアントベアーの肉だった。
 エレーヌはそれが二皿あるということになる。

「ふふふ、懐かしいですね。最近は”黒き魔獣”のせいで手に入りにくいんですよ・・・」
「そうか・・・」

「まあ、堅苦しい話は置いといて、食べちゃいましょう。頂きます!」

 しばらくの間、レイドたちは食事を満喫するのだった・・・


「ふぅ。ご馳走様でした・・・」
「おうよ、レイドもよく食えたな!」

「ははは・・・ これくらいなら・・・」

(は、腹が・・・ これは病み上がりには重すぎる・・・)
 ――余裕そうな発言とは裏腹に、凄く顔を真っ青にしたレイドであった。

 すると、急にエレーヌは真剣な顔になって、ガーナーに視線を向けた。
 
「・・・ガーナ―さん。また、しばらく帰ってこれそうにないです」
「・・・そうか。また、行ってしまうのか?」

「はい・・・」

 エレーヌは少し悲しそうな顔をする。
 レイドが知らない間に、色々あったようだ。
 
「大丈夫だっての。帰ったら、またたらふく食わせてやるからよぉ!」
「「「そうだ! そうだ!」」」

 他の常連客も一緒になって言う。
 
「レイドぉ!!」
「は、はい!」

「・・・お前さん、嬢ちゃんをしっかり守るんだぞ!!」
「当然だ。死なすわけがないだろう、俺が前衛に居るんだから・・・」

「よし! その意気だ! それじゃあ、また来てくれよな!」

 そうして、レイドたちはガーナ―の店から出るのだった。


 
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「うぅ・・・ 腹がいっぱいだ」
「そうですか。満足してくれたようで何よりです!」

(いや、そういうわけじゃ・・・)

「さて、次どこ行きます? スイーツでも食べに行きますか?」
「ええ・・・? また食べるの?」

「・・・じゃあ何が良いんですか?」
「何って聞かれても・・・ ん?」

 レイドは街中に一際目立つ建物を見つけた。
 どうやら劇団のようだ。

「お、あれとか面白そうじゃないか?」
「・・・劇団ですか、いいですね、面白そうです」

 エレーヌはそう言って、演目の内容が書かれた看板を読み始めた。


 =シャロン劇団 今日の演目=

 シャロン王国創世記物語 ~英雄ジャン・コレルと神秘の剣~

 
「レシティアの先祖か」
「そうですね。面白そうですし、見ていきますか?」

「そうだな・・・ まだ時間はある」

 レイドたちは、その演目を見ることにした。
 神秘の剣・・・ 一体、それは何を表しているのだろうか? 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...