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婚約破棄?その言葉待っていました!
夜会①
「お父様、昇爵おめでとうございます」
「ありがとう、レイ。身が引き締まる思いだよ。オリバー、クリス、後を頼むぞ」
「父さん、さすがに気が早いんじゃない?」
授与式から夜会が始まるまでの僅かな間に、セレス家は家族で言葉を交わす。
兄が騎士団の職務に忙殺され、私が領地に行っていたこともあり、家族が揃うのは久しぶりだった。短い時間でも嬉しい。
「では私は仕事に戻るよ」
「いってらっしゃい」
「気をつけてな、オリバー」
兄は職務に戻って行った。これから王太子殿下の護衛任務に就くそうだ。近衛騎士の白の正装がよく似合っていた。
その様子を周囲は見ている。
今回の叙勲で昇爵はセレス家のみ。伯爵家になったことで会場の注目を集めていた。
「嫡男は騎士か。あの制服は王太子殿下の……?」
「息子二人と娘一人だし、政略相手としてはまずまず……」
「あら?一人だけ似ていないわね」
「ああ、あれは養女だろ。ほら、あの事件の……」
私だけ容姿が似ていないのはその通りだ。
養父であるセレス子爵はダークブラウンの髪色と瞳を持つ、いかにも温厚な紳士という出で立ち。
養母であるセレス子爵夫人は亜麻色の髪と新緑の瞳を持つ、小柄でほっそりとした女性。
兄とクリスは母の子爵夫人と同じ髪色と瞳の色だが、顔立ちは父である子爵に似ている。
私は黒髪に深い緑の瞳で顔立ちも似ていない上、女性の中でも背が高い方なのだ。
「姉さん、気にする事ないよ」
「ありがとう、クリス。私は大丈夫よ。
ふふ、すっかり立派になって素敵な紳士だわ」
「姉さんと練習したから」
「そうね」
「二人で何のお話ですの?」
クリスと話していたら、エリザベス様がいらっしゃった。
「今日のために練習したという話ですよ」
私は微笑んで応じる。エリザベス様がいると場が華やぐ。
「まあ!それって私のため……?」
「そうだね」
「!!!」
クリスの言葉を受けて、エリザベス様が扇の陰で悶絶している。
「身内以外をエスコートするのは初めてだから」とクリスが言っているが、エリザベス様の耳には入っていないご様子。
もう見慣れたやり取りなので、今更驚かない。
マイペースなクリスに合わせてくれるエリザベス様は、とても気さくな方なのだと思う。
「セレス伯爵、セレス伯爵夫人、この度はおめでとうございます」
ユリウス様がいらっしゃって両親に挨拶している。エリザベス様の様子はスルーしている。
「レイ、これで伯爵令嬢だな」
ユリウス様が私に向き直り片手を差し出す。心なしか雰囲気が柔らかい。
「はい、よろしくお願いします」
私は微笑んで彼の手を取る。
彼の手に触れた瞬間、ユリウス様がふっと笑ったような気がした。いつもの無表情とは少し違う。
すると突然周囲が騒めいた。一気に視線が集まる。会場の囁きが増えた。
おそらくユリウス様に反応したのだろう。さすが影響力が大きい。
これで、クローディア家とセレス家が懇意にしていることが周知される。
そしてクローディア家が後ろにいるのなら、セレス家に下手な手出しはできないはず。
これでいい。
近付いて来る者はいるだろうが、動きは鈍くなる。
その間に相手を見極められる。
セレス家に害をなそうとする者は、しばらくは動けないだろう。
家族仲は良いし、夫婦仲も良い。兄には職務上近付けないし、弟にはエリザベス様がくっついているから付け入る隙はないと思われるはず。
もし付け入る隙があるとすれば、私。養女で、セレス家から嫁ぐ身で、婚約破棄された傷物だから。
だから私は、私に接触してくる者に相応の対処をすればいい。
✳︎
国王陛下のお言葉があり、夜会が和やかに始まった。
人々は歓談をしながら周囲を窺っている。囁く声よりも、楽団の奏でる音楽の方が大きい。
私はユリウス様にエスコートされ、王族に挨拶する順番を待つ。夜会ではユリウス様のパートナーとして動けばいいようだ。
先ずは国王陛下と王妃陛下にご挨拶する。
授与式では近くで拝謁を賜ったが、ご挨拶申し上げるのは初めて。臆することのない様に気持ちを強く持つ。
「ユリウスが身内以外をエスコートするのは珍しいな」との国王陛下のお言葉。
息子の友人を見やる温かい視線が印象的だった。
国王陛下は淡い金色の髪とエメラルドを思わせる碧眼の美丈夫だ。髪色や瞳の色は王家の男子に受け継がれているらしい。
次に王太子殿下と王太子妃殿下にご挨拶。
王太子殿下は国王陛下に顔立ちがよく似ていた。
「ユリウスが張り切ってパーティーに来るのは珍しいね」とのお言葉。
王太子殿下の後ろに兄が控えていて、目が合ったら微笑んでくれた。
さらに第二王子ライオール殿下と婚約者ミア様にご挨拶。
学園では遠目にしか見たことのないライオール殿下だが、今更ながら王族なのだと実感する。
「ユリウス、あまり周りを威嚇すると余裕のない男だと思われるぞ」とのお言葉。
さすがユリウス様の幼なじみ、気安い言葉に仲の良さが垣間見える。
この後クローディア公爵夫妻に、本日二度目の挨拶。
「ユリウス、大事なのはわかるがあからさまだとかえって周囲の興味をひくぞ」「ユリウスは昔から気に入ると絶対手放さないから」とのお言葉。
ご両親に何か心配されているユリウス様、大丈夫かな?
その後は公爵家と侯爵家への挨拶まわりが続く。その間ユリウス様はずっと私の隣に寄り添ってくれていた。そのためか想定していた揶揄や嫌味はなかった。
夜会は貴族の社交場とはいえ男性が主体。エスコートしかり、ダンスしかり、男性がリードして成り立っている。だから女性は経験が足りなくても、男性の隣で華を添えていれば何とかなるもの。
トロイ様と一緒に参加した夜会は何ともならなくて大変だったが、今回は驚くほどに楽だった。
ユリウス様は「ただ隣に居てくれればいい」と仰ったけれど本当にそうで、相手との挨拶や会話も全てリードしてくれた。
「この人の隣にいればきっと乗り切れる」と思わせてくれるような安心感がある。
ユリウス様が場慣れしていることを踏まえても、若くしてこれほど卒なく立ち回れるなんて本当にすごいと思う。
その立場から、幼くしてこの環境に身を置いているからだと思うが、どれほどの努力があったのか私には想像できない。
私は知っている。
社交の場に出れば、子供でも一人前の貴族としての振る舞いを求められる。逆に言えば、子供だから容赦されるわけではないのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
レイ視点なので情報が偏っています。描写が偏っているのはレイの興味の度合いとお考え下さい(恋愛的な要素が薄いのはそのため)^_^;
お気に入りやいいね下さった方、ありがとうございます。いつも励みになります(^-^)
2人のこれからを見届けてもらえると嬉しいです
「ありがとう、レイ。身が引き締まる思いだよ。オリバー、クリス、後を頼むぞ」
「父さん、さすがに気が早いんじゃない?」
授与式から夜会が始まるまでの僅かな間に、セレス家は家族で言葉を交わす。
兄が騎士団の職務に忙殺され、私が領地に行っていたこともあり、家族が揃うのは久しぶりだった。短い時間でも嬉しい。
「では私は仕事に戻るよ」
「いってらっしゃい」
「気をつけてな、オリバー」
兄は職務に戻って行った。これから王太子殿下の護衛任務に就くそうだ。近衛騎士の白の正装がよく似合っていた。
その様子を周囲は見ている。
今回の叙勲で昇爵はセレス家のみ。伯爵家になったことで会場の注目を集めていた。
「嫡男は騎士か。あの制服は王太子殿下の……?」
「息子二人と娘一人だし、政略相手としてはまずまず……」
「あら?一人だけ似ていないわね」
「ああ、あれは養女だろ。ほら、あの事件の……」
私だけ容姿が似ていないのはその通りだ。
養父であるセレス子爵はダークブラウンの髪色と瞳を持つ、いかにも温厚な紳士という出で立ち。
養母であるセレス子爵夫人は亜麻色の髪と新緑の瞳を持つ、小柄でほっそりとした女性。
兄とクリスは母の子爵夫人と同じ髪色と瞳の色だが、顔立ちは父である子爵に似ている。
私は黒髪に深い緑の瞳で顔立ちも似ていない上、女性の中でも背が高い方なのだ。
「姉さん、気にする事ないよ」
「ありがとう、クリス。私は大丈夫よ。
ふふ、すっかり立派になって素敵な紳士だわ」
「姉さんと練習したから」
「そうね」
「二人で何のお話ですの?」
クリスと話していたら、エリザベス様がいらっしゃった。
「今日のために練習したという話ですよ」
私は微笑んで応じる。エリザベス様がいると場が華やぐ。
「まあ!それって私のため……?」
「そうだね」
「!!!」
クリスの言葉を受けて、エリザベス様が扇の陰で悶絶している。
「身内以外をエスコートするのは初めてだから」とクリスが言っているが、エリザベス様の耳には入っていないご様子。
もう見慣れたやり取りなので、今更驚かない。
マイペースなクリスに合わせてくれるエリザベス様は、とても気さくな方なのだと思う。
「セレス伯爵、セレス伯爵夫人、この度はおめでとうございます」
ユリウス様がいらっしゃって両親に挨拶している。エリザベス様の様子はスルーしている。
「レイ、これで伯爵令嬢だな」
ユリウス様が私に向き直り片手を差し出す。心なしか雰囲気が柔らかい。
「はい、よろしくお願いします」
私は微笑んで彼の手を取る。
彼の手に触れた瞬間、ユリウス様がふっと笑ったような気がした。いつもの無表情とは少し違う。
すると突然周囲が騒めいた。一気に視線が集まる。会場の囁きが増えた。
おそらくユリウス様に反応したのだろう。さすが影響力が大きい。
これで、クローディア家とセレス家が懇意にしていることが周知される。
そしてクローディア家が後ろにいるのなら、セレス家に下手な手出しはできないはず。
これでいい。
近付いて来る者はいるだろうが、動きは鈍くなる。
その間に相手を見極められる。
セレス家に害をなそうとする者は、しばらくは動けないだろう。
家族仲は良いし、夫婦仲も良い。兄には職務上近付けないし、弟にはエリザベス様がくっついているから付け入る隙はないと思われるはず。
もし付け入る隙があるとすれば、私。養女で、セレス家から嫁ぐ身で、婚約破棄された傷物だから。
だから私は、私に接触してくる者に相応の対処をすればいい。
✳︎
国王陛下のお言葉があり、夜会が和やかに始まった。
人々は歓談をしながら周囲を窺っている。囁く声よりも、楽団の奏でる音楽の方が大きい。
私はユリウス様にエスコートされ、王族に挨拶する順番を待つ。夜会ではユリウス様のパートナーとして動けばいいようだ。
先ずは国王陛下と王妃陛下にご挨拶する。
授与式では近くで拝謁を賜ったが、ご挨拶申し上げるのは初めて。臆することのない様に気持ちを強く持つ。
「ユリウスが身内以外をエスコートするのは珍しいな」との国王陛下のお言葉。
息子の友人を見やる温かい視線が印象的だった。
国王陛下は淡い金色の髪とエメラルドを思わせる碧眼の美丈夫だ。髪色や瞳の色は王家の男子に受け継がれているらしい。
次に王太子殿下と王太子妃殿下にご挨拶。
王太子殿下は国王陛下に顔立ちがよく似ていた。
「ユリウスが張り切ってパーティーに来るのは珍しいね」とのお言葉。
王太子殿下の後ろに兄が控えていて、目が合ったら微笑んでくれた。
さらに第二王子ライオール殿下と婚約者ミア様にご挨拶。
学園では遠目にしか見たことのないライオール殿下だが、今更ながら王族なのだと実感する。
「ユリウス、あまり周りを威嚇すると余裕のない男だと思われるぞ」とのお言葉。
さすがユリウス様の幼なじみ、気安い言葉に仲の良さが垣間見える。
この後クローディア公爵夫妻に、本日二度目の挨拶。
「ユリウス、大事なのはわかるがあからさまだとかえって周囲の興味をひくぞ」「ユリウスは昔から気に入ると絶対手放さないから」とのお言葉。
ご両親に何か心配されているユリウス様、大丈夫かな?
その後は公爵家と侯爵家への挨拶まわりが続く。その間ユリウス様はずっと私の隣に寄り添ってくれていた。そのためか想定していた揶揄や嫌味はなかった。
夜会は貴族の社交場とはいえ男性が主体。エスコートしかり、ダンスしかり、男性がリードして成り立っている。だから女性は経験が足りなくても、男性の隣で華を添えていれば何とかなるもの。
トロイ様と一緒に参加した夜会は何ともならなくて大変だったが、今回は驚くほどに楽だった。
ユリウス様は「ただ隣に居てくれればいい」と仰ったけれど本当にそうで、相手との挨拶や会話も全てリードしてくれた。
「この人の隣にいればきっと乗り切れる」と思わせてくれるような安心感がある。
ユリウス様が場慣れしていることを踏まえても、若くしてこれほど卒なく立ち回れるなんて本当にすごいと思う。
その立場から、幼くしてこの環境に身を置いているからだと思うが、どれほどの努力があったのか私には想像できない。
私は知っている。
社交の場に出れば、子供でも一人前の貴族としての振る舞いを求められる。逆に言えば、子供だから容赦されるわけではないのだ。
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