【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜

加瀬 一葉

文字の大きさ
28 / 35

第28話 魔王 VS ラフィト

しおりを挟む
 地上で鳴り響く轟音に、眼下を見た黒炎鬼バルトと白氷鬼アイズは、信じられない光景を目の当たりにした。


「……ま、まさかラームが人間ごときに……!」


「ぼくの仲間が、やってくれたようですね。もう一度聞きます。退却してもらえませんか?」


「…………」
 

 バルトとアイズは顔を見合わせると、向きを変え全速力で後退しようとした。


「おい、どこへ行く気だ?」


 バルトとアイズの行く手に、魔王ベルセウスが立ちふさがっていた。


「……べ、ベルセウス様!! 我らはその……一旦戦況のご報告に伺おうかと……」


「貴様らには、敵の殲滅を命じたはずだ。敵前逃亡は死罪に値する」


「お、お待ちください魔王様! 我々は……」


「わしの前から消えるがよい!!」


 魔王の手から、禍々しい紫の瘴気を纏った巨大な炎が放たれた。
 

「ま、魔王……様……」


 バルトとアイズは、一瞬で焼き尽くされ、辺りには紫の瘴気のもやだけが残った。


「……見たことのない魔法ですね」


 ラフィトは言った。


「あなたが、魔王……」


「いかにも。わしが魔王ベルセウスだ。今の炎は、魔界から召喚した魔炎というものでな。お前たち人間の扱う炎とは、全く次元の異なる威力と超高温をもつ」


「そうですか。それで、あなたにも一応聞いておきますが、軍を引き、地上から魔界へ撤退してはいただけませんか?」


「あの魔炎を見て、なおその余裕か。大したものだ。貴様は一体、何者だ?」


「ラフィトといいます。ただの人間の平民ですよ」


「ふん、偽るでないわ。わしの魔眼には、貴様の放つ異質なオーラが見えておるぞ」


「……で、撤退はしていただけるのですか?」


「舐めるでないわ!!!」


 ベルセウスはラフィトに手をかざすと、詠唱を始めた。
 巨大な魔法陣が展開された。


「魔界の炎よ、蹂躙せよ! カラミティーフレア《魔炎の厄災》!!」


 紫色の炎の濁流が、ラフィトを襲った。


「シルト《龍神の盾》」


「無駄だ! 魔炎は防御壁もろとも焼き尽くす。わしが解除しない限り、永遠に燃え続ける死の炎よ。魔王にたてついたこと、後悔しながら魔界の業火に焼かれるがよい!!」


 ◇◆◇◆


――まずい……。体だけでなく、魂が損傷してる……!


 傷付き意識を失ったリドールを、スピリットアイ《精霊眼》で解析したマリアーナは、跪き、祈りの体勢を整えた。


「大気に満ちる精霊たちよ、精霊神ルキアの眷属が願い奉る。我に力を……」


 大気中に発生した細かな光の粒子が、マリアーナの杖の魔玉に吸い込まれ、杖全体が青白く輝いた。


「ブレスオブゴッド《神の息吹》!」


 リドールの体が、淡い光に包まれた。


「…………。ん……俺は……」
「気が付いた? リド!」
「……マリー、か? お前が治癒してくれたのか……」


 リドールは体を起こした。


「しかし……グランヌスを使って……治癒魔法で回復できるはずが……」
「精霊神ルキア様に感謝しなきゃ、だね。あんまり無理しちゃ、ダメだよ!」
「そうか……精霊魔法で……。すごいな、マリーは」
「ふふん、いっぱい修行したからねー!」
「……ラフィトは?」


 リドールとマリアーナは、上空を見上げた。


「あれは……魔王なのか?」
「たぶんそうだね。なんか……レベチで強そうだし」
「……ラフィトを信じるしかない……か」
「ん? 大丈夫でしょ!」


 マリアーナは、にっこり微笑んだ。


「私たちのラフィトは、最強だもん!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

処理中です...