33 / 35
第33話 龍神降臨
しおりを挟む
「……で、何千年前だかのリベンジがしたくて、わざわざ復活してきたのか?」
リドールが、よろめきながら言った。
「……まあ、そういうことだ。よもや、我以外の古代神の力が残っていようとは、思ってもおらんかったがな」
リドールとマリアーナは、互いに支え合いながら、まだ立ち上がれずにいるラフィトの所に、何とか合流した。
「さて、予想外のことはあったが、そろそろ幕を引くとしようか。貴様らに、もはや力は残っておるまい」
「ラフィト……立てそうか?」
「……難しそうです。足を……やられてしまいました」
「マリーは……?」
「どうかな……。精霊魔法は、あと1回くらいなら何とか。杖でぶん殴る、もいけるよ。なんだか、砕けない杖らしいし」
「はは……。確かに、シンプルにぶん殴る、もありだな」
「でしょ」
「最後まで足掻いてみるか!」
ふたりの会話を黙って聞いていたラフィトは、微笑み、小さな声で詠唱を始めた。
「……ん? 何か言った? ラフィト」
「皆さん、お元気で」
「え?!」
「ブルク《龍神の城壁》」
幾重にも重なる光の防壁が、リドールとマリアーナを囲った。
「……おい! ラフィト! 何だ、これは!?」
「龍神魔法、最強の防御魔法です。古代神でも、容易には破れないでしょう」
「ち、ちょっと、ラフィト! 出してよ! あいつぶん殴りに……」
「すみません。その術式は、一度発動すれば丸一日解除できません。例え術者がいなくとも、継続する魔法です」
「術者がいなくてもって……ラフィト! あなた一体何を……」
「リドールさん、マリアーナさん。ぼく、おふたりと出会えて、本当によかったです」
「え!?」
――父さん、約束守れなくてごめん……
ラフィトは、首飾りの指輪を引きちぎり、指にはめて、拳を天に突き上げた。
「降臨したまえ!! 龍神……アレス!!!!!」
◇◆◇◆
空に雨雲が立ち始めたかと思うと、大きな渦となり一面を覆った。
雷鳴が轟き、暴風雨となった。
「き、貴様……! 一体、何を……!?」
嵐が去ると、一転静寂に包まれた。
頭上の分厚い雲にできた一片の切れ間から、神々しい光が差し込んだ。
「……ま、まさか……天界の扉を開けおったのか……?」
刹那、稲光りと共に、雷がラフィトを直撃した。
「ラフィトーーー!!!」
見るとそこには、光きらめく大柄な男がひとり、立っていた。
両眼と額には、五芒星が輝いていた。
頭に2本の角があり、背中には一対の翼があった。
「……顕現しおったか……」
魔神ゼクストが、驚愕の表情で言った。
「龍神……アレス!!!」
リドールが、よろめきながら言った。
「……まあ、そういうことだ。よもや、我以外の古代神の力が残っていようとは、思ってもおらんかったがな」
リドールとマリアーナは、互いに支え合いながら、まだ立ち上がれずにいるラフィトの所に、何とか合流した。
「さて、予想外のことはあったが、そろそろ幕を引くとしようか。貴様らに、もはや力は残っておるまい」
「ラフィト……立てそうか?」
「……難しそうです。足を……やられてしまいました」
「マリーは……?」
「どうかな……。精霊魔法は、あと1回くらいなら何とか。杖でぶん殴る、もいけるよ。なんだか、砕けない杖らしいし」
「はは……。確かに、シンプルにぶん殴る、もありだな」
「でしょ」
「最後まで足掻いてみるか!」
ふたりの会話を黙って聞いていたラフィトは、微笑み、小さな声で詠唱を始めた。
「……ん? 何か言った? ラフィト」
「皆さん、お元気で」
「え?!」
「ブルク《龍神の城壁》」
幾重にも重なる光の防壁が、リドールとマリアーナを囲った。
「……おい! ラフィト! 何だ、これは!?」
「龍神魔法、最強の防御魔法です。古代神でも、容易には破れないでしょう」
「ち、ちょっと、ラフィト! 出してよ! あいつぶん殴りに……」
「すみません。その術式は、一度発動すれば丸一日解除できません。例え術者がいなくとも、継続する魔法です」
「術者がいなくてもって……ラフィト! あなた一体何を……」
「リドールさん、マリアーナさん。ぼく、おふたりと出会えて、本当によかったです」
「え!?」
――父さん、約束守れなくてごめん……
ラフィトは、首飾りの指輪を引きちぎり、指にはめて、拳を天に突き上げた。
「降臨したまえ!! 龍神……アレス!!!!!」
◇◆◇◆
空に雨雲が立ち始めたかと思うと、大きな渦となり一面を覆った。
雷鳴が轟き、暴風雨となった。
「き、貴様……! 一体、何を……!?」
嵐が去ると、一転静寂に包まれた。
頭上の分厚い雲にできた一片の切れ間から、神々しい光が差し込んだ。
「……ま、まさか……天界の扉を開けおったのか……?」
刹那、稲光りと共に、雷がラフィトを直撃した。
「ラフィトーーー!!!」
見るとそこには、光きらめく大柄な男がひとり、立っていた。
両眼と額には、五芒星が輝いていた。
頭に2本の角があり、背中には一対の翼があった。
「……顕現しおったか……」
魔神ゼクストが、驚愕の表情で言った。
「龍神……アレス!!!」
10
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる