【R18】溺愛の蝶と花──ダメになるまで甘やかして

umi

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#4 報復

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 そして、再びIlinxの開く満月の夜──。

「いたわ、あいつよ」

 主犯はひとりで、後はその場で誘われた男たち。前回もそうだった。

 頷いて、Dは姿を隠した。
 睨みのきく彼がいては、鼠も尻尾をあらわさない。
 蝶子はするりと男に身体を寄せた。

「また会ったわね」
「やあ。今日もいい女だね」

 チャイナドレスの胸を男の腕に押しつける。もちろんノーブラだ。
 尖った乳首を薄衣越しに潰させて、思わず甘い声をこぼす、多淫のふるまい。

「ねえ。私あれ以来あの夜のことが忘れられなくて。ねえ、またあんな風に……ね?」
「そんなによかった?」
「だって」
「ドロッドロのぐっちょんぐっちょんだったもんなぁ」
「いや、言わないで、恥ずかしい」
「へえ? こっちは何て言ってるかな」
「あんっ」

 いきなり指で掻き回されて、蝶子は腰をくねらせた。無論、演技だ。
 今日はなかなか薬を使ってこない男の下手な指淫を、どのくらい辛抱しただろう。

 男が自分の耳を掻き始めた。
 小指をつっこみ、ほじくり返している。
 あきらかに不自然な動きだった。

(ははーん、さては耳の中にクスリを隠してるのね)

「ああんっ」

 蝶子はことさら声をあげて、男を誘った。

「はあん……、ねえ、私、もう……」
「この淫乱め。よし、じゃあそろそろイカせてやる」

 と、男がまた耳をほじって──。

 指の動きが明らかに変わった。何かを押し込むように突き入れてくる。

(きた……!)

「ああああんんっ」

 ぶるぶると震えて見せた蝶子が、

「次はあなたの番よ」

(さあ、思い知りなさい)

 膝の間に身をかがめようとした、そのときだった。

 男性スタッフと黒服の警備係がおもむろにあらわれ、ふたりを取り囲んだ。

(待って、話が違うわ。私が仕返しするからその後でって言ったのに……!)

 蝶子は柳眉を逆立てたが、もうどうしようもない。
 男は引きずられるように連行され、蝶子は丁重に奥へ誘われた。

 Dと医師と女性スタッフが、蝶子を待ちかまえていた。

 *

「すみません、一刻も早く浄化する必要がありましたので」
「何よ。最初からそのつもりだったのね」
「申し訳ございません」

 すぐさま蝶子の体内から薬を取り出し、体内洗浄をおこなった。取り出した錠剤は成分調査に回されたが、すでに半ば以上溶けていた。相当に早く吸収されるように作られているのだ。

「酷いわ。私を利用したのね」

 どうしても自分で行くと言ってきかなかったのは蝶子なのだが。

「噛みちぎってやろうと思ってたのに」
「それ以上の制裁を加えますので、どうかご容赦を」
「いいえ、許さない」

 蝶子の体を案じてのことだ。そんなことはわかっている。だが。

「あなたに埋め合わせをしてもらうわ」

「無論、何なりと」

「じゃあ、そうね。一日、私のしもべになりなさい」
「しもべに」
「そう。ぜーんぶ言うとおりにしてもらうわよ」
「わかりました。仰せのままに」

 *

 一日、何でも言うことを聞いてもらう。
 そう宣言した蝶子の命令は、思いもかけないものだった。

「溺愛して」
「え?」

「溺れるほど甘やかして、忘れさせて」

 そうして「溺愛ごっこ」の一日が約された。
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