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1-1 異世界での目覚め
09 オリバーの受難(オリバー視点)・前
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※※オリバー視点です
「それで、剣ゴブリンと杖ゴブリンができたわけ。あと、ケツ穴スライムをもうちょっと改良すべきかと思って、作業するとこ」
俺は今、中央に大きな木の生えた部屋のテーブルで、悪魔的に美しい少年と向かい合ってお茶をしている。
この少年、――『レイ様』は、その見た目に反して、言葉遣いが非常に汚い。
そして、かなりの外道であると最近俺は知った。
彼の言うことを信じるなら、彼は人間ではなく『ダンジョンの主』であり、自衛のためにモンスターと共存しているということなのだ。だからそのために、モンスターたちの強化や、冒険者たちを使った人体実験を行っているようだ。
『人体実験』と聞いて、俺は震えあがった。
実は先日、――捕虜第1号となった冒険者の剣士はひどいありさまだった。
「人体実験をする」と言い残してから、レイ様が次に俺の前に現れたのは、翌朝のことだった。一体どんな実験をしていたのか、俺の知るところではないが、俺が呼ばれて目にした彼は、裸のまま四つん這いで台に拘束され、壁から生えた振動する棒を尻に出し入れされていた。俺は青ざめたまま立ちすくんだが、そんなのお構いなしにレイ様はこう言ったのだ。
「こいつの労働時間は朝の9時から夕方の5時まで。朝8時、昼12時、夜6時に飯の時間を取らせて、あとは朝7時まで眠らせておく」
「…………はい???」
俺は青ざめていたのもすっかり忘れて、ただ混乱した。
彼の話をよく聞くには、どうやら人間がオーガズムを感じた際に、体から放出するエネルギーを集めたいということらしい。男のことを殺すつもりはなく、できるだけ長生きして欲しいのだとか。
(この状況で長生き……どうなんだろう)
でも、レイ様にも事情があるってことは俺も渋々だが理解していることなので、仕方ないのだと思うことにした。
冒険者はその職業についた時点で、自分の命を賭しているのだ。本来なら死んでいたところを生きているのだから、まだ希望があるとも取れる。そう……取れる……と思いたいだけな気もするけど。
レイ様は眈々と器具の説明をしていった。
よくよく見れば、様々な器具が男の体には取りつけられていた。
尻につっ込まれている棒は常に振動しながら律動するもので、股間についている筒は中にスライムがついており、陰茎をこすり続けるようになっているのだそうだ。
両乳首には不思議なドーム状のものがついており、中にはひだ状になった改良された小型スライムが生息している。ひだスライムのせいで、見えないけれども、乳首自体は振動するピアスがつけられているのだとか。口には口枷がついていたが、その口枷から管が伸びており、水分を本人の意志で取ることができるらしい。
彼が必要としている事象は理解したが、俺は全く状況が飲み込めなかった。呆然としている俺に、レイ様は続けた。
「たださ、どうやって食事取らせるかが問題なんだよ。今は1人しかいないけど、これから増えたら管理も大変だし」
「その管から、口に流し込んじゃえばいいんじゃないですか?」
「…………お、オリバー。お前…………鬼畜だな」
「………………あッ」
なんか混乱しすぎて、つい〝モンスター的な見地〟から考えてしまった。
まさかこの外道の極みのようなレイ様が引くような発言をしてしまうとは。レイ様は、うーんと唸りながら、食の楽しみまで奪っていいものかとぶつぶつ言っていたが、その良心の尺度は一体どこにあるんだ……とツッコミたくなった。
だが、あそこに俺も並ばされては困るので、言わなかった。
――と、まあ、こんなかんじに、レイ様は基本的には極悪非道な考え方の持ち主なのに、性格は開けっぴろげで憎めないところが、非常に難しい。
俺も、はじめはただただ怯えていたのだが、なんていうか、まるで大商人のような非常に効率的な考え方をしているからか、なぜか納得させられてしまう。
もちろん、『善人』などとは間違っても思わないし、というか分類的には『極悪人』である。
だが、現に俺は一切危害を加えられていないどころか、ここでの生活はかなり快適だった。
家具つきの大きな部屋を与えられ、雑用以外はまだ特に仕事はない。
その雑用ですら、『洗濯機』『乾燥機』『ルンバ』などという不思議な道具がこのダンジョンにはあり、俺1人でも十分事足りている。残念ながら、どういうわけかダンジョン内でしか使えないらしいが、本当に便利な道具で価値観が変わる。
食事は当初木の実を食べていたが、「町まで食材を買ってきていいよ」と言われ(食事に関して良心が働くのか)、ダンジョンの外にも出ることができた。
モンスターたちも何故か俺を襲わず、その際、ゴブリンに会釈をされたときの恐怖ったらなかった。
一応、失踪しているという身分なため、身バレだけは気をつけないといけないということで、外出のときは、レイ様が不思議な魔法で顔の造形を変えてくれた。
あまりにも至れりつくせりなもので、うっかり自分から「俺が逃げると思わないんですか?」と聞いてしまったが、レイ様はきょとんとしてから悪そうな笑みを浮かべ「勘」と答えた。
家に戻り、服や本など必要なものを鞄にまとめ、なぜかダンジョンに戻って来てしまった。
俺は元々が孤児で、本当に運がよく役場で働いていただけなので、別れを言うべき人間も特にいなかった。町に自由に来ることができるなら、知人と会いたいと言えば、レイ様はどうにかしてくれそうな気がする。
――こうして俺は、悪魔の手先となったわけで……
そして今、俺の入れたお茶を飲みながら、ケツ穴がメス穴がと、恐ろしく下品な言葉を紡いでいるレイ様の話を聞いているわけだが――
「それで、剣ゴブリンと杖ゴブリンができたわけ。あと、ケツ穴スライムをもうちょっと改良すべきかと思って、作業するとこ」
俺は今、中央に大きな木の生えた部屋のテーブルで、悪魔的に美しい少年と向かい合ってお茶をしている。
この少年、――『レイ様』は、その見た目に反して、言葉遣いが非常に汚い。
そして、かなりの外道であると最近俺は知った。
彼の言うことを信じるなら、彼は人間ではなく『ダンジョンの主』であり、自衛のためにモンスターと共存しているということなのだ。だからそのために、モンスターたちの強化や、冒険者たちを使った人体実験を行っているようだ。
『人体実験』と聞いて、俺は震えあがった。
実は先日、――捕虜第1号となった冒険者の剣士はひどいありさまだった。
「人体実験をする」と言い残してから、レイ様が次に俺の前に現れたのは、翌朝のことだった。一体どんな実験をしていたのか、俺の知るところではないが、俺が呼ばれて目にした彼は、裸のまま四つん這いで台に拘束され、壁から生えた振動する棒を尻に出し入れされていた。俺は青ざめたまま立ちすくんだが、そんなのお構いなしにレイ様はこう言ったのだ。
「こいつの労働時間は朝の9時から夕方の5時まで。朝8時、昼12時、夜6時に飯の時間を取らせて、あとは朝7時まで眠らせておく」
「…………はい???」
俺は青ざめていたのもすっかり忘れて、ただ混乱した。
彼の話をよく聞くには、どうやら人間がオーガズムを感じた際に、体から放出するエネルギーを集めたいということらしい。男のことを殺すつもりはなく、できるだけ長生きして欲しいのだとか。
(この状況で長生き……どうなんだろう)
でも、レイ様にも事情があるってことは俺も渋々だが理解していることなので、仕方ないのだと思うことにした。
冒険者はその職業についた時点で、自分の命を賭しているのだ。本来なら死んでいたところを生きているのだから、まだ希望があるとも取れる。そう……取れる……と思いたいだけな気もするけど。
レイ様は眈々と器具の説明をしていった。
よくよく見れば、様々な器具が男の体には取りつけられていた。
尻につっ込まれている棒は常に振動しながら律動するもので、股間についている筒は中にスライムがついており、陰茎をこすり続けるようになっているのだそうだ。
両乳首には不思議なドーム状のものがついており、中にはひだ状になった改良された小型スライムが生息している。ひだスライムのせいで、見えないけれども、乳首自体は振動するピアスがつけられているのだとか。口には口枷がついていたが、その口枷から管が伸びており、水分を本人の意志で取ることができるらしい。
彼が必要としている事象は理解したが、俺は全く状況が飲み込めなかった。呆然としている俺に、レイ様は続けた。
「たださ、どうやって食事取らせるかが問題なんだよ。今は1人しかいないけど、これから増えたら管理も大変だし」
「その管から、口に流し込んじゃえばいいんじゃないですか?」
「…………お、オリバー。お前…………鬼畜だな」
「………………あッ」
なんか混乱しすぎて、つい〝モンスター的な見地〟から考えてしまった。
まさかこの外道の極みのようなレイ様が引くような発言をしてしまうとは。レイ様は、うーんと唸りながら、食の楽しみまで奪っていいものかとぶつぶつ言っていたが、その良心の尺度は一体どこにあるんだ……とツッコミたくなった。
だが、あそこに俺も並ばされては困るので、言わなかった。
――と、まあ、こんなかんじに、レイ様は基本的には極悪非道な考え方の持ち主なのに、性格は開けっぴろげで憎めないところが、非常に難しい。
俺も、はじめはただただ怯えていたのだが、なんていうか、まるで大商人のような非常に効率的な考え方をしているからか、なぜか納得させられてしまう。
もちろん、『善人』などとは間違っても思わないし、というか分類的には『極悪人』である。
だが、現に俺は一切危害を加えられていないどころか、ここでの生活はかなり快適だった。
家具つきの大きな部屋を与えられ、雑用以外はまだ特に仕事はない。
その雑用ですら、『洗濯機』『乾燥機』『ルンバ』などという不思議な道具がこのダンジョンにはあり、俺1人でも十分事足りている。残念ながら、どういうわけかダンジョン内でしか使えないらしいが、本当に便利な道具で価値観が変わる。
食事は当初木の実を食べていたが、「町まで食材を買ってきていいよ」と言われ(食事に関して良心が働くのか)、ダンジョンの外にも出ることができた。
モンスターたちも何故か俺を襲わず、その際、ゴブリンに会釈をされたときの恐怖ったらなかった。
一応、失踪しているという身分なため、身バレだけは気をつけないといけないということで、外出のときは、レイ様が不思議な魔法で顔の造形を変えてくれた。
あまりにも至れりつくせりなもので、うっかり自分から「俺が逃げると思わないんですか?」と聞いてしまったが、レイ様はきょとんとしてから悪そうな笑みを浮かべ「勘」と答えた。
家に戻り、服や本など必要なものを鞄にまとめ、なぜかダンジョンに戻って来てしまった。
俺は元々が孤児で、本当に運がよく役場で働いていただけなので、別れを言うべき人間も特にいなかった。町に自由に来ることができるなら、知人と会いたいと言えば、レイ様はどうにかしてくれそうな気がする。
――こうして俺は、悪魔の手先となったわけで……
そして今、俺の入れたお茶を飲みながら、ケツ穴がメス穴がと、恐ろしく下品な言葉を紡いでいるレイ様の話を聞いているわけだが――
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