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1-4 反乱の狼煙
96 愛の重さ (フェルト視点)
「――あああッ!!!」
乳首を手のひらで舐められながら、うつぶせにうしろから突かれて、俺はぶんぶんと首を振った。快感がおかしすぎる。戒められた陰茎はもう、赤く腫れたみたいになってる。俺の尻はとろとろに解されて、レイが動くたびに悦んできゅんきゅん締めつけてる。
「――れッ助け、てっ……あああっ、もッ……ひぁ」
もう、わけがわからなくなって、生理的な涙で視界が滲む。俺が苦しくて助けを求めてるのに、愛しい人は……こともあろうに、右手をずらして、陰茎の先端を右手の唇で舐め回した。割れ目を抉られて、俺の体はビクビクと跳ねた。
「ぁあッ……ふ、ぁん、ああッ……ぅああーッ」
俺の中がぎゅううっとレイのことを締めつけて、俺は何度目かわからない絶頂を感じた。でも、きつく戒められた陰茎は、解放されることがなくて、俺はガクガクと痙攣した。背中から「ハア」という熱い息を吐く音が聞こえた。
レイは俺の中にもう二度も欲望を吐き出していて、レイばっかりずるい! ……とは思うけど、レイいわく、これは『お仕置き』なのだから、俺が泣いても叫んでも、頭がおかしくなっても……この責め苦は続くんだろう。
もうやめて欲しくて、つらくてだめなのに、レイの熱いのが中を行き来するたびに、俺は頭のてっぺんまでとろとろに溶けてしまう。痺れるような快感が、全身を駆け巡っていく。
もう自分の口から溢れる言葉も制御できない。
「きもちッ……レぃの、きもちィッからぁ……!」
「んー? もっとして欲しいってこと?」
もうなにを言ってるのかもよくわかってない俺を見て、レイはくすくす笑いながら、腰を容赦なく打ちつける。
「もッ……ゆるし、てっ……レえぃ。お、おかしく、あッなっちゃうからぁッ」
「……はあ、あー うん。おかしくなって、頭おかしくなって、俺のことでいっぱいにして」
俺の涙ながらの懇願に、レイはうっとりしたような甘ったるい声でそう言った。こんなに限界でつらいのに、レイの声を聞いただけで体中が歓喜してるのがわかる。
(もうっ頭なんてとっくにいっぱいだよぉぉ……!)
頭どころか、体も精神もどっぷりレイに侵されて、俺はもう……涙を流すことしかできない。口から止めどなく溢れる嬌声は、いつもみたいに理性で止めることなんてできそうもない。だらしなく流れてしまうよだれと、涙と一緒に、俺の体も、全部溶けて流れてしまいそうだ。
気持ちいなんて、とっくに通りこして、もう……自分とレイとの境目もわからないくらい。
「ふぅ、ぁもッ……かしっ! もぅ、おかしッからぁあー!」
「ほんと? 嬉しい。かわいいな、フェルト」
「ああーッ! ゃら! も、やッ! だ、ぁッ……ああッ、や、やだああッ」
俺の先端を舐め回すレイの唇がじゅぷじゅぷといやらしい音をたてて、吸いついてくる。レイの左手は相変わらず、俺の左乳首を吸って舐めて、歯をたててくる。腹の中にねっとりとした熱い感覚が広がって、レイが三度目の精を中に吐き出したのがわかった。
俺はうつ伏せのまま、犬みたいに腰を振って、ガクガクと体を揺らした。
内壁に擦りつけるみたいにゆっくりと腰を振ったレイが、はあ……と、満足気な息を吐きながら訊いた。
「許して欲しい?」
背後からかけられた言葉に、俺は涙を流しながら、必死でこくこくと頷く。
「――るして、……れィ、許して、ねがぃ」
俺の声はもう掠れていて、そのスカスカの声で必死に許しを請う。許して。本当にもう許して。もうしない。絶対にもう油断なんてしないから。
ぐいっと首輪を引っ張られ、首から上だけを強引にうしろに向かされると、美しいレイの顔が目の前にあって心臓が跳ねる。優しく口づけられながら思う。こんなひどいことを強いてくるくせに、レイの口づけが乱暴だったことは一度もない。優しく、甘やかされ、世界で一番愛してるみたいにそっと落とされるキスに、俺の目から止めどなく涙が溢れた。
レイが目を細めて、さめざめと涙を流す俺のことを見た。それと同時に、俺の中のレイの欲望の質量がズクンとまた大きくなった。
泣き顔が好きって言ってたから興奮したのかもしれないけど、俺にはもうなにがなんだかわからなかった。ただ……許して欲しい、それだけしか頭になかった。
「おいで」
レイが俺の腕の拘束を解いて、うしろを向かせて、唇を何度も奪われる。口内の弱い部分を刺激されて、そのたびにビクビクと体が跳ねた。「ひっく」と、変な声が出て、自分がついに泣き始めてしまったことに気がついた。
かっこ悪くて、こんなの絶対見られたくないのに、もう限界すぎて……苦しくて……なのにレイのことは愛おしくて、もうどうしていいのかわからなくて。
レイが一度、硬くなったままの陰茎を抜くと、じゅぽ、と水音がした。
その音を立てているのが自分の尻の穴だって、あんまり考えたくなかった。でも、俺の体はそんな俺の意識なんてお構いなしに、出て行くレイの熱を離したくないと、ぎゅうっとやらしく締めつけた。
もう力の入らない体を仰向けにひっくり返される。陰茎を再度侵入しながら、レイはまた優しく唇を重ねてきた。レイはキスするときに、あんまり目を閉じないで、ずっと俺の痴態を観察してる。じっと見つめられて、俺はレイのことをきゅんきゅん締めつけてしまう。
目の前に広がる、美しい顔。愛しい人の顔……はあ――。
「――……好き」
こんな仕打ちをされてるのに、俺の口から洩れたのは、そんな言葉で。
レイは一瞬きょとんとした顔をして、それから、甘くチョコレートが溶けるみたいな顔をして「俺も」と言った。それから、両手を絡めるようにぎゅっと握られ、俺の唇を奪ったまま、すごい勢いで腰を打ちつけられた。浅いところも深いところも執拗に擦られて、目の前がチカチカする。
レイが言った。
「イかせてあげる」
「んッ……れ、あ、アッ……あっ……あぁああーッ」
レイは俺の陰茎の戒めを片手でするりと解くと、最奥を貫いた。長いストロークで、俺の入り口から奥までを全部刺激するみたいに強く擦られて、堰き止めらていた精子が一気に噴き出した。
「ぁあ、むぅッ、んッんんんーーッ!」
両手をベッドに押さえつけられたまま、唇を重ねたまま、俺はもう……好きで好きで好きで、レイのことしか考えられない馬鹿な犬になったみたいに、ただただ体を震わせて、イキ続けた。
レイの熱い飛沫が自分の中で弾けるのを感じて、奥の奥まで侵されていくのがわかる。想像を絶するほどの、ただ、ただ大き過ぎる幸福感に包まれて、俺は……思った。
(――……支配されるって、こういうことなんだろうな)
俺の幸福の尺度までが、レイの手のひらの上だった。
最愛の人が言った。
「愛してるよ、――フェルト」
いつもの意地悪な笑顔ではなくて、優しい蕩けるようなレイの笑顔を見ながら、俺は……。
苦しみも悦びも、すべてを支配される恐怖と、とてつもない幸福を感じながら――。
――それで、意識を失った。
あとで聞いた話。
レイの瞳の中にいる黒竜様のこと、もう驚くことばっかりだった。
俺の首には、夜空みたいな漆黒の美しい首輪があって、でも――シルフィも俺も、ただ普通に生きてるだけ。シルフィは一連のことに、ぶちキレていたし、俺の首を見て失神しそうな勢いだった。でも、その首輪に実害がないとわかると、渋々納得してくれた。
シルフィーがなにを思ったのかはわからないけど、黒竜様を従えるような男に『隷属』されてるほうが、俺がまたうっかり誰かに『隷属』されて、自分が発狂するよりマシだと思ったんだと思う。
俺だって、そんなホイホイ、馬鹿みたいに騙されたりなんてしないし、そんなこともう二度と起こらないって思ってるから、なんかその対応は心外だけど。でも、――レイの左耳を見るたびに、俺の首元を触るたびに、幸せだなと思うんだから、今はとにかく、それでよかったんだ。
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