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迫る音楽祭 黒狼会と騎士団
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今日はハギリじいさんと俺でエルヴァールの護衛を行う。だが急用が入ったため、一旦じいさんだけでエルヴァールの元へと向かってもらった。その急用とは。
「こいつが冥狼の幹部ねぇ……」
ロイがエルヴァールの屋敷から戻ってくる時の事だ。ガーラッドに差し向けていた刺客たちを全員返り討ちにし、いよいよ堪忍袋の緒が切れたのか、冥狼の幹部が直々に襲撃してきた。
だがロイはこれを閃刺鉄鷲と思わしき刺客と合わせて撃破。そしてこうしていろいろ話を聞かせてもらうため、屋敷まで連れてきてくれたのだ。
フィンは何に使うのかよく分からない機具を片手に、良い笑顔で話す。
「いろいろ教えてくれたよ~! 冥狼の他の幹部の情報とかぁ。でも具体的な拠点の場所までは話してくれないんだよねぇ」
冥狼の幹部だという賞金首のアルフリードは、見るも無残な姿で転がっていた。両手両足は既になく、片目も抉られている。残っている歯もないだろう。それに顔のいたるところに、火で炙られた痕があった。
こいつも660万もの賞金首だ。これまでこいつに無惨に殺された人たちの怨念が、因果な形で返ってきたのだろう。
「まぁ冥狼について進展があったのは良かった。それに幹部も返り討ちにしたんだ。次にどう動いてくるかだな」
「……しかし襲撃者は全員殺したのだろう? 冥狼にこの事が伝わるのは、少し先になるんじゃないか?」
「いや。閃刺鉄鷲が5人もいたんだろ? それにロイをさらってガードンをおびき寄せるとかいう、訳の分からん策を弄そうとしていたんだ。十中八九、離れた場所に見届け人がいただろ」
アックスがそう言った時、ロイはあっと声をあげた。
「そうか。見届け人の存在を忘れていました」
「何かまずいのか?」
「まずい……という訳でもないのですが。巻き込まれた方もいたので、なるべくそうとは見えない様に魔法を使っていたのです。第三者視点で見ると、少し違和感はあったでしょうね」
ロイは路上での戦いについて、詳しく教えてくれた。
剣を一振りするごとに風の魔法で真空波を放ち、間合いを無視した斬撃を繰り出していたらしい。さらに逃げる刺客に対しては、石を投げた様にみせて爆発の魔法を放ったとの事だった。
「石を投げて爆発って意味が分からん」
「すみません……。その、僕も誤魔化し方が雑になっているとは思ったのですが……」
しかし魔法を使わなければ、刺客には逃げられていたのも事実だ。逃がした場合のメリットとデメリットを考えると、この場合何が正解だったのかは微妙なところだが。
まぁロイからすれば、襲撃を受けたのにみすみす見逃す理由もないか。
話を聞いていたガードンもうむと頷いた。
「どうせ見られていたところで、魔法の正体も対策もとれん。放置でいいだろう」
「……だな」
そもそも何が何でも絶対魔法の存在はばれない様にするぞ、て訳でもない。俺たちが魔法を使えると知られた時の影響が計算できないので、余計な面倒を背負い込むリスクを避けての事だ。
そしてそれは天秤にのせるものによって価値が変動する。今回の場合だと、ロイは魔法の存在がばれるリスクを侵してでも刺客を仕留めたかった事になる。
「お、お前ら……何者なんだ……!? ま、魔法って、なんだ……!?」
地に転がるアルフリードが俺たちに畏怖の目を向ける。だがそんなアルフリードの問いに答える者は誰もいなかった。
「でも賞金はその女の子にあげるなんてさー。ロイが受け取っておけば、一気に賞金首狩りレースの上位に踊り出たのに」
「はは。迷惑をかけてしまったのは事実ですから」
「ふぅん。ま、いいけどね。さ、アルフリードくん。最後にもう一度聞くよぉ? 冥狼の拠点はどこ? ボスの名は? 教えてくれたら、楽にしてあげるよ?」
アルフリードは幹部についてはある程度漏らしたが、ボスや拠点については黙秘を貫いていた。フィンの笑顔の質問にも口を閉ざす。
「どうやらもうあまり聞ける事はなさそうだな。要件を済ませたら、首は念のため騎士団に送っておけ。その女の子が賞金を受け取る可能性もあるから、金は辞退しろ。あとロイ、悪いが資料をまとめておいてくれ。明日ライルズさんに、騎士団の上層部に冥狼の情報が伝わる様に頼みに行く」
「はーい」
「分かりました」
そう言うと俺はローブを身に纏い、エルヴァールの屋敷を目指す。じいさんとエルヴァールにも情報を共有しておかないとな。
■
騎士団総代のディナルドと、正剣騎士団団長のクインシュバインは資料を手に難しい顔をしていた。
「とうとう本格的な抗争が始まったか……」
「現状、抗争というよりも一方的なものの様ですが」
資料には冥狼の幹部連中の情報が記載されていた。黒狼会が前回同様、ライルズの伝手を使って届けてくれた情報だ。
「しかしまさかアルフリードが、冥狼の幹部に名を連ねていたとはな」
「そしてそのアルフリードと、閃刺鉄鷲の刺客5人を黒狼会の最高幹部ロイが一人で返り討ちにしたと。……どう見ますか?」
ディナルドは難しい表情をさらに深くした。立場を考えると、あまりうかつなことも言えないと考えているのだろう。
「ただの個人にそこまでの実力があるとは信じ難いが……」
「実はそのロイの戦いぶりを、現在正剣騎士団に見習いとして配属されている者が側で見ております」
「報告にあったな。確かベルレイト家の次女だったか。宝剣ルドニールも取り返し、ロイからアルフリードの賞金も譲ると言われたとか」
「はい。そしてそのロイからは今朝、騎士団にアルフリードの首が送られてきました」
首には拷問の痕が残っていたので、その時に冥狼の情報を聞きだしたのだろうとクインシュバインは想像していた。
「ベルレイトの話によると、ロイは1人でありながら終始一方的だったそうです。剣に血が付かないほどの速さで深く鋭く相手を斬ったとか。その剣の一振りで、相手は身体を切断されていたそうです」
「現場に残っていた死体の状況報告も受け取っている。どれもすさまじく鋭利な切り口だったそうだ。骨まで平らに切断されておったとか」
「黒狼会……実力の底が知れませんね。おそらく最高幹部は全員が相当な実力者。そしてその全員がそろってボスであるヴェルトに付き従っている」
「人望か、もしくはヴェルトは全員からその実力を認められているのか……。いずれにせよ今は騎士団に対し、こうして尻尾を振っておるのだ。直接話を聞きたいところではあるが、互いの立場を考えると慎重にもなるな」
ここにきて2人は、ようやく黒狼会を野放しにした場合のリスクを考える様になった。
これまではよくある帝都の地域振興会くらいの認識だった。だが冥狼と正面から対立し、さらにその冥狼の刺客を返り討ちにしてみせた。
今思うと、勝つ算段が十分あるからこその行動だったのだろう。
「いかがされますか?」
「……今はまだ手を出すな。騎士団にとって利用価値が高いのは事実だし、黒狼会も意図してそれをアピールしてきておる。現状、敵対するつもりがないのは確かなのだろう。下手に圧力をかけて冥狼側につかれるのは避けたい」
騎士団総代でありながら、消極的な意見だな。ディナルドは自分の発言をそう考え、どこか自嘲気味に笑った。
「それに。最近、ミドルテア家にロイとヴェルトらしき者が出入りしているという目撃情報もある」
「…………! ミドルテア家に……!?」
「もしかしたらエルヴァールは、黒狼会と関係を結んだのかもしれん。事実、黒狼会関連の商会とミドルテア家の間で取引が増えている」
大貴族が使う商会は相応のところになる。帝国において間違いなく大貴族の一人に数えられるミドルテア家も、当然取引する商人は限定していた。
ところがここ最近になって、黒狼会関連の商会がよくミドルテア家の屋敷に出入りしている姿が目撃されているのだ。
「それは……なんと捉えればいいか……」
「当然だがこの件でミドルテア家を糾弾はできん。黒狼会は現状、税を納めている真っ当な商会だからな。そしてヴェルトとの関係を問うたところで、おかしな点もない」
「大貴族との取引です。商会のトップが自ら顔を出すのが当然……ですか」
「そうだ。だがこの時期に何故エルヴァールは黒狼会と距離を詰めたのか。その背景は気になるがな」
エルヴァールといえば、ハイラント派の貴族に刺客を放った黒幕と目されている人物だ。
そして表では商会を運営しつつ、裏では冥狼との抗争に参加している黒狼会。両者の繋がりは、騎士団としてどう対応したものか頭を悩ませるものであった。
「貴族の中には、冥狼関連の組織と繋がりがある者もいるだろう。その影響が貴族街まで及ばなければいいがな……」
「近く迫った音楽祭の警備の件もあります。しばらく休めそうにないですね」
「……その件もあったか。まったく、ルングーザめ。碌な企画をせん」
そういえばルングーザとクインシュバインは因縁があったな、とディナルドは思い出す。
だがクインシュバインは何も言わないので、あえて触れる事はなかった。
「当日の会場警備は任せるぞ。私は陛下の近くに控える予定だ」
「はい。招待されている貴族も多いため、専属の護衛を付けるのは皇族のみ。来賓として来る貴族には、最大2名まで従者の付き添いを許可する方向です」
「2名か……少ないな。文句の言いそうな者もいそうだが」
「しかし数を増やすと、警備体制に穴が空きます。限られた会場スペースで、限られた人員を動員するのです。本来なら従者の同行自体、認めたくないくらいです」
多くの貴族は本当に従者を2人連れてくるだろうが、中には護衛を混ぜてくる者もいるだろう。
だがそれでも当日、1000人規模の人数が会場に集まる事になるのだ。そうそう事件などあるはずはないが、警備体制は万全を期しておきたかった。
「ふむ……」
そしてディナルドは、もしかしたらエルヴァールは当日、従者兼護衛としてヴェルトを連れてくるのではないかと考えていた。
(もしかしたら。噂の黒狼会のボスを直接見れるかもしれんな)
「こいつが冥狼の幹部ねぇ……」
ロイがエルヴァールの屋敷から戻ってくる時の事だ。ガーラッドに差し向けていた刺客たちを全員返り討ちにし、いよいよ堪忍袋の緒が切れたのか、冥狼の幹部が直々に襲撃してきた。
だがロイはこれを閃刺鉄鷲と思わしき刺客と合わせて撃破。そしてこうしていろいろ話を聞かせてもらうため、屋敷まで連れてきてくれたのだ。
フィンは何に使うのかよく分からない機具を片手に、良い笑顔で話す。
「いろいろ教えてくれたよ~! 冥狼の他の幹部の情報とかぁ。でも具体的な拠点の場所までは話してくれないんだよねぇ」
冥狼の幹部だという賞金首のアルフリードは、見るも無残な姿で転がっていた。両手両足は既になく、片目も抉られている。残っている歯もないだろう。それに顔のいたるところに、火で炙られた痕があった。
こいつも660万もの賞金首だ。これまでこいつに無惨に殺された人たちの怨念が、因果な形で返ってきたのだろう。
「まぁ冥狼について進展があったのは良かった。それに幹部も返り討ちにしたんだ。次にどう動いてくるかだな」
「……しかし襲撃者は全員殺したのだろう? 冥狼にこの事が伝わるのは、少し先になるんじゃないか?」
「いや。閃刺鉄鷲が5人もいたんだろ? それにロイをさらってガードンをおびき寄せるとかいう、訳の分からん策を弄そうとしていたんだ。十中八九、離れた場所に見届け人がいただろ」
アックスがそう言った時、ロイはあっと声をあげた。
「そうか。見届け人の存在を忘れていました」
「何かまずいのか?」
「まずい……という訳でもないのですが。巻き込まれた方もいたので、なるべくそうとは見えない様に魔法を使っていたのです。第三者視点で見ると、少し違和感はあったでしょうね」
ロイは路上での戦いについて、詳しく教えてくれた。
剣を一振りするごとに風の魔法で真空波を放ち、間合いを無視した斬撃を繰り出していたらしい。さらに逃げる刺客に対しては、石を投げた様にみせて爆発の魔法を放ったとの事だった。
「石を投げて爆発って意味が分からん」
「すみません……。その、僕も誤魔化し方が雑になっているとは思ったのですが……」
しかし魔法を使わなければ、刺客には逃げられていたのも事実だ。逃がした場合のメリットとデメリットを考えると、この場合何が正解だったのかは微妙なところだが。
まぁロイからすれば、襲撃を受けたのにみすみす見逃す理由もないか。
話を聞いていたガードンもうむと頷いた。
「どうせ見られていたところで、魔法の正体も対策もとれん。放置でいいだろう」
「……だな」
そもそも何が何でも絶対魔法の存在はばれない様にするぞ、て訳でもない。俺たちが魔法を使えると知られた時の影響が計算できないので、余計な面倒を背負い込むリスクを避けての事だ。
そしてそれは天秤にのせるものによって価値が変動する。今回の場合だと、ロイは魔法の存在がばれるリスクを侵してでも刺客を仕留めたかった事になる。
「お、お前ら……何者なんだ……!? ま、魔法って、なんだ……!?」
地に転がるアルフリードが俺たちに畏怖の目を向ける。だがそんなアルフリードの問いに答える者は誰もいなかった。
「でも賞金はその女の子にあげるなんてさー。ロイが受け取っておけば、一気に賞金首狩りレースの上位に踊り出たのに」
「はは。迷惑をかけてしまったのは事実ですから」
「ふぅん。ま、いいけどね。さ、アルフリードくん。最後にもう一度聞くよぉ? 冥狼の拠点はどこ? ボスの名は? 教えてくれたら、楽にしてあげるよ?」
アルフリードは幹部についてはある程度漏らしたが、ボスや拠点については黙秘を貫いていた。フィンの笑顔の質問にも口を閉ざす。
「どうやらもうあまり聞ける事はなさそうだな。要件を済ませたら、首は念のため騎士団に送っておけ。その女の子が賞金を受け取る可能性もあるから、金は辞退しろ。あとロイ、悪いが資料をまとめておいてくれ。明日ライルズさんに、騎士団の上層部に冥狼の情報が伝わる様に頼みに行く」
「はーい」
「分かりました」
そう言うと俺はローブを身に纏い、エルヴァールの屋敷を目指す。じいさんとエルヴァールにも情報を共有しておかないとな。
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騎士団総代のディナルドと、正剣騎士団団長のクインシュバインは資料を手に難しい顔をしていた。
「とうとう本格的な抗争が始まったか……」
「現状、抗争というよりも一方的なものの様ですが」
資料には冥狼の幹部連中の情報が記載されていた。黒狼会が前回同様、ライルズの伝手を使って届けてくれた情報だ。
「しかしまさかアルフリードが、冥狼の幹部に名を連ねていたとはな」
「そしてそのアルフリードと、閃刺鉄鷲の刺客5人を黒狼会の最高幹部ロイが一人で返り討ちにしたと。……どう見ますか?」
ディナルドは難しい表情をさらに深くした。立場を考えると、あまりうかつなことも言えないと考えているのだろう。
「ただの個人にそこまでの実力があるとは信じ難いが……」
「実はそのロイの戦いぶりを、現在正剣騎士団に見習いとして配属されている者が側で見ております」
「報告にあったな。確かベルレイト家の次女だったか。宝剣ルドニールも取り返し、ロイからアルフリードの賞金も譲ると言われたとか」
「はい。そしてそのロイからは今朝、騎士団にアルフリードの首が送られてきました」
首には拷問の痕が残っていたので、その時に冥狼の情報を聞きだしたのだろうとクインシュバインは想像していた。
「ベルレイトの話によると、ロイは1人でありながら終始一方的だったそうです。剣に血が付かないほどの速さで深く鋭く相手を斬ったとか。その剣の一振りで、相手は身体を切断されていたそうです」
「現場に残っていた死体の状況報告も受け取っている。どれもすさまじく鋭利な切り口だったそうだ。骨まで平らに切断されておったとか」
「黒狼会……実力の底が知れませんね。おそらく最高幹部は全員が相当な実力者。そしてその全員がそろってボスであるヴェルトに付き従っている」
「人望か、もしくはヴェルトは全員からその実力を認められているのか……。いずれにせよ今は騎士団に対し、こうして尻尾を振っておるのだ。直接話を聞きたいところではあるが、互いの立場を考えると慎重にもなるな」
ここにきて2人は、ようやく黒狼会を野放しにした場合のリスクを考える様になった。
これまではよくある帝都の地域振興会くらいの認識だった。だが冥狼と正面から対立し、さらにその冥狼の刺客を返り討ちにしてみせた。
今思うと、勝つ算段が十分あるからこその行動だったのだろう。
「いかがされますか?」
「……今はまだ手を出すな。騎士団にとって利用価値が高いのは事実だし、黒狼会も意図してそれをアピールしてきておる。現状、敵対するつもりがないのは確かなのだろう。下手に圧力をかけて冥狼側につかれるのは避けたい」
騎士団総代でありながら、消極的な意見だな。ディナルドは自分の発言をそう考え、どこか自嘲気味に笑った。
「それに。最近、ミドルテア家にロイとヴェルトらしき者が出入りしているという目撃情報もある」
「…………! ミドルテア家に……!?」
「もしかしたらエルヴァールは、黒狼会と関係を結んだのかもしれん。事実、黒狼会関連の商会とミドルテア家の間で取引が増えている」
大貴族が使う商会は相応のところになる。帝国において間違いなく大貴族の一人に数えられるミドルテア家も、当然取引する商人は限定していた。
ところがここ最近になって、黒狼会関連の商会がよくミドルテア家の屋敷に出入りしている姿が目撃されているのだ。
「それは……なんと捉えればいいか……」
「当然だがこの件でミドルテア家を糾弾はできん。黒狼会は現状、税を納めている真っ当な商会だからな。そしてヴェルトとの関係を問うたところで、おかしな点もない」
「大貴族との取引です。商会のトップが自ら顔を出すのが当然……ですか」
「そうだ。だがこの時期に何故エルヴァールは黒狼会と距離を詰めたのか。その背景は気になるがな」
エルヴァールといえば、ハイラント派の貴族に刺客を放った黒幕と目されている人物だ。
そして表では商会を運営しつつ、裏では冥狼との抗争に参加している黒狼会。両者の繋がりは、騎士団としてどう対応したものか頭を悩ませるものであった。
「貴族の中には、冥狼関連の組織と繋がりがある者もいるだろう。その影響が貴族街まで及ばなければいいがな……」
「近く迫った音楽祭の警備の件もあります。しばらく休めそうにないですね」
「……その件もあったか。まったく、ルングーザめ。碌な企画をせん」
そういえばルングーザとクインシュバインは因縁があったな、とディナルドは思い出す。
だがクインシュバインは何も言わないので、あえて触れる事はなかった。
「当日の会場警備は任せるぞ。私は陛下の近くに控える予定だ」
「はい。招待されている貴族も多いため、専属の護衛を付けるのは皇族のみ。来賓として来る貴族には、最大2名まで従者の付き添いを許可する方向です」
「2名か……少ないな。文句の言いそうな者もいそうだが」
「しかし数を増やすと、警備体制に穴が空きます。限られた会場スペースで、限られた人員を動員するのです。本来なら従者の同行自体、認めたくないくらいです」
多くの貴族は本当に従者を2人連れてくるだろうが、中には護衛を混ぜてくる者もいるだろう。
だがそれでも当日、1000人規模の人数が会場に集まる事になるのだ。そうそう事件などあるはずはないが、警備体制は万全を期しておきたかった。
「ふむ……」
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