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結成 冥狼探索隊
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ローブを羽織ったリリアーナは一人、帝都の街を歩いていた。
最近ではもうすっかり帝都に慣れ、黒狼会の護衛も付いていない。そんなリリアーナは歩きながら小さく声を出した。
「……そう。では総主には……」
「ああ。回収したエルクォーツは確かに届けた。だがそのヴェルトという男。気になるな……」
「グナトスを始め、おそらくあと何人かは結社の閃罰者が帝都に来るはずよ。冥狼と関わっている以上、ヴェルトとぶつかる可能性はあるけど……」
リリアーナの周囲には誰も話し相手がいる様には見えない。しかし確かに声は返ってきていた。
「……私たち以外に、エルクォーツを研究している組織という可能性は?」
「ゼロだ。お前も知っての通り、あれは数も限られているし、それを研究してきた機関など我らをおいて他にない」
「そうよね……。でも確かにあの時、ヴェルトは突然甲冑を纏い。リアデインを圧倒してみせたわ」
魔法に類する技術を保有するのは自分たちだけである。そうとは分かっていたが、ヴェルトの力は魔法によるものに見えた。
「気にはなるが、総主からの指示は裏切り者のエル=グナーデが保有するエルクォーツの奪取だ。……場合によっては。ヴェルトとやらをうまく使え」
「ええ……」
そう言うと話し相手の気配は綺麗に消えた。リリアーナは改めてヴェルトとリアデインの戦いを思い出す。
気配を両者に感じ取られる訳にはいかなかったので、かなり距離を取っていた。そのためどういった話が交わされたのかまでは把握していない。だがその戦闘の様子はよく確認できた。
「十二獅徒は私を含めてあと数人だし……。敗れれば私のエルクォーツが奪われる事になる。戦うからには絶対に勝たなければならない。ミスは許されない……」
今帝都にいるのは閃罰者の一人、餓拳のグナトスだ。正面からの1対1は避けたい。
だが他の閃罰者が来る前に何とかしたい相手でもある。幸い自分の存在にはまだ気づかれていない。チャンスはあるはずだった。
「お姉ちゃん……力を貸して……」
「おい、お前!」
不意に後ろから声がかかる。振り返ると、そこに居たのは4人の男女だった。以前にも見た顔だ。
「あ……確か……」
「ふん、やっぱり聖王国民だったか。丁度いい、僕たちは今から黒狼会に用があるんだ。案内しろ」
「ダンタリウス。その言い方はよくないよ。……すみません、黒狼会のヴェルトさんに繋いで欲しいのです。騎士団からは既に通達がいっているとの事なんですが……」
■
俺は劇場での出来事をみんなに共有していた。
「するとその依頼、引き受ける事にしたのか。あまり旨味は感じんがのぅ」
「でも冥狼にとどめを刺すチャンスでもありますよ」
ここまで来たら、いつまでも黙っておくのも気が引けるな。俺は小さく咳払いをした。
「あー……実はだな。4人の中の一人は、俺の甥にあたるんだ」
「…………!?」
「え!?」
「お、甥!?」
俺は改めてクインシュバインとリーンハルトについて説明を行う。
「正直、黒狼会としてはそこまで関わる事はないと思っていたんだ……」
「水臭いなぁ、ヴェルト~! もっと早く言ってくれよ~!」
「アックス……何で楽しそうなんだ……?」
群狼武風に入団する者は条件として、天涯孤独……とまではいかなくとも、思い残す相手がいないというものがある。つまりほとんどの者は親兄弟、恋人もいないのだ。俺もそうだった。
しかし新鋼歴の時代に戻り、俺は弟と再会を果たした。もしかしたらみんななりに、俺に気を使ってくれているのかもしれない。
「せっかく再会した家族だろ? しかも血がつながった」
「だねぇ。あ、今はヴェルトの方が年下なんだっけ?」
「何にせよ、お前の甥というのなら俺たちにとっても全くの他人という訳じゃねぇ。それに黒狼会はお前が代表として運営しているんだ。俺たちの事は好きに使えよ」
ありがたい。……その内ルングーザとローブレイトに関する因縁の話も打ち明けるか。
「で、具体的に何か決まってんのか?」
「冥狼については、俺たちは俺たちで情報を集めよう。いろいろ放っておけない事情もあるしな。4人のお守りについては、基本はロイとアックスで回そうと考えている」
この2人なら対人コミュニケーションや個人としての能力にも申し分ないからな。
それにフィンには冥狼の拠点探索に集中してほしいし、ガードンにはそのバックアップに回ってほしい。じいさんはいざという時の守りに、黒狼会の拠点に居て欲しい。
「いいぜ。俺が面倒見てやるよ。ロイも何だかんだで、ヴェルトの代行としての仕事があるだろ?」
「アックスさん……単に面白がっているだけですよね?」
「んだよ、別にいいだろ?」
まぁここは素直にアックスの好意に甘えよう。
「頼むアックス。場合によっては俺も手伝うよ」
使いに出たリリアーナが4人を連れて帰ってきたのは、それからすぐだった。
■
「ふん……お前か」
「おう、よろしくな! 気軽にアックス兄さんって呼んでいいぜ!」
「おい! お前、分かっているのか!? 僕たちは貴族なんだぞ!? その態度はなんだ!」
「ま、まぁまぁ。黒狼会とは対等の協力関係だっていう話だったし……」
アックスは早速4人と共に帝都を探索していた。関連組織や商会に顔を出し、それらしい情報が入っていないか確認をしていく。
だが有力そうな情報はこれといって入ってこなかった。
「ふむ……。アックス殿、どう思う?」
「ん~? そうだなぁ、可能性が高いのはやっぱり地下空間のどこかだろうなぁ」
「やはりそう思うか……」
だが地下空間は騎士団も調査中だし、フィンも動いている。今回の調査からは外されている箇所だった。これに納得いかないのがダンタリウスだ。
「やはり僕たちも地下に潜るべきだろう! 冥狼め……! せっかくの舞台を台無しにして……! 絶対に許さん……!」
「……いや。もし地下を探索したいのなら、ディナルド様の許可を得てからになる。だがディナルド様は許可は出さないと話されていた」
「リーンハルト……! 誰がお前なんかの意見を聞いた……!」
ダンタリウスとリーンハルトの間で不穏な空気が流れるが、アックスはニヤニヤしながらそれを見ているだけだった。
アリゼルダはそんなアックスにおずおずと話しかける。
「アックスさん。止めなくて良いんでしょうか……」
「ん? 俺からは特に口を出すつもりはないぜ? まぁ求められたらちゃんと意見は言うし、いざという時は助けてもやるから安心しろって!」
「は、はい……」
アリゼルダはアックスの実力については疑っていなかった。ロイと同じく黒狼会最高幹部の一人なのだ。只者であるはずがない。
それはディアノーラのアックスに対する態度からも感じ取っていた。そんなディアノーラはそう言えば、と口を開く。
「冥狼は懇意にしている貴族とも接触しづらくなり、関連組織もその影響力を大きく落としていると聞く。だが金や物資は必要なはずだ」
「ん? どうした、ディアちゃん」
アックスの気安い呼び方にも、ディアノーラは気にした素振りを見せない。
「……ヴィンチェスター・ハイラント殿は最近、帝都ゼルダスタッドから西にある領地を治める、ガリグレッド・テンブルク殿……帝国四公の1人だな。その彼の屋敷で世話になっていると聞く。もしかしたら冥狼は、ヴィンチェスター殿を頼って帝都を出たのでは……?」
ここで反応を示したのはダンタリウスだった。
「どうして冥狼がヴィンチェスター様を頼るんだ?」
「……一部では、冥狼とヴィンチェスター殿が繋がっていたという噂があるのだ」
「なんだって……!?」
もちろんディアノーラはその事を知っている。だが噂には聞いた事はあっても確証を得ている貴族は少ないので、リーンハルトを含めて少し驚いた表情を見せていた。
「面白いじゃないか……! うまくいけばヴィンチェスター様の失脚に加え、冥狼も見つけ出せる可能性がある……!」
「あんたのとこの親はハイラント派じゃなかった? 失脚させたい様に聞こえるけど?」
「ふん、下級貴族には分からないだろうな。ハイラント派は帝都に住む貴族を二分する派閥だが、トップが必ずしもハイラント家の当主である必要はない。それに父上は派閥の二番手に近い位置にいる。もしヴィンチェスター様と冥狼の繋がりが明らかになれば、父が派閥をまとめ、次のトップに立つのも夢ではない……!」
話を聞いていたアリゼルダは、そう上手くいくとは思えないけど、と溜息をついた。そしてこの話の方向に、面白そうな予感を感じ取ったのはアックスである。
「もし帝都を出るのなら、ちゃんと家の人に言って外泊準備もしてくるんだぞ。俺も黒狼会にしばらく帝都を出るって話さなきゃだし」
「お前……! いい加減その言葉使いをだな……!」
「それと。本当に外で捜索を続けるなら、自分たちが騎士とか貴族だってばれる訳にはいかないくらいの事は理解できるな? 奴らも追われていると感じればかなり警戒して姿を消すはずだ。外では貴族らしさを消す努力もしろよ~。まずはダンタリウス。お前の恰好と言葉使いからだな」
「貴様……!」
チームリーダーであるディアノーラはダンタリウスの言葉を手で制する。
「……アックス殿の言う事ももっともだろう。テンブルク領領都は帝都から少し距離もある。反対意見が無いのなら、各々準備を整えた上で私は向かいたいと思っているのだが……」
「良いだろう! どこまでも追いかけてやる……!」
「はぁ。まぁ私もこの任務が終われば、女性皇族専属護衛騎士として召し上げてもらえる予定だし。それまではディアノーラの指示に従うよ」
「俺もだ。自分がどこまでできるかは分からないけど……このままあいつらを放ってはおけない」
皆の同意を得られ、ディアノーラは帝都を発つ準備に入る。そして既に他の調査部隊もいくつか帝都を出ている事を知ったのだった。
最近ではもうすっかり帝都に慣れ、黒狼会の護衛も付いていない。そんなリリアーナは歩きながら小さく声を出した。
「……そう。では総主には……」
「ああ。回収したエルクォーツは確かに届けた。だがそのヴェルトという男。気になるな……」
「グナトスを始め、おそらくあと何人かは結社の閃罰者が帝都に来るはずよ。冥狼と関わっている以上、ヴェルトとぶつかる可能性はあるけど……」
リリアーナの周囲には誰も話し相手がいる様には見えない。しかし確かに声は返ってきていた。
「……私たち以外に、エルクォーツを研究している組織という可能性は?」
「ゼロだ。お前も知っての通り、あれは数も限られているし、それを研究してきた機関など我らをおいて他にない」
「そうよね……。でも確かにあの時、ヴェルトは突然甲冑を纏い。リアデインを圧倒してみせたわ」
魔法に類する技術を保有するのは自分たちだけである。そうとは分かっていたが、ヴェルトの力は魔法によるものに見えた。
「気にはなるが、総主からの指示は裏切り者のエル=グナーデが保有するエルクォーツの奪取だ。……場合によっては。ヴェルトとやらをうまく使え」
「ええ……」
そう言うと話し相手の気配は綺麗に消えた。リリアーナは改めてヴェルトとリアデインの戦いを思い出す。
気配を両者に感じ取られる訳にはいかなかったので、かなり距離を取っていた。そのためどういった話が交わされたのかまでは把握していない。だがその戦闘の様子はよく確認できた。
「十二獅徒は私を含めてあと数人だし……。敗れれば私のエルクォーツが奪われる事になる。戦うからには絶対に勝たなければならない。ミスは許されない……」
今帝都にいるのは閃罰者の一人、餓拳のグナトスだ。正面からの1対1は避けたい。
だが他の閃罰者が来る前に何とかしたい相手でもある。幸い自分の存在にはまだ気づかれていない。チャンスはあるはずだった。
「お姉ちゃん……力を貸して……」
「おい、お前!」
不意に後ろから声がかかる。振り返ると、そこに居たのは4人の男女だった。以前にも見た顔だ。
「あ……確か……」
「ふん、やっぱり聖王国民だったか。丁度いい、僕たちは今から黒狼会に用があるんだ。案内しろ」
「ダンタリウス。その言い方はよくないよ。……すみません、黒狼会のヴェルトさんに繋いで欲しいのです。騎士団からは既に通達がいっているとの事なんですが……」
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俺は劇場での出来事をみんなに共有していた。
「するとその依頼、引き受ける事にしたのか。あまり旨味は感じんがのぅ」
「でも冥狼にとどめを刺すチャンスでもありますよ」
ここまで来たら、いつまでも黙っておくのも気が引けるな。俺は小さく咳払いをした。
「あー……実はだな。4人の中の一人は、俺の甥にあたるんだ」
「…………!?」
「え!?」
「お、甥!?」
俺は改めてクインシュバインとリーンハルトについて説明を行う。
「正直、黒狼会としてはそこまで関わる事はないと思っていたんだ……」
「水臭いなぁ、ヴェルト~! もっと早く言ってくれよ~!」
「アックス……何で楽しそうなんだ……?」
群狼武風に入団する者は条件として、天涯孤独……とまではいかなくとも、思い残す相手がいないというものがある。つまりほとんどの者は親兄弟、恋人もいないのだ。俺もそうだった。
しかし新鋼歴の時代に戻り、俺は弟と再会を果たした。もしかしたらみんななりに、俺に気を使ってくれているのかもしれない。
「せっかく再会した家族だろ? しかも血がつながった」
「だねぇ。あ、今はヴェルトの方が年下なんだっけ?」
「何にせよ、お前の甥というのなら俺たちにとっても全くの他人という訳じゃねぇ。それに黒狼会はお前が代表として運営しているんだ。俺たちの事は好きに使えよ」
ありがたい。……その内ルングーザとローブレイトに関する因縁の話も打ち明けるか。
「で、具体的に何か決まってんのか?」
「冥狼については、俺たちは俺たちで情報を集めよう。いろいろ放っておけない事情もあるしな。4人のお守りについては、基本はロイとアックスで回そうと考えている」
この2人なら対人コミュニケーションや個人としての能力にも申し分ないからな。
それにフィンには冥狼の拠点探索に集中してほしいし、ガードンにはそのバックアップに回ってほしい。じいさんはいざという時の守りに、黒狼会の拠点に居て欲しい。
「いいぜ。俺が面倒見てやるよ。ロイも何だかんだで、ヴェルトの代行としての仕事があるだろ?」
「アックスさん……単に面白がっているだけですよね?」
「んだよ、別にいいだろ?」
まぁここは素直にアックスの好意に甘えよう。
「頼むアックス。場合によっては俺も手伝うよ」
使いに出たリリアーナが4人を連れて帰ってきたのは、それからすぐだった。
■
「ふん……お前か」
「おう、よろしくな! 気軽にアックス兄さんって呼んでいいぜ!」
「おい! お前、分かっているのか!? 僕たちは貴族なんだぞ!? その態度はなんだ!」
「ま、まぁまぁ。黒狼会とは対等の協力関係だっていう話だったし……」
アックスは早速4人と共に帝都を探索していた。関連組織や商会に顔を出し、それらしい情報が入っていないか確認をしていく。
だが有力そうな情報はこれといって入ってこなかった。
「ふむ……。アックス殿、どう思う?」
「ん~? そうだなぁ、可能性が高いのはやっぱり地下空間のどこかだろうなぁ」
「やはりそう思うか……」
だが地下空間は騎士団も調査中だし、フィンも動いている。今回の調査からは外されている箇所だった。これに納得いかないのがダンタリウスだ。
「やはり僕たちも地下に潜るべきだろう! 冥狼め……! せっかくの舞台を台無しにして……! 絶対に許さん……!」
「……いや。もし地下を探索したいのなら、ディナルド様の許可を得てからになる。だがディナルド様は許可は出さないと話されていた」
「リーンハルト……! 誰がお前なんかの意見を聞いた……!」
ダンタリウスとリーンハルトの間で不穏な空気が流れるが、アックスはニヤニヤしながらそれを見ているだけだった。
アリゼルダはそんなアックスにおずおずと話しかける。
「アックスさん。止めなくて良いんでしょうか……」
「ん? 俺からは特に口を出すつもりはないぜ? まぁ求められたらちゃんと意見は言うし、いざという時は助けてもやるから安心しろって!」
「は、はい……」
アリゼルダはアックスの実力については疑っていなかった。ロイと同じく黒狼会最高幹部の一人なのだ。只者であるはずがない。
それはディアノーラのアックスに対する態度からも感じ取っていた。そんなディアノーラはそう言えば、と口を開く。
「冥狼は懇意にしている貴族とも接触しづらくなり、関連組織もその影響力を大きく落としていると聞く。だが金や物資は必要なはずだ」
「ん? どうした、ディアちゃん」
アックスの気安い呼び方にも、ディアノーラは気にした素振りを見せない。
「……ヴィンチェスター・ハイラント殿は最近、帝都ゼルダスタッドから西にある領地を治める、ガリグレッド・テンブルク殿……帝国四公の1人だな。その彼の屋敷で世話になっていると聞く。もしかしたら冥狼は、ヴィンチェスター殿を頼って帝都を出たのでは……?」
ここで反応を示したのはダンタリウスだった。
「どうして冥狼がヴィンチェスター様を頼るんだ?」
「……一部では、冥狼とヴィンチェスター殿が繋がっていたという噂があるのだ」
「なんだって……!?」
もちろんディアノーラはその事を知っている。だが噂には聞いた事はあっても確証を得ている貴族は少ないので、リーンハルトを含めて少し驚いた表情を見せていた。
「面白いじゃないか……! うまくいけばヴィンチェスター様の失脚に加え、冥狼も見つけ出せる可能性がある……!」
「あんたのとこの親はハイラント派じゃなかった? 失脚させたい様に聞こえるけど?」
「ふん、下級貴族には分からないだろうな。ハイラント派は帝都に住む貴族を二分する派閥だが、トップが必ずしもハイラント家の当主である必要はない。それに父上は派閥の二番手に近い位置にいる。もしヴィンチェスター様と冥狼の繋がりが明らかになれば、父が派閥をまとめ、次のトップに立つのも夢ではない……!」
話を聞いていたアリゼルダは、そう上手くいくとは思えないけど、と溜息をついた。そしてこの話の方向に、面白そうな予感を感じ取ったのはアックスである。
「もし帝都を出るのなら、ちゃんと家の人に言って外泊準備もしてくるんだぞ。俺も黒狼会にしばらく帝都を出るって話さなきゃだし」
「お前……! いい加減その言葉使いをだな……!」
「それと。本当に外で捜索を続けるなら、自分たちが騎士とか貴族だってばれる訳にはいかないくらいの事は理解できるな? 奴らも追われていると感じればかなり警戒して姿を消すはずだ。外では貴族らしさを消す努力もしろよ~。まずはダンタリウス。お前の恰好と言葉使いからだな」
「貴様……!」
チームリーダーであるディアノーラはダンタリウスの言葉を手で制する。
「……アックス殿の言う事ももっともだろう。テンブルク領領都は帝都から少し距離もある。反対意見が無いのなら、各々準備を整えた上で私は向かいたいと思っているのだが……」
「良いだろう! どこまでも追いかけてやる……!」
「はぁ。まぁ私もこの任務が終われば、女性皇族専属護衛騎士として召し上げてもらえる予定だし。それまではディアノーラの指示に従うよ」
「俺もだ。自分がどこまでできるかは分からないけど……このままあいつらを放ってはおけない」
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