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蒼の独白③
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東京に出てきて三年近く
ようやく自分の求めていた生き方ができるようになり、ワタシは水を得た魚のように、やる気いっぱいで、このお仕事を頑張ってきた。
何も考えず、目の前の事に専念し、クリアする事を第一として。
その間は寂しさを感じるヒマなどこれっぽっちもなかった。
でも、最近になって、仕事も慣れ、心にも余裕が出てくると、ふとした事で寂しくなって、なんとなく落ち込む事が増えてきたの。
お店のみんなに言わせると、女性ホルモン打ってると鬱になることが多いみたいで、ワタシもそれが原因だって。
そんなある日、ワタシはいよいよ寂しくなって、SNSの同じ学校だった人を見つける、そう、愁ちゃんもやってたアレで検索してみたの。
ワタシにとって、一番の思い出は、あの小学校時代の愁ちゃんとすごした日々。
ひょっとして、愁ちゃんもどこかで見てくれてないかな?なんて、甘い考えのもと、アプリを開けて、検索したら、すぐに愁ちゃんが出てきた。
もう、びっくりして、しばらく手の震えが止まらなかったよ。
愁ちゃんにメールしたら、すぐ返ってきて、会おうって言われたんだけど、ワタシとしてはどうするか、本当に悩んだ。
愁ちゃんと過ごした日々はワタシの宝物であり、愁ちゃんも楽しかった思い出として心にしまってくれてるかもしれない。
それが、こんなオカマになったワタシが目の前に現れたら、全部台無しになるし。
愁ちゃんと会う約束はしたものの、本当に会うべきかどうか悩みに悩んだわ。
気持ちの一方では、どうしても愁ちゃんに会いたいって思ったし。
その事をユウさんに相談してみたら、呆れるように言われた。
「蒼、アンタまだそんな事言ってんの?
会えばいいに決まってるじゃん。好きなんでしょ?その人の事が。」
「はい、好きです。」
「だったら迷う事ないじゃん。会うの一択でしょ?
それとも、傷つくのを遅れてる?
ワタシらの人生、どれだけ傷ついてきたかわかんないくらいでしょ?
たかだか一回増えたって、どうって事ないよ。
もしかしたら上手くいくかもしれないし、それはそれで儲けものくらいの感覚でいれば良いんだよ。
ダメで当たり前なんだから。」
ワタシはユウさんに背中を押され、愁ちゃんに会う事を決めた。
「長々と話してごめんね。」
蒼は自分のこれまでの人生を話した後、ちょっと目が潤んでるような気がした。
「大変だったんだな、蒼も。
でも、俺もそのユウさんに感謝しなきゃなんないな。
蒼を後押ししてくれたんだから。」
「うん。ワタシもすごく感謝してる。
愁ちゃんとユウさんはワタシの大切な恩人なんだもん。」
それを言った蒼の目から、堪え切れずに涙がスーっと頬をこぼれ落ちた。
ようやく自分の求めていた生き方ができるようになり、ワタシは水を得た魚のように、やる気いっぱいで、このお仕事を頑張ってきた。
何も考えず、目の前の事に専念し、クリアする事を第一として。
その間は寂しさを感じるヒマなどこれっぽっちもなかった。
でも、最近になって、仕事も慣れ、心にも余裕が出てくると、ふとした事で寂しくなって、なんとなく落ち込む事が増えてきたの。
お店のみんなに言わせると、女性ホルモン打ってると鬱になることが多いみたいで、ワタシもそれが原因だって。
そんなある日、ワタシはいよいよ寂しくなって、SNSの同じ学校だった人を見つける、そう、愁ちゃんもやってたアレで検索してみたの。
ワタシにとって、一番の思い出は、あの小学校時代の愁ちゃんとすごした日々。
ひょっとして、愁ちゃんもどこかで見てくれてないかな?なんて、甘い考えのもと、アプリを開けて、検索したら、すぐに愁ちゃんが出てきた。
もう、びっくりして、しばらく手の震えが止まらなかったよ。
愁ちゃんにメールしたら、すぐ返ってきて、会おうって言われたんだけど、ワタシとしてはどうするか、本当に悩んだ。
愁ちゃんと過ごした日々はワタシの宝物であり、愁ちゃんも楽しかった思い出として心にしまってくれてるかもしれない。
それが、こんなオカマになったワタシが目の前に現れたら、全部台無しになるし。
愁ちゃんと会う約束はしたものの、本当に会うべきかどうか悩みに悩んだわ。
気持ちの一方では、どうしても愁ちゃんに会いたいって思ったし。
その事をユウさんに相談してみたら、呆れるように言われた。
「蒼、アンタまだそんな事言ってんの?
会えばいいに決まってるじゃん。好きなんでしょ?その人の事が。」
「はい、好きです。」
「だったら迷う事ないじゃん。会うの一択でしょ?
それとも、傷つくのを遅れてる?
ワタシらの人生、どれだけ傷ついてきたかわかんないくらいでしょ?
たかだか一回増えたって、どうって事ないよ。
もしかしたら上手くいくかもしれないし、それはそれで儲けものくらいの感覚でいれば良いんだよ。
ダメで当たり前なんだから。」
ワタシはユウさんに背中を押され、愁ちゃんに会う事を決めた。
「長々と話してごめんね。」
蒼は自分のこれまでの人生を話した後、ちょっと目が潤んでるような気がした。
「大変だったんだな、蒼も。
でも、俺もそのユウさんに感謝しなきゃなんないな。
蒼を後押ししてくれたんだから。」
「うん。ワタシもすごく感謝してる。
愁ちゃんとユウさんはワタシの大切な恩人なんだもん。」
それを言った蒼の目から、堪え切れずに涙がスーっと頬をこぼれ落ちた。
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