99 / 340
帰結
しおりを挟む
修羅場と化したこのホテルの一室で、俺と蒼、そして友梨奈さんの話し合いが行われている。
こうなってしまっては何の言い訳も出来ないので、二人が出した結論に従うのみだ。
友梨奈さんは現状維持を望み、蒼は不満そうだったが、了承した。
とにかく、俺は蒼を思いっきり裏切り、傷つけてしまった。
今さら何を言っても遅いが、蒼のしたいようにするのが一番だと思った。
友梨奈さんは年長者だし、こんな場面にも耐性があるだろうから、敢えて無視して蒼に向かって
「蒼、本当にごめん…
いつか、こうなる事は前々からわかっていたんだ。
でも、切れずにここまで来てしまった。
俺としては、正直に本心を言ったつもりなんだけど、その上で、蒼がどうしたいかっていうことを聞かせてもらえるとありがたい…
全て蒼の言う通りにするから。」
この期に及んでも、俺はまだ偽善的で卑怯な言い方で、蒼に質問した。
蒼は涙を拭き、しばらく黙ったままだったが、やがて堰を切ったように話し始めた。
「愁ちゃん
すごくショックだったけど、ワタシが以前から言ってたように、愁ちゃんに好きな女性が出来たら、いつでも身を引くって決めてたのは事実なの。
これは出会ってからずっと思っていたこと。
でも、その相手が自分の母親だったってなると、納得出来ない」
「うん…」
「ワタシね、死んでもおかしくないような病気になって、体も不自由になって…
それでも、生きてたらまた愁ちゃんと一緒に暮らせるって思い、リハビリも頑張った。
体は以前と変わらないくらいまでに回復したけど、結果はこの通り…」
「ごめん…」
「ううん。謝る必要はないわ。
ワタシ、女じゃないし、ずっと引け目を感じて生きてきたのも本当の事だし、今のこの状況も受け入れなきゃ仕方ないって、頭の中ではわかっているの。
でも、それって結局はやせ我慢だし、自分を殺して無理して言ってる事なんだよね。」
「…」
「だから、こういう状況になったからには、ワタシはもう無理はしないし、自分を殺したりしないでおこうって思うの。
正直に自分の思ってる事、したい事、言いたい事を全面出して、素直に肩肘張らずに生きていきたい。
それが、今
ワタシが思ってる事。」
蒼は澱みのない言葉で、自身の気持ちを述べた。
こうして、俺と蒼、そして…友梨奈さんとの三人で生活を始める事が決まった。
多分平穏には行かないだろう…
それが証拠に、友梨奈さんが
「話は終わった?
じゃあ、続きをしよっ
愁ちゃん」
と、言ってセックスを求めてきた。
自分の子供の前だというのに…
こうなってしまっては何の言い訳も出来ないので、二人が出した結論に従うのみだ。
友梨奈さんは現状維持を望み、蒼は不満そうだったが、了承した。
とにかく、俺は蒼を思いっきり裏切り、傷つけてしまった。
今さら何を言っても遅いが、蒼のしたいようにするのが一番だと思った。
友梨奈さんは年長者だし、こんな場面にも耐性があるだろうから、敢えて無視して蒼に向かって
「蒼、本当にごめん…
いつか、こうなる事は前々からわかっていたんだ。
でも、切れずにここまで来てしまった。
俺としては、正直に本心を言ったつもりなんだけど、その上で、蒼がどうしたいかっていうことを聞かせてもらえるとありがたい…
全て蒼の言う通りにするから。」
この期に及んでも、俺はまだ偽善的で卑怯な言い方で、蒼に質問した。
蒼は涙を拭き、しばらく黙ったままだったが、やがて堰を切ったように話し始めた。
「愁ちゃん
すごくショックだったけど、ワタシが以前から言ってたように、愁ちゃんに好きな女性が出来たら、いつでも身を引くって決めてたのは事実なの。
これは出会ってからずっと思っていたこと。
でも、その相手が自分の母親だったってなると、納得出来ない」
「うん…」
「ワタシね、死んでもおかしくないような病気になって、体も不自由になって…
それでも、生きてたらまた愁ちゃんと一緒に暮らせるって思い、リハビリも頑張った。
体は以前と変わらないくらいまでに回復したけど、結果はこの通り…」
「ごめん…」
「ううん。謝る必要はないわ。
ワタシ、女じゃないし、ずっと引け目を感じて生きてきたのも本当の事だし、今のこの状況も受け入れなきゃ仕方ないって、頭の中ではわかっているの。
でも、それって結局はやせ我慢だし、自分を殺して無理して言ってる事なんだよね。」
「…」
「だから、こういう状況になったからには、ワタシはもう無理はしないし、自分を殺したりしないでおこうって思うの。
正直に自分の思ってる事、したい事、言いたい事を全面出して、素直に肩肘張らずに生きていきたい。
それが、今
ワタシが思ってる事。」
蒼は澱みのない言葉で、自身の気持ちを述べた。
こうして、俺と蒼、そして…友梨奈さんとの三人で生活を始める事が決まった。
多分平穏には行かないだろう…
それが証拠に、友梨奈さんが
「話は終わった?
じゃあ、続きをしよっ
愁ちゃん」
と、言ってセックスを求めてきた。
自分の子供の前だというのに…
1
あなたにおすすめの小説
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる